第5回JSPSネパール同窓会(NJAA)シンポジウム及び同窓会役員会の開催

2019年10月14日、ネパールのカトマンズで第5回JSPSネパール同窓会(NJAA)シンポジウムおよび同窓会役員会が開催されました。

午前中に開催された役員会では、今年8月14日に開催されたJSPS事業説明会に関する報告がありました。出席者からの評判もよいため、今後も積極的な応募が期待されるということでした。

引き続き午後からは第5回JSPSネパール同窓会シンポジウムが開催されました。
今年のテーマは“Emerging Issues, Challenges and Opportunities in Urban Planning in Nepal”。約100名の研究者や政府関係者、学生の参加をいただきました。

第1部はInaugural sessionです。

日本側からはまず、朝熊由美子JICAネパール事務所長が挨拶されました。30年前にネパールを訪れたときよりも、この国は格段に発展を遂げていると感じており、都市問題および交通問題も、そのぶん顕在化しているそうです。そのため、今回のシンポジウムの成果に期待していると仰っていました。

朝熊 JICAネパール事務所長

また、西郷正道駐ネパール日本国特命全権大使がご挨拶されました。まず、10月に日本を襲った台風について、ネパール国民からも応援のメッセージを頂いていることに対して感謝の言葉がありました。
そしてJSPSネパール同窓会へ話は移り、同窓会のメンバーは、ネパールや日本で活躍しており、これからも2国間の交流関係を活発化させて欲しいとメッセージを送られました。

西郷 駐ネパール日本国特命全権大使

ネパール側からは、Dr. Sunil Babu Shrestha(Vice Chancellor of Nepal Academy of Science and Technology (NAST)がご挨拶されました。ネパールが直面している試練を打破するためには、人の繋がりの力が必要不可欠であり、今回のシンポジウムが、ネパールを変えてくれることを期待しているとメッセージを送っていらっしゃいました。

第2部は、Scientific sessionです。
日本側からは、東京大学の加藤浩徳教授が“Japan on Issues, Challenges and Opportunities in Urban Planning in developing countries”と題して基調講演を行いました。
世界中の都市において、人口の過密化による多くの問題が浮上しています。渋滞の発生などはその典型です。加藤先生は、世界中で起こっている問題をご説明された上で、ネパールで実現できる方策として、ご自身の研究から、以下の3つのアドバイスを提供されました。
・心理学 / 教育的側面から考える。
・交通需要マネジメント / 大量輸送の方法を再考する。
・土地利用と、輸送のあり方を合わせて考える。

次に、Mr. Padma S. Joshiと、Mr. Er. Surendra Mohan Shresthaが講演されました。

各講演者の発表の後は、積極的な質疑応答がなされており、シンポジウムは熱気に包まれていました。今回のシンポジウムへのテーマへの、ネパール国民からの関心の高さをうかがい知ることが出来ました。

東京大学 加藤教授

最後に山下センター長より、JSPSの組織概要、海外研究連絡センターの役割や同窓会、JSPSの各種国際交流事業について説明がありました。
各プログラムの採択率は決して高いものではありませんが、研究者ご自身のために、ぜひ何回でも、JSPSの事業に申請してもらいたいと強調されていました。

山下 センター長

JSPSでは、今後も各国の同窓会や大学、研究機関と連携し、こうした国際学術交流の機会を支援してまいります。