2018年2月8日、JSPS、タイ学術会議(NRCT)、JSPSタイ同窓会(JAAT)の共催による国際学術セミナー“EEC and Sustainable Development”を開催しました。
本セミナーは、一年に1回行われるJAAT総会に合わせて、日タイ学術交流の深化及びJAATの活動を広く周知するために開催しています。
セミナーは、NRCTのProf. Dr. Sirirurg Songsivilai事務局長、JSPS本部国際事業部の小林万里子部長及びJAATのDr. Danai Tiwawech会長の挨拶で幕を開けました。挨拶では、日タイの学術交流の歴史に触れられるとともに、今年でJSPSとNRCTがMOUを締結して40周年という節目を迎えることへの祝福が述べられました。
記念撮影後、コンケン大学カウンシルチェアマン及びSeranee Group of Companiesチェアマンであり、タイエネルギー省元大臣のDr. Narongchai Akrasaneeが、セミナーのテーマである“EEC and Sustainable Development”に基づいて基調講演を行いました。講演では、なぜ、タイがタイ東部経済回廊Eastern Economic Corridor (EEC) プロジェクトを進めているかについて、タイの産業発展の歴史やタイが東南アジアの中心であるという地理的好条件等を交えて分かりやすく説明するとともに、様々な統計データを用いて、EECを進めてタイの目指す今後の形、そして、そのことが持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)の目的達成にも貢献できるということを説明されました。講演後には、参加者からEECはタイ国内の格差拡大に繋がるのではないか等、多くの質問が上がり、活発な議論が交わされました。
その後、”EEC, Thailand-Japan: Issues, Problems, Prospects and Sustainable Development”のテーマの下、JAAT理事のAssoc. Prof. Dr. Sukanya Aimimthamをモデレーターに、同志社大学の阿部茂行教授及び在タイ日本国大使館の寺島史朗一等書記官によるパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、寺島一等書記官から説明のあった、EECの人材育成協力としての”FlexCampus”構想について、どうすればより良いものになるか議論が交わされるとともに、今後のタイの産業発展に日本がどのように貢献できるかについても議論が交わされました。
日本はタイへの直接投資が最大の国であり、多くの日系企業がEEC プロジェクトへの投資に関心を持っているため、本セミナーにはタイ国内だけでなく、日本からも多くの参加があり、80名を超える参加者は、各講演に熱心に耳を傾けていました。