2018年10月5日、ネパールのカトマンズでJSPSネパール同窓会(NJAA)シンポジウムおよび同窓会総会が開催されました。
午前中に開催された総会では、6月に任期を迎えた理事会メンバーについて改選を行い、二人の理事が新たに就任することが承認されました。
また、会長についてはDr. Rijan Bhakta Kayastha現会長が再任され、引き続きNJAAの会長として頑張っていただくことになりました。
引き続き午後からは第4回JSPSネパール同窓会シンポジウムが開催されました。
今年のテーマは“Sustainable Waste Management in Nepal: Challenge and Opportunities”。約100名の研究者や政府関係者、学生の参加をいただきました。
冒頭では、西郷正道駐ネパール日本国特命全権大使、Dr. Buddhi Ratna Khadge(Secretary,Nepal Academy of Science and Technology)、Mr. Giriraj Mani Pokhrel( Honorable Minister,Ministry of Education, Science and Technology)よりご挨拶がありました。
特に西郷大使からは、環境問題はここネパールでも大きな問題となっており、今回のシンポジウムが参加している地方行政関係者の知見を広める場となり、さらには研究者の交流を深める良い機会となることを期待していますとのお言葉をいただきました。
その後、行われた講演会では日本側から二名の講師が講演されました。
初めに中央大学経済学部の佐々木創教授が“Linkage of waste trade to Circular Economy”というテーマで講演されました。佐々木教授からは、廃棄物処理に関する世界的な潮流に関するご説明や、中国のプラスチックごみの輸入禁止がタイの廃棄物処理に与えている影響などについてご紹介頂きました。
次に京都大学地球環境学堂の浅利美鈴准教授が“Solid waste management and 3R activities toward the sustainable lifestyle”というテーマで講演されました。浅利准教授からは固形廃棄物処理の問題についてお話頂き、アジアや大洋州の固形廃棄物の問題に触れた後、日本の廃棄物処理の現状などについてご紹介をいただきました。
またネパール側からはMr. Rabindra Rai(Director,Env.Division,KMC)、Mr. Pratip Amatya(Env.Engineer,LMC)、Dr. Dhundi Raj Pathak (Solid Waste Manegement Specialist,GIZ)がご講演をされました。
各講演者の発表のあとは参加者との質疑応答があり、予定終了時間を大幅に超えるほど白熱した質疑応答がなされていました。ここネパールでの環境意識への深い関心を感じることができました。
最後に山下センター長より、JSPSの組織概要、海外研究連絡センターの役割や同窓会、JSPSの各種国際交流事業について説明がありました。特にプログラムの申請に当たっては日本での受け入れの研究者を探すことが大切であるという説明を強調し、出席者は皆メモをとりながら一様に大きく頷いていました。
JSPSでは、今後も各国の同窓会や大学、研究機関と連携し、こうした学術の国際交流の場を積極的に持ちたいと考えています。