2017年3月9日、インドネシア・ジャカルタでJSPSインドネシア同窓会(JAAI)の設立記念シンポジウムが開催され、当センターも出席しました。
開会式前にはインドネシアの伝統舞踊が披露され、華やかな雰囲気の中シンポジウムがスタートしました。
開会式では、Prof. Dr. Subyakto会長が開会の挨拶を行い、設立までの活動状況を昨年11月17日の決議集会開催、JSPS17番目の同窓会としての承認、2017年の設立総会開催、と17の数字をかけユーモアを交えながら説明すると共に、日本とインドネシアの更なる連携への期待を述べられました。
続いてJSPS東京本部の岩佐敬昭理事が挨拶を行い、JSPSの概要やJSPSとインドネシアとの関係等を述べるとともに、JAAI設立に対し祝辞を述べられました。
また、JSPSのインドネシアにおけるカウンターパートであるインドネシア科学院(LIPI)院長のProf. Dr. Iskandar Zulkarnainの挨拶では、インドネシアの研究予算や日本とインドネシアの学術連携の成功事例の紹介を行うとともに、JAAIの活動を通じたインドネシアと日本の更なる連携に期待する旨を述べられました。
そして、最後に同じくJSPSのカウンターパートであるインドネシア研究・技術・高等教育省(RISTEKDIKTI)(英語略称DG-RSTHE)のDr. Muhammad Dimyati 総局長(研究開発強化担当)代理から の挨拶もありました。
フォトセッションを挟み、記念講演として大学共同利用機関法人自然科学研究機構 基礎生物学研究所生物進化研究部門の長谷部光泰教授が講演を行われました。長谷部教授はインドネシアとの関係も深く、30年程前にJSPSの事業を通じてインドネシアに2ヶ月間滞在し研究活動をされた経験があり、現地の生活様式や文化の違いに大きな刺激を受けられたそうです。長谷部教授のご専門は植物発生進化学で、動物にない植物の再生のメカニズムや植物進化のダイナミズム、長谷部教授の研究チームの研究にかける努力やその結果による多くの発見など大変興味深い講演に参加者らは傾聴していました。
また、講演では基礎研究について
「利用可能性」
「自分以外の多くの人の好奇心を満たすこと」
「人々が幼少期に抱いていた好奇心を呼び起こすこと」
「国際的コミュニケーションを深め、相互理解を促進すること」
以上4つの観点から重要性を強調されました。
講演後の質疑応答では、参加者からどのように研究へのモチベーションを維持しているのかとの問いに対し、好奇心や興味が非常に大切で、フィールドワークなどを通して実際に自分の目で観察することを心掛けていると述べられました。
午後のセッションでは、JAAI理事のDr. Wahyu Dwiantoが司会を務め、以下6名のJSPS事業経験者が自身の研究内容や事業成果について発表を行いました。
Prof. Dr. Eddy Hermawan (インドネシア国立航空宇宙研究所:LAPAN)
Dr. Jarnuzi Gunlazuadi (インドネシア大学:UI)
Dr. Adrin Tohari (インドネシア科学院:LIPI)
Prof. Dr. Irfan D. Prijambada(ガジャマダ大学:UGM)
Dr. Yopi(インドネシア科学院:LIPI)
Prof. Christofora Hanny Wijaya(ボゴール農業大学:IPB)
その後、引き続き全体討論に移り、JAAIの今後の活動等について協議が行われ、最後はProf. Dr. Subyakto会長の挨拶でシンポジウムが幕を閉じました。
今回のシンポジウムにはJAAI会員やJSPS事業経験者を中心に110名以上の参加者が出席し、休憩時にも活発に交流が図られていました。メディアからの取材依頼もあるなどインドネシア国内でも注目度が高く、今後のJAAIの更なる活動が期待されるすばらしいシンポジウムとなりました。