Thailand Research Expo 2015にてJSPSタイ同窓会(JAAT)セミナーを共催

2015年8月16日、バンコク国際会議場にてJSPSタイ同窓会(JSPS Alumni Association of Thailand:JAAT)による学術セミナー”Nanomaterials and Cancer”が開催されました。本セミナーは、本会の対応機関であるタイ学術会議(National Research Council of Thailand: NRCT)主催イベントThailand Research Expo 2015の一環として、JSPSタイ同窓会が主催し、JSPSバンコク研究連絡センターとNRCTが共催したものです。

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冒頭のWelcome Remarksでは、NRCTのMr. Kristhawat Nopnakeepongse事務次長、本会の安藤博国際企画課長、Dr. Sunee Mallikamarl JSPSタイ同窓会長が挨拶を行いました。

司会のJirapornJSPSタイ同窓会理事

司会のJirapornJSPSタイ同窓会理事

KristhawatNRCT事務局長

KristhawatNRCT事務局長

安藤JSPS国際企画課長

安藤JSPS国際企画課長

SuneeJSPSタイ同窓会長

SuneeJSPSタイ同窓会長

セミナーではDr. Danai Tiwawech JSPSタイ同窓会事務局長とDr. Wichet Leelamanit副事務局長がチェアパーソンを務め、日タイ三名の研究者による講演が行われました。

日本からは、名古屋市立大学の津田洋幸教授に“Mechanism based short-term assay model for carcinogenic effect of nanomaterials”をテーマとして、カーボンナノマテリアルの発がん性試験のメカニズムについてご講演いただきました。カーボンナノマテリアルの市場への導入は急激に増えつつあるものの、その安全性を確認するための長期全身曝露試験には大規模な施設と莫大な費用がかかるため、短期発がん試験方法の開発が必要であり、現在行われている試験方法改善のための取り組みとそのメカニズムについてお話しいただきました。

津田教授

津田教授

続いてチュラロンコン大学獣医学部のDr. Kasem Rattanapinyopitukに“Nanotoxicology versus Cancer”をテーマとして講演頂きました。Dr. Kasemは、日本政府奨学生として山口大学大学院連合獣医学研究科で博士号を取得されています。ナノ粒子を応用したがん治療は、がんの発見やイメージング、またEPR効果(がん腫瘍の血管は不完全で、細胞の間に隙間があることからナノ粒子をガン組織に集積できることが可能)により直接がん細胞に対して治療を行うことが出来ることから、ガンの治療に対して有効である一方で、ナノ粒子は正常な細胞のDNAを損傷し、発がん現象の要因となる可能性あることから、ナノ粒子の生体に対する影響についてお話し頂きました。

Dr. Kasem

Dr. Kasem

コンケン大学医学部のDr. Somchai Pinlaor准教授は、“Nanoencapsulated curcumin on periductal fibrosis, a predisposing lesion of Opisthorchiasis-associated cholangiocarcinoma”をテーマとして講演されました。Somchai准教授は、肝臓内の胆管に寄生するタイ肝吸虫によるオピストルキス症とその感染により引き起こされた胆管がんに対して、ナノカプセル状のクルクミン(ウコン)の投与の有効性について動物実験の結果などを通じてお話し頂きました。

Somchai准教授

Somchai准教授

今回のセミナーは、やや専門的な内容となりましたが、同窓会理事のDr. DanaiやDr. Sirikan Yamadaは医学を専門分野としていることもあり、質問と意見交換が活発に行われました。

質疑応答の様子

質疑応答の様子

近年、タイではがん等の健康問題に対する意識が高まっており、今回のセミナーにも100名を超える参加者がありました。

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