2017年9月4日、在タイ日本国大使館で第12回在タイ大学連絡会(JUNThai)が開催されました。今回は前日バンコクで開催されていた「JASSO日本留学フェア(タイ)」に合わせて開催されたこともあり、多くの参加がありました。
前回の第11回JUNThaiの概要はこちらからご覧いただけます。
第1部では、以下5つの講演が行われました。
・JASSOからのお知らせ
宮井朋宏(留学生事業部留学生情報課・課長補佐)
・研究から交流へ-大分大学バンコクオフィスの取り組み-
内田智久(大分大学医学部分子病理臨床・准教授)
・日本とタイの歯科医療事情について
川口陽子(東京医科歯科大学健康推進歯学分野・教授)
・さくらサイエンスプログラムの紹介と実施事例
伊藤宗太郎(JST中国総合研究センター・副センター長)
・「EECにおける人材育成協力」(FlexCampus構想について)
佐渡島志郎(タイ国特命全権大使)
【JASSOからのお知らせ】
JASSO留学生事業部留学生情報課の宮井課長補佐から、2017年9月2日、3日にそれぞれチェンマイ、バンコクで開催された「JASSO日本留学フェア(タイ)」の概要説明及び報告がありました。来場者数はチェンマイが874名、バンコクが2,724名と多くの来場があり、日本留学に対する関心の高さが伺え、次年度も8月末に同フェアの開催を予定しているとの報告がありました。
【研究から交流へ-大分大学バンコクオフィスの取り組み-】
大分大学医学部の内田准教授は、JSPS国際事業「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」(2010年-2012年)を活用し、日本・タイでピロリ菌の国際共同研究を実施されています。これまでの研究でアジアのピロリ菌の病原性は国・地域で大きく異なることが分かったとのことでした。また、ピロリ菌研究をきっかけに2015年8月に設置した大分大学バンコクオフィスでは、研究だけでなく、医療人材育成や学生交流、さらには産学連携も推進させている等、オフィスでの取り組みについても紹介がありました。
【日本とタイの歯科医療事情について】
東京医科歯科大学の川口教授からは、「日本とタイの歯科医療事情について」、同大学タイ事務所での取り組みを交えながら説明がありました。川口先生は“帰国留学生は大学の財産”とおっしゃり、タイ事務所を設置しているチュラロンコン大学歯学部のPh. D取得教員のうち約半分が同大学でph. Dを取得されていることからも、そのことを大切にして交流を深めていることが伺えました。また、チュラロンコン大学との交流のきっかけとなったのは、JSPS国際事業「拠点大学交流事業」(1996年-2005年)であったと、我々JSPSにとって嬉しい紹介もありました。
【さくらサイエンスプログラムの紹介と実施事例】
JST中国総合研究センターの伊藤副所長からJST「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンス)」の概要について説明後、実際にこのプログラムを活用して日本に滞在した、泰日工業大学学生のMs. Papada Jeemali(金沢工業大学のプログラム)及びタマサート大学歯学部教員のMs. Sirima Kulvanich(新潟大学のプログラム)の2名から、日本での交流の様子について、写真を交えて紹介がありました。
【EECにおける人材育成協力(FlexCampus構想について)】
在タイ日本国大使館の佐渡島特命全権大使から、タイ東部経済回路(EEC)の人材育成協力として、日タイFlexCampus構想について説明がありました。日本の大学・研究機関等、オールジャパンで取り組みたいとのお考えから、参加校に向けて協力依頼がありました。
第2部の連絡会では、初めに議長及び書記の選出が行われ、現幹事校の中から議長に電気通信大学の高橋客員教授、書記に東京農工大学の河井特任教授がそれぞれ選出されました。
JUNThai新メンバー校として、2017年に当センターと同じサーミットタワーに事務所を設置した東京国際大学、2017年6月にプリンスオブソンクラー大学プーケットキャンパスに事務所を開設した横浜国立大学及び2017年5月にカセサート大学カンペンセンキャンパスにタイリエゾンオフィスを開設した北海道大学が紹介されました。また、オブザーバー参加の東京経済大学、法政大学、東京大学、東京理科大学、島根大学、広島大学、JICAについても併せて紹介がありました。
次に時期幹事校について、東京農工大学に代わり福井大学、青山学院大学に代わり創価大学が幹事を務める旨の提案があり、承認されました。
最後に、奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)からカセサート大学にオフィスを設置したことを記念して9月5日に実施するシンポジウム「NAIST and Thai Universities for Research and Education Collaboration Symposium 2017」の紹介がありました。
次回のJUNThaiは、2017年12月18日(月)に開催予定です。