国内大学表敬訪問11 ナレスワン大学

2012年8月10日(金)、当センターのメンバー全員でタイ北部ピサヌルーク(Phitsanulok)にナレスワン大学(NU: Naresuan University)を訪ね、Prof. Dr. Sujin Jinahyon学長を表敬訪問しました。

これは6月26日の第8回のほか、過去の同窓会理事会で何度か推薦をいただいていたもので、山下センター長の地方大学訪問第一弾として、NU所属の同窓会員であるDr. Ratchanee Mukhjangに訪問手配のお願いをしたところ快く引き受けてくださり、実現にいたったものです。
NU側の参加者は以下の通り。

Professor Dr. Sujin Jinahyon, President
Assoc. Prof. Dr. Sukhgij Ysothonsreekul, Vice President for Research and External Relations
Assoc. Prof. Dr. Mary Elizabeth Sarawit, Distinguished Specialist for International Affairs
Assist Prof. Dr. Ratchanee Mukhjang, Faculty of Management and Information Science
Assoc. Prof. Taiitsu Obata, Department of Japanese Language, Faculty of Humanities
Ms. Suwapan Krutmuang, Deputy Head of the Department of Eastern Languages, Faculty of Humanities

左から当センタースタッフ、大峡泰一助教授、Ms. Suwapan、Assist Prof. Dr. Ratchanee、Assoc. Prof. Dr. Mary、センター長、Prof. Dr. Sujin学長、Assoc. Prof. Dr. Sukhgij副学長、副センター長

左から当センタースタッフ、大峡泰一助教授、Ms. Suwapan、Assist Prof. Dr. Ratchanee、Assoc. Prof. Dr. Mary、センター長、Prof. Dr. Sujin学長、Assoc. Prof. Dr. Sukhgij副学長、副センター長

ナレスワン大学は元々1967年に教員養成大学として設立され、その後シーナカリン・ウィロート大学(Srinakharinwirot University)のピサヌルーク・キャンパスとして再編、1990年に単独のナレスアン大学として承認されました。そういった経緯もあり、伝統的に教育をはじめとした社会科学に強く、近年では外国語教育にも力を入れていて、日本語学科では200人の学生に対して20人の教員を擁しています。このほか、カフェ感覚のLanguage Centerを開設し、英語のネイティブ・スピーカーを配置して日常的に英語に触れる機会を設けるなどの取組みを行っています。

Language Center併設のカフェ

Language Center併設のカフェ

現在、学生数は約27,000人。うち21,000人が学部生、また100人が留学生です。留学生のトップはThe Royal Civil Service Commission(ブータンの人事院にあたる、政府公務員の人事機関)とMOUを締結しているブータンからとのこと。

学長のProf. Dr. Sujin Jinahyonは、植物学者としてアメリカで学士から博士までの修められた後、バンコクのカセサート大学(Kasetsart University)と南部のプリンスオブソンクラ大学(Prince of Songkla University)でキャリアを積まれ、1993年から2001年までナレスワン大学の学長を、その後、別の大学で要職に就かれた後、2009年より2期目の学長職に就かれているという、これまでの訪問大学では例のなかった経歴をお持ちです。

東京農業大学の故・杉二郎教授との共同研究歴が長く、日本との協働・連携についても非常に前向きで、当センターより事業紹介および若手研究者向けの事業紹介セミナーの開催を打診したところ、極めて明確に賛同の意思表示をいただき、今後、Assoc. Prof. Dr. Sukhgij Ysothonsereekul研究・渉外担当副学長をおもな窓口として日程調整を行っていくこととなりました。

なお、学長との会談後は、大学図書館、農学部、上述の言語センターへの視察の後、ナレスアン大学主催で夕食会を催していただきました。ありがとうございます。

今回の表敬訪問で非常に印象的だったのは、何よりもまずProf. Dr. Sujin学長の人柄です。これまでお会いしてきた学長や副学長先生の中でも群を抜いてご高齢であること、そして、登場されるや周囲の空気がピリッと引き締まるような雰囲気は「偉い先生なのに朗らか」という、この国では馴染み深い学長像とは明らかに異なるものでした。農地や稲作に関する研究方針を明確に示されるほか、研究プロジェクトにおける計画性や組織構成の重要性を副学長の先生方にまで一つ一つ説かれる姿は、大学における偉大な父親のようでした。このことをもって単純にトップダウン型の大学運営ということはできませんが、その他の大学に比べて極めて特徴的であることは間違いありません。

センター長、学長

センター長、学長

次に、上述した言語センターの存在と同様、大学図書館が非常に機能的であることも印象に残りました。24時間営業で、学生だけでなく地域の住民にも開放され、PCセンターのほかチーム学習用の小部屋も多数用意されています。総じて、こういった学生向けの施設が目に見えてエンドユーザー・フレンドリーに設計・運営されています。

若手研究者向けガイダンスセミナーは年末の開催が想定されています。当センターとしては、日程調整と人選に努めたいと思います。