2011年12月5日(月)から11日(日)までの出張期間中、センター長および副センターでJST(Japan Science and Technology Agency科学技術振興機構)シンガポール事務所および理化学研究所シンガポール事務所を訪問しました。
JSTシンガポール事務所では、交換共有資料の補充をしたほか、山下篤也所長よりシンガポール及び東南アジアにおける研究事情の説明をいただきました。たとえば、アジア各国からJSPS事業に採択され、日本での滞在期間を終えた後にシンガポールに移られた研究者は多く、そういった方々の口コミによって、シンガポール在住またはシンガポールに訪問してくる各国研究者に対し、JSPS事業への申請が促されているという実態があるようです。
また、シンガポールおいては基礎研究離れが進んでおり、産業への移転や産業界とのマッチングが進められていることは以前にもお聞きしているとおりですが、周辺の各国においてもその兆候があるということです。たとえば、ヴェトナムやインドネシアにおいても、JSTシンガポール事務所がシンガポールで行っている、産業界を招いての研究発表会(マッチングを見込む)について、開催の引き合いがあるとのこと。
これには、国家として初等中等教育はカバーできたとしても高等教育にまで手が回らない中で、教育関係省庁にかわって商産業・通商系の省庁により進められるという、経済的な背景があるようです。
なお、JSTシンガポール事務所周辺では、すでにあるBiopolis、Fusionpolisに続いて、Mediapolisの建設が計画されているということです。
次に、理化学研究所シンガポール事務所では、柿原健一郎所長と東南アジア地域における科学技術動向について意見交換するとともに、2012年2月24-25日にバングラデシュのダッカにて開催するバングラデシュ同窓会セミナーへの、同窓会側からの要請である理研所属研究者の派遣について相談しました。
これについては年明け、早ければ年内にもお答えをいただける予定です。