国立天文台副台長小林秀行教授の来訪

2016年12月1日、自然科学研究機構国立天文台副台長の小林秀行教授が当センターを来訪されました。

小林副台長からは、2010年の物理学カンファレンスでの講演をきっかけに始まったタイでの40メートル電波望遠鏡建設協力についてご説明頂きました。
複数の電波望遠鏡で同時に観測することで高精度の測定を実現するVLBI(超長基線電波干渉法)のため、日本は4つの国立天文台所有望遠鏡及び大学等所有の同種望遠鏡からなるJapan VLBI networkを有しています。現在は日本国内にとどまらず、韓国及び中国とも連携していますが、東南アジアに位置するタイとの連携が実現できれば、さらに高解像度の観測が可能となるとのことです。
一方、タイでは現在科学教育に力を入れており、タイ国立天文学研究所(NARIT)がプラネタリウムでの教育等を展開していますが、それに加え新たに40メートル電波望遠鏡建設の予算が認められることとなりました。しかしながらタイでは光望遠鏡は有しているものの電波望遠鏡建設経験がなく、電波天文学者も非常に少ないということで国立天文台にVLBI研究協力依頼があったとのことです。今回はタイの大学・研究機関等の組織や共同研究の状況について把握したいということで当センターにお越し頂きました。

山下センター長からはタイの大学や研究機関等について、JSPSの国際事業と共に紹介を行いました。小林副台長からは複数機関との共同研究に適したプログラムを知りたい、長期的な研究者育成を行いたい、といったお話しもあり、特に二国間交流事業や研究拠点形成事業について説明しました。

山下センター長、小林副台長、大田国際協力員

山下センター長、小林副台長、大田国際協力員

当センターでは今後も日本の大学等及び研究者のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。