バングラデシュ農業大学でJSPS Guidance Seminarを実施

2014年9月5日、首都ダッカから140kmほど北のマイメンシンにあるバングラデシュ農業大学(BAU)でJSPS Guidance Seminarを実施しました。


BAUは設立から54年を迎える歴史ある農業大学で、獣医学部、農学部、畜産学部、農業経済及び農村社会学部、農工学部、水産学部の7つの学部が設置されており、6,000名近くの学生と500名以上の教員が教育研究を行っています。広大な敷地の中には実験用の水田、果樹園や植物園、学生や教職員用の寮やゲストハウスもあります。

緑豊かなキャンパス

緑豊かなキャンパス

実験用の水田

実験用の水田

果樹園(バナナ)

果樹園(バナナ)

植物園

植物園

同大学には、JSPSの外国人特別研究員制度や外国人研究者招聘事業で日本の大学で研究した経験を持つ研究者が数多くおり、バングラデシュJSPS同窓会(BJSPSAA)Prof. Dr. M. Afzal Hossain会長は、同大学の元学長を務めておられます。会長を初め多数のBJSPSAA理事に事業説明会の運営にご協力いただきました。

Dr. Nur Ahmed Khondaker同窓会事務局長がセミナーの進行を務め、Dr. A K M Nowsad Alam同窓会副会長が開会の挨拶を行いました。Dr. A K M Nowsad副会長は、当セミナーの翌日に安倍首相がバングラデシュを訪問し、産業分野での日本とバングラデシュの連携が今後さらに深まることへの期待と、一方でバングラデシュの社会や経済を向上させるために科学技術分野の強化とそれを担う人材育成も喫緊の課題であり、JSPS事業は同国における科学技術の推進を後押ししていると述べました。

司会進行を務めるDr. Khondaker事務局長

司会進行を務めるDr. Khondaker事務局長

Dr. A K M Nowsad Alam同窓会副会長による開会の挨拶

Dr. A K M Nowsad Alam同窓会副会長による開会の挨拶

続いてBAU Prof. Md. Dr. Lutful Hassan研究部門長が”Academic, Research & Technological Achievements and Future Vision of Bangladesh Agricultural University”と題し同大学の紹介を行いました。同大学は全ての農業分野に関する高等教育を提供し、農業に関する課題を解決するための基礎研究から応用研究に至る領域で、農業指導に当たる人材育成、国内外の機関と共同研究を実施するための研究施設の提供を使命としています。

Prof. Md. Dr. Lutful Hassan研究部門長

Prof. Md. Dr. Lutful Hassan研究部門長

その後、山下センター長がJSPSの概要と国際事業の説明を行いました。日本の科学技術政策の仕組みや来日研究者の国別割合に大きな関心が寄せられました。外国人特別研究員事業や外国人研究者招聘事業については、バングラデシュは例年、中国、インドについて第3位の申請数であり、外国人特別研究員事業の採択者数は全体のおよそ5%を占めていることから、同国において最も関心の高い事業です。そのため、同事業に関する質問が活発に寄せられました。ホスト研究者の依頼をするために日本人研究者にメールを出したが返事が返ってこないという相談も寄せられ、山下センター長より、日本人研究者にメールを送る際には「Dear Sir or Madame」ではなく、教員の氏名をきちんと書くようにと助言しました。この回答に会場全体が大きくどよめき、日本人研究者へのコンタクトの取り方について理解が示されました。

事業説明を行う山下センター長

事業説明を行う山下センター長

外国人研究者招聘事業や外国人特別研究員事業で日本で研究したDr. Shahanara Begum及びDr. Anisuzzamanが体験を話し、素晴らしい研究環境の中でよい経験ができたと述べました。続けて、BAU Prof. Dr. Mesbauddin Ahmed学部長会議長及びProf. Dr. Md. Ruhul Aminの挨拶が行われました。

来賓としてご参加いただいたProf. Dr. Md. Rafiqul Hoque BAU学長もご挨拶され、日本はバングラデシュの独立以来最も重要なパートナーであり続けており、その継続的な協力関係に大変感謝していると述べました。同大学でJSPS事業説明会を開催したことも歓迎し、同大学にはJSPS Fellowが数多くおり、今後のバングラデシュ同窓会活動にも期待を示されました。

Prof. Dr. Md. Rafiqul Hoque  BAU学長

Prof. Dr. Md. Rafiqul Hoque BAU学長

最後にProf. Dr. Hossain同窓会長が、BAUでJSPS事業説明会を開催できたことへの喜びと、今後もバングラデシュ同窓会の活動を活発化させていくこと、さらに次回の同窓会シンポジウムの実施に向けた抱負を語りました。

Prof. Dr. Hossain同窓会長

Prof. Dr. Hossain同窓会長

BAUではJSPS事業説明会を初めて実施し、120名の研究者が参加し、中には文部科学省奨学金等で日本の大学で博士号を取得した研究者や欧米の大学で博士号を取得した研究者も数多くいました。閉会後もセンター長、副センター長、国際協力員の周りに質問に来る研究者が後を絶たず、BAUの研究者が日本での研究に非常に高い関心を持っていることが感じられました。

左からDr. A K M Nowsad Alam同窓会副会長、Dr. Md. Sirajul Islam同窓会事務局次長、Prof. Dr. Rakibul Islam Khan同窓会副会長、山下センター長、Prof. Dr. M. Afzal Hossain同窓会長、Prof. Dr. Md. Rafiqul Hoque  BAU学長

左からDr. A K M Nowsad Alam同窓会副会長、Dr. Md. Sirajul Islam同窓会事務局次長、Prof. Dr. Rakibul Islam Khan同窓会副会長、山下センター長、Prof. Dr. M. Afzal Hossain同窓会長、Prof. Dr. Md. Rafiqul Hoque BAU学長