2017年1月10日、タマサート大学ビジネススクールのDuangjai Lorthanavanich副学部長(学務担当)が当センターを来訪されました。Duangjai先生は2015年7月にも当センターを訪問されており(そのときの様子はこちら)、今回はその後の進捗報告のための来訪でした。
Duangjai先生は、観光マネジメントをご専門にされており、2014年にはJSPS外国人招へい研究者(長期)として京都大学で研究をされたことがあります。その後は、日本の高野山や熊野古道で宗教と観光に関する調査を行われた他、和食がUNESCOの無形文化遺産に登録された経緯等についても調査を行われました。
日本での調査を参考にタイ料理を世界に発信する活動にも取り組まれており、今月27日にタイで開催される無形文化財に関する学会では、これまでの調査結果についてご講演されるとのことでした。
当センターからは、Duangjai先生が今後も日本での研究を希望されていらっしゃることから、JSPS国際事業、特に二国間交流事業や研究拠点形成事業等の紹介を行いました。また、2月の開催を予定しているタマサート大学でのJSPS事業説明会について、山下センター長からDuangjai先生にご協力をお願いし、快くお引き受け頂きました。
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JSPSバンコクセンターでは、以下のとおりJSPSのアジア地域での活動及びJSPSで実施している国際事業の紹介を行います。説明会ではJSPS事業経験者等による講演も予定しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
※ 事前の参加申込みは不要です。
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日 時:2017年1月18日(水) 13:30-14:45(受付は13:00から開始)
会 場:タクシン大学(ソンクラーキャンパス)学長室棟(Building 7)744室
講話者:Assoc. Prof. Kasem Asawatreratanakul(タクシン大学 理学部化学科)
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日 時:2017年1月19日(木) 13:30-15:00(受付は13:00から開始)
会 場:プリンスオブソンクラー大学 学習資料センター 研究開発オフィス 12階 Lertput会議室
講話者:Dr.Vannarat Saechan(プリンスオブソンクラー大学 獣医学部)
:Assoc. Prof. Dr. Perapong Tekasakul副学長(研究制度・大学院研究担当)
2016年12月20日、在バングラデシュ日本国大使館の大塚智子一等書記官が当センターを来訪されました。
当センターは11月にシェレバングラ農科大学でJSPS事業説明会を実施した際に同大使館を訪問しています(そのときの様子はこちら)。
今回は同事業説明会の報告、来年2月に開催予定のバングラデシュJSPS同窓会(BJSPSAA)主催による国際学術シンポジウムの進捗報告を行った他、山下センター長からブリッジフェローシッププログラムの選考等、今後の連携・協力について依頼しました。
一方、大塚書記官からはダッカ大学の日本研究学部設立に向けた動きや文化面での他国との交流状況についてお話をお伺いすることができました。
来年は日本-バングラデシュ修好45周年にあたり、日本は国交樹立後同国に対し様々な形で継続支援を行っています。大塚書記官はこれらの歴史について再認識してもらえるよう日々取り組まれていらっしゃるとのことでした。しかし、7月のテロ事件以降、日常生活や他国との交流活動に制限があり、厳しい環境の中、対外関係の継続・向上にご尽力されている様子がお話から伝わってきました。
その他、大塚書記官は以前在アフガニスタン日本国大使館でも勤務されており、当時の貴重なお話についてもお伺いすることができました。
当センターでは今後もバングラデシュとの学術交流を引き続き支援していきたいと考えています。
2016年12月20日、一般財団法人日本経済研究所の安永英資国際局長がアジア科学教育経済発展機構の河井栄一先生(東京農工大学 客員教授)とともに当センターを来訪されました。
日本経済研究所では、経済分野をはじめとする様々な国内・国際調査研究を実施されています。安永局長はASEANの経済・金融がご専門ですが、今回はアジアのグローバル人材についてレポートをまとめるにあたり、日本に留学しているタイの学生数や留学後の進路について調査されるため訪泰されました。
タイから日本への昨年度留学生数は3,526人で、世界でも7番目の多さとなっています(平成27年度外国人留学生在籍状況調査結果:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)調べ)。しかし、その一方で留学生の帰国後のフォローアップは弱く、国際化を推進する日本の大学が抱える問題の一つとなっています。
山下センター長からはJSPSの概要説明に加え、タイをはじめとするASEAN各国並びに日本の高等教育情勢について情報提供を行いました。加えて安永局長からバンコクに拠点を置く大学や機関等についても質問をいただき、当センターからは国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)などの国際機関を始め、在タイ大学連絡会(JUNThai)やASEAN大学ネットワーク(AUN)などの大学間レベルでのネットワークについても紹介を行いました。
なお、今回の調査結果は、2017年に同研究所よりレポートとして公表される予定とのことです。
当センターでは今後も日本の研究者のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年12月19日、在タイ日本国大使館で第9回在タイ大学連絡会(JUNThai)が開催されました。
前回の第8回JUNThaiの概要はこちらからご覧いただけます。
第1部では、以下3つの講演が行われました。
・「タイ国における大学入試制度について-キングモンクット工科大学トンブリ校(KMUTT)を事例にして-」
KMUTT学長補佐(国際担当) 兼 機械工学・生物工学科助教 Dr. Anak Khantachawana
・”Perspective on Higher Education in ASEAN –General Overview, Strategies and Student”
東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)副機構長(企画開発担当) Dr. Ethel Agnes Pascua-Valenzuela
京都大学 国際戦略室 Dr. Fernando Palacio
Dr. Anakは筑波大学でPhDを取得し、日本で研究をした経験をお持ちです。今回のご講演ではKMUTTを事例にしたタイの大学入試制度について流暢な日本語でお話し頂きました。タイでは160を超える大学があり(内独立法人化した大学はKMUTTを含め15校、国立大学は65校)、入学試験は国が3月頃に実施するCenter Admissionと、大学が独自に実施し、自由に実施時期を決めることが出来るDirect Admissionの2種類で実施されているそうです。試験の得点を算出するにあたっては、GAT(General Aptitude TEST)及びPAT(Professional and Academic Aptitude TEST)の成績、小学6年生・中学3年生・高校3年生レベルで実施されるO-NET(Ordinary National Education TEST)の成績に加え、GPA(Grade Point Average)も加味する必要があります。現入試制度では、受験料負担が大きい、受験を何度も受ける必要があり学生が授業に出席できない、大学の入試事務負担が大きい、といった大学側・受験生側双方の問題が発生しているそうです。そのため、2018年から新たな入試制度が出来るということで、現時点でわかっている概要を説明頂きました。また、KMUTTの入学状況や、高齢化社会を迎えるタイの社会問題等についてもあわせてお話し頂きました。
Dr. Ethelは、東南アジアの教育・科学・文化における連携を強化するために設立されたSEAMEOの活動についてご講演頂きました。現在11か国が加盟しているSEAMEOには、優先分野として7つの事項(幼児教育やTVET(Technical Vocational Education and Training)の推進、指導者教育の活性化、高等教育や研究における国際的協調(Harmonization)、21世紀型カリキュラムの採択等)が掲げられています。
中でも高等教育の国際化は経済・社会的発展の重要な要素であることから、ASEAN各国が示す様々な目標・政策や大学の国際化のためのプログラム、国際化のトレンド等について紹介されました。また、Academic Mobility としては、Student Mobility:学生を対象とした文化交流・Academics Mobility:研究者の共同研究等交流・Executives Mobility:大学執行部の開発プログラム、といった3つの類型に分けることが出来ますが、特にStudent Mobilityを行う上での財政、質、情報、適性、システムといった種々の問題への対応についても言及されました。SEAMEO には同地域の高等教育開発を専門とした組織であるSEAMEO RIHED(Regional Institute of Higher Education and Development)が設立されており、Academic Mobility 推進のため、ASEAN及び日中韓10ヶ国を対象としたCredit Transfer Systemプロジェクトを実施すると共に、加盟国を対象にAIMS(ASEAN International Mobility of Students)という学生交流プログラムを実施しています。その他国際的協調のため実施しているプロジェクトや、国際化政策は明快・方針・柔軟性が重要なキーになるといったお話しをされました。
Dr. Fernandoは、現在は京都大学に所属されていますが、TAG-AIMS(アセアン横断型グローバル課題挑戦的教育)プログラムを実施している筑波大学で同プログラムの運営に長く関与しており、今回はその時の経験について講演頂きました。日本では、「大学の世界展開力強化事業」の一環として2013年からSEAMEOが実施しているAIMSプログラムに参加しており、筑波大学は2014年に同事業に採択された11大学7事業のうちの一つとしてTAG-AIMSプログラムを開始しています。同プログラムは中間評価で7事業の中で唯一最高評価「S」を取得しており、その理由として、一般的に日本からASEANへ行く留学生数の確保が難しいと言われる中で日本からの留学生も多数参加していること、運営にあたってはチーム一丸となって行い、定期的にインバウンド・アウトバウンド双方の留学生が会う機会を作る等、双方の文化への理解度を高める努力がなされていること、等を挙げられました。また、学生が留学を決める際には指導教員からの助言を重視することが多く、指導教員の国際化に対する理解が重要であるといったお話しや、単位互換制度、留学先情報取得の重要性等のデータ分析に基づくお話しに加え、これまでの学生獲得の苦労話などユーモアを交えながらお話し頂きました。
第2部の連絡会では、まず議長として東京農工大学の河合栄一特任教授、書記として同大学の安宅理恵先生が選出されました。
続いてJUNThaiへの新規参加校として、山口大学の紹介が行われました。同大学の富本幾文副学長補佐(国際連携)より挨拶があり、同大学は11月にカセサート大学の理学部内に現地事務所を開所した旨併せて報告がありました。
また、在タイ日本国大使館の寺島史朗一等書記官より「28年度地方留学説明会(タイ)について」説明があり、今年度はピサヌローク、コンケン(以上2地域は既に実施済)、ソンクラーの3地域での開催を予定している旨報告がありました。なお、当センターもコンケン及びソンクラーの説明会には参加する予定です。加えて同書記官より、「日タイ産業人材育成協力イニシアティブについて」、2016年3月及び6月に開催された「産業人材育成円卓会議」等での議論を踏まえた今後の支援方針等について報告がありました。
また、(独)日本学生支援機構(JASSO)タイ事務所より2017年2月25日(土)に開催される「日本留学試験(EJU)と奨学金及び大学学部への進学準備」に関する説明会について案内があった他、上智大学より名古屋大学、東洋大学との3大学共催で2017年1月27日(金)に開催される国際シンポジウム「Innovations in Student Mobility」について案内がありました。なお、同シンポジウムでは、当センターの山下センター長が挨拶を行う予定となっております。
最後に京都大学ASEAN拠点の柴山守教授より現在の幹事校である京都大学及び芝浦工業大学の任期(2017年3月31日)満了に伴う次期幹事校の選定について説明がありました。
次回のJUNThaiは2017年3月20日(月)に開催予定です。
2016年12月16日、広島大学国際交流グループの平野裕次主査が当センターを来訪されました。平野主査は同大学の海外拠点及び海外校友会(同窓会)を担当されており、今回は2013年6月以来の来訪となりました。
広島大学は、(独)国際協力機構(JICA)による人材育成支援無償事業(JDS事業)等を通じて、カンボジア学生の受入れを行っていらっしゃいます。
同大学は今年度のJSPS「大学の世界展開力強化事業(タイプB)」にも採択された他、今年3月にはカンボジア校友会も設立されており、今後さらにCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)諸国との交流を進められる予定です。
訪泰前にはカンボジアを訪問し、学生交流や現地事務所等を含む今後の活動について、カンボジア教育省との打合せを実施されました。
また、今年の8月には現地企業や大学等との産学連携強化を主な目的として、ミャンマーのヤンゴンにも現地事務所を開設されています。
同大学のカンボジアでの活動についてお話し頂く中で、カンボジアの高等教育事情、特に教員のPhD取得率向上等について話が及び、当センターも論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)の紹介を行いました。
その他、同大学では留学生の帰国後のフォローアップや海外の同窓生らのネットワークをどのように繋いでいくかを課題とされており、日本の大学のタイでの展開状況や各大学のタイ人同窓生らのネットワークについて質問がありました。そのため、山下センター長からは在タイ大学連絡会(JUNThai)やタイで同窓会を持つ大学の活動について紹介を行いました。
当センターでは今後も日本の大学の東南アジアにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年12月16日、東京医科歯科大学の竹本佳弘教授と影近弘之教授がチュラロンコーン大学工学部で開催されたシンポジウムに参加するため訪泰され、併せて当センターを来訪されました。東京医科歯科大学はチュラロンコーン大学工学部と研究交流を行っており、今回の訪問では同大学の学生も同行し、学生交流を行ったということです。
竹本教授には2013年及び2014年にも当オフィスにお越し頂いております。一方、影近教授は薬学がご専門で、現在JSPSの研究拠点形成事業(Core-to-Core事業)(Aタイプ)で欧米の大学と共同研究を実施されている他、以前はJSPSの外国人特別研究員として研究に来たタイからの学生の受入を行ったこともあるそうです。
東京医科歯科大学では、同大学を含む4大学(東京医科歯科大学、お茶ノ水女子大学、学習院大学、北里大学)で設立した学際生命科学東京コンソーシアムにおいて、地方自治体、経済団体と有機的に連携しながら東京に生命科学領域の地域拠点を確立し、学術と文化の世界的拠点となることを目指していらっしゃいます。竹本教授と影近教授は同コンソーシアムの運営を行われており、疾患予防科学コース・領域(博士課程)等を設置し、課題発見・解決型PhDプログラムに取り組まれているということでした。タイ人留学生も同コースで勉強しているとのことです。
両先生からはもっとタイの学生に日本で学ぶ機会を与えたいというお話しをいただき、山下センター長からJSPSの事業として研究拠点形成事業(Core-to-Core事業)を紹介しました。
その他、タイに拠点を置く日本の大学の状況及び日本国大使館の取組みである留学フェア「Japan Education Fair」並びに産業人材育成に関する事業についても説明を行いました。
当センターでは今後も日本の大学及び研究者のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年12月15日、今年度第5回目のJSPSタイ同窓会(JAAT)理事会をタイ学術会議(NRCT)で開催しました。
理事会では、以下の点について確認、議論を行いました。
1.第4回JAAT理事会(2016年11月9日開催)議事録の承認
2.JAATの2016年及び2017年年次計画について
Dr. SuneeよりJAATの2016年及び2017年次計画について説明があり、今後の主な行事について以下のとおり確認が行われました。
・JAAT主催の地方大学でのワークショップについて、コンケン大学では12月21-22日、プリンスオブソンクラー大学では2017年1月9-10日に開催する。以降の活動については、新理事会発足後に議論する。
・2017年2月9日の午前中に国際学術セミナーを実施し、午後はJAAT総会及び論博記念メダル授与式を行う。
また、国際学術セミナーでは日本人講師及びタイ人講師をそれぞれ1名ずつ招へいする。日本人講師の選定及び調整はJSPSが、タイ人講師についてはJAATが行う。
・JAATメンバーによるワーキンググループを2017年1月19日に実施する。
3.JAAT地方ワークショップ計画(論文原稿作成)について(上記2と同じ)
4.JAAT主催国際学術セミナーについて(上記2と同じ)
5.JAAT会計報告
Dr. Jirapornより現在の予算執行状況の報告がありました。
6.その他
・Dr. Suneeよりこれまでの活動や提案事項等をまとめたレポートを作成し、2月のJAAT年次総会で次期理事に引継ぐ旨報告があった。
・山下センター長よりブリッジフェローシップの公募及び選考スケジュールについて議題提起があり、JAAT側に対し確認を行った。

今回の理事会の議事録(英語)については後日掲載予定です。
2016年12月13日、京都大学国際教育支援室室長の森眞理子名誉教授、教育推進・学生支援部国際教育交流課の馬渕光正課長及び北野美佳職員が、同じく京都大学ASEAN拠点の柴山守所長、小田真玄職員、Siwaporn Chousorn現地職員及びJASTIP高木映プロジェクトディレクターと共に当センターを来訪されました。
今回はASEAN Foundation支援の基、ASEAN Credit Transfer System Program(ACTS)を利用した短期学部生のタイへの留学プログラムの調整を行うために来タイされたとのことで、短い滞在期間の合間を縫ってお越し頂きました。
ACTSとは、資格承認を容易にし、ASEANの学生等の流動性を高めるためASEAN University Network(AUN)が開始した単位互換システムで、インドネシア大学を事務局として2010年より実施されているものです。
京都大学では短期で学部生をタイに送り出す計画をしており、欧米圏に比べるとニーズの少ないASEANへの留学生増加に繋がればと期待しておられます。
また、馬渕課長は当センターの2代目副センター長として着任した経験をお持ちで、その当時のタイの状況や、最近の国際関係部署に係る大学改組等についてお話をお聞きすることができました。
その経緯もあり、当センターからは特にJSPSの海外研究連絡センターや同窓会の支援状況等についてお話ししました。
当センターでは今後も日本の大学等及び研究者のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年12月9日、昨日のコンケン大学に続き、在タイ日本国大使館主催の「Japan Education Fair」に合わせ、マハーサーラカーム大学を訪問し、JSPS事業説明会を実施しました。
午前中は、在タイ日本国大使館の寺島史朗一等書記官及び日本の全参加機関で同大学の副学長らを表敬訪問し、同大学のAssoc. Prof. Dr. Theerayuth Chatchanayuenyong副学長(総括経営担当)から歓迎の挨拶を頂きました。
同大学は1968年に教育専門学校として設立後、1974年にはシーナカリンウィロート大学の分校となり、1994年に国立大学として独立しました。現在は21学部に約44,000名の学生が在籍しており、タイの東北部では入学者数が一番多いとのことです。また、「One Curriculum, One Community」という地域に根付いた活動も実施されている一方、日本を含む諸外国との連携も積極的に推進されており、国際部スタッフからの同大学の紹介プレゼンでは活動内容等を詳しくご説明頂きました。
続いて寺島書記官からは、現在3,500人以上のタイの学生が日本に留学しているが、今後もっと留学生が増えるよう、タイに事務所を構える大学を中心に連携を強化していきたい旨の挨拶がありました。
午後から開催した事業説明会には、若手研究者らを含む40名以上の参加者がありました。
冒頭、同大学のAsst. Prof. Dr. Prayook Srivilai副学長(研究政策・企画担当)より開会の挨拶を頂き、古屋副センター長及び大田国際協力員がJSPSの概要及び国際事業の紹介を行いました。
続いて、JSPSタイ同窓会(JAAT)会員で、外国人招へい研究者(長期)として2011年4月から2012年3月まで高知医科大学で研究をされたAssoc. Prof. Dr. Weerachai Saijunthaより、同事業による体験談をタイ語でお話しいただきました。Assoc. Prof. Dr. Weerachaiは、同事業終了後も毎年同大学を訪問して日本との交流を継続されており、JSPS国際事業終了後の理想的な事例として大変参考になりました。
質疑応答では、受入先の日本の大学や日本人研究者の見つけ方についての質問もあり、Assoc. Prof. Dr. Weerachaiの他、参加者の中にJSPS事業経験者がおり、自身の経験等を紹介してくださいました。
2016年12月8日、在タイ日本国大使館主催の「Japan Education Fair」に合わせ、コンケン大学を訪問し、JSPS事業説明会を実施しました。同大学はタイの東北地方(イサーン)にある研究大学の1つで、50年の歴史を持ち、20以上の学部に4万人以上の学生が在籍しています。
説明会前に、日本国大使館の佐渡島志郎特命全権大使をはじめ日本の全参加機関で同大学の副学長、学部長らを表敬訪問し、同大学のAssoc. Prof. Dr. Nawarat Wara-aswapati Charoen副学長(国際担当)から歓迎の挨拶を頂きました。Assoc. Prof. Dr. Nawaratは、JSPSの外国人特別研究員(長期)として東京医科歯科大学で研究経験があり、JSPSタイ同窓会(JAAT)会員でもあります。挨拶の中で、同大学は近年様々な活動を通して大使館との関係が密接になっていることや、現在60以上の日本の機関とMoUを締結し、共同研究や学生・研究者交流を進めていることなどをお話し頂きました。
続いて佐渡島大使からの挨拶では、タイに事務所を構える日本の大学が40校以上あること、タイから日本への留学生が増えていることに加え、現在チャレンジングな課題を抱えるタイにおいて人材育成は同国の発展のカギとなり、大使館としても職業教育を含む教育面での支援を行う旨のお話しがありました。
表敬訪問に続いて実施した事業説明会には、約20名の研究者や学生が参加しました。
同大学のAsst. Prof. Dr. Teekayu Plangkoon Jorns学長補佐(国際関係担当)より開会の挨拶をいただいた後、古屋副センター長及び大田国際協力員がJSPSの概要及び国際事業の紹介を行いました。
続いて、JAATの理事でもあり、論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)により産業医科大学でPhDを取得されたAssoc. Prof. Dr. Kittisak Sawanyawisuthより、同事業を通じて学んだことや日本での体験談についてお話しいただきました。また、お話の中で、12月21、22日に開催を予定しているJAAT主催による学術論文の作成に関するワークショップの周知も行われました。なお、今回の説明会開催にあたりAssoc. Prof. Dr. Kittisakには多大なるご支援をいただきました。
JAAT会員で同じくRONPAKU事業により駒澤大学でPhDを取得されたAssoc. Prof. Dr. Sukanya Aimimthamには、日本での経験だけでなく、同事業への申請の流れ等について非常に詳しくお話しいただきました。同国のJSPS事業経験者は、自然科学系の研究者と比較すると人文社会科学系の研究者が少なく、人文社会科学がご専門のAssoc. Prof. Dr. Sukanyaのお話は参加者にとっても非常に有意義な講演となりました。
質疑応答では、学生から「日本への留学の際に日本語が話せる必要があるか」といった質問のほか、「PhDの学生でも参加できる事業はあるか」などの質問があがりました。
JSPSバンコクセンターでは、以下のとおりJSPSのアジア地域での活動及びJSPSで実施している国際事業の紹介を行います。説明会ではJSPS事業経験者による講演も予定しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
※ 事前の参加申込みは不要です。
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日 時:2016年12月8日(木) 14:00-15:30(受付は13:30から開始)
会 場:コンケン大学 学長事務部 Sirikunakorn棟 Kanlapaphruek Room4
講話者:Associate Prof. Dr. Kittisak Sawanyawisuth(コンケン大学 医学部医学科)
Assoc. Prof. Sukanya Aimimtham(コンケン大学 人文社会科学部行政学科)
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日 時:2016年12月9日(金) 13:30-14:45(受付は13:00から開始)
会 場:マハーサーラカーム大学 Borom Raj Kumari棟 4階 会議室1
講話者: Dr.Weerachai Saijuntha(マハーサーラカーム大学Walai Rukhavej研究所)
2016年12月1日、自然科学研究機構国立天文台副台長の小林秀行教授が当センターを来訪されました。
小林副台長からは、2010年の物理学カンファレンスでの講演をきっかけに始まったタイでの40メートル電波望遠鏡建設協力についてご説明頂きました。
複数の電波望遠鏡で同時に観測することで高精度の測定を実現するVLBI(超長基線電波干渉法)のため、日本は4つの国立天文台所有望遠鏡及び大学等所有の同種望遠鏡からなるJapan VLBI networkを有しています。現在は日本国内にとどまらず、韓国及び中国とも連携していますが、東南アジアに位置するタイとの連携が実現できれば、さらに高解像度の観測が可能となるとのことです。
一方、タイでは現在科学教育に力を入れており、タイ国立天文学研究所(NARIT)がプラネタリウムでの教育等を展開していますが、それに加え新たに40メートル電波望遠鏡建設の予算が認められることとなりました。しかしながらタイでは光望遠鏡は有しているものの電波望遠鏡建設経験がなく、電波天文学者も非常に少ないということで国立天文台にVLBI研究協力依頼があったとのことです。今回はタイの大学・研究機関等の組織や共同研究の状況について把握したいということで当センターにお越し頂きました。
山下センター長からはタイの大学や研究機関等について、JSPSの国際事業と共に紹介を行いました。小林副台長からは複数機関との共同研究に適したプログラムを知りたい、長期的な研究者育成を行いたい、といったお話しもあり、特に二国間交流事業や研究拠点形成事業について説明しました。
当センターでは今後も日本の大学等及び研究者のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年11月29日、バングラデシュJSPS同窓会(BJSPSAA)主催のJSPS事業説明会を開催しました。バングラデシュ・ダッカ市内にあるシェレバングラ農科大学(同大学は、1938年に農業研究所として設立され、その後2001年に大学に移行した国立の単科大学)を会場とし、現地警察のしっかりとした警備のもと、若手研究者を中心に120名以上が参加する活気ある説明会を開催することができました。
説明会前にはBJSPSAAのProf. Dr. M. Afzal Hossain会長とともにProf. Dr. Kamal Uddin Ahamed学長を表敬訪問しました。同大学は現在、日本の複数の大学(琉球大学、香川大学、山形大学、名古屋大学、愛媛大学)とMoUを締結し、同大学から学生並びに研究者を日本に積極的に送り出すと共に、学長自身も今年9月に日本を訪問されたとのことです。また、同大学には3つの学科がありますが、近々もう1つ学科を増設する計画についてもお話しをお伺いできました。
事業説明会では、シェレバングラ農科大学教授でBJSPSAAの会員でもあるProf. Dr. Tuhin Suvra Royが司会を務め、冒頭にBJSPSAAの事務局長であるDr. Nur Ahamed Khondakerより開会の挨拶があり、参加者ならびに当センターへの謝辞を述べられると共に当センターのメンバーについてもご紹介いただきました。
その後、当センターからJSPSの概要及び国際事業の紹介を行い、引き続き質疑応答を行いました。
質疑応答では国際事業の内容にとどまらず、研究に対する長期的なフォローや他国の同窓会の活動状況に関する情報共有について等、幅広い質問が寄せられ、日本での研究に対する興味の高さが伺えました。
続いてAhamed学長より主賓挨拶をいただき、表敬訪問時にもお話し頂いた日本の複数大学とのMoU締結や日本の奨学金による支援などに触れられ、日本との更なる学術交流への期待を述べられました。
最後に、今回の事業説明会の議長を務められたHossain会長より挨拶がありました。BJSPSAAの活動紹介に加え、現在バングラデシュの急激な人口増加や天候変動などバングラデシュが直面している問題への対応として、農業がその一旦を担っていること、研究室や学術水準の違いからバングラデシュの多くの若手研究者らが日本での研究を希望していることについて言及されました。また、2017年2月にはBJSPSAA主催の国際学術シンポジウムを開催することを発表されました。
今回の事業説明会には日本でPhDを取得した研究者も多数出席頂いており、事業説明会終了後の昼食会では日本での研究のお話し等をお聞きすることが出来ました。
2016年11月28日、バングラデシュ・ダッカ市内にある国際連合食糧農業機関(FAO)事務所で開催されたバングラデシュJSPS同窓会(BJSPSAA)理事会に当センターから山下センター長、古屋副センター長、大田国際協力員が参加しました。
今回は理事会の中から6名の理事が参加し、以下の点について確認、議論を行いました。
1.JSPS事業説明会(11月29日)について
・Sher-e-Bangla Agricultural Universityで開催し、Vice-ChancellorをChief Guestに迎える。100名出席予定。警備についても万全の態勢で臨む。
2.International Academic Seminarについて
・開催日は2017年2月18日(土)を候補とし、前日にブリッジの選考委員会も併せて実施できるよう調整する。
・セミナーのタイトルは候補を絞り、理事会で決定する。
・バングラデシュ側の基調講演者としてChittagong大学の学長を候補者とする。
・オープニングセッションと2回のテクニカルセッションを実施。
・3名の日本人講演者を招へいできるかどうか検討する。
・他の同窓会への招待も検討し、招待する場合は現地での費用はBJSPSAAの負担とする。
2月開催のセミナーについては今後の現地の情勢を踏まえつつ、引き続き検討を行うこととなりました。
2016年11月28日、在バングラデシュ日本国大使館を表敬訪問しました。訪問にはバングラデシュJSPS同窓会(BJSPSAA)のHossain会長にも同行していただき、渡邉正人特命全権大使らと面談しました。
渡邉大使との面談では、山下センター長から同窓会活動に対する大使館の支援に御礼を述べるとともに、JSPS外国人特別研究員を中心に多くのバングラデシュ人研究者が日本で研究し、同国との学術交流が進んでいること、また当センターがBJSPSAA主催の国際学術セミナーや同窓会員名簿の作成などの同窓会活動を支援していることをJSPSの概要と共に説明しました。
また、Hossain会長からはBJSPSAAの概要を説明し、同セミナーへの日本人講演者招へいについても話が及びました。
これに対し、渡邉大使からはJSPS及びBJSPSAAへの日頃の活動に対し感謝のお言葉をいただくと共に、昨年以降引き続き警戒状態が続いている同国の情勢についてもお話をお伺いすることができました。特に今年7月の日本人7名が犠牲となったテロ事件については、大使自身も大変心を痛められているご様子が伝わってきました。
※バングラデシュは2016年11月28日現在も首都ダッカを含め全土が外務省海外安全ホームページで危険度レベル2(不要不急の渡航は止めて下さい)となっています。
渡邉大使との面談後、大塚智子一等書記官及び山村真智子二等書記官からもお話しを伺いました。ここ最近バングラデシュの大学には日本研究に関する学科ができるなど、日本との交流も進展し始めた矢先の7月のテロ事件発生であり、大使同様大変心を痛めていらっしゃるようでした。両国間の学術交流の重要性についてはご理解をいただいており、2月開催予定の国際学術セミナーも含めた現地でのBJSPSAAの活動について、引き続き大使館との情報共有及び連携を確認しました。当センターも現地の情勢を踏まえつつ今後の活動を検討していきたいと考えています。
2016年11月25日、タマサート大学のJitti Mongkolnchaiarunya准教授が当センターを来訪されました。
Jitti准教授は、昨年タマサート大学を退職後、同大学内に「開発研究学部」という新しい学部を立ち上げ、自ら学部長に就任されています。Jitti先生は同学部で地方創生や農村開発などの活動に取り組まれており、翌年には「アジアの貧困撲滅のための地域起こし」をテーマとしたフォーラムの開催を計画されており、今回はその協力依頼のために訪問されました。
同フォーラムはタイだけでなく、アジア諸国、オーストラリア、欧米からも参加者を募る予定で、フォーラム内では複数のキーワードを設け、グループ毎にパネルディスカッションをすることを計画されています。
これに対し、山下センター長はJitti先生の活動や同フォーラムに関心のありそうな日本の大学・機関等を紹介するとともに、在タイ大学連絡会(JUNThai)等を通じて、同フォーラムの紹介を行うことなどを提案されました。
また、Jitti先生は来年タマサート大学の学生が熊本県でボランティア活動に従事するプログラムも計画されており、それに向け学生らの渡日費用を確保するための活動を検討されているというお話をお伺いできた他、タマサート大学でのJSPS事業説明会開催についての依頼もいただきました。
2016年11月25日、東海大学グローバル推進本部の田中久美子室長補佐と植田歩美職員が同大学アセアンオフィスの富田紘央センター長とともに当センターを来訪されました。
東海大学は現在、タイのキングモンクット工科大学ラカバン校内にあるアセアンオフィスを始め、デンマーク、オーストリア、アメリカ、韓国で海外事務所を開設されており、これらと拠点として海外との交流を図られています。
大学の国際化にあたり、国際系事務職員の育成を目指しJSPSの「国際学術交流研修」制度の利用も検討されており、大田国際協力員が制度の概要や国際協力員の業務内容について紹介を行いました。
田中室長補佐は以前、研究支援業務も担当されており、現在は国際部門と研究部門との連携がさらに強くなっており、また、学生部門でも留学生が増えていることから、国際化のためには国際系職員だけではなく事務職員全体の底上げが必要であると仰っていました。
これに対し、山下センター長がバンコクセンターの活動内容の紹介を行うとともに、田中室長補佐のご意見に共感され、大学の国際化には事務職員の国際化が不可欠であることを強調されました。
2016年11月22日、大阪大学の岩井茂樹准教授及び小森万里准教授が同大学ASEANセンターバンコクオフィスの望月太郎センター長とともに当センターを来訪されました。
岩井准教授と小森准教授は、同大学の日本語日本文化教育センターで留学生を対象とした日本語による日本文化教育をされており、Skypeを使った遠隔講義では、大阪大学だけでなく他大学からの聴講生の受け入れもされています。しかし、Skypeでの講義は一般的な利用よりも情報量が多く通信が不安定になることもあり、学生・教員双方がストレスを感じることが多々あったそうです。そのため様々な工夫や改善を行うことで、一定の条件下では安定的に授業を提供できるようになり、今回の訪泰前に香港で開催された「国際日本語教育・日本研究シンポジウム」でこれまでの成果について発表されたということでした。
さらに、今後は別のテレビ会議システムを利用して、日本の講義をリアルタイムで多国間に同時展開し、講義の中で学生の国際交流を図りたいとお考えでした。
同センターの留学生は日本語を主専攻または副専攻にしている学生が中心で、日本の講義を日本語で学ぶことができれば、彼らにとって自信やモチベーションの向上につながる、渡日前の学生に対しても上記のような遠隔講義ができれば渡日後の言語に起因するギャップや負担が軽減されるとも仰っていました。
これに対し、山下センター長が日本の大学と遠隔で講義を行っているタイの大学等について紹介を行いました。
当センターでは今後も日本の大学及び研究者のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年11月22日、関西大学の西澤希久男教授が当センターを来訪されました。西澤教授は今年1月にも当オフィスを来訪されています(そのときの様子はこちら)。
西澤先生はアジアの法律、特にタイの法律を中心に研究されており、今回はタイの法学教育の調査のため訪泰され、また、滞在中は「教育の質保証」について教育省担当者と面談されるとのことでした。現在タイでは法学部の定員数が増加している一方、民事訴訟の裁判では報酬が低いなどの理由から実際に弁護士として活躍する学生が少なく、卒業後の進路が問題となっているそうです。
関西大学は現在、海外の大学との協定締結にも積極的に取り組んでおり、タイでは同国のリーディング大学6校とMoUを締結し、国際交流を図っているということです。また、今回の滞在期間中には、MoU締結の準備を進めている大学にも訪問されるとのことでした。
その他、ハラル対応や外国人技能実習制度の問題など国際化を進める日本が直面している問題についても貴重な意見をお伺いすることができました。
当センターでは今後も日本の大学及び研究者のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年11月19日、ウダヤナ大学とバリ情報科学大学(STIKOM Bali)の共催でJSPS事業説明会を開催しました。当センターでは2014年にウダヤナ大学で同説明会を開催しておりますが、今回はSTIKOM Baliを会場とし、近隣の大学からも若手研究者を中心に40名以上の参加者がありました。
ウダヤナ大学のProf. Dr. I Gede Putu Wirawanの開催の挨拶で説明会が始まり、続いて山下センター長、古屋副センター長、大田国際協力員がJSPSの概要及び国際事業の紹介を行いました。
また、東京大学で論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)を通してPhDを取得されたウダヤナ大学のProf. Dr. Anak Agung Ayu Mirah Adiより同事業での経験等をお話しいただきました。Dr. MirahはRONPAKU事業以外にも研究拠点形成事業(Core-to-Coreプログラム)にも参加された経験があります。セミナーには学部生なども参加していたことから、講演はインドネシア語で行われ、参加者にとって非常にわかりやすい講演となりました。
質疑応答では、参加者からインドネシア語での質問も受け付け、当日司会を担当されたSTIKOM BaliのDr. I Gede Putu Wirarama Wedashhwara Wirawanに通訳をしていただきました。Dr. Wiraramaは山口大学でPhDを取得されており、自分の経験も交えながら我々の回答をインドネシア語で回答していただきました。
最後は再びProf. Dr. Wirawanから閉会の挨拶を行っていただきました。参加者からの質問の一つに、日本とインドネシアとの研究レベルのギャップがある中、自分の研究テーマを基に日本人研究者を探すことが可能かといった質問があったことを踏まえ、参加者らに対し「日本で研究先を探す場合は、分野が専門的になりすぎないよう対象を拡大した方が受入れ先の研究者が見つかりやすい」というアドバイスも送られました。
2016年11月18日、インドネシアのガジャマダ大学でJSPS事業説明会を開催しました。同大学はジョグジャカルタにある国立大学で、今回の説明会は2013年以来の開催となりました。
連携・同窓会・国際戦略局副局長のDr. Danang Sri Hadmokoの開催の挨拶で説明会が始まり、続いて山下センター長、古屋副センター長、大田国際協力員がJSPSの概要及び国際事業の紹介を行いました。
また、静岡大学で論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)によってPhDを取得されたDr. Siti Subandiyahより同事業での経験等をお話しいただきました。Dr. Sitiは外国人招へい研究者や二国間事業などのJSPS国際事業の経験もあり、参加者にとっても貴重なプレゼンとなりました。
質疑応答では、「社会科学分野での申請も可能か」「大学以外の研究機関も受入れ先となりうるか」など基本的な質問が多く、当センターとしても現地でのさらなる広報活動の必要性を感じました。

なお、今回のガイダンス開催にあたっては、秋田大学教育文化学部の髙樋さち子准教授及びガジャマダ大学のProf. Dr. Irfan D. Prijambadaにご協力をいただきました。
2016年11月17日、インドネシア・ボゴールにあるインドネシア科学院(LIPI)のイノベーションセンターにて開催された、JSPSインドネシア同窓会設立に向けた決議集会に出席しました。
まず初めにLIPIのProf. Dr. Subyaktoから、2015年に実施したワークショップなどのこれまでの活動や同窓会設立に向けた今後の計画とあわせ挨拶がありました。
続いて山下センター長から参加者らに対し祝辞を述べるとともに、JSPSの活動基盤となる4つの柱を紹介しました。同窓会活動支援はそのうちの1つである「強固な国際協働ネットワークの構築」であり、同窓会が正式に設立されれば、同窓会とのネットワークを通じてインドネシアとさらに連携を強化し、様々な事業展開が期待されるだろう、との挨拶を行いました。
また、LIPIのDr. Siti Nuramaliati Projono(LIPIの議長であるProf. Iskandar Zulkaraenの代理)からも挨拶があり、今後のインドネシア同窓会を通じたインドネシアの科学技術におけるネットワーク強化等への期待について話がありました。
フォトセッションを挟み、LIPIのDr. L. T. Handoko及び山下センター長による招待講演が行われました。講演でDr. HandokoはJSPSのカウンタパートであるLIPIのJSPSとの連携について紹介し、山下センター長は、JSPSの概要及び国際事業について紹介を行いました。これに対し、参加者からは、インドネシアも日本のノーベル賞受賞者とのネットワークを形成したいといった意見があり、同国の学術水準向上への高い意識が伺えました。
引き続き、Dr. Hery Yogaswara、Prof. Hadi Susilo Arifin、Dr. Haznan Abimanyu、Dr. Haris Gunawan、以上4名がそれぞれインドネシアで関心の高い分野である「社会問題」「食料・農業」「エネルギー」「環境」をテーマに基調講演を行いました。
最後はLIPIのRr Nur Tri Aries Suestiningtyas M. A氏が閉会の挨拶を行い、日頃のJSPSの支援に対して感謝を述べられるとともに、本日の集会を踏まえて引き続き同窓会設立に向けて準備を進める旨お話がありました。
集会にはJSPS事業経験者を中心に100名を超える参加があり、同窓会が正式に承認されれば、ASEAN地域のJSPS同窓会の中では最大規模となることが予想されます。
「バンコクの風 2016 Vol.2」を当センターホームページに掲載しました。
JSPSバンコク研究連絡センターは、四半期に一度、当センターの活動報告やASEAN地域の学術情報を掲載した「バンコクの風」を発行しています。
今回は、当センターの活動報告に加えて、JASTIPプロジェクトコーディネーターの高木映氏に「JASTIP:日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点-持続可能開発研究の推進」と題してご寄稿頂きました。
2016年11月14日、京都大学とマヒドン大学共催による”International Symposium on Global Environmental Studies Education and Research in Asia” に出席しました。このシンポジウムは、文部科学省の「海外サテライト形成によるASEAN横断型環境・社会イノベーター創出事業(EIP)」及びJSPSの研究拠点形成事業(タイプB)「アジアプラットフォームによる地球環境学の実践的展開と学術研究基盤の創成」の両事業後援のもと、ASEANだけでなく欧米も含めた大学・関係機関から200名以上が出席し11月13日から15日の3日間に渡って開催されました。
まず初めにEIPプログラムリーダーである京都大学の藤井滋穂教授より挨拶並びに当日のプログラムについての紹介がありました。
午前中のセッションでは、「研究」に焦点を当て、前日(13日)に開催されたワークショップを総括する形で4名の研究者による発表が行われた後、21名の若手研究者によるショートプレゼンテーションが行われました。
午後のセッションでは、テーマを「教育」に移し、マヒドン大学のUdom Kachintorn学長及び京都大学の北野正雄理事・副学長による開会挨拶の後、京都大学とマヒドン大学とのダブルディグリープログラムの署名式並びに京都大学とインドネシアのバンドン工科大学及びボゴール農業大学との署名式が執り行われました。
続いて「教育・人材育成に関する国際連携」というテーマで以下4つの発表が行われました。
・「世界レベルの大学になるために」
マヒドン大学 Banchong Mahaisavariya 副学長
・「京都大学の教育・研究における国際連携に向けた取り組み」
京都大学 北野 正雄 理事・副学長
・「京都大学とリール大学間の理学部マスターダブルディグリー事業」
リール大学(フランス) Christa Fittschen理学部研究部長
・「日本のASEAN及びタイへの人材育成協力」
在タイ日本国大使館 唐木 啓介 一等書記官
その後、来賓より一人ずつコメントが述べられ、山下センター長は2013年に採択された拠点形成事業(タイプB「インドシナ地域における地球環境学連携拠点の形成」)により大学院生を含む若手研究者の交流、京都大学とタイとの関係が形成され、それが今もなお拡大していることは非常に喜ばしい旨コメントしました。また、会場には多くの若手研究者が出席していたことから、JSPSの外国人特別研究員、外国人招へい研究者、論文博士号取得希望者に対する支援事業などを通じて、JSPSが若手研究者の支援も行っていることを併せて紹介しました。
最後は、京都大学大学院 地球環境学堂・地球環境学舎・山才学林(GSGES)の舟川晋也 学舎長及びマヒドン大学のJackrit Suthakorn工学部長による挨拶により閉会されました。
なお、シンポジウム会場には大学院生を含む若手研究者らによるポスター発表のブースも設けられており、来場者に対し各自の研究内容を熱心に紹介、説明していました。
また、このポスター発表に対して来場者による投票が行われ、シンポジウム後のレセプションディナーの席で、優秀ポスター賞の表彰式も行われた他、同日はタイのロイクラトン祭り(※陰暦12月の満月の夜に、農民の収穫に感謝し、クラトン(灯篭)を川に流すタイのお祭り)の期間であったため、参加者らによる灯篭流しも行われました。
2016年11月11日、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)シンガポール事務所の矢野雅仁シニアプログラムコーディネーターが同事務所の小林義英e-ASIAスペシャルコーディネーターと当センターを来訪されました。矢野氏は2013年6月にも当オフィスを来訪されています(そのときの様子はこちら)。
両氏は、来訪前に独立行政法人国際協力機構(JICA)の事業であるアセアン工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)の打合せにも出席されており、この度、同事業でのプログラムをJSTとJICAの共同事業である地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に申請されたということです。
矢野氏からは「現在は各ファンディング機関が個別に動き、各事業も異なる目的で実施されているが、各機関、各事業が協調しうまく連動できれば、事業展開の流れを作ることができ、研究者らも長期的なスパンで研究計画を立てることができるのではないか。また、科学技術だけの枠にとらわれず、分野横断的な取り組みを目指すことも重要である。」との考えをお話し頂きました。また、上記のように日本とASEANが連携強化していくためには「日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点(JASTIP)」がその橋渡しの役割を担うことが重要であるともお話し頂き、山下センター長もこの意見に賛同すると共にJASTIPとの連携についても確認を行いました。
また、シンガポールでは、今年からタイの科学技術連絡会(※バンコクにオフィスを置く科学技術の振興に関連する諸機関の情報交流を目的として、四半期ごとに開催されている会議)を参考にシンガポールの科学技術関連団体による非公式の連絡会を始められたそうです。
JSPSとJSTは研究支援に対するアプローチは異なりますが、当センターは今後もJSTと連携した活動に取り組んで参りたいと考えています。
2016年11月9日、今年度第4回目のJSPSタイ同窓会(JAAT)理事会をタイ学術会議(NRCT)で開催しました。
理事会では、以下の点について確認、議論を行いました。
1.第3回JAAT理事会(2016年9月14日開催)議事録の承認
2.JAATの2016年及び2017年年次計画について
Dr. SuneeよりJAATの2016年及び2017年次計画について説明があり、今後の主な行事について以下のとおり確認が行われました。
・JAAT主催の地方大学でのワークショップについて、コンケン大学では12月21-22日、プリンスオブソンクラー大学では2017年1月12-13日に開催する。
・2017年2月9日に国際学術セミナーを、翌10日にJAAT総会及び論博記念メダル授与式を開催し、予算について9日分はNRCT、10日分はJSPSが支援を行う。
国際学術セミナーのトピックは「Advanced research on sufficiency in natural, medical and social sciences」とし、各分野より日本人講師を招へいする。これについて、山下センター長よりJAAT側に対し、セミナー開催日の約2ヶ月前には日本人講師のフライトの手配ができるよう、講師の選定及び調整を進めてほしい旨要望があった。また、予算についてはNRCTが支援し、11月中には予算の詳細を決定して欲しい旨NRCT側より要望があった。
・JAAT会員名簿は2年毎に更新しており、次回は2017年7月に更新する。
・JAATメンバーによるワーキンググループを12月15日及び2017年1月19日に実施する。
3.JAAT地方ワークショップ計画(論文原稿作成)について
Dr. Sunee及びDr. Kittisakより、コンケン大学での論文原稿作成ワークショップについては、対象分野を医学及び科学技術としているが、性質が異なるためグループを分けて実施し、プリンスオブソンクラー大学では対象分野を社会科学とする旨報告がありました。
4.JAAT会計報告
Dr. Jirapornより現在の予算執行状況の報告がありました。

次回の理事会は、2016年12月15日(木)に開催予定です。
※JAATメンバーによるワーキンググループを同日理事会の前に開催予定。
今回の理事会の議事録(英語)については後日掲載予定です。
2016年11月7日、京都大学の外山文子研究員が、立命館アジア太平洋大学の佐々木悠海さん、慶応義塾大学の前場里紗さん2名の学生とともに当センターに来訪されました。
外山研究員は「タイ政治」を専門とされており、JSPSの特別研究員として京都大学東南アジア研究所にて活動されているほか、タイのタマサート大学で客員研究員としても活動されています。今回の来訪では外山研究員や東南アジア研究所での研究活動に加え、大学の様子等についてもお話をお伺いすることができました。
一方、佐々木さんと前場さんは、今年の8月からタマサート大学に留学しており、こちらでの生活や同大学での様子について語っていただきました。
当センターでは今後も日本の大学及び研究者の東南アジアにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
平成28年度科学研究費助成事業-科研費-(国際共同研究加速基金(帰国発展研究))の公募について、2016年9月5日に本HP上でご案内したところですが、本公募については公募時期を昨年度より約1ヶ月程度早めていることから、応募書類(研究計画調書)の提出期限について改めてご案内いたします。
(以下2016年9月5日掲示)
————————————————-
科学研究費助成事業(科研費)では、平成28年度国際共同研究加速基金(帰国発展研究)の公募を開始しましたのでお知らせ致します。
○国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
本種目は、日本国外の研究機関に所属している科研費応募資格を持たない日本人研究者が日本に帰国後すぐに研究を開始できるよう支援するものです。
今年度から日本学術振興会(JSPS)で公募を行うこととしており、詳細な公募内容等については、下記ホームページ(JSPS東京本部HPへ遷移します)で御確認ください。
URL http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/35_kokusai/03_kikoku/koubo.html
【公募期間】
平成28年9月1日(木)~平成28年11月7日(月)午後4時30分(日本時間)
【平成28年度公募における主な変更点】(公募要領の冒頭「はじめに」を御参照ください)
・種目の趣旨を公募要領に明記しました。
・研究計画調書について一部を変更しました。
・応募の際に府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の研究者番号を取得していることが必要となりました。過去に研究者番号を取得していない場合は、研究者登録手続が必要となりますので、余裕を持って手続を行ってください。
【公募内容の概要】(詳細は公募要領の9頁以降を御参照ください)
・応募総額 5,000万円以下
・研究期間 3年以内
(研究期間は交付申請した年度から起算して3年目の年度末までとします。また、日本国内の研究機関に所属し、科研費の応募資格を取得した場合に平成30年4月30日までに交付申請を行うことができます。)
なお、交付申請後から経費を執行することができます。
・採択予定課題数 20件程度
(極めて厳選されたもの <平成27年度採択実績:14件>)
【本件問い合わせ先】
※バンコク研究連絡センターでは質問等をお受けできませんので、以下の連絡先に直接お問い合わせ下さい。
(1)公募の内容に関すること:
独立行政法人日本学術振興会 研究事業部 研究助成企画課
電話 :+81-(0)3-3263-4927
メール:kksi-kaken@jsps.go.jp (海外からはできる限りメールでお願いします)
(2)帰国発展研究専用の科研費電子申請システムの利用に関すること:
独立行政法人日本学術振興会 研究事業部 研究助成企画課
メール:kikoku-hatten@jsps.go.jp
2016年10月28日、カンボジア王国・シェムリアップにて第7回日ASEAN科学技術協力委員会(AJCCST)が開催されました。ASEANでは同地域における科学技術力の強化を目的として科学技術委員会(ASEAN COST)が設置されており、AJCCSTは日本とASEAN COSTとの間の協力枠組みとして2009年に発足したものです。
今回のAJCCSTにはJSPSからは当センターの山下センター長及び東京本部研究協力第二課の江幡係長、切畑職員が出席した他、文部科学省 山田企画官、井上学術調査員、科学技術振興機構(JST)伊藤副理事、防災科学技術研究所(NIED)鈴木審議役、京都大学ASEAN拠点柴山所長、日本医療研究開発機構(AMED)中村所長らも日本側発表者として出席されました。
冒頭ではホスト国であるカンボジア代表からの挨拶があり、日本とASEANとは長い歴史があり、留学生の交流も数多くあり、またサミットを数多く行うなど関係を強化してきた旨が述べられました。
文部科学省のプレゼンでは、山田企画官が科学技術促進施策について説明し、それを支える二つのアプローチ方法としてJSPSとJST等を紹介した他、井上学術調査員が第5期科学技術基本計画を含む同省のSTI(Science, Technology and Innovation)政策について説明を行いました。
その後、JSTによる事業説明、AMEDのASEAN各国における活動報告の後、山下センター長がJSPSの国際事業についてプレゼンを行いました。特に研究拠点形成事業及び論文博士号取得希望者に対する支援事業は、ASEANからの応募が多いことから重点的に説明を行い、その他当センターの活動状況やJSPS同窓会についても紹介を行いました。
続いて、NIEDのASEAN地域での活動、京都大学ASEAN拠点柴山所長らによりJASTIP(Japan-ASEAN STI Platform)について、JSTよりSakura Science Planについて説明がありました。
ASEAN側より、次回同委員会については2017年下半期にミャンマーでの開催を予定しているとの発表があり、最後は山田企画官の閉会の挨拶により終了しました。
会議終了後にも山下センター長のもとにラオス側から事業説明会の開催、マレーシア側からJSPS同窓会創設の要望があった他、その他JSPSの国際事業についての質問もありました。
2016年10月25日、JSPSネパール同窓会メンバーでポカラ大学人文社会科学学部長のDr. Indra P. Tiwari教授及びJSPSタイ同窓会メンバーでタイロジスティクス連盟アドバイザーのDr. Malee Uabharadornが当センターに来訪されました。
Tiwari教授はJSPS外国人特別研究員事業を使って東京工業大学で研究された他、タイのアジア工科大学院大学(Asian Institute of Technology)でも教職につかれており、現在はポカラ大学で学部長を務めていらっしゃいます。今年1月に設立されたばかりのネパール同窓会(NJAA)設立にあたってもご尽力頂きました。
Dr. MaleeはJSPS外国人特別研究員事業により東京大学で研究された後、2013年には外国人研究者再招へい(Bridge Fellowship)プログラムにより東京工業大学で研究された経験をお持ちです。過去にはJSPSタイ同窓会(JAAT)の財務担当理事も務められました。Tiwari教授とは東京工業大学及びAIT時代の繋がりがあり、2012年2月にタイで開催した論文博士号取得者へのメダル授与式及び同窓会総会にはDr. Maleeの紹介によりTiwari教授にご出席頂きました。
今回はTiwari教授のタイでの研究活動に合わせてお二人で来訪頂きましたが、特にTiwari教授からポカラ大学と日本の大学とのMOUの状況や、新しく設置予定のセンターについて等、様々なお話を聞くことが出来ました。ポカラ大学の学長他学部長がTiwari教授を除き全員変わったばかりという中、ポカラ大学でのJSPS国際事業のガイダンス等開催を推進しようとされており、当センターも出来る限り要望に応えたいと考えています。山下センター長からも改めて外国人特別研究員事業や研究拠点形成事業(Core-to-Core)等を説明した他、日本でのセミナー開催案内等の情報提供を行いました。
2016年10月18日、タイランドサイエンスパーク内にあるタイ国立科学技術開発庁(The National Science and Technology Development Agency、NSTDA)でJSPS事業説明会を実施しました。NSTDAでの事業説明会は2014年以来2回目で、今回は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と日ASEAN科学技術イノベーションプラットフォーム(JASTIP)の2機関も加わっての合同説明会を行いました。
NSTDAはタイ科学技術省(MOST)所管の研究開発機関で、タイの科学技術における研究開発、技術移転、人材育成などを担っており、また、同サイエンスパーク内には4つの国立研究所(タイ国立遺伝子生命工学研究センター(BIOTEC)、タイ国立金属材料技術研究センター(MTEC)、タイ国立電子コンピューター技術研究センター(NECTEC)、タイ国立ナノテクノロジー研究センター(NANOTEC))も設置されています。
説明会に先立ち、NSTDAのChadamas Thuvasethakul副長官を表敬訪問しました。表敬訪問にはJSTシンガポール事務所の佐藤正樹所長と小林義英e-ASIAスペシャルコーディネーター、及びJASTIPの高木映プロジェクトディレクターも同行され、各機関の取組やタイの科学技術関係機関の再編成の動向等について意見交換を行いました。
説明会では、Chadamas副長官による開会の挨拶後、山下センター長がJSPSの概要を、古屋副センター長と大田国際協力員がJSPS国際事業の紹介を行いました。
また、JSTの概要を佐藤所長が、小林e-ASIAスペシャルコーディネーターが地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)やe-ASIA共同研究プログラム、さくらサイエンスプラン等のJST国際事業の紹介を行うと共に、高木プロジェクトディレクターによる日ASEANの科学技術協力に関するプラットフォーム形成を目指すJASTIPの紹介がありました。
今回のガイダンスでは、JSPSとJSTの違い、両機関のプログラム等を活用したJASTIPの位置付け等、包括的に説明できる良い機会となりました。また、日本での研究を希望する研究者の個別の相談にも応じることが出来、有意義なガイダンスとなりました。
2016年10月4日、JSPS東京本部国際事業部の加藤久参与が竹内まち子職員、土肥亜紀子国際協力員とともに当センターの視察および打合せのため来訪されました。
加藤参与らは、同2日にネパール・カトマンズで開催されたJSPSネパール同窓会(NJAA)の学術シンポジウム(詳細についてはこちらを参照)にも同センターと共に出席しました。シンポジウムの運営は同窓会の自主性に任せていますが、テーマ設定や講演内容も素晴らしく、加えて若手研究者らを含む多くの参加があったことから、非常に有意義なシンポジウムとなりました。打合せでは同窓会や同シンポジウムへの当センターのこれまでの協力・支援について言及がありました。
現在、当オフィスはタイ、バングラデシュ、フィリピン、ネパール4つの同窓会活動を支援していますが、今後も同窓会の新設が見込まれていることから、今後のセンターの運営等についても協議を行いました。
そのほか、山下センター長からは当オフィスの活動、在タイ大学連絡会(JUNThai)やタイの学術政策・体制の動向について説明を行うなど、活発な意見交換が出来ました。
2016年10月4日、京都大学の直井里予機関研究員及び九州大学の相澤伸広准教授が当センターに来訪されました。直井研究員は、今月より京都大学東南アジア研究所バンコク事務所所長に新しくご着任され、同研究所の相澤准教授とご挨拶のためお越し下さいました。
直井研究員は、東南アジアでのHIVや難民に関する研究をされており、東南アジアの短編ドキュメンタリー映画の作成にも取り組まれています。映画は今年の12月に京都と東京での上映が予定されています(詳細はこちら)。同11月中旬まで所長として在任される予定で、その間はバンコクを中心に活動されるとのことでした。
一方、相澤准教授は、同7月に着任され(2016年7月来訪時の様子はこちら)、在任中はタイの政治について研究されたほか、日本への留学を希望する現地学生の相談を受けたり、東南アジア研究におけるネットワーク形成にも尽力されました。
当センターでは今後も日本の大学及び研究者の東南アジアにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年10月2日、ネパールのカトマンズで第2回JSPSネパール同窓会(NJAA)シンポジウム”Infrastructure Development in Transport Sector in Nepal” を開催しました。
シンポジウム前半のセッションでは、ネパール連邦民主共和国Baburam Bhattarai前首相を主賓に迎え、NJAAのKundan Lal Shrestha事務局長によるNJAAの紹介のあと、前首相他以下7名による挨拶が行われました。
・加藤 久氏(JSPS国際事業部参与)
・長谷川 修一氏(香川大学 工学部 安全システム建設工学科 教授)
・Buddhi Ratna Khadge氏(ネパール科学技術アカデミー(NAST)事務局長)
・佐久間 潤氏((独)国際協力機構(JICA)ネパール事務所 所長)
・浜田 清彦(ネパール日本国大使館一等書記官(広報文化班))
・Dhana Bahadur Tamang氏(ネパール連邦民主共和国公共インフラ・交通省 大臣)
・Rijan Bhakta氏(NJAA 会長)
加藤参与は、2015年4月にネパールで発生した大地震や今年が日・ネパール外交関係樹立60周年であることに触れられながら挨拶をされたほか、Baburam前首相は、日本は経済的に先進国であると共に、自然災害の分野で多くの課題に取り組んでおり、ネパールもこれらの課題に取り組むうえで日本の経験や技術を生かすことができる、と述べられました。また、教育と研究の重要性についても併せて述べられました。
そのほかのセッション参加者も、今回のシンポジウムのテーマである交通部門やインフラ整備がネパールにとって非常に重要であり、この分野での日本との連携等について各自の意見を述べられました。
続いて、NJAA のRanjan副会長がモデレータを務められ、学術セッションが行われました。Ranjan副会長は長谷川先生の指導を受け、博士号を取得されています。
最初に長谷川教授が”Engineering geological issues in Nepal for infrastructure development”と題し基調講演を行いました。長谷川先生は研究調査のためこれまで20回以上ネパールを訪問されており、今回の講演ではネパールのインフラ整備について、ネパール特有の地質学的な観点から講演を行われました。講演では、ネパールと日本(特に四国)の山脈の共通点、日本でのトンネル・道路建設技術や高圧水流によってトンネル工事のうまくいかなかった事例などを紹介されながら、ネパールでのトンネル・道路整備の課題提起、またその課題解決に向けた提言をされました。
引き続き、JICA専門家のSourab Rana氏が講演を行い、シンズリ道路建設などのネパールでのJICAの活動実績や今後のインフラ整備に関する事業計画について講演を行いました。
そして、ネパールトンネル協会のSandip Shah会長は”Tunneling in Nepal: challenges and prospects”と題し、トンネル建設技術やそのリスク評価等についてネパール特有の地質学的な観点から講演を行われました。
続いて、山下センター長がJSPSの概要や国際事業及びネパールとの交流実績について紹介を行いました。
最後に全講演者及びネパール政府道路管理局のSaroj Pradhan審議官らによるパネルディスカッションが行われ、上記講演に関する全般的な質問から非常にテクニカルな質問まで、多くの質問があがりました。
今回は修士学生や若手研究者を含む80名以上の参加があり、非常に活気のあるシンポジウムとなりました。また、レセプションでも日本での研究を希望する若手研究者から多数の質問があり、ネパールの研究者らと交流を深めることができました。
(※同シンポジウムの様子はNJAAのHPにも掲載されています。)
なお、本シンポジウム前には加藤参与らとネパール科学技術アカデミー(NAST)を訪問し、JSPSとの今後の交流・連携について協議を行いました。JSPSは、ネパールとは現在のところどの機関ともMOUを締結しておりません。同訪問では、ネパールの若手研究者の招へいや二国間交流事業等のJSPSの国際事業を説明すると共に、他国のJSPS同窓会とカウンターパート機関との連携について紹介を行いました。
2016年9月28日、千葉大学の織田雄一教授が当センターに来訪されました。
千葉大学は今年4月に国際教養学部を開設され、英語によるリベラルアーツ教育の展開に取り組まれるなど積極的に国際化に取り組まれています。その中でさらに国際化を推進するため同大学では2017年4月にマヒドン大学サラヤキャンパス内に新規タイ事務所の開設を予定されており、織田教授は今回その準備等のために訪泰されました。
現在、千葉大学では留学経験の無い学生約30名をタイに約2週間派遣し、マヒドン大学での英語研修やタイの文化学習を含む短期研修プログラムを通じて、マヒドン大学との交流を推進されています。また、学部教育の促進を目指し、マヒドン大学のカリキュラムの一部を千葉大学のカリキュラム内に埋め込むビルトイン型のカリキュラム展開の他、千葉大学園芸学部とマヒドン大学理学部との研究分野での連携も検討されているそうです。
さらに、タイでの活動としては、ASEAN大学連携ネットワーク(AUN)と国立六大学連携(SUN)のコンソーシアムであるAUN-SUN/SixERSの事業において、来年3月には6大学(新潟大、金沢大、千葉大、岡山大、長崎大、熊本大)の学生らによるチェンマイでの短期研修も予定されています。
織田教授としては、今後は「科学技術」「医療」「人文科学」など専門分野に特化した海外研修も実施していきたいと仰っており、同大学の取組事例や今後の展望等について大変参考になるお話しを伺うことができました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年9月20日、バンコク日本大使館ホールで、山口大学・カセサート大学共催のセミナー「発酵製品を製造する新しい技術」が開催され、山下センター長が開会式で祝辞を述べました。このセミナーは、山口大学が日本側の拠点となって2014年度に採択された先端拠点形成事業(Aタイプ)「バイオ新領域を拓く熱帯性環境微生物の国際研究拠点形成」の一環として実施されたもので、開会式では、佐渡島志郎・駐タイ日本大使による歓迎の挨拶の後、カセサート大学学術研究担当副学長のDr. Lily Kaveeta, 山口大学の堀憲次副学長がそれぞれ主催者挨拶を行いました。
その後、タイ国農業研究開発機構(ARDA)理事長のMrs. Panpimon Chunyanuwat, タイ学術会議(NRCT)の上級顧問のMrs. Yassawadee Ungvichian と山下センター長がそれぞれ祝辞を述べました。
引き続き行われた研究発表では、両大学のほかチュラロンコン大、チェンマイ大、コンケン大、シーナカリンウイロート大、プリンスオブソンクラ大などタイの主要な研究大学の先生方が「発酵」に関連する新技術開発についての成果を披露しました。
なお両大学は、11月14日カセサート大学バンケンセンキャンパスで、一昨年のチェンマイに続いて第二回目の拠点形成事業の成果発表セミナーを開催する予定です。
2016年9月16日、チュラロンコン大学の中須正講師が当センターに来訪されました。
中須先生は以前、国際基督教大学や東京都立大学で教育開発や環境教育の研究に従事されてしました。その後、活動分野を災害・防災研究に移され、2004年に発生したスマトラ沖地震(インド洋大津波)について人文社会学の観点から研究をされ、さらに文部科学省による地域防災対策支援研究プロジェクトにおいて、日本の各大学の地元での防災研究に関する情報等を収集し、その情報を他の地域の防災・減災対策へ活かす事業にも参画されていました。
現在はチュラロンコン大学で災害・防災研究を継続されているほか、日本での高齢化と災害に関する研究をタイにも応用したいと考えられています。また、「災害年表」の作成や2011年に発生したアユタヤでの洪水について被災した企業を中心とする研究の展開も進められています。
これらの研究を推進するため研究資金の獲得にも熱心に取り組まれており、タイの大学の競争的資金についても貴重なお話しをお伺いすることができました。
これに対し、山下センター長からはJSPSの「二国間交流事業」、「大学の世界展開力強化事業」や「科学研究費助成事業(国際共同研究加速基金(帰国発展研究))」の紹介のほか、日系企業財団の案内を行いました。
当センターでは今後もアジアで活動される研究者を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年9月14日、今年度第3回目のJSPSタイ同窓会(JAAT)理事会をタイ学術会議(NRCT)で開催しました。
理事会では、以下の点について確認、議論を行いました。
1.第1回JAAT理事会(2016年7月13日開催)議事録の承認
2.JAATの2016年及び2017年年次計画について
Dr. SuneeよりJAATの2016年及び2017年次計画について説明があり、今後の主な行事について確認が行われたました。2017年2月には例年同様国際学術セミナーを開催し、同7月にはJAAT会員名簿の更新・作成を行う旨の報告がありました。また、JAAT主催の地方大学(コンケン及びプリンスオブソンクラー大学)でのワークショップ開催について、トピック及び開催時期について検討が行われ、コンケン大学で12月、プリンスオブソンクラー大学で1月または2月に開催する方向で調整することとなりました。
また、Dr. Suratwadeeより広報活動としてJAATのポスターを更新した旨の報告もありました。
3.JAAT地方ワークショップ計画(論文原稿作成)について(2と同内容))
4.次回のJAAT国際学術セミナーについて
JAAT側より次回の国際学術セミナーには日本から医学、自然科学、社会科学の各分野から1名ずつ計3名の研究者を講師として招へいしたい旨の要望がありました。
5.第4回JSPSフィリピン同窓会(JAAP)学術セミナー及び年次総会の報告
Dr. Danaiより7月29日に開催されたJAAPの学術セミナー及び年次総会について次のとおり報告がありました。
・日本人講師2名及びフィリピン人講師1名による講演が行われた。
・Dr. DanaiがJAATを代表して出席し、JAATの活動紹介を行った。
・セミナー後の年次総会において理事会改選が行われ、Dr. Susan M. Gallardoが新会長に選出された。
6.Research Expo(2016年8月19日開催)でのJSPS-NRCTセミナーの報告
山下センター長より8月19日に開催されたJSPS-NRCTセミナーについて、セミナーへの支援や出席に対する御礼が述べられました。今回のセミナーは講師、モデレータ全員女性といういつもとは違った雰囲気に加え、内容もすばらしく参加者からの多くの質問やコメントで盛り上がり成功裡に終了した旨の報告がありました。また、山下センター長が来年は日タイ修好130周年にあたる年であり、同セミナーも記念イベントになるよう検討したいと述べ、これに対しNRCTのPannee国際事業部長より協力、支援したい旨の発言がありました。
7.JAAT会計報告
Dr. Jirapornより現在の予算執行状況の報告がありました。
8.その他
・これまで別途日程を設けていたJAATメンバーによるワーキンググループを、皆が参加しやすいよう理事会と同日に開催する旨の報告がありました。
次回の理事会は、2016年11月9日(水)に開催予定です。
※JAATメンバーによるワーキンググループを同日理事会の前に開催予定。
今回の理事会の議事録(英語)については後日掲載予定です。
2016年9月12日、北海道情報大学の穴田有一教授がラジャマンガラ工科大学タンヤブリ校(RMUTT)のNatha Kuptasthien学長補佐と共に来訪されました。
北海道情報大学は、8年前にRMUTTとMoUを締結し、それ以来教員の交流を図られており、今年3月にはRMUTT内にタイ拠点事務所となる「北海道情報大学インターナショナル・オフィス」を開所されました。
また、近年は学生交流も積極的に図っており、その一環として両校の学生から選ばれた優秀者がチームを組み、WEB制作、コンピュータプログラミング、ショートムービー制作の技術を競うアクティブラーニング・プログラムにも取り組まれています。このプログラムでは競争と共同の両側面を学べるようになっている他、最終プレゼンは英語で行い、単位としても認定されるため両校の学生にとって非常に有効なプログラムとなっているそうです。
その他、情報通信技術(ICT)に関するワークショップも開催されており、これらをきっかけに人材育成の観点から広がりができることも期待されていらっしゃいました。
同大学はASEAN地域ではマレーシアのUCSI大学とも2年前にMoUを締結しており、学生をUCSI大学に派遣し英語研修を行っているそうですが、今回開所された同オフィスをASEAN地域の大学に対するプロモーション拠点として、留学生の獲得やインターシップの実施を目指したいとのことでした。
これに対し、山下センター長からはJSPSの国際事業の紹介のほか、学生向けのスタディツアーの案内も行い、また、Natha学長補佐に対しては、JSPS事業説明会についても紹介を行いました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年9月8、9日、マレーシア・クアラルンプールで開催されたKYOTO-ASEANフォーラムに参加しました。
同フォーラムは京都大学が主催したもので、京都大学の「WINDOW構想」をコンセプトに、日本とASEAN各国が、日-ASEANの学術的交流・発展、また将来のビジョンについて話し合う機会を提供する事を目的として開催されました。
今回はASEAN7ヶ国の関係機関や大学等の関係者が出席し、また学生の出席者も含めると250名以上の参加がありました。
初日は、マレーシア青少年・スポーツ省大臣らによる開会挨拶に始まり、山極寿一京都大学総長、日立株式会社武田晴夫研究開発本部技術戦略室長の基調講演が行われたほか、”Promising Researchers Reflect on their Research”, ”Research and Social Innovation”, ”Study with Kyoto University”をテーマに日本・マレーシア・インドネシア・タイの若手からベテランまで、バラエティに富んだ講演が行われました。
2日目は2つの会場を使って各々テーマを設け、パネリスト及び参加者が課題解決に向けて議論する課題解決セッションが行われました。
1日目の華々しいセレモニーとはまた違った和やかな雰囲気の中、第1部として”International Cooperation in Research and its Sustainability Part1”、“Mutual Students Mobility between Japan and ASEAN”をテーマにセッションが並行して行われ、山下センター長と古屋副センター長がそれぞれパネリストとしてJSPSの事業紹介等を行いました。
その後、第2部では”International Cooperation in Research and its Sustainability Part2”、”Mutual Young Researchers Mobility between Japan and ASEAN”というテーマのもとセッションが並行して行われました。バンコクセンターは”Mutual Young Researchers Mobility between Japan and ASEAN”に出席し、山下センター長が引き続きパネリストとしてプレゼンを行いました。質疑応答では、JSPSの国際事業への申請資格等に関する具体的な質問もあがる等、多くの関心を得ました。同セッションでは科学技術振興機構(JST)もパネリストとして参加されており、参加者からはJSPSとJSTの違いが分かって参考になった、といった声も聞かれました。
今回のフォーラムでは、両日共に日本とASEAN各国から多くの関係者が集まりました。2日目のセッションの中でもASEANから日本への留学等希望者は多いものの、ASEANへの希望者の数がまだ少なく、改善の余地があるのではないか、日本がASEAN各国との共同研究を行おうと連絡をしてもなかなか進まない、といった相互の悩みも聞かれました。セッションの中では自由に意見が述べられ、各国の交流が積極的に図られる良い機会となりました。
2016年9月7日、マレーシア科学大学(USM)にてJSPS事業説明会を実施しました。USMはマレーシア・ペナンにあるマレーシアのリーディング大学で、JSPSバンコク研究連絡センターとしてもマレーシアの大学で事業説明会を行うのは今回が初めてでした。
今回の事業説明会は、USMの日本文化センター(JCC)副田雅紀(そえだ まさとし)センター長にご支援、ご協力いただき、事業説明会前にはJCCのオフィスを訪問しました。JCCは、昨年12月に東レ(株)の寄贈により設立された「東レ-USMナレッジトランスファーセンター」内にオフィスを構えており、オフィス内には日本語や日本文化に関する書籍が多数設置されています。日本から多くの学生が短期留学・研修等で訪れるほか、USMの学生もオフィスを訪れ、日本とマレーシアの交流の場にもなっています。
説明会は、JSPS事業経験者であるAbdul Rahman 副学長(Deputy Vice Chancellor)から開会の挨拶をいただきました。
続いて、山下センター長がJSPSの概要を説明し、古屋副センター長と大田国際協力員がJSPSの国際事業の紹介を行いました。
参加者のJSPS国際事業に対する関心は非常に高く、各事業に対し多くの質問が寄せられました。これらの質問に対し丁寧に回答すると共に、山下センター長から申請前に日本の研究者としっかりコミュニケーションを図ることが重要であるとのアドバイスが送られました。
また、会場にはJSPS事業経験のある研究者も複数おり、自身の経験についても積極的に語っていただきました。
今回のセミナーではTV会議システムを利用し、説明会の様子が別のキャンパスにも中継されるなど、50名以上の参加者にJSPSの事業を知っていただくことができました。我々もUSMの研究者らと交流を深めることができ、双方にとって実り多き説明会となりました。
2016年9月6日、東京国際大学の小林健男Eトラック企画部統括部長が当センターを来訪されました。
小林統括部長は、同大学のEnglish Track Program(Eトラック)等の事業を担当されています。Eトラックは3年前からスタートした英語での学位取得が可能なプログラムで、「ビジネス エコノミクス」と「国際関係」の2つの専門分野があります。
同大学では、現在、スポーツと英語教育の強化を図っており、スポーツ分野においては、箱根駅伝に今年初出場を果たした他、著名なスポーツ選手を監督として招へいしてるそうです。
一方、英語教育では、同大学の留学生の出身国は現在約50ヵ国で、今後は100ヵ国を目指されており、東南アジア圏での学生獲得の他、欧米の学生獲得のため短期留学事業も強化していきたいとのことでした。
また、同大学は先日開催された(独)日本学生支援機構(JASSO)の日本留学フェアにもブースを出展しており、そのときの様子についてもお話しをお伺いすることができました。
これに対し、山下センター長からは、日本の大学の短期留学プログラムやタイに拠点を置く日本の大学の取組等の紹介がありました。
2016年9月6日、法政大学大学院政策創造研究科の増淵敏之教授が当センターを来訪されました。
増淵教授は、以前ソニー・ミュージックエンタテインメントにてコンテンツ制作に従事されており、現在は同大学でメディア・コンテンツなどのポップカルチャーに関する研究・指導をご専門にされています。また、岩手県が同県を文化立県させるための取組みとして同県より「希望郷いわて文化大使」に任命されており、岩手県の地方創生活動にも携わっておられます。
今回はタマサート大学でタイにおける日本のコンテンツの受容状況、活用方法や日本のコンテンツをどのように理解してもらうかなどを調査するために訪泰されました。
日本のアニメなどのコンテンツは海外への影響力が大きく、それらを海外に発信することでビジネスの新しいスキームを展開していくことも考えておられました。
増淵教授は同大学で担当されているクラスでは中国人留学生の割合が高く、今後は議論に広がりを持たせるためにも東南アジア圏の学生の獲得も目指したいとも仰っていました。
これに対し、山下センター長からはJSPSの外国人研究者招へい事業の紹介があった他、当センターと同じフロアにある(独)国際交流基金(JF)や(独)日本政府観光局(JNTO)の紹介も行いました。
当センターでは今後も日本の研究者のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年9月1日、宮城教育学の見上一幸学長が附属防災教育未来づくり総合研究センター小田隆史特任准教授及び目々澤紀子事務職員と当センターに来訪頂きました。見上学長のご来訪は2014年11月以来(そのときの様子はこちら)となります。
今回はタイ教育省とのMOU更新のための調印式、アジア工科大学(AIT)等タイの関係機関との情報交換を目的に訪泰されており、その合間を縫って当センターに来訪頂きました。教育省とは3年前にMOUを結び、高官から事務レベルまで、教育省の様々な役職の方の短期受入を同大学で行っているとのことです。
また、独立行政法人教員研修センター(NCTD)と同大学間のMOU、同大学を含む東北地方6大学での教員養成プラットフォーム構築の取り組みに加え、教育分野での国際防災協力のネットワーク構築等、教育がいかに防災に貢献できるかについての持続発展教育(ESD)の取り組みについてもご紹介頂きました。
これに対し山下センター長からは外国人招へい事業等の紹介を行った他、引き続き情報共有していくことを確認しました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年9月1日、岡山大学のグローバル・ディスカバリー・プログラム設置準備室の鄭幸子(チョン ヘンジャ)准教授が当オフィスに来訪されました。
鄭准教授は今回約10日間タイに滞在され、その間日本学生支援機構(JASSO)主催の日本留学フェアへの参加の他、タイの高校8校を訪問し、岡山大学の国際プログラムの紹介、MoU締結に関する協議等を行われたそうです。
現在、岡山大学ではグローバル・ディスカバリー・プログラム(2017年10月開始予定)という新カリキュラムの準備等を進められています。このプログラムは学部生を対象としており、1学年が日本人学生30名と海外からの学生30名の計60名で構成され、学生は学科などの枠にとらわれず、自身の関心や将来的な目標にマッチした科目を選択履修することができるそうです。また、英語による授業だけでなく日本語研修も含まれており、卒業時には学生がトリリンガル(母国語、英語、日本語)になれるよう目指しているとのことでした。
また、岡山大学では、今年度より教育改革の一環として4学期制、60分2コマ単位の授業を実施しており、授業もよりインタラクティブな内容になるよう取り組まれているとのことでした。
山下センター長からはJSPS国際事業の紹介があった他、奨学金の財源確保のための取組事例やその問題、また大学の国際化のために職員の国際化が不可欠であること等についても意見交換を行いました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年8月31日、明治大学の大六野耕作国際担当副学長及び国際連携事務室 直塚太郎職員が、明治大学ASEANセンターの小沼廣幸センター長とともに来訪されました。
大六野副学長はこれまでも複数回当オフィスに来訪されており(前回のご来訪の様子はこちら)ますが、今回はシーナカリンウィロート大学にある明治大学ASEANセンターの今後の活用方針の確認やタイのリーディング大学とのMoU締結を進めるために訪泰されました。
明治大学は同センターを中心にタイの大学と学生・教員の教育・研究交流を行っており、特に学生の交流では同大学学生約100名がタイの大学に、100名以上のタイの学生が明治大学に各々短期留学を行っています。今回の訪泰により、交流の更なる活性化に向けてタイの大学等と意見交換を行ったとのことです。
また、ASEANセンターは講義室等の広いスペースを有しているため、在タイ日系企業・団体等に対するスペースの貸出や、今後同センターの運営にあたり財団の設立も検討しているとのことでした。
また、アメリカの大学や日本の大学との交流状況等についてもお話しをお伺いすることができました。明治大学では大六野副学長を中心に大学の国際化に取り組まれておりますが、大六野副学長は日本全体の国際化につながるような大規模なスキームを検討されており、その熱意と行動力に我々も大変刺激を受けました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年8月30日、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の浅井孝司理事長補佐が当センターを来訪されました。
浅井氏は、JSPSワシントン研究連絡センターの初代副センター長として同センターの立ち上げ(1991年開所)にご尽力されています。当時、JSPSは先進国に海外センターを開設しておらず、同センター設立の経緯や苦労等について貴重なお話しをお伺いすることができました。
また、2006年から2年3ヶ月、バングラデシュで書記官を務められた(当時のバングラデシュ特命全権大使はJSPSの井上正幸特別参与)そうですが、当時から日本に来るバングラデシュ留学生が非常に多かったとのことです。2009年、JSPSバングラデシュ同窓会(BJSPSAA)が設立されましたが、浅井氏の書記官時代のご功績が同窓会設立にも寄与しています。
OISTは、5年一貫制の博士課程を有する大学院大学で、沖縄という土地柄、海洋科学分野の研究も盛んに行われており、2016年7月には臨海実験研究施設「OISTマリン・サイエンス・ステーション」が開設しました。半数以上が海外からの研究者で構成されており、授業から学内会議に至るまですべて英語で実施されているそうです。日本の研究機関の先駆的な取り組みについて、大変興味深い内容をお伺いすることができました。
2016年8月30日、九州大学大学院工学研究院の河野正道准教授及び工学部教務課の横山美貴職員が当センターを来訪されました。
今回は28日に開催された日本学生支援機構(JASSO)主催の日本留学フェアの参加に合わせて当センターに来訪頂きました。留学フェアで同大学のブースを訪れた学生の状況等をお尋ねしたところ、日本語で授業を受けたい学生も多かったとのことで、29日にご来訪頂いたJASSOの米川理事のお話しと合わせ、日本留学、日本語への関心の高まりを感じることが出来ました。
また、今回の訪泰では、高校訪問も行ったとのことで訪問時の様子もお聞きすることができました。
当センターからは29日に開催された在タイ大学連絡会の他、タイ及び周辺国に関する情報提供等を行いました。
今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年8月30日、東亜大学の平松隆円准教授が当センターを来訪されました。平松准教授のご来訪は先月14日(そのときの様子はこちら)に続き2回目となります。
今回は訪泰に合わせ、現地大学や研究機関の情報収集を目的にマレーシアやブルネイも訪問されるそうです。関係機関と打合せを行い、今後の国際交流の展開等について検討したいとのことでした。また、現在東亜大学で行っている海外展開のための取組についてもご紹介頂きました。
これに対し山下センター長からはASEAN工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)の紹介を行った他、引き続き情報共有していくことを確認しました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年8月30日、福井工業大学アセアン事務所の松浦悦郎所長及び同大学職員12名の来訪を受け、当センターと同じフロアにオフィスを構える日本の独立行政法人3機関(当センター、日本学生支援機構(JASSO)及び国際交流基金(JF))が各機関の概要説明を行いました。
今回の来訪は、同大学職員の海外研修の一環として、現地の日本関係機関の業務に対する理解を深めることを目的として行われたもので、当センターからは、古屋副センター長がJSPSの概要を紹介すると共に、大田国際協力員がJSPS国際事業及びバンコクセンターの活動内容について説明を行いました。
質疑応答では、論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)や国際学術交流研修制度に関する質問がありました。
なお、今回の研修では、同大学のアセアン事務所の視察の他、姉妹校の訪問なども予定されているとのことでした。
2016年8月29日、在タイ日本大使館で第8回在タイ大学連絡会(JUNThai)が開催されました。今回は前日開催されていた日本留学フェアに合わせて開催されたこともあり、40機関(オブザーバー18機関含む)79名の参加がありました。
前回の第7回JUNThaiの概要はこちらからご覧いただけます。
第1部では、以下3つの講演が行われました。
・「産業人材育成イニシアティブと大学への期待」
在タイ日本国特命全権大使 佐渡島 志郎氏
・”Introduction of NRCT and academic collaboration between Japan and Thailand”
Ms. Pannee Panyawattanaporn, Director, International Affairs Division, National Research Council of Thailand (NRCT)
・「タイにおける日本語教育と大学連携について」
独立行政法人国際交流基金(JF)バンコク日本文化センター 次長兼日本語部長 玄田 悠大氏
在タイ日本国大使館の佐渡島大使は、タイの産業人材育成の現状と今後の取組等について他国との比較をしながらご講演されました。タイではこれまで産官学トップによる会議「産業人材育成円卓会議」が開催されており(そのときの様子はこちら→第1回 第2回)、発展を続けているタイでも「中進国の罠」に陥ることなく安定的に発展していくための取組について、特に製造業における人材育成に注目して議論がなされています。
産業が集積しているタイでは人材が労働市場に十分供給されておらず、また給与やキャリアパスにも魅力が足りないのが現状です。今後3年間で4万人の人材育成・輩出を目指すことや、PhDを所有する研究者を1万2千人に輩出しようとしているタイ政府の計画や、新規事業を募集し日本の大手企業と連携する計画等について紹介がありました。また、輩出した人材はタイだけでなくASEANでも活躍できるように受入先をつくることも重要であると述べられていました。
そして、これらの事業を推進するためには、タイの省庁や大学が各機関と連携していくことが必要で、この橋渡しを日本の大学に是非行ってほしいと強調されておられました。
質疑応答では、「日本の産業はトップ研究者だけではなく、中小企業のエンジニアの技術力に支えられており、タイでもその層のキャリアパスも考える必要があるのではないか」との質問に対し、佐渡島大使より「その点はタイ政府も意識しており、タイ政府ができないことを日本が支援することが重要である」との回答がありました。その他にも質問があがり、本テーマに対する関心の高さが伺えました。
続いて、タイ学術会議(NRCT)のPanee国際事業部長よりNRCTの概要等について紹介がありました。NRCTはJSPSのタイのカウンターパートでもあるため、山下センター長より講演に先立ちPanee部長の紹介を行いました。講演では、首相が議長を務めるNRCTの運営体制からビジョン、資金提供実績の他、タイのその他6つの研究助成機関から構成されるタイ研究助成機関ネットワーク(TRON)ならびにそれぞれの機能の違いについての紹介もありました。
最後に、JFの玄田次長からはタイで日本語教育に係る取り組み等についてお話しをいただきました。海外の日本語学習者の約30%は東南アジアの学習者で、近年日本語学習者が増える一方で、教師数・教育機関数がその増加に追いついていないのが現状です。そのためJFでは日本国内の大学等で日本語教育を専攻する学生をタイの日本語教育機関に派遣し、研修を行うプログラムを提供しており、同プログラムのタイの受入大学等について紹介がありました。
質疑応答では、「理工系人材を対象とした日本語教育についてどのように考えているか」との質問があがり、玄田次長より「人文社会学系に偏りがあるのは事実だが、新たに理工系人材を対象としたプログラムが立ち上がっているため、このプログラムの結果を基に今後検討を行っていきたい」との回答がありました。
第2部
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)米川理事より、2016年8月26日、28日にそれぞれチェンマイ、バンコクで開催された日本留学フェアについて報告がありました(会場の様子はこちら)。来場者数は一昨年と比較すると約2割増加しており、また昨年開催のフェアに対するアンケート結果では日本に留学した場合、希望授業言語として日本語を希望する学生は約40%いるなど、日本留学に対する関心の高さが伺える結果になったとのことでした。
議長より、JUNThaiへの新規参加校として、東亜大学の紹介があった他、今回オブザーバーとして参加した千葉工業大学、法政大学、島根大学の紹介も行われました。
続いて、現在幹事校を務めている名古屋大学と福井工業大学の任期満了に伴い、2016年9月からは青山学院大学と東京農工大学が次期幹事校になる旨の報告があり、承認されました。
また、当日は東北大学のタイ代表事務所の開所式がチュラロンコン大学で開催されており(そのときの様子はこちら)、東北大学の植木理事よりその旨報告がありました。
その他、芝浦工業大学バンコク事務所の移転(移転先はキングモンクット工科大学トンブリ校KXビル)や京都大学より2016年9月8、9日にマレーシア・クアラルンプールで開催されるKYOTO-ASEANフォーラムについて報告がありました。
前回に続きJUNThaiのFacebook開設とWikipedia掲載と運用について協議も行われました。
そして、最後に当センターの山下センター長より、タイ科学技術博(NSTF)(そのときの様子はこちら)への協力の御礼と来年以降の協力依頼がありました。また、大学の学生や職員がタイで研修を行う際は、当センターとしてはJSPS事業説明会を開催するなど今後も協力連携していく旨を述べられました。
次回のJUNThaiは12月19日(月)に開催予定です。
2016年8月29日、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の米川英樹理事と同職員の宮井朋宏 留学情報課課長補佐、平野創 同課職員及び尾崎龍吾 奨学事業戦略課職員が当センターを来訪されました。
JASSOは、タイの高校生・大学生等を対象とした日本留学フェアを8月26日にチェンマイで、同月28日にバンコクで開催しており、米川理事からは同フェアの様子等についてご説明いただきました。
今回のフェアでは、チェンマイ会場には958名、バンコク会場には3,426名の来場があったとのことでした。これは一昨年同時期に開催された同様のイベントと比較すると全体で約20%増となっており、タイでの日本留学に対する関心が高まっているのではないか、さらに来場者の質問内容も以前より具体的になってきており、日本の大学院への進学を希望する学生も増えてきているようだ、とのお話がありました。
※同フェアについては、8月29日に開催された在タイ大学連絡会(JUNThai)にて米川理事より報告がありました(そのときの様子はこちら)。
また、JASSOの今後の事業展開等についてもお話しをお伺いした他、山下センター長からは「JASSOは学部生・院生を、JSPSは研究者を主な支援対象としているが、連続的な支援も必要である」との発言があり、この点については米川理事も同様の認識を示されていらっしゃいました。特に当オフィスは毎年在タイ日本大使館主催「Japan Education Fair」にもJASSOや大学関係者と共に出席し、JSPS事業説明会を実施する等、学生への連続的な情報提供を行っているところです。
JASSOバンコク事務所とはオフィスも隣接しており、今後も同事務所と連携・協力しながら連続的な支援を提供していきたいと考えております。
なお、8月28日にバンコクで開催された日本留学フェアには当オフィスも会場を訪問し、参加校の関係者らと情報交換を行いました。
2016年8月29日、東北大学のタイ拠点事務所となる「東北大学タイ代表事務所」がチュラロンコン大学内に開設され、それを記念して開所式が執り行われました。
開所式には両大学の学長、関係者の他、在タイ日本国大使館寺島一等書記官らが出席し、当センターからも古屋副センター長、大田国際協力員が出席しました。
オープニングセレモニー後は、MoUの署名式、テープカットに続き、新事務所の施設案内も行われました。
新事務所はその他の協定校も共同で利用するオフィスとなっており、オフィスの隣には留学等の相談窓口となるワンストップサービスセンターも同日完成していました。今後のスムーズな手続きが期待されます。
なお、東北大学の植木俊哉 理事(総務、国際展開、事務統括担当)及び 宮元博央 国際交流課連携推進係長は同日開催された在タイ大学連絡会(JUNThai)にも参加され、植木理事より新事務所開設の報告がありました(そのときの様子はこちら)。
2016年8月23日、明治大学政治経済学部の加藤久和教授が当センターに来訪されました。
加藤教授はこれまでも当センターを訪問されており、今回は2015年8月17日以来約1年ぶりのご来訪(その時の様子はこちら)となりました。
今回は、明治大学の学生の引率のため訪泰され、学生らはチェンマイ大学、チュラロンコン大学、タマサート大学及びシーナカリンウィロート大学で講義を受けたそうです。
また、滞在期間中は、8月19日に当センターとタイ学術会議(NRCT)が共催したセミナーにもご出席された他、シーナカリンウィロート大学との共同事業の打合せ等も行われたそうです。共同事業では現在タイでも社会問題になっている「高齢化」をテーマにされており、今後は「少子化」に関する研究も検討したいとお考えでした。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
8月18日から開催中のタイ科学技術展(NATIONAL SCIENCE AND TECHNOLOGY FAIR 2016)を視察しました。タイ科学技術展は国民の科学技術への関心を高めるためにタイ科学技術省(MOST)及びタイ国立博物館が毎年主催し、例年100万人以上が来場する、科学技術に関するタイ最大のイベントです。今年は同月28日までの11日間にわたり開催し、タイ国内の教育研究機関や企業のほか、インターナショナルパビリオンでは日本、イギリス、アメリカ、ドイツが出展し、科学技術開発の成果を展示しています。
当センターは毎年日本パビリオン内において出展し、JSPS国際交流事業の紹介とともに、タイにオフィスを設置する日本の大学等教育関係機関の紹介ポスターを展示しています。
今年の日本パビリオンには以下8組織が参加し、各機関のプロジェクトや活動について展示を行いました。
<参加組織>
・内閣府宇宙開発戦略推進事務局
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)
・東京大学 宇宙・地理空間技術による革新的ソーシャルサービス・コンソーシアム(GESTISS)
・情報通信研究機構(NICT)
・大阪大学接合科学研究所(JWRI)
・国際農林水産業研究センター(JIRCAS)
・日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点(JASTIP)/京都大学
・日本学術振興会(JSPS)バンコク研究連絡センター
19日のオープニングセレモニーでは、MOSTのピチェート大臣及び在タイ日本国大使館の佐渡島大使が日本パビリオンを視察されています。
ポスター及び資料を提供頂いた大学等教育関係機関は下記の通りです(五十音順)。
<日本の大学(44機関)>
青山学院大学 / 秋田大学 / 大分大学 / 大阪市立大学 / 大阪大学 / 金沢大学 / 関西大学 / 九州大学 / 京都大学 / 京都工芸繊維大学 / 高知大学 / 国立高等専門学校機構 / 静岡大学 / 芝浦工業大学 / 首都大学東京 / 上智大学 / 創価大学 / 拓殖大学 / 千葉大学 / 中央大学 / 電気通信大学 / 東亜大学 / 東海大学 / 東京大学 / 東京医科歯科大学 / 東京工業大学 / 東京農工大学 / 東北大学 / 東洋大学 / 富山大学 / デジタルハリウッド大学 / 長岡技術科学大学 / 名古屋大学 / 弘前大学 / 福井大学 / 福井工業大学 / 福岡工業大学 / 文化学園大学 / 三重大学国際交流 / 宮崎大学 / 明治大学 / 名城大学 / 立命館アジア太平洋大学(APU)/ 早稲田大学 /
<教育関係機関等(5機関)>
AUN/SEED-Net / e-ASIA / 日本学生支援機構(JASSO)タイ事務所 / 日本学術振興会(JSPS)バンコク研究連絡センター / 日本学術振興会タイ国同窓会
(2016年8月28日追記)
フェア最終日である2016年8月28日には、参加機関に対する感謝トロフィーの授与式が行われ、当センターも出席しました。
2016年8月22日、ASEAN University Network、岡山大学及び千葉大学が連携して実施しているスタディーツアー「”AUN – SUN/SixERS Study and Visit Programme: Discovery, Diversity, Dynamics (3Ds)”」の参加者12名が、サーミットタワー10階にオフィスを構える日本の独立行政法人3機関(当センター、日本学生支援機構(JASSO)及び国際交流基金(JF))を訪問し、各機関の概要説明を受けました。同ツアーの訪問は今回で4回目となります。
当センターからは、山下センター長がJSPSの概要やバンコクセンターの活動内容を紹介すると共に、大田国際協力員からJSPS国際事業の詳細について説明を行いました。
その後、学生たちは当センターとJASSOの共同オフィスを見学に来ました。全員学部1年生、タイは初めてということで、タイの文化についても少しだけ触れながらオフィスに設置している資料や業務内容等について説明を行いました。
2016年8月19日、タイ学術会議(NRCT)が主催するThailand Research Expo 2016会場にてJSPS-NRCTセミナーを実施しました。
Thailand Research ExpoはNRCTが毎年主催している科学博で、期間中会場には多くの機関がブースを展示しているほか、タイ国内外の研究者による学術セミナーも行われます。バンコク研究連絡センターは、2009年のExpo初年度より毎年日本から講演者を招聘し、NRCTとセミナーを共催してきました。今年は、2015年にニューヨークで開催された「国連持続可能な開発サミット」で採択された成果文書「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」を基に、”The Mission of Education and Research for Sustainable Society”をテーマとして日本より東京理科大学・黒田玲子教授、福岡女子大学・和栗百恵准教授、大阪大学・渕上ゆかり特任助教を招きセミナーを実施しました。

今回はカセサート大学のPrompilai Buasuwan准教授にモデレータをお願いし、講師及びモデレータ全員女性での開催となりました。
開会式では、NRCTのYossavadee Ungvichian上級顧問から挨拶を頂きました。
最初の講演は、今回のセミナーのテーマでもある“Mission of Education and Research for Sustainable Society”と題し、黒田教授にご講演いただきました。黒田先生は2013年にロレアル-ユネスコ国際女性科学者賞を受賞されるなど科学者としてもご活躍されている一方で国連事務総長科学諮問委員会委員も務められており、今回はご自身の研究である「キラリティ(左右非対称性)」から、「科学」と「社会」をつなぐために日々精力的に活動されている取り組みについて講演頂きました。このキラリティという現象は、生命世界と非生命世界のどちらにもミクロからマクロの様々なレベルで出現するということを、身近な題材を用いて分かりやすく説明頂きました。また、ご自身や他の研究者の地道な研究の積み重ねによる研究成果がいかに社会の発展等に活用されているかについても触れ、基礎研究の重要性についてご説明頂きました。
続いて、和栗准教授により“Experiential Learning and Japanese Higher Education: Nurturing Reflectivity, Nurturing Global Citizens”と題し、日本の高等教育の在り方やアカデミアの役割等についてご講演いただきました。講演中は参加者間で議論する時間が設けられたほか、福岡女子大学の学生がスリランカで「開発」をテーマにフィールドスタディを行うショートムービーの紹介もありました。日本の大学では何を学びたいかきちんと理解していない学生も多い中、フィールドスタディに参加した学生らは、言語や文化等による様々な苦労を乗り越えながら、プログラム後に彼らの考え方や関心にも前向きな変化が見られ、これらの実例から学生の“reflectivity(顧みて熟考し、次の行動に生かすこと)”を育むことができるよう大学が組織的に取り組むことの重要性等について説明がありました。
引き続き、“Sustainable Management of Natural Resource Use: The Coexistence of Conservation, Economic Activity and Regionality”と題し、渕上特任助教がご自身の研究である「日本の山林管理問題・バイオコークスの分析・伝統的な天然資源の活用」を基に、持続可能な天然資源の活用についての難しさについて講演頂きました。環境保護・経済活動・地域への愛着をバランスよく解決する難しさと必要性について、これまで行ってこられた調査研究から分かりやすくご説明頂き、一見環境保護に良いとされるエコツーリズムについても、外部企業の参入や大量の人口移動等、環境に対し何らかの影響が起こっているとのことでした。今回の講演のキーワードとなる“sustainable society”について、最後に正解はないが最良の解を見つけるためにも様々な観点から研究者が連携を行う必要があるとの説明がありました。
質疑応答では、様々な質問があがると共に、参加者から3名の研究者の内容を順に聞くことで、今回のテーマである” The Mission of Education and Research for Sustainable Society”の理念から実際の研究に至るまでが非常に分かりやすく頭に入ってきた、といった意見もありました。
最後に、山下邦明バンコク研究連絡センター長により、3名の女性研究者とモデレータに感謝の言葉が述べられると共に、来年の日タイ修好130周年という節目に合わせ今後一層日本とタイの連携を強化し、JSPS及びNRCTもイベントを盛り上げていきたい、というコメントで会を締めくくりました。
セミナーのプログラムはこちらからダウンロードできます。
2016年8月15日、北陸ESDコンソーシアムのタイスタディーツアーグループの以下5名の先生方が当センターを来訪されました。
金沢大学 大学院教職実践研究科 松本 謙一 教授
金沢大学 人間社会学域学校教育学類 附属教育実践支援センター 加藤 隆弘 准教授
坂井市立鳴鹿小学校 出蔵 直美 校長
坂井市立鳴鹿小学校 細川 桂子 教諭
氷見市立朝日丘小学校 坂田 和彦 教諭
松本教授らは、同日、山下センター長とともにチュラロンコン大学附属小学校を訪問され、鳴鹿小学校が取り組まれているアートマイル事業(国際交流壁画共同制作プロジェクト)等について情報交換をされました。
また、チュラロンコン大学も訪問され、タイの教員研修の実態等についても情報交換されました。
当センター来訪時には、山下センター長がJSPSの概要や国際事業、当センターの活動内容の紹介を行い、特に論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)について、これまで200名以上のタイ人研究者が同事業によりPhDを取得しているということに対し、先生方は大変関心を示されていました。
一方、松本教授及び加藤准教授らからは、ベトナムのハノイ師範学校との大学間協定に基づく交流など金沢大学の取組みについてお話しをお伺いすることができました。
「バンコクの風 2016 Vol.1」を当センターホームページに掲載しました。
JSPSバンコク研究連絡センターは、四半期に一度、当センターの活動報告やASEAN地域の学術情報を掲載した「バンコクの風」を発行しています。
今回は、当センターの活動報告に加えて、在タイ日本国大使館の恩賀一等書記官に「科学技術イノベーション分野における日タイ協力の最近の取組」と題してご寄稿頂きました。
また、4月から新しく着任した大田国際協力員による思いっきりタイ験記では、タイのお正月であるソンクラーン(4月13~15日の3日間)について紹介していますのでこちらもぜひお楽しみください。
2016年8月5日、明治大学の小林正美副学長(総合政策担当)及び田中友章学長室専門員(理工学部建築学科専任教授)が当センターに来訪されました。
小林副学長も田中専任教授も建築学をご専門にされており、明治大学では2013年に建築家のプロフェッショナルを育てるコース(大学院国際プロフェッショナルコース)を開設されました。同コースでは、英語で講義が行われ、工学修士号の学位が取得できるだけでなく、日本技術者教育認定機構(JABEE)からの認定も受けており、開設以来、国際的に通用する建築家の育成や学生のモビリティ向上に取り組まれているそうです。
また、明治大学はタイ事務所である明治大学アセアンセンターを通じて、タイの学生との交流を推進されていますが、今後は同オフィスをハブとして新興メコン(CLMV)を含むその他の東南アジアの国との交流や展開も検討されているそうで、今後の展望や課題等についてもお話しをお伺いすることができました。
これに対し、山下センター長からはJSPSの研究拠点形成事業(Core-to-Core Program)、 論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)や外国人研究者招へい事業などの紹介を行うなど、有意義な情報交換を行うことができました。
当センターでは今後も日本の大学の東南アジアにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年8月2日、京都大学ASEAN拠点の柴山守所長及び園部太郎URAが当センターに来訪されました。
京都大学は、今年9月8、9日にマレーシア・クアラルンプールで「京都-ASEANフォーラム」の開催を予定されており、その打合せを兼ねたご来訪でした。
同フォーラムについては京都大学ASEAN拠点も中心となって企画を進められており、日本とASEANの学術交流等をテーマの一つにされているとのことでした。
当センターからも8月19日に開催するNRCTとJSPSの共催セミナーをご案内すると共に、同フォーラム以降の取り組みについても情報交換を行いました。
当センターでは今後も日本の大学の東南アジアにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年7月30日、デラサール大学にてJSPS事業説明会を実施しました。同大学はフィリピン・マニラにある私立大学で、1911年にフィリピン初のカトリック系学校として創設されました。
事業説明会に先立ち、Raymond Girard Tan副学長(研究・イノベーション担当)を表敬訪問した他、学内研究施設をご案内いただきました。
事業説明会には約40名が参加し、Jhonathan Dungca工学部長の開会の挨拶で事業説明会がスタートし、続いて山下センター長と古屋副センター長がJSPSの概要と国際事業について紹介を行いました。
引き続き、JSPS事業経験者であるProf. Iris Ann MartinesとProf. Michael Anglo B. Promentilla両氏にご講演いただきました。Martines氏は、現在フィリピン大学ディリマン校工学部教授で、RONPAKU事業により2010年に東京工業大学でPhDを取得されました。講演では日本で研究を希望された経緯や論文作成時の苦労、そしてフィリピンで研究を続けながらPhDを取得することができ、RONPAKU事業の制度が自分には適していたことなどをお話しいただきました。
一方、 Promentilla氏はデラサール大学 廃棄物・化学物質マネジメントユニット長で、JSPS外国人特別研究員として北海道大学で研究をされた経験があります。講演では、日本での経験だけでなく、研究者として重要なポイント等についてもお話しいただき、ご自身の経験をもとに参加者にワールドワイドな研究者になって欲しいという非常に熱意あるメッセージが送られました。
2016年7月29日、SMXコンベンションセンター(フィリピン・パサイ市)で第4回JSPSフィリピン同窓会(JAAP)シンポジウム”Sustainable Food System Innovation in the Changing Global Environment”を開催しました。
同シンポジウムは昨年に続き、フィリピン科技省(Department of Science and Technology: DOST)主催の科学技術広報イベント「科学技術週間(National Science and Technology Week: NSTW)」の一環として開催され、別会場ではJAAPのブースも出展されました。
シンポジウムでは、JAAPのJaime C. Montoya 会長が、持続可能な農業を推進することを掲げた国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に触れながら開会の挨拶を述べられました。続いて、在フィリピン日本大使館 北川達生参事官、JSPSバンコク研究連絡センター山下センター長からの祝辞、DOSTのFortunato T. de la Peña大臣からの基調メッセージが述べられました。
また、JAAPはこのたびWEBサイトを立ち上げ、同サイトの紹介も行われました。
基調講演では、東京農業大学副学長の夏秋啓子教授に「Tomorrow’s Lunchbox by Safe Food Production」と題し、ご講演いただきました。夏秋教授は、熱帯地域での農業に関する研究を通して発展途上国へ貢献されておられるだけでなく、海外からの学生の受入れも積極的に行われています。
今回の講演では、「お弁当」という日本人にとってはとても身近なテーマを取り上げ、その魅力やメリットを紹介するとともに「食料自給率」、「害虫防除」、「食育」、「農産物の流通管理」、「食の安全」などについて幅広い内容でお話しいただきました。講演終了後には、参加者から農業に関する質問だけでなく、日本のお弁当についてユニークな質問もあり、和やかな雰囲気の中にも参加者らの関心の高さが伺えました。
また、午前最後のセッションでは、フィリピン大学農学部のDr. Susan May F. Calumpang が”Farmer Innovations Alternative Pest Management Strategies”というテーマで、害虫駆除剤を使用しない害虫制御システムについてご講演され、害虫駆除剤使用の問題点や化学薬品を使用しない害虫制御などを紹介されました。
また、午後の部では北海道大学大学院獣医学研究科の片桐成仁教授より「Livestock Breeding Innovations Toward Food Sufficiency – A Research on Uterine Receptivity as a Missing Piece of MOET Technology」というテーマでご講演頂きました。片桐教授は、家畜の胚移植や人工授精に関する研究をされており、今回は「過剰排卵‐胚移植(MOET)技術」をキーワードのひとつとして紹介されました。この技術を使用することで、通常の繁殖よりも良質な家畜を多く安定的に供給することができ、食料自給率の改善に寄与することもできるとのことでした。同技術には温度管理も一つの重要なファクターで、質疑応答ではフィリピンでの管理方法に関する質問がありるなど、具体的な質問が数多くあがりました。
最終セッションでは、山下センター長によるJSPS概要や国際事業について紹介があり、また、JSPSタイ同窓会(JAAT)事務局長のDr. Danai Tiwawechが挨拶を述べるとともにJAATの活動の紹介を行いました。
さらに、JSPS国際事業経験者のDr. Michael Angelo B. Promentilla、Dr. Shelah Mae B. Ursua、Ms. Sheryll Santander-Avanceña及びDr. Orlex B. Yllanoの4名が、それぞれ外国人研究員招へい事業、論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)、HOPEミーティング、外国人研究者再招へい事業での経験等について講演を行い、講演終了後にはDr. ShelahにRONPAKUのメダルが授与されました。
今回はJAAPメンバーをはじめ約50名の参加があり、終始活気のあるシンポジウムとなりました。最後はJAAPのSusan M. Gallardo副会長による閉会の挨拶によりシンポジウムが締めくくられました。
なお、同日に同窓会総会も開催され、2年に1度の理事会改選が行われました。投票の結果、新しく現副会長のDr. Susan M. Gallardoが会長となり、総会では理事会新メンバーによる宣誓式も行われました。
2016年7月26日、キングモンクット・ラートクラバン工科大学(KMITL)で、昨年に引き続きJSPS事業説明会を実施しました。同大学は1960年にエンジニアや技術指導者等を育成する目的で設立された理工系大学で、現在も優秀な理工系人材を数多く輩出しています。
説明会では、Pitac Thumwarin副学長(評価システム・報酬担当)より開会の挨拶がありました。続いて山下センター長がJSPSの概要を説明し、古屋副センター長と大田国際協力員がJSPS国際事業の紹介を行いました。
また、JSPSタイ同窓会(JAAT)会員のDr.Nathanon Phaiboonsilpaにもご講演いただきました。Dr. Nathanonは、JSPS外国人特別研究員として京都大学で研究された経験があり、JSPS外国人特別研究員申請時の手順や立命館守山高校でのサイエンスダイアログの様子等についてお話しされました。
引き続き、同大学内にオフィスを構える東海大学及び福岡工業大学の紹介も行われました。
東海大学からは、東海大学アセアンオフィスの現地職員であるMs. Diyarat Kuhacharoenが同校の紹介を行いました。一方、福岡工業大学からは同校を卒業されたWitsarut Sriratana准教授が、同校の概要の他、KMITLとの連携について紹介されました。
Q&AセッションではJSPS外国人特別研究員事業に関する質問の他、東海大学や福岡工業大学に対する質問もありました。
2016年7月25日、キングモンクット工科大学トンブリ(KMUTT)でJSPS事業説明会を実施しました。同大学はタイでトップレベルの国立大学で、Times Higher Educationによる最新のアジア大学ランキングではタイ国内で第2位(アジア全体で100位以内)にランクされました。また、現在は大学全体で外国人留学生や教員の受け入れを行うなど積極的に国際化を進めており、日本との学術交流にも積極的に取り組まれています。
説明会では、JSPSの招へい事業により日本での研究経験をお持ちの学長顧問Vanida Bhavakul准教授より開会の挨拶がありました。その後、Anak Khantachawana国際関係担当学長補佐の司会進行により、フォトセッションを挟み、山下センター長がJSPSの概要を、古屋副センター長と大田国際協力員がJSPS国際事業の紹介を行いました。
また、JSPSタイ同窓会(JAAT)会員であり、JSPS外国人特別研究員として東京大学で研究された経験があるDr. Pitch Sutheerawatthanaに日本での研究経験についてご講演いただきました。
大阪大学をご退官後、KMUTTで国際交流顧問に就任されている関達治教授には、「Key Points of Application」と題しご講演頂きました。お話しの中では、研究計画や、申請における研究内容のわかりやすさ、インパクトの大きさの重要性を、外国人研究者を受け入れてきたこれまでのご経験を踏まえてお話し頂きました。
説明会には若手研究者から中堅研究者まで幅広い層の80名を越える参加がありました。また、既にJSPS国際事業に申請した経験を持つ研究者も多く、Q&Aセッションでは二国間交流事業や研究拠点形成事業についての質問の他、具体的な申請内容についての質問も相次ぎました。当センターからの回答の他、Dr. Pitchや関教授からも経験を基に具体的なアドバイスを頂いたことで、参加した研究者と活発な意見交換を行うことが出来ました。また、Anak学長補佐からは具体的に同大学でのJSPS国際事業の目標申請数を提示頂くなど、参加者に向けてJSPS国際事業の積極的な活用を奨励頂きました。
なお、今回のガイダンス終了後、国際化担当学長顧問であるDr. Pornapit Darasawangへの表敬訪問も行うことが出来ました。
2016年7月14日、東亜大学の櫛田宏治学長、平松隆円准教授 及び 福井大学の竹本拓治准教授が当センターを来訪されました。東亜大学は、昨日13日にタイのスアンスナンタ・ラチャパット大学と大学間協定の調印式を執り行い、今後は同大学内にタイ拠点オフィスを設置する予定とのことで、福井大学の竹本准教授のご紹介で当センターへお越し下さいました。
東亜大学は山口県下関市にある大学で、地理的にも中国や韓国の留学生が多いそうですが、櫛田学長のご就任以降さらに国際化を推進されており、東南アジア圏との学術及び学生交流を加速させるため、この度タイに拠点を設置されたそうです。
東亜大学は、総合的なプログラムによる人間教育を目指されており、さらに動物看護学、柔道整復や被服・美容学などの独自のコースもあり、タイのニーズと大学の理念及びこれらのコースをうまくマッチングさせ、さらにタイとの交流を発展させていきたいとお考えでした。また、同大学はスポーツも盛んで、スポーツ教育を通じた国際交流にも取り組みたいとのことでした。
これに対し、古屋副センター長は、JSPSの国際事業の説明の他、産業人材円卓会議や在タイ大学連絡会(JUNThai)等について紹介を行いました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
JSPSバンコクセンターとタイ学術会議(NRCT)による共催セミナーを以下のとおり開催いたします。このセミナーは、NRCT主催の「Thailand Research EXPO 2016(※リンク先のページはタイ語)」(2016年8月17日~同21日)のイベントの一環として開催され、今回のセミナーでは東京理科大学の黒田玲子教授をはじめ日本から3名の女性研究者をお招きしご講演いただきますので、奮ってご来場ください。
なお、本セミナーへのご参加は無料ですが、会場設営の都合上、事前登録が必要なため、本セミナーにご関心のある方または参加を希望される方は、誠に恐れ入りますが、7月29日までに本センターの問い合わせフォームより事前にご連絡をお願いいたします。
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日 時:2016年8月19日(金) 13:30-16:30
会 場:セントラルワールド バンコク・コンベンションセンター(タイ・バンコク)
テーマ:The Mission of Education and Research for Sustainable Society
講演者:(以下3名)
黒田 玲子 教授(東京理科大学)
和栗 百恵 准教授(福岡女子大学)
渕上 ゆかり 助教(大阪大学)
司会:Prompilai BUASUWAN 准教授(カセサート大学)
その他:詳細については、以下をご覧ください(PDFはこちら)。
2016年7月13日、今年度第2回目のJSPSタイ同窓会(JAAT)理事会をタイ学術会議(NRCT)で開催しました。
理事会では、以下の点について確認、議論を行いました。
1.第1回JAAT理事会(2016年4月27日開催)議事録の承認
2.国際学術セミナー(2016年2月25日開催)の報告
Dr. Suneeより報告書が完成したので、後日配布する旨報告があった。
3.JSPSフィリピン同窓会(JAAP)主催シンポジウムへの招待について
7月29日にフィリピン・パサイで開催されるJAAPのシンポジウムに、JAAP側からJAATのDr. Suneeに対し招待があったが、都合により出席できないため、代理としてDr. Danaiが出席することとなった。
4.JAATの2016年年次計画について
Dr. Danai よりJAATの2016年年次計画について説明があり、2017年2月に開催予定の国際学術セミナーのトピックについては引き続き協議することとし、同じく2017年2月開催予定のJAAT総会については、例年通り論博のメダル授与式に併せて開催することとなった。また、JAAT主催の地方大学(コンケン及びプリンスオブソンクラー大学)でのワークショップについては、NRCTの支援により11月、1月のJSPSバンコクセンター主催ガイダンスセミナーとあわせて実施する方向で検討することとなった。
5.次回の国際学術セミナーについて(4と同内容)
6.JAAT会計報告
7.Research Expo(2016年8月19日開催)について
山下センター長よりThailand Research Expo 2016の期間中の8月19日にNRCTとJSPSによる共催セミナーを行う旨の報告があり、併せてセミナーの内容について以下のとおり説明があった。
今回のテーマは「The Mission of Education and Research for Sustainable Society」で、日本からは黒田玲子教授(東京理科大学)、和栗百恵准教授(福岡女子大学)及び渕上ゆかり助教(大阪大学)の3名の女性研究者を招待し、講演を行っていただく。また、司会はカセサート大学のPrompilai BUASUWAN准教授が務める。
8.その他
・シンガポールでの研究のためJAAT理事を一時的に離任していたDr. Porphant Ouyyanontが理事に復帰した。

次回の理事会は、2016年9月14日(水)に開催予定です。
今回の理事会の議事録(英語)については後日掲載予定です。
2016年7月13日、電気通信大学UEC ASEAN 教育研究支援センター(UARC)の高橋隆司客員教授が同技術相談室長ご就任の挨拶のため当センターに来訪されました。高橋室長は、電気通信大学の卒業生で、昨年まで一般企業でタイの製造業に携わり、工場のマネジメント等も担当されていたそうで、この7月より同室長にご就任されたということです。
同大学のUEC ASEAN 教育研究支援センターは、2014年2月にタイのキングモンクット工科大学トンブリ校内に設立され、両大学による共同研究も継続的に実施されていますが、今後は学学連携から産学官連携を推進することなどを目的に技術相談室が設置されました。
また、タイのIT企業やタイ国立科学技術開発庁(NSTDA)で電気通信大学の学生のインターンシップの受入を毎年実施されているそうですが、今後は技術相談室を中心に受入の支援もしていきたいとのことでした。
これに対し、山下センター長からは、JSPSの国際事業や在タイ大学連絡会(JUNThai)の活動状況等について説明を行いました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年7月11日、九州大学 相澤伸広准教授及び京都大学 中西嘉宏准教授が当センターに来訪されました。相澤准教授は、今月より京都大学東南アジア研究所所長に新しくご着任され、同研究所の中西准教授とご挨拶のためお越し下さいました。
相澤准教授は、東南アジア、特にインドネシアとタイの政治の研究をされていらっしゃいますが、同所長として着任される約3ヵ月の間はタイを中心に活動されるそうです。また、相澤准教授からは福岡での開催が計画されている国際フォーラムについてお話しをお伺いすることができました。
一方、中西准教授は、2013年11月から約5ヵ月間同研究所に駐在されており、その間当センターにもお越しいただいております(そのときの様子はこちら(2013年11月)及び(2014年4月))。中西准教授は、ミャンマー政治等に関する地域研究をされており、今年の11月にヤンゴンで開催される「東南アジアセミナー」についてご紹介下さいました。
当センターでは今後も日本の大学及び研究者の東南アジアにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
JSPSバンコクセンターでは、以下のとおりJSPSのアジア地域での活動及びJSPSで実施している国際事業の紹介を行います。説明会ではJSPS事業経験者等による講話も予定しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
※ 事前の参加申込みは不要です。
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日 時:2016年7月25日(月) 10:30-11:30(受付は10:00から開始)
会 場:キングモンクット工科大学トンブリ校 理学部1階 SCi Connect Room
講話者:Dr. Pitch Sutheerawatthana(キングモンクット工科大学トンブリ校 土木工学科)
関 達治 教授(キングモンクット工科大学トンブリ校 国際交流顧問)
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日 時:2016年7月26日(火) 13:30-15:00(受付は13:00から開始)
会 場:キングモンクット・ラカバン工科大学 学長事務室棟7階701室
講話者: Dr. Nathanon Phaiboonsilpa(キングモンクット・ラカバン工科大学 工学部 化学工学科)
その他:説明会の最後に東海大学バンコク事務所及び福岡工業大学バンコク事務所スタッフより各大学の紹介もあります。
2016年7月7日、マヒドン大学パヤタイキャンパスでJSPS事業説明会を実施しました。同大学はタイでトップレベルの国立大学で、Times Higher Educationによる最新のアジア大学ランキングではタイ国内でトップ(Quacquarelli Symonds社によるアジア大学ランキングでは国内で2番目)にランクされました。また、現在JSPS国際事業の複数の事業に加わっており、日本との学術交流も積極的に推進されています。
説明会では、JSPSの二国間交流事業で日本の大学と共同研究をした経験をお持ちの理学部研究担当副部長Tanakorn Osotchan助教より開会の挨拶がありました。その後、フォトセッションを挟み、山下センター長がJSPSの概要を説明し、古屋副センター長と大田国際協力員がJSPS国際事業の紹介を行いました。
また、JSPSタイ同窓会(JAAT)会員のDr. Kittiphong Paiboonsukwongにご講演いただきました。Dr. Kittiphongは、JSPS外国人特別研究員として埼玉医科大学で研究された経験があり、日本での研究や生活の様子についてユーモアも交えながらお話しいただきました。
説明会には80名を越える参加があり、若手研究者だけでなく中堅研究者の姿も多く見受けられました。そのため、Q&Aセッションでは二国間交流事業や研究拠点形成事業についての質問も相次ぎ、説明会終了後も複数の参加者が個別に質問に来るなど、JSPS国際事業への関心の高さが伺えました。
2016年6月28日、創価大学のタイ拠点事務所となる「タマサート大学-創価大学リエゾンオフィス」がタマサート大学内に開設され、それを記念して開所式が執り行われました。
開所式には両大学の学長、関係者の他、佐渡島在タイ日本国特命全権大使及びタイに拠点を持つ日本の大学等からも多くの関係者が出席し、当センターも出席しました。
タイの伝統舞踊によるもてなしの後、タマサート大学Dumrong Adunyarittigun教養学部長の開会の挨拶により式が始まりました。Dumrong教養学部長の挨拶では、1965年の日本語学科の設置から創価大学との交流及びリエゾンオフィス設置に至った経緯等が語られました。
また、タマサート大学Somkit Lertpaithoon学長、創価大学 馬場善久学長の両学長による歓迎の挨拶では、両校の今後益々の交流発展を期待する旨が述べられました。
そして、佐渡島在タイ日本国特命全権大使からもスピーチがあり、祝辞を述べられるとともにタイと日本の学術交流の層の厚さや、来年がASEAN発足50周年並びに日泰修好130周年という記念すべき年であることにも触れられました。
引き続き、タマサート大学教養学部と創価大学国際教養学部の学部間協定の署名式と記念撮影会が行われ、最後にタマサート大学評議会Noranit Setabutr議長より閉会の挨拶がありました。
その後は、新事務所へ移動し代表者らによるテープカットが行われ、終始盛大な雰囲気の中での開所式となりました。
なお、創価大学リエゾンオフィスのそばには、青山学院大学のリエゾンオフィスもあり、今回はそちらにもお邪魔することが出来ました。
2016年6月27日、ブラパー大学でJSPS事業説明会を実施しました。同大学はタイ南東部チョンブリー県に位置する国立大学で、3キャンパスに約30の学部があり、約4万人の学生が在籍しています。また、前身の教育専門学校時代を含めると60年以上の歴史を有し、現在は国際化にも熱心に取り組んでいます。
事業説明会に先立ち、Witawat Jangiam学長補佐には表敬訪問も行うことが出来ました。
説明会では、Witawat学長補佐の開会の挨拶に続いて山下センター長がJSPSの概要を説明し、古屋副センター長と大田国際協力員がJSPS国際事業の紹介を行いました。

参加者の中には、外国人特別研究員事業への応募経験のある研究者も複数おり、応募までの準備期間や日本人受け入れ研究者との事前打ち合わせの重要性など、自身の経験を積極的に語って頂きました。JSPSバンコク研究連絡センターとしては、同大学での初めての事業説明会でしたが、約50名の参加のもと、非常に活発な説明会となりました。
2016年6月24日、京都大学東南アジア研究所バンコク連絡事務所長の豊原治彦准教授が同6月末で所長の任期を終えられるため、離任の挨拶のため当センターに来訪されました(2016年4月着任時のご来訪の様子はこちら)。
豊原准教授は、在任中にタイの大学と連携し、タイ国内でフィールドワークを積極的に行われ、その活動内容やタイでの環境汚染問題について貴重なお話をお伺いすることができました。具体的な活動としては、重金属汚染を調査するため、カンチャナブリ(ミャンマーに隣接するタイ西部の県)で鉛鉱山周辺の河川でサンプリング調査を実施されたそうです。
また、キングモンクット工科大学トンブリ校やマハーチュラロンコーンラージャヴィドゥャラヤ大学らと協力して、遺体を焼却する際に火葬炉から排出されるダイオキシン等の有害物質による大気汚染も調査されました。この調査においては、特定の薬剤を入れて焼却することで、ダイオキシン濃度の低下が見られたとのことです。
これらの環境汚染に関しては、タイを含む東南アジアの関連施設は浄化設備や分析技術が十分とは言えず、先進国と比較すると改善の余地が大きいため、日本の優れた分析技術や汚染除去技術はこれらの問題に対して非常に有効であるとのことでした。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年6月22日、UNESCOダッカ事務所(バングラデシュ) 大安喜一氏が当センターに来訪されました。
大安氏は2008年まではUNESCOバンコク事務所で勤務されており、現在はESD(持続可能な開発のための教育)に関連する事業を中心に取り組まれています。これまでカンボジア、ネパール、アフガニスタン等でコミュニティラーニングセンター(公民館)を通じた学習活動を行い、各国での地域づくりに貢献されてきました。
また、日本では引きこもりや不登校により形式的に義務教育を終了していても、実際は基礎教育が不十分なため識字能力が低い子供がおり、また日本への移民に対する教育の提供が十分とは言えないため、今後はこれらの問題に対しても上記のような活動経験を活かして取り組んでいきたいと考えておられました。
大安氏はJSPSの事業にも関心をお持ちで、山下センター長よりJSPS同窓会、二国間交流事業や研究拠点形成事業を中心にJSPS国際事業の紹介を行いました。
当センターでは今後もアジアで活動される方を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年6月20日、産業人材育成円卓会議”2nd Round Table Conference on Human Resources Development”に参加しました。同会議は今年3月に第1回目が開催され(そのときの様子はこちら)、今回もムエタイをイメージしたステージ上で活発な討論がなされました。
まず、佐渡島在タイ日本国特命全権大使による開会の挨拶があり、今回の会議の内容は正式なイニシアチブとして日本政府にも提案したい旨が述べられました。
続いてタイ国首相府Kobsak Pootrakool氏による基調講演があり、その中でタイの今後の発展のポイントとして「新規インフラの整備」「新たな産業の創出」「新たな産業を発展させる人材育成」の3つを挙げられました。
そして、「日泰人材育成イニシアチブ」をテーマに、以下6名によるパネルディスカッションが行われました。
・タイ科学技術省大臣(Minister of Science and Technology) Pichet Durongkaveroj 氏
・タイ工業連盟副会長(Vice Chairman, The Federation of Thai Industries) Thavorn Chalassathien 氏
・キングモンクット工科大学ラカバン校(KMITL)学長 Suchatvee Suwansawat 氏
・東レ・インダストリーズ・タイランド代表取締役(Managing Director, Toray Industries(Thailand) Co., LTD) 丁野 良助 氏
・東京工業大学学長(President, Tokyo Institute of Technology) 三島 良直 氏
・在タイ日本国大使館特命全権大使(Japanese Ambassador) 佐渡島 志郎 氏
「タイには日本企業が多く進出しており、エンジニアは必要とされているが、現状では質・量ともに不十分で政策による底上げが必要とされている。エンジニアに憧れる子供は多いが実際にエンジニアになる若者は少なく、さらに理系の優秀な学生らは金融業界や政界へ進出するため優秀なエンジニアが流出しており、その一因はエンジニアという職業のキャリアパスや報酬に魅力が欠けている。」という指摘がありました。これに対し、「日本には優秀なエンジニアが多く、彼らが育つ環境があったから、高度な成長を遂げることができた。」、「単純にエンジニアの数を増やすだけではなく、よりクリエイティブで優秀なエンジニアの育成が必要だ。」といった意見があり、この点において両国の認識は一致していました。
また、今後のタイ側への支援について、人材育成には日本からの金銭的支援が欠かせないが、タイへの金銭的支援は他のASEAN諸国への支援額と比較すると多くはないので、継続的な支援(投資)が必要だろうといった発言がありました。
その後、第2部のディスカッションでは、「タイの製造部門の若手エンジニアのキャリア開発」をテーマに日系企業、タイの大学教授及びタイの若手エンジニアらが意見を交わしました。
若手エンジニアからは「エンジニアはタイの子供にとっては憧れの職種であり、エンジニアとしてチャレンジングな仕事をしてみたいと思っているが、実際にエンジニアとして働いてみると、業務内容(生産が中心でクリエイティブな業務が少ない)、キャリアパスや報酬面にギャップがある。」といった本音が聞かれました。これに対し、日系企業のパネリストは「人材の絶対数が少ないうえに、企業が求めるレベルの人材も少ない。新しいことにも挑戦でき、同時にスキルアップを図れる環境を提供できるのが良い会社の条件であり、企業側はエンジニアのキャリアパスを明確にする必要がある。」と述べるなど、率直な意見で議論が進み、非常に活気のあるディスカッションとなりました。
そして、最後のセッションでは、東京工業大学 三島学長が「東京工業大学の教育改革とタイでの活動」と題してご講演されました。同大学は、タイの複数のリーディング大学と連携し、「TAIST(Thailand Advance Institute of Science and Technology)-Tokyo Tech」という国際共同事業に2007年から取り組んでおり、この事業を通じて科学技術分野を担う人材の育成を推進しているそうです。また、三島学長は就任時(2012年10月)から、学部から大学院まで一貫したカリキュラムを学生に提供できるように学科等の再編を行い、博士後期課程まで人文社会系科目の講義を取り入れることで人間性にも富んだエンジニアの育成を目指されているとのことでした。
会場にはタイの学生を含む大学関係者や科学技術関連機関関係者だけでなく報道関係者の姿も多く見られ、本会議の注目度の高さを伺うことができました。
2016年6月17日、大分大学医学部の内田智久助教が当センターに来訪されました。大分大学は昨年8月にバンコクオフィスを設立し、内田助教は同オフィスをタイでの活動拠点として、定期的に訪泰されています。今回の滞在期間中には、在タイ大学連絡会(JUNThai)へ出席され、(独)国際協力機構(JICA)との共同事業にも参加されました。
このJICAとの共同事業は、タイ国内で内視鏡外科手術の手技向上を図ることを目的として日本医療メーカーと連携して取り組まれており、大分大学からタイに医師を派遣して医療機器の操作方法等を指導し、または大分大学にタイからの医師を受け入れて研修をするなどの活動をされています。また、タイへ日本式医療を導入するため、その他の医療機器についても日本の医療メーカーと協働して産学連携活動を展開されています。
その他、産学官で東九州の医療分野での地域活性とアジアでの貢献を目指す「東九州メディカルバレー構想や、メコン領域の国(タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア、ミャンマー)の医師の内視鏡外科手術のスキルアップを図るトレーニングプログラムを提供する「MESTA(Mekong Endo-Surgery Training Academy)」の設立についてもお話しをお伺いすることができました。MESTAにおいては、日本医療機器メーカーが医療技術・製品トレーニング施設をタイに設立し、タイの大学とも連携しながら活動を進めていくそうです。
上記の活動の他、大分大学ではタイのPhD学生の育成にも取り組まれており、これらの学生のリクルートに当たっては、同大学バンコクオフィスでの活動が生きているそうです。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
JSPSバンコクセンターでは、以下のとおりJSPSのアジア地域での活動及びJSPSで実施している国際事業の紹介を行いますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
※ 事前の参加申込みは不要です。
日 時:2016年6月27日(月) 13:30-14:30(受付は13:00から開始)
会 場:ブラパー大学(チョンブリ) 学長室903会議室
2016年6月13日、在タイ日本大使館で第7回在タイ大学連絡会(JUNThai)が開催されました。タイに事務所などを設置する大学の代表者と、オブザーバーとして在タイ日本国大使館、泰日工業大学、(独)国際協力機構(JICA) アセアン工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)、国際交流基金バンコク日本文化センター、キングモンクット工科大学トンブリ校、(独)日本学生支援機構(JASSO)タイ事務所、(国研)科学技術振興機構(JST)及びJSPSバンコク研究連絡センターから、43名の参加がありました。
また、今回は前週(6月6日から同10日にかけて)開催されたJUNE Fairに併せての開催だったため、普段は参加できない大学等からも参加がありました。
前回の第6回JUNThaiの概要はこちらからご覧いただけます。
第1部
「産学連携」をテーマに以下2つの講演がありました。
・「GTIコンソーシアム」について 芝浦工業大学 国際部次長 杉山 修氏
・「明治大学のタイにおける産学連携と国連との協力」 明治大学ASEANセンター長 小沼 廣幸氏
杉山次長は芝浦工業大学の産学連携の取組事例を中心にお話しされました。同大学はGTIコンソーシアム(Global Technology Initiative Consortium)に基づき、東南アジアを中心とした産学官連携の強化に取り組んでおり、その中でグローバルPBL(Project Based Learning)というプログラムの紹介がありました。具体例として、同大学の学生がベトナムのハノイ工科大学へ出向いて現地の学生と混成チームを結成し、2週間かけて取り組んだロボット製作の成果を競い合うプログラムについて説明があり、この模様をまとめたショートムービーが上映されました。共通言語が英語しかない中で、文化・価値観・専攻の違いを超えて目標に向かって懸命に取り組む学生の姿はとても印象的でした。グローバルPBLは、現地の優秀な人材を求める企業にとっては、インターンシップより効率的に学生を見極めることできるため、企業にも積極的に連携を呼び掛けているとのことでした。
講演後の質疑応答では、このプログラムへの関心の高さからたくさんの質問や意見があり、学生の選抜方法、学生の費用負担(学生への金銭的サポート)や単位認定の仕組み等に関して補足の説明がありました。
続いて、小沼センター長からは明治大学ASEANセンターの概要、タイにおける産学連携と企業訪問及び明治大学・カセサート大学・シーナカリンウィロート大学の学生らによる模擬国連について紹介がありました。質疑応答では、小沼センター長が国連機関での勤務経験をお持ちだったこともあり、「国連機関を含む国際機関の中で日本人のプレゼンスが低いのはなぜか?また、どのように改善すればよいか?」という質問があり、これに対し小沼センター長は「国連に従事する日本人の割合は過去5年間横ばいであるが、現在JPO(Junior Professional Officer)、 APO(Associate Professional Officer)派遣制度による取り組みが始まっており、まだその成果が表れ始めていない。また、現在は国連で働きたいという意欲を持った学生が少なく、インターン制度が開けてくればもっと増えると思う。そして、このインターン制度に係る費用は学生の自己負担なので、この金銭的支援も必要である。」と回答されました。
第2部
議長より、JUNThaiへの新規参加校として、東北大学と創価大学の紹介がありました。
また、JASSOバンコクオフィス及び日本大使館より前週開催されたJUNE Fairについて報告があり、今回のJUNE Fairでは約500名の参加者があった、とのことでした。
続いて、JUNThaiのFacebook開設を含む今後の情報発信のあり方や、日本政府によるタイの国費留学生の状況等についても協議がなされました。
最後に、今回初めてJUNThaiへ出席した方々の紹介もありました。
次回のJUNThaiは8月29日(月)に開催予定です。
2016年6月6日から10日の5日間、在タイ日本国大使館で在タイ日本大使館及び(独)日本学生支援機構(JASSO)主催の 「JASSO, University, Nihongo-institutions Education Fair in Embassy of Japan (JUNE Fair)」が開催されました。JSPSバンコクセンターはそのうち6月6日、8日、10日の3日間、ブース出展を行いました。
JUNE Fairは、国費留学生(研究留学生・学部留学生)を対象とした日本政府(文部科学省)の奨学金の申請受付期間(今年は6月6日から10日まで)に合わせて在タイ日本国大使館で開催されます。このイベントは、日本留学に関心のある学生等に対し日本留学への促進を図ることを目的として開催され、今年で3回目です。
今回のJUNE Fairには、30の日本の大学や日本語学校などがブースを出展し、各大学等の紹介や留学の案内が行われていました。また、ブース出展している大学以外にも、資料設置スペースに多くの日本の大学等が各校のパンフレットを並べていました。JSPSバンコクセンターも毎年ブース出展していますが、年々JUNE Fairの認知度が高まり、今回も約500名の学生等の参加がありました。
同イベントの来場者の多くは高校生や大学生及びその保護者でしたが、タイの大学の研究者や博士課程の学生も来場しており、当センターは「外国人研究者招へい事業」や「論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)」を中心にJSPSの国際事業を紹介しました。
また、ある大学の先生は次のように述べられていました。
「英語が堪能な高校生も多く、学生のレベルの高さを感じた。我々の大学の情報を発信する場としてだけではなく、現地の学生の日本留学に対する生の声を聞く情報収集の場としても非常に良かった。また、このイベントに参加している日本の大学等ともネットワークを築くことができ、非常に有意義なイベントだった。」
実際、このイベントのために複数の大学教員や職員が日本から来られており、当センターも普段お会いできない方々と交流を深めることができました。
2016年6月9日、ブラパー大学インターナショナルカレッジのDr. Rungnapha Khamung(観光・ホテルマネジメントプログラム担当講師)とDr. Safa Tharib(芸術プログラム担当講師)が当センターに来訪されました。
Dr. Safaの専門分野はコンピュータグラフィックスで、現在はバーチャルリアリティ(VR)を心理的治療に応用する研究をされています。同氏は日本での研究を希望されており、これに対し古屋副センター長からJSPSの論文博士号取得希望者に対する支援(RONPAKU)事業や外国人研究者招へい事業について説明を行いました。
また、Dr. Rungnaphaからはブラパー大学でのJSPSガイダンスセミナー開催の要望がありました。当センターとしてもそのような要望は大変ありがたく、JSPS国際事業への申請締切に間に合うようできるだけ早めに開催したい旨回答しました。
当センターでは、今後も日本の大学とタイの大学の学術交流推進を積極的に支援していく所存です。
2016年6月9日、北海道大学大学院工学研究院の佐藤靖彦准教授(コンクリートリサーチクラスター 副クラスター長)がカセサート大学 Tidarut Jirawattanasomkul講師と共に当センターに来訪されました。
佐藤准教授は、土木工学をご専門にされており、これまでもカセサート大学Tidarut講師と共に共同研究を進めてこられました。同准教授によるとタイの道路は建設後のメンテナンス等が日本ほど十分に実施されていないため、これらに関する調査・研究を実施したいとのことで、JSPSの二国間事業を中心にご質問をいただきました。
当センターからは、同事業の内容を説明すると共に、研究拠点形成事業や外国人研究者招へい事業についても案内しました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年6月8日、理研シンガポール事務所の津澤元一所長が当センターに来訪されました。今回は翌日9日にバンコクで開催される「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」への出席のための訪泰に併せてのご来訪です。
津澤所長は2015年10月にも(そのときの様子はこちら)当センターを訪問されており、今回はその後の動向等について貴重なお話しをお伺いすることができました。
現在、タイでは在タイ日本大使館主導のもと、タイにオフィスを置く日本の科学技術・学術機関をメンバーとした科学技術連絡会を定期的に開催し、当センターもメンバーとして出席しておりますが、シンガポールにおいても、非公式ながらシンガポールに拠点を構える国立研究開発法人科学技術振興機(JST)や国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)などの機関等との情報交換、連携強化の場を設けるようにしているとのことです。そのため、将来的にはタイの科学技術連絡会とも協同して、ASEANにおける科学技術の連携強化及び交流促進を図りたいとお考えでした。
当センターとしても、タイ国内だけではなくASEAN各国との連携は非常に重要と考えており、今後もアジアで活動する機関を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年6月7日、九州大学学務部留学生課の松尾勇太職員が当センターに来訪されました。
松尾氏は、在タイ日本大使館及び日本学生支援機構(JASSO)共催により、日本大使館内で開催されているJUNE Fairというイベントに参加するために訪泰されました。このイベントは、国費外国人留学生(研究留学生・学部留学生)の志願者の申請書提出期間に併せて開催されるもので、30を超える日本の大学や日本語教育機関等がブースを出展し、国費外国人留学生の出願者や日本留学に興味・関心を持つタイの高校生等に対し各大学等の紹介や案内を行っています。
当センターからも6、8、10日の午前中にブース出展し、JSPSの国際事業について紹介を行っています。
九州大学は留学生獲得の取り組みの一環として、同イベントが始まった2年前から毎年参加しているとのことです。松尾氏によると、漠然と日本留学を希望するのではなく、留学先として九州大学を希望してブースに質問に来る学生も複数いたとのことで、タイの日本留学に対する関心や情報の浸透の高さが伺えたとのことでした。
また、同氏はJSPSの国際協力員としてロンドンセンターに着任した経験があり、九州大学での留学状況や取り組みの他にも、ロンドンセンターでの体験談等についてもお話をお伺いすることができました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年6月3日、創価大学タイ事務所の小林一茂講師が当センターに来訪されました。
同事務所はタマサート大学教養学部内に6月28日開所予定で、同日開催される開所式についてご案内いただきました。開所式には両大学の学長、学部長や評議委員会議長をはじめ、多くの関係者が参加される予定です。
創価大学とタマサート大学は31年前に学術協定を締結しており、それ以来学生の交換留学等を通して交流を深めています。また、タイ国内ではタマサート大学の他、チュラロンコン大学大学院及びパンヤピワット経営学院と協定を締結しており、今後も同事務所を拠点として交流校を増やしていきたいとのことでした。同大学は北京にも事務所を構えており、今後もアジアでの展開を検討中で、国際化に向けた取り組みについてお話しをお伺いすることができました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年6月2日、昨年に引き続き、カセサート大学カンペンセンキャンパスでJSPS事業説明会を実施しました。同大学は、タイにおいて最初の農業系大学として70年以上の歴史を誇り、現在は複数の学部を有していますが、農学・森林分野は現在でも世界的に高い評価を得ています。
説明会では、同大学のSeksom Attamangkune農学部長による開会の挨拶があり、引き続き山下センター長によりJSPSの概要説明、古屋副センター長及び大田国際協力員によりJSPS国際事業の説明を行いました。
続いて論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)を通じて京都大学で博士号を取得され、現在JSPSタイ同窓会(JAAT)理事でもあるDr. Suratwadee Jiwajindaから同事業の申請手順や日本での滞在経験についてお話しいただきました。
質疑応答のセッションでは、学生からの質問に対し、文部科学省の奨学金による日本留学経験のある同大学農学部研究・学術サービスセンター主任Dr. Tiwa Pakoktomからもご自身の経験に基づいてご回答いただき、参加者らの日本留学への関心の高さが伺えました。
2016年5月31日、バンコク市内にあるシーナカリンウィロート大学にて2014年以来2回目となるJSPS事業説明会を実施しました。同大学は、タイのリーディング大学として教員や公務員を多く輩出しており、当センターから徒歩圏内にある国立大学です。
なお、今回の説明会実施に当たっては、明治大学ASEANセンターにご支援、ご協力をいただきました。
説明会には約20名の研究者が参加し、明治大学ASEANセンター長小沼廣幸特任教授による「自然災害等の様々な課題克服のために科学は重要である」との挨拶に続いて、同大学Prit Supasetsiri副学長(国際担当)による挨拶が行われました。
引き続き、山下センター長によりJSPSの概要説明、古屋副センター長及び大田国際協力員によりJSPS国際事業の説明を行いました。


その後、論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)を通じて東京医科歯科大学で博士号を取得され、現在JSPSタイ同窓会(JAAT)会員でもあるDr. Sorasun Rungsiyanontから日本での研究の様子、日本の文化や同事業から学んだことについて、ユーモアを交えながらお話しいただきました。
質疑応答のセッションでは、外国人特別研究員事業への申請条件等について複数の質問があり、参加者の関心の高さや積極性が伺えました。
2016年5月27日、チェンマイ大学でJSPS事業説明会を実施しました。同大学は広大なキャンパスを有しており、タイのリーディング大学として、学術分野でも高い評価を受けています。当センターは2013年以降、毎年同大学での事業説明会を実施しており、今回で4回目の開催となります。
事業説明会に先立ち、Watchara Kasinrerk副学長(学術・教育開発担当)、Rome Chiranukrom副学長(国際・同窓会担当)及びAvorn Opatpatanakit副学長(研究・学術担当)を表敬訪問しました。同大学は日本の多くの大学とMoUを締結しており、MoUに基づくダブルディグリープログラム等で学生モビリティの向上を推進しているとのことです。
表敬訪問後、キャンパスを移動し事業説明会を実施し、説明会には若手の研究者等を中心に50名を超える参加がありました。
司会は、同大学医学部准教授でJSPSタイ同窓会(JAAT)理事でもあるDr. Sirikan Limpakanが務め、Avorn副学長の挨拶で説明会が始まりました。
続いて山下センター長がJSPSの概要を説明しました。当日は、アメリカのオバマ大統領が広島を訪問した歴史的な1日でもあり、冒頭で「平和と学術の交流の促進」について触れました。
引き続き、古屋副センター長と大田国際協力員がJSPS国際事業について説明を行いました。


その後、JSPS事業経験者でJAAT会員でもあるDr. Narongchai AutsavaprompornとDr. Saisamorn Lumyongにそれぞれ日本での研究、生活の様子や申請に関するアドバイス等についてお話しいただきました。Dr. Narongchaiは外国人特別研究員として放射線医学総合研究所での研究経験があり、Dr. Saisamornは論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAKU)を通じて北海道大学で博士号を取得されております。
さらに、チェンマイ大学の伊藤信孝客員教授による講演も行われ、ご自身のご経験に基づき学生と職員の国際化をテーマにお話しいただきました。
質疑応答では、招へい事業やRONPAKU事業の詳細について質問があるなど、JSPS事業への関心の高さが伺えました。
Dr. Sirikan、Dr. Narongchai、Dr. Saisamornからのアドバイスの他、伊藤客員教授からもご自身の研究活動を例にとり、時間を無駄にせず研究活動を継続することの重要性を参加者にお話し頂くなど、日泰両研究者からのアドバイスにより有意義な質疑応答となりました。
2016年5月26日、タイ北部チェンライにあるメーファールアン大学にて初めて事業説明会を実施しました。同大学は、今年で創立18年の国立大学としては2番目に若い大学で、自然豊かな環境に囲まれた綺麗で広大なキャンパスが印象的でした。
説明会に先立ちDarunee Wattanasiriwech副学長を表敬訪問し、Dr. Phunsiri Suthilukと当日の講演者でJSPS同窓会(JAAT)会員でもあるDr. Sutthiwal Sethaご同席の上懇談を行うことができました。同大学は、地域の特性上、農学に関する研究が盛んですが、その他科学技術分野にも力を入れているとのことで、日本の大学との共同研究への関心も伺えました。また、チェンライはラオス、ミャンマーにも隣接しているため、戦略的モデルエリアとして経済マネジメントや物流に関する事業にも取り組んでいるとのことでした。また、日本の複数の大学ともMoUを締結しており、今後は国際化を促進するため、学生だけでなく大学職員のモビリティ向上にも取り組みたいとのことでした。
事業説明会には博士課程の学生らを含む若手の研究者ら約30名が参加しました。
Darunee副学長のオープニングの挨拶に続いて、山下センター長によりJSPSの概要説明、古屋副センター長及び大田国際協力員によりJSPS国際事業の説明を行いました。


その後、外国人特別研究員として広島県立大学及び千葉大学での研究を行ったDr. Sutthiwalに日本での経験やその後の継続的な交流等についてお話し頂きました。
質疑応答のセッションでは、外国人特別研究員事業を中心に申請手順や申請資格について積極的に質問があがり、大変有意義な事業説明会となりました。
2016年5月24日、マレーシア科学大学(USM)日本文化センターの副田雅紀(そえだ まさとし)センター長が当センターに来訪されました。
副田センター長は、名古屋市で中学校の校長先生をなさっておられ、ご退任後にマレーシアに渡られました。その後、京都外国語大学との事業でハラル食文化(※ハラルとは「イスラム法で認められたもの」の意)に関する一般市民向けのセミナーを開催されるなど、マレーシアと日本の交流促進のためにご尽力されており、こうした活動が評価され、平成24年度には外務大臣表彰を受賞されました。
そして、現在は、マレーシアと日本と交流促進や相互理解を目的として2015年8月に設立されたマレーシア科学大学日本文化センターのセンター長にご就任され、日本の大学等との事業の支援等もされています。しかし、マレーシアに拠点を置く日本の大学は少ないのが現状で、今後は拠点の増加とそれらのネットワーク強化が課題の1つであると述べられておられました。
また、今後の展望に関して、模擬国連総会の立ち上げやマレーシアのケダ州にある工業団地での専門学校の設計画等、貴重なお話しをお伺いすることができました。
これに対し、山下センター長からは、外国人研究者招へい事業や論文博士号取得希望者に対する支援事業等のJSPS国際事業や泰日工業大学の事例を紹介し、非常に有意義な意見交換を行うことができました。
当センターでは今後もアジアで活動する機関を積極的に支援していきたいと考えています。
JSPSバンコクセンターでは、以下のとおりJSPSのアジア地域での活動及びJSPSで実施している国際事業の紹介を行います。説明会ではJSPS事業経験者等による講話も予定しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
※ 事前の参加申込みは不要です。
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【終了しました】
日 時:2016年5月31日(火) 10:00-11:25(受付は9:30から開始)
会 場:シーナカリンウィロート大学(バンコク)
明治大学ASEANセンター10階(Pin Malakul Building)
School of Economics and Public policy 14階会議室(Pin Malakul Building)
(※場所が変更になりました。)
講話者:Dr. Sorasun Rungsiyanout(シーナカリンウィロート大学 歯学部 口腔外科・口腔治療学科:准教授)
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【終了しました】
日 時:2016年6月2日(木) 10:30-12:00(受付は10:00から開始)
会 場:カセサート大学 KamphaengSaenキャンパス(バンコク)
Bu-nga会議室(Central Laboratory and Greenhouse Complex)
講話者:Dr. Suratwadee Jiwajinda(カセサート大学 農学部)
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日 時:2016年7月7日(木) 14:30-16:00(受付は14:00から開始)
会 場:マヒドン大学 Phayathaiキャンパス(バンコク)
K102会議室(Chalemprakiet Building)
講話者:Dr. Wichet Leelamanit(マヒドン大学 薬学部 生化学科:助教)
Dr. Kittiphong Paiboonsukwong(マヒドン大学 分子生物学研究所 セラセミア研究センター:講師)
2016年5月11日、ASIA CENTRE(ソーシャル・エンタープライズ)アソシエイト 加藤保之氏が当センターに来訪されました。加藤氏は翌12日にマヒドン大学で開催される国際学会での発表のため訪泰されており、その合間を縫って当センターへお越し下さいました。今回のご来訪は2013年10月以来です(その時の様子はこちら)。
加藤氏は、以前はタイで移住労働者の問題を法律の観点等から研究されていらっしゃいましたが、現在は活動の場を台湾に移されていらっしゃるとのことです。
日本でも移住労働者は増えており、将来的には現在の研究内容を日本にも応用できないかということもお考えでした。
また、つい最近まで約半年間、教師として台湾の生徒に日本語を指導されていたそうで、貴重な体験談をお伺いすることもできました。特に、赴任先の学校には家庭環境や経済的に問題をかかえる生徒も多く苦労も多かったが、離任時には別れを惜しみ涙する生徒もおり、とても良い経験になった、と述べられていたのがとても印象的でした。
当センターでは今後もアジアで活動される研究者を積極的に支援していきたいと考えています。
2016年5月11日、京都大学企画・情報部の佐藤邦明企画課長、田中正人課長補佐及びASEAN拠点の柴山守拠点所長、塚原美緒職員が当センターに来訪されました。
佐藤課長及び田中課長補佐は、タイを含むASEANでの学術動向や事業展開に関する現地調査、情報収集のため訪泰されました。佐藤課長は同大学国際戦略の総長特命補佐を兼務されており、柴山所長と共に、現在のASEANセンターの活動状況並びに課題、及び同大学の今後の国際戦略の方向性等についてご説明いただきました。
また、ASEAN拠点の柴山拠点所長より、4月から着任された塚原職員の紹介がありました。
当センターからはJSPSの国際事業やJSPS同窓会の活動等の説明を行い、同窓会の今後の運営や大学との連携・情報交換の必要性について等、活発な意見交換を行うことができました。
当センターでは今後も日本の大学のタイにおける活動を積極的に支援していきたいと考えています。
JSPSバンコクセンターでは、以下のとおりJSPSのアジア地域での活動及びJSPSで実施している国際事業の紹介を行います。説明会ではJSPS事業経験者等による講話も予定しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
日 時:2016年5月27日(金) 10:00-12:00(受付は9:30から開始)
会 場:チェンマイ大学(チェンマイ) 薬学部Sujinno棟 15階 152会議室
講話者:Narongchai Autsavapromporn講師(チェンマイ大学 薬学部)
Saisamorn Lumyong教授(チェンマイ大学 理学部)
伊藤 信孝客員教授(チェンマイ大学 工学部)
※事前の参加申込みは不要です。
JSPSバンコクセンターでは、以下のとおりJSPSのアジア地域での活動及びJSPSで実施している国際事業の紹介を行います。説明会ではJSPS事業経験者による講話も予定しておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
日 時:2016年5月26日(木) 10:00-11:15(受付は9:30から開始)
会 場:メーファールアン大学(チェンライ) Academic Office 3 (E3) 2階E3-206会議室
講話者:Sutthiwal Setha講師(メーファールアン大学)
※事前の参加申込みは不要です。
2016年4月27日、今年度第1回目のJSPSタイ同窓会(JAAT)理事会をタイ学術会議(NRCT)で開催しました。
理事会では、以下の点について確認、議論を行いました。
1.JSPSバンコク研究連絡センターの大田国際協力員の紹介
2.第7回JAAT理事会(2016年2月26日開催)議事録の承認
3.第6回JAAT総会(2016年2月26日開催)議事録の承認
4.JSPS事業説明会について
山下センター長より今年度のJSPS事業説明会の実施計画について説明があり、5月26日はメーファールアン大学(チェンライ)、翌27日にはチェンマイ大学(チェンマイ)で実施する旨報告がありました。また、その他の大学についても順次事業説明会を開催する予定で、日程は現在調整中との報告がありました。
5.地方大学でのJAAT学術セミナーについて
Dr. Suneeより地方大学でのJAAT学術セミナーの実施について議題提起がありました。本議題では、セミナーの形態、内容や予算等について各メンバーから様々な意見があり、活発な議論がなされましたが、課題や懸案事項も残り、今後は別途ワーキンググループを立ち上げ検討を続けていくこととなりました。
6.JAAT会計報告
Dr. Jirapornより2015年度の会計について報告がありました。
7.その他
・山下センター長より7月29日にフィリピン同窓会と共催でセミナーを開催すると報告がありました。テーマは「Sustainable food System innovations in the changing global environment」で、同セミナーにはフィリピン同窓会よりタイ、バングラデシュ、ネパールの各同窓会長を招待する予定である旨が併せて報告がされました。
・山下センター長より8月開催のNRCT・JSPS共催の学術セミナーについて、現在JSPS側で日本人講師を2名調整中である旨報告がありました。
次回の理事会は、2016年7月13日(水)に開催予定です。
今回の理事会の議事録(英語)については後日掲載予定です。












































































































































































































































































