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2012年3月17日(土)、当センターは移転しました。バンコク市内アソーク通りのSerm-mit Tower内で低層棟から高層棟への移動です。階数は変わらず10階。

新たに移ってまいりました高層棟の10階には、すでに国際交流基金(JF: Japan Foundation)や国立観光局(JNTO: Japan National Tourism Organization)が図書館や教室、事務所を構えており、当センターはその中で、学生支援機構(JASSO: Japan Student Service Organization)と一つのオフィスをシェアしております。

新オフィスの入り口

新オフィスの入り口

これは2010年12月7日に閣議決定された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」に従い、2011年度(平成23年度)内の①オフィスの移転、及び②JASSOとの共用という2つの課題を達成したものです。

新オフィスには、JSPSとJASSOの各事務室のほか、共用の資料閲覧室と会議室が設けられ、日本への留学や研究滞在を目的とする広い世代のタイ人に対する情報提供を行うとともに、日本人研究者等の研究打合せや情報交換の場として提供しうるなど、サービスと機能を拡充することで、学業・科学というアカデミックな分野での我が国のプレゼンスを高めていく所存です。

皆様のご利用をお待ちしております。

二つの看板

二つの看板

2012年3月13日(火)、バンコク郊外パトゥンタニの国立科学博物館(NSM: National Science Museum)にて「Discover Antarctic」と題した増設展示を記念する式典が開かれ、当オフィスより副センター長およびタイ人スタッフが視察しました。

これは日本の国立極地研究所とチュラロンコン大学の長年の協力関係を基本にしており、2004年の日本の第46次南極調査隊として、チュラロンコン大学のAssist. Prof. Dr. Voranop Viyakarnがタイの研究者では初めて南極に入り、その後、2009年の第51次調査隊に同じくチュラロンコン大学のAssoc. Prof. Dr. Suchana Chavanichが加わりました。今回の展示は、この51次調査隊で使用した実物を展示品として極地研究所が科学博物館に提供したことで実現したものです。ともに、極地研究への関心を高めていこうという意向を持っており、それが合致した結果です。

式典には、国立極地研究所より白石和行(しらいし・かずゆき)所長、渡邉研太郎(わたなべ・けんたろう)国際企画室長、牛尾収輝(うしお・しゅうき)博士が参加し、タイ側からはチュラロンコン大学より上記の研究者2名と、Mr. Manop Issareeya副所長が参加して、盛大に行われました。

中央の女性がDr. Suchana、その右側男性がDr. Voranop。 Dr. Suchanaの左へ、白石所長、Mr. Manop副所長

中央の女性がDr. Suchana、その右側男性がDr. Voranop。
Dr. Suchanaの左へ、白石所長、Mr. Manop副所長

2012年3月8日(木)、科学技術振興機構(JST)より屠耿(と・こう)国際科学事業部調査役および矢野雅仁シンガポール事務所シニア・プログラムコーディネターが来タイされました。

目的は、JSTが新たに立ち上げるマルチラテラルのファンディング・スキームe-ASIA Joint Research Program (e-ASIA JRP)について、その参加機関であるタイ科学技術開発庁(NSTDA: National Science and Technology Development Agency)との打合せです。
JSTとしてはこの機会を利用してNRCTへの紹介を行いたいということで、当センターから副センター長とタイ人スタッフが同行いたしました。

NRCTからはMs. Pimpun Pongpidjayamaad国際部長(Director, Office of International Affairs)、Mr. Sawaeng Jongsutjarittamアジア・アフリカ課長(Head, Asia-Africa Section)、Ms. Pawanee Nakdee職員及び Ms. Arpar Nateprapai職員にご参加いただきました。

屠調査役のご説明によれば、e-Asia JRPは東アジア(E-Asia)のみならず、東南アジアやアメリカ、ロシア、オーストラリアなども含む広い地域を含む多国間の共同研究枠組みで、各国のファンディング・エージェンシー負担によるマッチング・ファンドを確保しながら、それぞれに設定した分野での共同研究への参画を行うというもので、タイではすでにNSTDAの参加が決まっているということです。

JSTとしてはより広く研究者の参加を促す目的で、独自の研究者を擁するNSTDAだけでなく、タイ国内の大学を所管するNRCTの参加に期待をしているとのことですが、NRCTとしては既にJSPSの枠組みであるアジア学術振興機関長会議(ASIAHORCs)に参加しており、e-Asia JRPへの参加については検討を要するとのことでした。

当センターとしては、今後ともJSTシンガポールとの連携しながら東南アジアにおける研究分野でのより緊密な関係を築いていきたいと思います。

左から、Ms. Arpar、Ms. Pawanee、Mr. Sawaeng課長、Ms. Pimpun部長、屠調査役、矢野SPC、副センター長、タイ人スタッフ

左から、Ms. Arpar、Ms. Pawanee、Mr. Sawaeng課長、Ms. Pimpun部長、屠調査役、矢野SPC、副センター長、タイ人スタッフ

2012年3月7日(水)および8日(木)、JSPS本部国際事業部海外派遣事業課より、川崎宏(かわさき・ひろし)前専門員(現・研究事業部基金管理課課長代理)および高橋翼(たかはし・つばさ)係員が当センターを来訪されました。

これは、当課が管轄している「組織的な若手研究者海外派遣プログラム」により現在タイに滞在している大分大学の内田智久(うちだ・ともひさ)助教を訪ね、その研究環境の視察と、プログラムの使い勝手を調査するものです。事業終了後に日本で行うのではなく、現に海外滞在中に調査をすることでよりいっそう生の声を拾い、それを事業改善に役立てていこうという取り組みです。

タイの前には「頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム」で実施中の鹿児島大学「食欲調節ペプチド自己後退症候群の概念、病態生理的意義の確立と新しい治療戦略」の調査のため、台湾の台南大学を訪問されていたとのことです。

大分大学医学部では「東アジア分子疫学研究推進のための若手研究者派遣プログラム」を実施しており、当センターにはこれまでに内田助教のほか山岡教授や川本教授といった主要なメンバーが訪問されています。

7日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)タイ駐在員事務所の会議室を借り受け、約2時間のインタビューが実施され、8日はタイ国内での受入れ先となっているチュラロンコン大学医学部の研究室を視察して回られました。

当センターとしては会議室の手配等を行うのみでしたが、JSPS本体の自己改善に少しでも貢献することができかと思うと大変うれしいです。また非常に意欲的な若手職員とそれを厳しく熱く指導する経験豊かな職員と接する機会が得られたことは非常に大きな収穫でもありました。

当センターとしては、今後とも海外においてこそ可能な貢献を続けていきたいと思います。

左から、佐藤主任、内田助教、川崎課長代理、高橋係員

左から、佐藤主任、内田助教、川崎課長代理、高橋係員

2012年3月2日(金)、バンコク市内チャムチュリースクエアのサイエンススクエアにて「Marie Curie and Chemistry: Our Life Our Future」と題した特別展示の開催式典が開かれ、当オフィスより副センター長およびタイ人スタッフが視察しました。

この特別展示はタイ国科学技術省と在タイ・ポーランド大使館およびタイ化学学会が協力して企画したもので、国際科学年を記念して放射性物質を発見し、世界で初めての女性ノーベル賞受賞者となったキュリー夫人の足跡と業績を紹介するものです。

科学技術省管下の国立博物館(NSM)では、青少年に対する科学の啓蒙を目的としてサイエンススクエアを展開しており、今回の特別展示も科学全般への関心を高めることを目的に開催されています。

開催式典では、在タイ・ポオーランド大使と国立博物館副館長が挨拶を行い、テープカットを行って、特別展示の開催を祝いました。

テープカットの様子

テープカットの様子

2012年2月26日(日)、バングラデシュでのシンポジウムからご一緒させていただいた大学評価・学位授与機構(NIAD-UE)の木村孟特任教授(文部科学省顧問)をはじめ、川口昭彦特任教授、評価事業部の秦絵里国際課長、同課井福竜太郎係員と、バンコク市内にて夕食をご一緒させていただきました。

木村教授はバングラデシュでのシンポジウム終えて帰国の途上であり、川口教授らは東南アジア諸国教育大臣協会高等教育開発センター(SEAMEO-RIHED)およびアセアン大学連合(AUN)へ、東南アジアにおける教育の質保証関係機関の調査のために来タイされたということです。

夕食の席では、バングラデシュでのお疲れもありつつも、木村・川口両教授が過去と現在のバンコクの比較や、当センター長も含めて出身・勤務大学である東京大学についての過去と現在について話を弾ませました。

秦課長は元々JSPS職員から転身されてのNIAD-UE勤務、井福係員は熊本大学からの出向ということで、名前は知りながらもその実態については多くを知らずにいた副センター長としては、ともに外部の視線も併せ持つお二人から、NIAD-UEについて様々に学ばせていただく、大変良い機会となりました。

前列左から秦課長、木村教授、川口教授 後列左から井福係員、副センター長、センター長

前列左から秦課長、木村教授、川口教授
後列左から井福係員、副センター長、センター長

2012年2月24日(金)と25日(土)、バングラデシュの首都ダッカにて、バングラデシュJSPS同窓会(BJSPSAA: Bangladesh JSPS Alumni Association)主催により、第3回科学シンポジウム「社会のための科学(Science for Society)」を開催しました。

これは、2008年の同窓会発足、2009年の第一回科学シンポジウム開催以来、毎年続けているもので今年が3回目となります。これまで毎年12月に行われてきましたが、2012年が日本-バングラデシュ国交樹立40周年に当たることから、それを記念して、今回は2012年2月の開催です。

タイトルの通り、社会と科学の関わりを軸に初日をセレモニーに、最終日をサイエンス・セッションにあて、バングラデシュの研究者や学生を中心に200名を超える参加者がありました。

初日、木村孟文部科学省顧問およびProf. Naiyyum Choudhuryバングラデシュ科学アカデミー(BAS: Bangladesh Academy of Science)事務局長兼 BJSPSAA会長よりキーノート講演をいただいたほか、南博之在バングラデシュ日本公使、バングラデシュ大学助成委員会(UGC: University Grant Commission)委員Prof. M. Muhibur Rahman、バングラデシュで発行部数一位の英文紙The Daily Star編集委員であるMr. Mahfuz Anam、JSPS本部の里見昭彦人物交流課長より挨拶をいただきました。


その後、在バングラデシュ日本大使館の協力を得て大使公邸での夕食会が催され、招待者一同で食卓を囲みました。

また、2日目である最終日は、日本より招へいした、東北大学農学研究科応用生命科学専攻内田隆史 教授、東京大学生物生産工学研究センター長 五十嵐泰夫 教授を含む10本のプレナリー発表と、18本の一般発表が行われ、盛んに意見交換が行われました。

今回のシンポジウムを機会に、今後、現センター長在任期間中についてはBJSPSAAとのコーディネイトを当センターで行うことが決まっており、タイをはじめとする東南アジア各国とは様々に異なる社会状況、人間関係などを学ぶよい機会となりました。

閉会式で挨拶を述べるセンター長

閉会式で挨拶を述べるセンター長

当センターとしては、今後も引き続き、関係各所との連携を強めながら東南アジアおよび南アジアにおける研究者ネットワークの形成と強化に尽力していきたいと思います。

 

お世話になった大村浩一等書記官(右端)と国会議事堂前にて

お世話になった大村浩一等書記官(右端)と国会議事堂前にて

2012年2月22日(水)、在タイ日本大使館にて開催された「東南アジア地域における国境を越える高等教育の現状と課題にかかる調査」懇談会に、当センターよりセンター長及び副センター長が出席しました。

同調査はJICA(国際協力機構)よりAsia-SEED (アジア科学教育研究開発機構)が委託を受けたもので、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム、インドネシアを訪問し、各国の大学が実施中の国際協働プログラム、国際交流などの実態を把握、さらに今後の日本の関わり方を提案するという、我が国が今後、アジアをはじめとした途上国の大学と本邦大学との間で国際共同教育プログラム等の形成・実施を支援していくにあたっての一つの指針を作るともいえる、壮大なものです。

そのため今回は、文部科学省高等教育局とJICA(国際協力機構)人間開発部が合同調査として実施するもので、アドバイザーである早稲田大学留学センター所長の黒田一雄(くろだ・かずお)教授、上智大学総合人間科学部の北村友人(きたむら・ゆうと)准教授、Asia-SEED常任理事で東京農工大学タイ事務所所長の河井栄一(かわい・えいいち)教授とともにコンサルタントチームを形成する大学評価・学位授与機構の森利枝(もり・りえ)准教授に、文部科学省高等教育局国際企画室の佐藤邦明(さとう・くにあき)専門官と同私学部私学助成課の河野裕子(かわの・ひろこ)係長が来タイされていました。

当センターは河井教授よりお誘いを受けての参加です。我々のほかには、在タイ日本大使館の富田大志(とみた・ひろし)一等書記官、大阪大学バンコク教育研究センター関達治(せき・たつじ)センター長、JASSOタイ事務所の萩原隆史(はぎはら・たかし)所長、東海大学アジアオフィス富田紘央(とみた・ひろお)コーディネーター、青山学院大学海外拠点事務所桒野純一(またの・じゅんいち)所長、タイ文部省傘下Institute for Promotion of Teaching Science and Technology安宅りえ(あたぎ・りえ)氏というメンバーが集まりました。

冒頭、河井教授より共同調査の概要が説明されたのち、在タイの日本の教育研究機関における実際が各参加者たちから語られました。

留学関係機関からは、バンコクをはじめ地方でも大学説明会を開催している実績とともにタイ人の要望とのマッチングの難しさ(MBAなど)、日本語能力の壁の高さが述べられ、大学関係者からは今バンコクで起きていることは「パイの取り合い」ではなく、むしろ適所への「譲り合い」であり、横の連携を強めていくことの重要性が語られました。一方で、安宅氏からはタイ機関・タイ人の実態として、いまだに日本への留学への具体的な窓口が見えにくいということが明かされ、在タイ日本機関としては少なからずショックを受けたことも事実です。

前列左から河野、河井、森、関、富田(大) 後列左から黒田、桒野、北村、佐藤、竹内、安宅、萩原、田辺(敬称略)

前列左から河野、河井、森、関、富田(大)
後列左から黒田、桒野、北村、佐藤、竹内、安宅、萩原、田辺(敬称略)


この後、河井教授の案内で夕食会が催され、当センターからはセンター長が出席し、親交を深めました。

2012年2月22日(水)、RESTEC(一般財団法人リモート・センシング技術センター)より、池田要(いけだ・かなめ)常務理事と伊藤恭一(いとう・きょういち)参事が来訪されました。

今回の来タイは、国連アジア太平洋経済社会員会(UN-ESCAP: United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)が主催する国際フォーラムSouth-East Asia Flood Risk Reduction Forumへの参加が目的ということです。

池田常務理事からは、RESTECではこれまで業務の大半をJAXA(宇宙航空研究開発機構)と連携する形で行ってきたが、今後はJAXAのみならず日本内外の大学とも積極的に関わっていこうというお話を聞くことができました。

リモート・センシングの専門家であり、現役の大学教員でもある当センター長としては非常にうれしいお話であり、今後JSPSバンコク・センターとしてできることがあれば、できる限りのお協力をしていく旨、お話させていただきました。

伊藤参事、池田常務理事、センター長

伊藤参事、池田常務理事、センター長


当センターとしては、様々のプレーヤーの参入により我が国の大学業界がより一層活発に活動していくことを応援したいと思います。

2012年2月21日(火)、石川和則(いしかわ・かずのり)財務部主計課長、小島隆行(こじま・たかゆき)同課総務係長、澤出綾子(さわで・あやこ)留学生事業部留学生事業計画課主任が、萩原隆史 タイ事務所所長とともに当センターを訪問されました。

今回のタイ出張は、すでに工事のはじまったJSPSとJASSOの共用オフィスの視察ということです。JASSO本部からは、今回の移転と共用に関してこれまで既に何名もの来訪者がおられ、力の入れようが伺われます。特に澤出主任には東京でJSPS本部との調整窓口として、半年以上続く詳細な折衝をしていただいております。

当センターとしては改めて、事務所というハードウェアだけではなく、ソフト面でも共用を図っていることなどを説明させていただきました。

なお今後の予定として、事務所の共用・移転については、3月初頭にまずはJASSOが移転し業務開始、その後、中旬にJSPSが移転して業務を開始いたします。当センターとしては4月の早々には新オフィスの見学会や共用スペースのご案内を開催したいと考えております。

左から、萩原所長、小島係長、センター長、石川課長、澤出主任

左から、萩原所長、小島係長、センター長、石川課長、澤出主任

2012年2月17日(金)から19日(日)まで、センター長および副センター長がスリランカに出張しました。目的は、スリランカ中央環境庁(CEA: Central Environmental Authority)への表敬訪問です。

12月のシンガポール出張APRSAF参加の際に、JAXA(宇宙航空研究開発機構)によってスリランカ国内でSAFEプロジェクト(Space Application for Environment:宇宙技術による環境監視プロジェクト)がスタートするという情報を得ており、過去のラオスやベトナムでのSAFEプロジェクトと同様に人材育成もその過程からはずせないことから、JSPSによる人材育成さらには研究交流プロジェクトへの発展を視野に、そのキックオフ・ミーティングに参加させていただき事業紹介を行いました。

事業紹介するセンター長

事業紹介するセンター長


会議には、プロジェクト全体のコーディネターとなる貫井智之JAXA地球観測センター職員や、スリランカ側のプロジェクトの主なメンバーであるMr. Ajith Gunawardena CEAジオインフォマティクス・センター副センター長のほか、CEA所長(Director-Generak)のMrs. R. Ellepolaが参加されました。

SAFEプロジェクトによる成果を用いてのJSPS事業への発展的継承や、その過程で人材育成を行っていくという当センターからの提案は非常に好意的に受け止められ、今後のSAFEプロジェクトの進展ともにスリランカの動向には目が離せません。

会議の翌日は、会議参加者でもあるMr. Bandula Wickramarachchiに同行いただき、AA-platform事業への申請案件になりうると考えられる現場へ赴きました。コロンボから車で2時間ほど行った中央部ピンナワラを訪問し、像園の食料廃材であるヤシの葉のエネルギーとしての再利用について、Dr. Chandana Rajapaksa医師と意見交換を行いました。

左から、Mr. Bandula、Dr. Chandana、センター長

左から、Mr. Bandula、Dr. Chandana、センター長


この他、Dr. Chanadanaによれば、スリランカとタイの間には象飼育についてのネットワークができており、その育成や医療について人材交換を行うなどしているそうです。我が国の獣医学的知見と交えることで、アジアならではの研究課題の発見や、タイでの研究セミナー開催にも可能性が広がり、以上に意義深いスリランカ出張となりました。
前列左からDr. Lal Samarakoon AIT教授、Mr. Ajith副センター長、貫井氏、Mrs. Ellepola所長。所長の後ろがMr. Bandula

前列左からDr. Lal Samarakoon AIT教授、Mr. Ajith副センター長、貫井氏、Mrs. Ellepola所長。所長の後ろがMr. Bandula

2012年2月16日(木)、当センターメンバー全員でバンコク市内Bangmodにキングモンクット工科大学トンブリー(KMUTT)を表敬訪問しました。当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにバンコク市内のカセサート大学、チュラロンコン大学、タマサート大学、キングモンクット工科大学、マヒドン大学のほか、北部チェンマイ大学及び東北部コンケン大学、スラナリー工科大学を訪れており、これで9校すべての訪問が完了しました。

KMUTTは1960年に設立され、1998年にAutonomous University(自治大学)になった新しい大学で、博士700、修士5,300、学部生12,000という比較的ちいさな規模ながらも、工学系の中でも特にエネルギーや環境に焦点を絞った研究教育を実施して、国内では最高の論文出版率を誇っております。

今回は研究担当副学長で、タイ国エネルギー環境合同大学院大学(JGSEE)の前学長であったDr. Bundit Fungtammasan准教授、国際担当学長補佐Dr. Anak Khantachawana、知的財産担当Dr. Phongsri Waysarach、JGSEE所属で日本での研究歴もあるDr. Nakorn Worasuwannarak、さらに学長顧問であるDr. Naksitte Coovattanachai教授にお会いすることができました。

KMUTTではLearning Instituteを置いて学生の能力の引き出しを試みたり、BTS沿線にKMUTT City Centerを作るなど、市内の大型大学に比べてきめの細かい教育研究を実践しています。その成果が論文出版率にもつながっていると言えるでしょう。

また、JGSEEに積極的にかかわっていくなど、工学(特にエネルギー・環境)分野での横のつながりも重視しています。JGSEEとしては日本の京都大学エネルギー科学研究科、アセアン大学ネットワーク(AUN)、ラジャマンガラ工科大学(RMUTT)と国際フォーラムを開催するなど、分野を絞り中身のある国際活動を行っております。この他にも、金沢大学と日本工業大学が、学内にオフィスを構えています。

当センター長から若手研究者向けの事業紹介セミナーの開催を提案したところ同意が得られました。6月末を予定している現センター長離任までの間で日程調整をしていくことになります。

2012年2月15日(水)、京都大学より小野紘一シニア・リサーチアドミニストレーター(SURA)及び園部太郎リサーチアドミニストレーター(URA)が当センターを来訪され、副センター長が対応させていただきました。

小野SURA、園部URA、副センター長

小野SURA、園部URA、副センター長

リサーチアドミニストレーターの制度は、文部科学省の「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」事業に採択されたことによって、京都大学では今年1月から開始されたもので、主に以下の役割を果たしながら京都大学における研究者の研究活動の活性化や研究開発マネジメントの強化等を支えていくものです。
・研究者とともに行う研究プロジェクトの企画
・研究計画等に関する関係法令等対応状況の精査
・研究プロジェクト案についての提案・交渉
・研究プロジェクトの会計・財務・設備管理
・研究プロジェクトの進捗管理
・特許申請等研究成果のまとめ・活用促進

京都大学では、理工系・医療系・社会人文系の3人のSURAと5名のURAを要し、各分野での研究活動支援を行っていきます。

お越しいただいた小野SURAは土木工学がご専門で、ITA(国際トンネル協会)副会長を詰められたほか、京都大学の教授を退任されたのち、舞鶴高専の校長や「日・エジプト科学技術大学(E-JUST: Egypt-Japan University of Science and Technology)」プロジェクトを歴任されてのご就任ということです。

今回は、特に東南アジアを舞台とした国際共同や人材育成のためのプロジェクト開発のための来タイということで、当センターへはそのための資金調査を目的に来訪されました。2012年度より開始された拠点形成促進事業(Core-to-Core)や、JSPS-JICAの枠組みである科学技術研究員派遣事業をご紹介させていただいたほか、我々が把握する限りでの、これら国々における研究ニーズなどをお伝えいたしました。

この他にも、URAオフィス(仮称)としては、大学内での研究・人材の把握や、英国での大型セミナーの開催などを当面の活動目的に考えているということで、今後のご活躍が期待されます。

2012年2月3日(金)、バンコク市内Siam City Hotel, Bangkokにて、第3回タイJSPS同窓会(JAFT:JSPS Alumni Forum of Thailand)総会が開催されました。

当日の同窓会メンバー

当日の同窓会メンバー


同窓会は2010年2月5日にDusit Thani Hotel Bangkokで第一回の総会が開催されたと同時に発足し、2011年2月4日に第2回総会がSiam City Hotel, Bangkokで開催され、今回で3回目です。参加者は約40名。

冒頭、同窓会長であるDr. Busaba Yongsmithが発足までの経緯および発足から現在に至るまでの活動内容の報告を行いました。

再任となったDr. Busaba Yongsmith会長

再任となったDr. Busaba Yongsmith会長


その後、主に以下の議事内容について議論を行いました。
・新住所の決定
・2012年度BRIDGE Fellowshipの募集の報告
・名誉会員の授与
・同窓会名の変更
・同窓会ロゴの決定
・同窓会長及び理事の再任
・同窓会会員申請フォーム
・同窓会費の支払い

基本的にタイ語で展開されたため、当センターとしては詳細を把握することはできませんでしたが、議論は熱く参加者からは積極的な発言が相次ぎました。

2012年2月3日(金)、バンコク市内Siam City Hotel, Bangkokにて、JSPS-NRCT RONPAKU Medal Award Ceremonyを開催しました。

これは、論文博士号取得希望者に対する支援事業により、2010年度に博士号を取得された研究者の方々に、その栄誉をたたえると共により一層の研究を奨励することを目的として、メダルを授与するものです。

今回は日本大使館より長谷川哲夫一等書記官、NRCTより国際部長(Director, Office of International Affairs)Mrs. Pimpun Pongpidjayamaadにご挨拶いただきました。この他、NRCTからは事務局長Prof. Dr. Soottiporn Chittmittrapapnのほか、理事をはじめとするJSPSタイ同窓会(JAFT)メンバーが複数参加し、新たに博士号を取得された3名の栄誉をたたえました。

参加者一同での記念撮影

参加者一同での記念撮影


このセレモニーは2003年3月にJSPS-NRCT Joint Meeting for RONPAKU Fellowsと題して第一回を開催して以来、毎年NRCTと共催しています。2010年2月にタイ国JSPS同窓会が発足したのをきっかけに、その名をJSPS-NRCT RONPAKU Medal Award Ceremonyと改めました。
左から、Prof. Dr. Soottiporn事務局長、Mrs. Pimpun、長谷川一等書記官、仁平教授、加藤部長

左から、Prof. Dr. Soottiporn事務局長、Mrs. Pimpun、長谷川一等書記官、仁平教授、加藤部長


上述の通り、今年は3名の新規博士号取得者がおり、全員がセレモニーに参加しました。約30名のJSPS同窓生が見守る中、JSPS国際事業部 加藤久 部長よりメダルが授与され、その後、それぞれのメダル授与者による博士論文の発表が行われました。

ジュゴンに関する生態学研究(Dr. Kanjana Adulyanukosol)

琴の演奏技法と音階における美学(Dr. Kumkom Pornprasit)

発展途上国における知的財産権(Dr. Jumpol Pinyosinwat)

バラエティー豊かな研究内容にこそ、JSPSの学術支援の骨頂が現れていると言えるでしょう。



今年はさらに、大阪大学生物工学国際交流センターのセンター長 仁平卓也教授に特別講演を行っていただきました。仁平教授は現在、Acore事業を実施しているほか、2010年度BRIDGE Fellowshipの受入れ教員にもなっていただいており、長年のJSPS事業との関係をResearch experience between Thailand and Japan with JSPS programsと題して語っていただきました。若い研究者の参考になることはもちろん、JAFT会員やJSPS関係者、NRCT関係者にとっても学ぶところの多い講演には大きな拍手が送られました。

質疑応答される仁平教授

質疑応答される仁平教授

発表は以下のとおりです。
“Ecology of the dugong (Dugong dugon) in Thailand: Population characteristics, feeding
habits and conservation”
Dr. Kanjana Adulyanukosol, Senior Researcher, Marine and Coastal Resources Research Center (Upper Gulf)
(Advisor: Prof. Makoto Tsuchiya, Faculty of Science, University of Ryukyus)

“Playing Techniques and Aesthetic Modes of Koto Music”
Dr. Kumkom Pornprasit, Associate Professor, Faculty of Fine and Applied Arts,
Chulalongkorn University
(Advisor: Prof. Shin Nakagawa, Graduate school of Literature and Human Sciences, Osaka City University)

“Model for Specialized Intellectual Property Court in Developing Countries”
Dr. Jumpol Pinyosinwat, Research Judge, The Court of Appeal
(Advisor: Prof. Ryu Takabayashi, Law School, Waseda University)

“Research experience between Thailand and Japan with JSPS programs”
Dr. Takuya Nihira, Professor, Osaka University
-Coordinator of JSPS Asian Core Program “Next-generation bioproduction platform
leveraging subtropical microbial bioresources” with Mahidol University and Vietnam
National University Hanoi since 2009
-Host Researcher of JSPS BRIDGE Fellowship Program FY 2010 (Re-visitor: Dr. Busaba Yongsmith, President, JAFT and Professor, Kasetsart University)

2012年2月1日(水)、バンコク市内インペリアル・クイーンズパーク・ホテルにて開催されたthe 23rd Annual Meeting of the Thai Society for Biotechnology(TSB2011:第23回タイ・バイオテクノロジー学会年次総会)の一環として開催されたJSPS-NRCT-NSTDA Joint Meetingに、当センターよりセンター長及び副センター長が出席し、冒頭の挨拶をのべました。会場には約50名の参加者が集まり、順次8件の研究発表が行われました。

会場の様子

会場の様子


これは、大阪大学とマヒドン大学、ハノイ国家大学の間で2009年度より実施されているアジア研究教育拠点事業(Acore)「亜熱帯微生物資源を活用する次世代物造りバイオ技術の構築(英文:Next-generation bioproduction platform leveraging subtropical microbial bioresources)」のシンポジウムとして開催されたもので、日本側コーディネーターである大阪大学生物工学国際交流センターのセンター長 仁平卓也教授よりお声掛けいただきました。

仁平教授には、2010年度BRIDGE Fellowshipの受入れ研究者になっていただいたほか、この翌々日に開催の、第3回JSPSタイ同窓会総会及び論博メダル授与式(論文博士号取得希望者に対する支援事業による博士号取得に対するメダル授与式)に特別講演者としてご参加いただくなど、タイにおけるJSP活動に深くご協力いただいております。

当センターの2代前のセンター長である吉田敏臣(よしだ・としおみ)現大阪府環境農林水産総合研究所長(Director, Research Institute of Environment, Agriculture and Fisheries, Osaka Prefectural Government)も参加されており、現センター長との意見交換に花を咲かせました。

当センターとしては今後ともJSPS事業活動への支援を続けていきたいと思います。

吉田元センター長、竹内現センター長

吉田元センター長、竹内現センター長

2012年1月31日(火)、当センターメンバー全員で東北部コラート別名ナコンラーチャシーマ(Korat, Nakhon Ratchasima)のスラナリー工科大学(Suranaree University of Technology)を表敬訪問しました。当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにバンコク市内のカセサート大学、チュラロンコン大学、タマサート大学、キングモンクット工科大学、マヒドン大学のほか、北部チェンマイ大学及び東北部コンケン大学を訪れており、これで9大学目です。

左二人目から、Asst. Prof. Dr. Padej Paolaor, Assistant Rector for Student Affairs, Dr. Guntima Sirijeerachai副学長, Prof. Dr. Sukit Limpijumnong副学長、センター長、タイ人スタッフ

左二人目から、Asst. Prof. Dr. Padej Paolaor, Assistant Rector for Student Affairs, Dr. Guntima Sirijeerachai副学長, Prof. Dr. Sukit Limpijumnong副学長、センター長、タイ人スタッフ


スラナリー工科大学(SUT)は非常に若い大学で、昨年2011年に20周年を迎えたばかりです。理学、工学、社会技術、農業科学、医学、看護の全6学部からなり、学生数は学部生10,000人、院生が2,000人。このうち6,000人ほどがキャンパス内の寮に暮らしており、小規模大学大学ならではの学生との一体化を目指していることが伺えます。

また、SUTはタイ国内では少数派のAutonomous University(自治大学)で、一般の国立大学に比べて政府の関与が小さく、裁量の範囲が広いことが特徴です。
今回は教育担当副学長(Vice Rector for Academic Affairs)であるProf. Dr. Sukit Limpijumnong及び学生担当副学長(Vice Rector for Student Affairs)のDr. Guntima Sirijeerachaiにお会いすることができました。

80パーセントを超える教員のPh.D.保有率は国内トップで、総合大学ではない工科大学として尖鋭化していこうという姿勢の現れと言えるでしょう。研究者の自己資金により一定期間の教育業務の離れることができる制度や、SUTの資金により一定の大学に出て、その後SUTに就職するといった制度がもうけられているということです。政府からの研究費のほかに寄付金による独自の研究資金も用意されています。
学生には卒業要件として企業でのインターンシップを課しており、2週間程度の短期ではなく一ヶ月を超える実地研修を経ることで、勉強への刺激もさることながら、社会人を育てる取り組みを行っています。
当センター長から若手研究者向けの事業紹介セミナーの開催を提案したところ同意が得られました。6月末を予定している現センター長離任までの間で日程調整をしていくことになります。

当センターでは今後も大学訪問及び事業紹介セミナーを継続していく所存です。

コラートのシンボル、タオ・スラナリー像にお連れいただきました。

コラートのシンボル、タオ・スラナリー像にお連れいただきました。

2012年1月20日(金)、関西大学の理事・化学生命工学部長である田村裕(たむら・ひろし)教授が当センターを来訪されました。

関西大学では近日中にバンコク・オフィスを開設する予定で、すでにチュラロンコン大学石油化学部内にスペースを確保したということです。当面、過去に関西大学の田村先生の研究室に留学をされていたDr. Chutima女史が駐在されるということです。

当センターからは、10月15日のJSPS-NRCTセミナーに際して作成したタイにオフィスのある日本の大学のポスター一覧をご紹介し、各大学との住み分けや連携などをご提案させていただきました。

なお、田村先生とはこれが2度目の対面で、前回は12月のミャンマー出張の際に、ICSE会場でお会いしました。日本からの講演者として招待を受けておられ、ご講演の順番がセンター長によるJSPS事業紹介の後であったことから、ミャンマーとのJSPSプログラムの申請について非常にサポーティブなコメントをいただきました。

再びバンコクでお一緒することになるとは、嬉しい驚きとなりました。

Dr. Chutima、田村教授、センター長

Dr. Chutima、田村教授、センター長

2012年1月20日(金)、大分大学より平田利文(ひらた・としふみ)教授、内田智久(うちだ・ともひさ)助教および吉野恵美子(よしの・えみこ)国際交流課主任が、当センターを来訪されました。今回の来タイ目的は、1月21-22日にバンコク市内サイアム・パラゴンで開催のOCSC国際教育エキスポへの参加ということです。学生のリクルートもさることながら、大分大学や大分そのもののアピールから始められれば良い、ということでした。

平田教授はASEAN全域でのシチズンシップ教育のありようを比較研究されており、内田助教はタイ・台湾・ベトナムなどを中心にピロリ菌の研究をしておられます。昨年6月にも当センターを訪問いただいたほか、同じ研究課題から山岡教授や川本教授にもご訪問いただいております。

さらに、大分県では宮崎県と連携して、医療系の民間企業・県・大分大学を中心とする東九州メディカルバレー構想が立ち上がっており、その一環としてアジア地域の医療系人材の育成も視野にあるなど、東南アジアに対して高い関心を持っておられます。

なお、同行された吉野主任は、過去にJSPS国際協力員としてワシントン・センターに派遣されたいたことがあり、目下、当センターが取組んでいるオフィスの移転・JASSOとの共用についても、派遣当時、JSTとのオフィス共用をされたということで大先輩にあたることがわかりました。

当センターとしては、大分大学のさらなる東南アジア進出を応援すると同時に、地域をも巻き込んだエッジのきいた大学運営について学ばせていただきたいと思います。

吉野主任、内田助教、平田教授・評議員、センター長

吉野主任、内田助教、平田教授・評議員、センター長

2012年1月19日(木)、京都大学情報学研究科より荒井修亮(あらい・のぶあき)教授が当センターを来訪されました。

荒井教授の来訪は昨年度に続いて2度目で、前回と同様、SEASTAR2000の第12回シンポジウム開催について当センターとの共催をご提案くださいました。当センターとしては喜んで了承させていただきました。

今回、The 8th International Symposium on SEASTAR2000 and Asian Bio-logging Science (The 12nd SEASTAR2000 は、2012 年2月20-21日にバンコク市内 Bangkok Cha-Da Hotel にて開催されるということで、当センターとしても参加させていただく予定です。

なお、2月3日に開催するJSPS-NRCR RONPAKU Medal Award Ceremonyについてご紹介したところ、今回の表彰者の一人で2010年度にPhDを取得されたDr. Kanjana Adulyankosol, Senior Researcher, Marine and Coastal Resources Research Center (Upper Gulf)のことをよくご存じということで、彼女の琉球大学での論文博士号取得についての背景などを逆にご説明いただきました。

すでに終了した拠点大学交流事業が特に顕著ですが、二国間・多国間での継続的なプロジェクト運営による、東南アジア地域での人材育成への貢献は、計り知れないものがあることを改めて感じました。当センターでは引き続き、当地域における事業運営に最大限の支援を行っていきたいと思います。

荒井教授、センター長

荒井教授、センター長

2012年1月19日(木)、バンコク市内エメラルドホテルにて、東京工業大学がタイのカセサート大学、フィリピンのフィリピン大学と実施するアジア研究教育拠点事業(A-core)「アジアにおける都市水環境の保全・再生のための研究教育拠点(Establishment of Core Institutions for Preservation and Restoration of Urban Water Environments in Asia)」の2011年度運営員会が実施されました。

吉村教授MCによる、来年度のセミナー開催地について議論

吉村教授MCによる、来年度のセミナー開催地について議論

当センターは、東京工業大学のコーディネターである吉村千様(よしむら・ちひろ)教授よりご招待をいただき、センター長および副センター長が参加して、活動紹介を行いました。
当課題は2010年度より実施され、初年度のセミナーおよび運営委員会をフィリピンで実施し、今回が2度目の開催です。3つに分かれているワーキンググループより研究発表を行った後、運営委員会の席で、それぞれの代表者から進捗状況が発表されました。

第1グループの状況報告をするSaavedra V. Oliver C.東工大准教授

第1グループの状況報告をするSaavedra V. Oliver C.東工大准教授

なお、この会場でフィリピンDe La Salle UniversityのProf. Dr. Susan M. Gallardoとの知遇を得ることができました。当センターでは3月23日に、同じくDe La Salle Universityへフィリピン論博同窓会(PRF: The Philippine Society of JSPS Ronpaku Fellows)のProf. Dr. Maricar S. Prudente会長を訪ねる予定でいるところ、彼女もPRFのメンバーとして参加可能であることや、JSPSの対応機関である科学技術省(DOST : Department of Science and Technology)の担当者も招いてはどうか、といった提案をいただきました。

当センターとしては、当日のフィリピン側アレンジについてはProf. Dr. Maricar S. Prudente会長にお任せしていることから、まずは現状の確認を行い、その上で要望を出す旨考えております。

活動紹介するセンター長

活動紹介するセンター長

2012年1月18日(水)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)バンコク駐在員事務所にて、タイJSPS同窓会(JSPS Alumni Forum of Thailand)の第7回理事会が開催され、9名の理事がセンター長を交えて議論を行いました。

2011年10月15日に社会科学の研究者を招いた開催したJSPS-NRCTセミナーの報告、2012年1月10日に国立がん研究所で行ったDr. Danai TiwawechのBRIDGE Fellowshipによる日本滞在報告会についての報告のほか、当センターの2011年度事業計画であった9か所の研究型大学の訪問が完結する見込みであることなどの報告をセンター長が行いました。

また、前回の理事会で結論持ち越しとなったJAFTロゴについて大胆なデザイン変更案が提案されたほか、タイ国内での正式な登録のためには“Association”という単語を用いる必要があることから同窓会名の変更などが議論され、2012年2月3日に開催予定の同窓会総会にかけられる見通しとなりました。なお、今回の総会では、同窓会長および理事会メンバーの改選も予定されています。

当センターでは今後ともJAFTと連携協力しながらタイでの事業展開を進めていく所存です。

参加者は以下の通り。
1. Dr. Busaba Yongsmith, President
2. Dr. Paritud Bhandhubanyong, Vice President
3. Dr. Boonchai Techaumnat,      Secretary
4. Dr. Malee Uabharadorn, Treasurer
5. Dr. Porphant Ouyyanont, Public Relation
6. Dr. Sunee Mallikamarl, Committee
7. Dr. Suvit Vibulsresth, Committee
8. Dr. Chalermkiat Songkram, Committee
9. Dr. Songsri Kulpreecha, Committee
10. Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office

議事録はこちらです。
議事録

2012年1月17日(火)、東京大学生産技術研究所に所属で、現在バンコク郊外のアジア工科大学(AIT)に派遣されている川崎昭如(かわさき・あきゆき)准教授が当センターを来訪されました。

10月の洪水で甚大な被害を受けたAITについて、センター長および関達治(せき・たつじ)大阪大学バンコク教育研究センター長に報告、雑談をされました。

日本より提供された重機によってキャンパスのあるパトゥンタニ(Pathumthani)の排水が思いのほか早く進んだことや、現在はフアヒン(Hua-Hin)にあるStamford International Universityの施設を借り受けて開講していることなどが伝えられました。フアヒンでは交通上の安全確保が難しく、AITとしても早い段階でのパトゥンタニへの復帰を目指しているということです。

当センターとしても、当初はAITへの表敬訪問を考えておりましたが洪水により断念したこともあり、4月から始まる来年度中には一度、足を運びたいと考えております。

関センター長、センター長、川崎准教授

関センター長、センター長、川崎准教授

2012年1月10日(火)、JASSOより駒場一永(こまば・かずなが) 財務部次長、鈴木昇(すずき・のぼる)財務部経理課長、糸川佳秀(いとかわ・よしひで)財務部経理課契約係長および堤逸郎(つつみ・いつろう)留学生事業部留学生事業計画課課長補佐が、萩原隆史 タイ事務所所長とともに当センターを訪問されました。

今回のタイ出張は、今年度中を目標とする当センターとJASSOタイ事務所の事務所共用・移転についての現地視察ということです。

JSPS-NRCTセミナーの写真をお見せしながらの説明

JSPS-NRCTセミナーの写真をお見せしながらの説明


当センター事務所内を視察された後、当センター長より昨年10月15日に開催したJSPS-NRCTセミナー「Study and research opportunities in Japan and perspective of Thailand by Japanese social scientists(日本への留学・研究機会の紹介と日本の社会科学者から見たタイの将来展望)」にて、萩原所長にJASSO事業のプレゼンのしていただくなど、事務所というハードウェアだけではなく、ソフト面でも共用を図っていることなどを説明させていただきました。

なお今後の予定として、事務所の共用・移転については、2月初めに新しいスペースの賃貸契約を結び、約1ヵ月間の内装工事をへて、3月中に引越し作業を行う予定です。

左から萩原所長、鈴木課長、センター長、駒場部長、糸川係長、堤課長補佐

左から萩原所長、鈴木課長、センター長、駒場部長、糸川係長、堤課長補佐

2012年1月10日(火)、国立がん研究所(NCI: National Cancer Institute)にてJSPS事業説明会を兼ねたBRIDGE Fellowship(BF)報告会を開催し、約40名の参加者がありました。

これは、昨年6月21日にカセサート大学で開催した第一回のBF報告会にご参加いただき、研究計画を発表いただいた、NCIのDr. Danai Tiwawech, Senior Scientist Level 8, Chief of Cancer Biology Section, Research Divisionが、8月21日から9月30日までの日本再訪問を終えての報告会です。

JSPS事業説明会として、センター長による事業紹介のほか、論文博士号取得希望者に対する支援事業(論博事業)により2009年度に博士号を取得され、2011年2月のメダル授与式に出席いただいたDr. Archawin Rojanawiwat, Clinical Research Center, Department of Medical Sciences, Ministry of Public Healthにもご参加いただきました。

Dr. Danai Tiwawech

Dr. Danai Tiwawech

NCIからはDr. Thiravud Khuhaprema所長から開会のご挨拶をいただいたほか、Dr. Sukumal Sawangwaree研究部門長にモデレーションを務めていただきました。

Dr. Danaiからは、研究集会でたまたま知り合いになったことで東京大学理学研究科へ論博研究生として渡日したこと、今回のBFにおいても引き続き東京大学理学研究科の石田貴文 准教授のもとを訪ねたことなどが紹介されました。また、今回の再渡日をきっかけに今後数年のうちに20件にのぼる共同研究計画が持ち上がったということで、非常に有意義で前向きな研究活動、ネットワーキングが展開されていることをうかがい知ることができました。

Dr. Archawinからは、拠点大学交流事業への関与をきっかけに長崎大学への論博事業申請が行われたことが紹介されました。長崎での非常にフレッシュな研究生活が伝えられ、参加者達の興味を引きました。

当センター長からの事業紹介としては、一度の申請だけで終えるのではなく、採用されるまで何度でも何度でも挑戦し続ける重要性を訴えましたが、今回講演いただいたお二人ともが2度目の申請によって論博の採用を勝ち取っており、諦めない粘り強さの大切さが証明された格好となりました。

当センターとしては引き続き、JSPS事業経験者との連携を図りながら、粘り強い活動を行っていきたいと思います。
当日のプログラム
9:00-9:30 Registration
9:30-9:35 Opening remarks from National Cancer Institute
– Dr. Thiravud Khuhaprema, Director, National Cancer Institute
9:35-9:40 Welcome address from JSPS Bangkok office
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office
9:40-10:00 Introduction of JSPS activity in Asia (Q&A included)
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office
10:00-10:30 Research experience in Japan for Ph. D. and report from recent trip to Japan as a BRIDGE fellowship program awardee FY2011 from Thailand (Q&A included)
-Dr. Danai Tiwawech, Senior Scientist Level 8, Chief of Cancer Biology Section, Research Division, National Cancer Institute
10:30-11:00 Research experience in Japan for Ph. D. as a RONPAKU program awardee from Thailand (Q&A) included
-Dr. Archawin Rojanawiwat, Clinical Research Center, Department of Medical Sciences, Ministry of Public Health

11:00-11:30 Open discussion

2012年1月9日(月)、オフィス最寄りの日本食店「みつもり」にて、サーミットタワー10階情報交換会が開催され、センター長および副センター長が出席しました。
これは当センターが入居するサーミットタワー・ビル低層棟に隣接する高層棟の10階に、日本の学生支援機構(JASSO: Japan Student Service Organization)、国際交流基金(JF: Japan Foundation)、日本政府観光局(JNTO: Japan National Tourism Organization)がオフィスを構えており、その交流と情報交換を行うものとして、原則毎月第一水曜日にランチミーティングが開かれているものです。(今回は都合により日程変更)
当センターも今年度中にはJASSOとの事務所共用で高層棟10階へ移転することが決まっていることから、お誘いを受けての参加となりました。
情報交換会自体は今回が3回目で、参加者は以下の通りです。

JASSO:萩原隆史 所長
JF:嘉数勝美(かかず・かつみ) 所長、内田裕(うちだ・ゆたか) 副所長、平林豊文(ひらばやし・とよふみ) 所員
JNTO:益田浩(まずだ・ひろし) 所長、高垣ひとみ(たかがき・ひとみ) 次長、天野泉(あまの・いずみ) 次長
JSPS:竹内渉 センター長、田辺寛明 副センター長

年始のあいさつをすると共に、4月からの新年度の事業予定などの情報交換を行いました。事務所が隣接していてもお互いに話したことはないという状況がえてして生じやすいものです。日本の情報を発信する機関として、できることから連携・協力を図っていく第一歩として顔の見える交流を行うことの大切さを実感した次第です。

左から天野、内田、益田、萩原、竹内、田辺、嘉数、平林、高垣(敬称略)

左から天野、内田、益田、萩原、竹内、田辺、嘉数、平林、高垣(敬称略)

2011年12月16日(金)、当センターメンバー全員で対応機関であるタイ国家学術評議会(National Research Council of Thailand(NRCT))を表敬訪問しました。我々の訪問は今年度2度目、通算で5度目になります。

今回の目的は11月1日に新たに国際部長(Director, Office of International Affairs)に就任されたMs. Pimpun Pongpidjayamaadへのご挨拶と、来年2月3日(金)に予定している論文博士号取得希望者に対する支援事業(論博)による博士号取得者へのメダル授与式へのご協力と出席の依頼です。

冒頭、Ms. Pimpunより自己紹介がありました。前職は同じくNRCT内の経済・平和構築部部長(Director, Economic and Peace Creation)であると同時に、NRCTの研究部門に病理学の研究スタッフ(Pan Pathologist)として20年以上勤務されていたということです。
国際部長への就任からまだ日が浅く、目下、精力的に勉強中とのことでした。

その後、当センター長よりJSPS事業及びNRCT-JSPS間の長年の協力関係について、特に論博や年に2-3回の共催セミナーの開催を中心に説明差し上げました。短い時間ながら、Asia Africa Sectionの課長であるMr. Sawaeng Jongsutjarithamの解説もはさみつつ、ご理解いただきました。

2月3日(金)のメダル授与式については、NRCTからの代表者によるご挨拶など、例年通りのご協力をいただけることで合意に至り、用意したプログラム案を土台に準備を進めていくことになりました。

当センターとしては今後ともNRCTとの緊密な連携をタイにおける第一義の課題として維持・強化していきたいと思います。

左からPimpun新部長、センター長

左からPimpun新部長、センター長

2011年12月14日(水)、当センターメンバー全員でタイ南部ハトヤイ(Hat Yaiハジャイともいう)のプリンス・オブ・ソンクラー大学(Prince of Songkla University)を表敬訪問にしました。当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにバンコク市内のカセサート大学、チュラロンコン大学、タマサート大学、キングモンクット工科大学、マヒドン大学のほか、北部チェンマイ大学及び東北部コンケン大学を訪れており、これで8大学目です。

プリンス・オブ・ソンクラー大学(PSU)は1971年に設立された比較的若い大学で、大学病院のほかタイ南部に5つのキャンパスをもつ総合大学です。全30学部に37,000人の学生を抱え、このうち学部学生31,000人、博士課程学生が1,000人という、国内でも屈指の規模を誇ります。QS国際大学ランキングでは、マヒドン大学(Mahidol University)、チュラロンコン大学(Chulalongkorn University)、チェンマイ大学(Chiang Mai University)、タマサート大学(Thammasat University)に続いて国内5位。

今回は研究教育担当副学長(Vice President for Research and Graduate Studies)であるAssoc. Prof. Dr. Chusak Limsakulをはじめとする計5名のPSU幹部教員のほか、JSPS事業によりPSUと長く協力関係にある金沢大学理工研究域環境デザイン学系 古内正美 教授にも同席いただきました。

PSUの特徴として、800床の大型の大学病院のほか、歯学部のなかに歯科病院があるなど、教育研究だけでなく、南部における医療の拠点にもなっていることがうかがえます。また、金沢大学とは、2006年からJSPS二国間交流事業、その後はJENESYS東アジア首脳会議参加国からの招聘事業などで継続的に共同研究を行っていることが説明されました。

当センターから、そういった実績をベースとしてAA-Platform(アジア・アフリカ学術基盤形成事業)やCore-to-Core(研究拠点形成事業)への申請をお勧めしたところ、タイ側で用意するべきマッチングファンドについて、既存の課題がどういった資金を用意しているのか、という質問が寄せられました。

また、当センター長から若手研究者向けの事業紹介セミナーの開催を提案したところ同意が得られ、金沢大学との共同研究のカウンターパートであり、工学部准教授でもあるAssoc. Prof. Dr. Perapong Tekasakul研究開発オフィス室長(Director, Research and Development Office)と今後、調整を進めていくことが決まりました。

翌12月15日(木)、工学部にAssoc. Prof. Dr. Perapong Tekasakulを訪ね、2009年3月までの金沢大学との二国間交流事業について、その事業報告を受けました。事業期間中に修士3名、学士5名を輩出したほか、国際ジャーナルに論文を7本掲載したことなど伝えられ、当方からは再度、この実績を土台としてCore-to-CoreやAA-platform事業へ申請することを提案し、前向きな回答を得られました。

続けて、理学部に助教のAsst. Prof. Dr. Anchana Prathepを訪ねました。2002年から10年間実施された東京大学大気海洋研究の拠点大学交流事業について、その事業報告を受け、若手研究者を巻き込むことができるものとして他国のファンドと比較して高い評価を得ていることが伝えられました。
また、マングローブ林等とならんで海藻が生物多様性の評価基準となり得ることや、Blue Carbonという新しい概念について説明を受け、タイを中心とした東南アジア地域での更なる研究発展の可能性を感じることができました。

PSUには、JSPSタイ同窓会理事で、外国人特別研究員事業で日本に滞在したDr. Challermkiat Songkramがいるほか、上記のように小型・大型の交流事業参加者がいることから、来年度はじめを見込む事業紹介セミナーでは、これまでにない多彩な事業経験談を聞くことができそうで、今から楽しみです。

当センターでは今後も大学訪問及び事業紹介セミナーを継続していく所存です。

2011年12月13日(火)、JASSOより金城太一 政策企画部総合計画課長および岩原禎彦同課企画係長が萩原隆史 タイ事務所所長とともに当センターを訪問されました。

今回のタイ出張は、今年度中を目標とする当センターとJASSOタイ事務所の事務所共用・移転についての現地視察ということです。

お話の中で、事務所共用後の事業の共用の一環として、タイJSPS同窓会(JAFT)メンバーの協力を仰いで、日本渡航の経験談を高校生や大学生を対象に語ってもらうといったことが提案されました。

その一つで、2012年3月10-11日には、在タイ日本大使館およびバンコク日本商工会議所の共催で就学・就職セミナーが開催されることから、まずはそこへの参加を検討されたい旨の依頼があり、当センターとして来年1月18日(水)に開催される第7回理事会のなかで諮ってみることをお伝えしました。

今後とも協力体制を深めていきたいと思います。

萩原所長、岩原係長、金城課長、センター長

萩原所長、岩原係長、金城課長、センター長

2011年12月5日(月)から11日(日)まで、センター長および副センター長がシンガポールに出張しました。12月6-9日にMarina Mandarin Singaporeホテルにて開催のAPRSAF-18(The 18th Session of the Asia-Pacific Regional Space Agency Forum)に参加し、各国から参加している宇宙開発研究機関に対し、日本発のファンドとしてアピールを行うことが目的です。

APRSAFはアジア太平洋地域宇宙機関会議と訳され、アジア太平洋地域における宇宙利用の促進を目的として1993年に設立されました。各国の宇宙機関や行政機関をはじめ、国連などの国際機関や民間企業、大学・研究所などが参加する、アジア太平洋地域で最大規模の宇宙関連会議です。1993年以来17回の国際会合を開いており今回が18回目、シンガポール宇宙技術協会(SSTA: Singapore Space and Technology Association)、シンガポール国立大学リモートセンシングセンター(CRISP: Center for Remote Imaging, Sensing and Processing, NUS: National University of Singapore)、が日本の文部科学省(MEXT)および JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共催しました。(MEXT、JAXAは毎年共催)

シンガポール及び日本のほか、オーストラリア(DIISR)、インド(ISRO)、カザフスタン(KAZCOSMOS)、マレーシア(ANGKASA)、韓国(KARI)、タイ(GISTDA)、ベトナム(VAST)、アメリカ(NASA)の各国代表機関のほか、国連機関(UNCOPUOS、UNESCAP)やASEANの関連部会(ASEAN SCOSA)、国際機関(IAF)が参加する大規模な会合となりました。

当センターがこの場でJSPSのアピールを行うには大きく分けて2つの理由があります。

1. 現在、JSPSのA-core(アジア研究教育拠点事業)に宇宙関連課題はなく、アジア地域においてJSPSのカバーする研究領域の多様性を広げる意味で重要であること。
2. 2012年(平成24年)度以降、アジアを専一的に対象としていたA-coreが全世界対象のCore-to-Core(研究拠点形成事業)に統合される中で、宇宙関連分野は比較的競争力が高いと考えられ、全世界競合のCore-to-Coreにおいても採択の見込みが考えられること。
2-2. この点は更に、本会議のアジア太平洋という枠組みを利用することで、アジアを超えた研究交流に発展する可能性も秘めていること。

そうした中で迎えた会議最終日、各分科会によるSummary報告にて、共同議長(Co-Chair)であるCRISPのMr. Kwoh Leong Keong所長(Director, Center for Remote Imaging, Sensing and Processing (CRISP), National University of Singapore (NUS))によって、今後利用可能な資金としてアジア開発銀行や国連機関とならんで、JSPSの名前が読みあげられました。

利用可能なファンドの一つとして国連機関等とならんでJSPSの名を読み上げる共同議長Mr. Kwoh Leong Keong, Director, CRISP, NUS

利用可能なファンドの一つとして国連機関等とならんでJSPSの名を読み上げる共同議長Mr. Kwoh Leong Keong, Director, CRISP, NUS

今後の申請に期待したいと思います。

なお、APRSAF-19は来年オーストラリアのパースで開催されることとなりました。

2011年12月5日(月)から11日(日)までの出張期間中、センター長および副センターでJST(Japan Science and Technology Agency科学技術振興機構)シンガポール事務所および理化学研究所シンガポール事務所を訪問しました。

JSTシンガポール事務所では、交換共有資料の補充をしたほか、山下篤也所長よりシンガポール及び東南アジアにおける研究事情の説明をいただきました。たとえば、アジア各国からJSPS事業に採択され、日本での滞在期間を終えた後にシンガポールに移られた研究者は多く、そういった方々の口コミによって、シンガポール在住またはシンガポールに訪問してくる各国研究者に対し、JSPS事業への申請が促されているという実態があるようです。

また、シンガポールおいては基礎研究離れが進んでおり、産業への移転や産業界とのマッチングが進められていることは以前にもお聞きしているとおりですが、周辺の各国においてもその兆候があるということです。たとえば、ヴェトナムやインドネシアにおいても、JSTシンガポール事務所がシンガポールで行っている、産業界を招いての研究発表会(マッチングを見込む)について、開催の引き合いがあるとのこと。
これには、国家として初等中等教育はカバーできたとしても高等教育にまで手が回らない中で、教育関係省庁にかわって商産業・通商系の省庁により進められるという、経済的な背景があるようです。

なお、JSTシンガポール事務所周辺では、すでにあるBiopolis、Fusionpolisに続いて、Mediapolisの建設が計画されているということです。

センター長、山下所長

センター長、山下所長


次に、理化学研究所シンガポール事務所では、柿原健一郎所長と東南アジア地域における科学技術動向について意見交換するとともに、2012年2月24-25日にバングラデシュのダッカにて開催するバングラデシュ同窓会セミナーへの、同窓会側からの要請である理研所属研究者の派遣について相談しました。
これについては年明け、早ければ年内にもお答えをいただける予定です。

当センターでは今後とも両シンガポール事務所を緊密な連携を取っていきたいと思います。

2011年11月14(月)日から16日(水)まで、センター長及び副センター長がバングラデシュへ出張しました。バングラデシュ出張は昨年12月に続いてこれで2度目。今回の目的は、来年2月に開催予定のバングラデシュJSPS同窓会(BJSPSAA: Bangladesh JSPS Alumni Association)の第3回科学シンポジウム(仮)に向けた打合せです。

1. 前列左からセンター長、Prof. M. Tofazzal Islam事務局長、Dr. Imamul Huq筆頭副会長、福井主任、大村書記官

1. 前列左からセンター長、Prof. M. Tofazzal Islam事務局長、Dr. Imamul Huq筆頭副会長、福井主任、大村書記官

バングラデシュにおけるJSPS同窓会活動については、従来JSPS東京本部が直接に関与・管轄しておりましたが、同窓会業務を担当する里見昭彦(さとみ・あきひこ)人物交流課長と当センター長の間で話合いが持たれ、今年9月以降、当センターが間に入ってコーディネートすることが決定されました。これに伴い、毎年開催されるBJSPSAAシンポジムについても、その運営部分を当センターが担当することになった次第です。

11月14日、BJSPSAA理事メンバーとの打合せを夕方に控え、研究者国際交流センター(JSPS Fellow Plaza)の福井育夫(ふくい・いくお)主任及び小島昌夫(こじま・まさお)現地コーディネーターとともに、在バングラデシュ日本大使館に大村浩(おおむら・ひろし)一等書記官を訪ねました。大村書記官はBJSPSAAの立上げ以来、大変にご尽力いただいている方で、今回のシンポジウム開催についても種々のご協力を賜っています。

BJSPSAAとしては、シンポジウムの日本側主賓としてノーベル賞受賞者を要望していますが、これは日程の調整等の関係で非常に難しい課題です。そこで、大村書記官の働きかけにより木村孟(きむら・つとむ)文部科学省顧問、元大学評価・学位授与機構理事長、元東京工業大学学長の出席への同意が取れたことを説明いただきました。このほか、来年が日本-バングラデシュ国交樹立40周年に当たることから、今回のシンポジウムもその関連行事の一つとして開催したい旨の説明をいただきました。

その後、ダッカ市内BRAC Centerを訪れ、BJSPSAA理事との打ち合わせに臨みました。
BJSPSAAからはDr. Imamul Huq筆頭副会長(Senior Vice President)、Prof. M. Tofazzal Islam事務局長(General Secretary)のほか7名の理事が参加し、シンポジムのテーマ、日程、会場、ゲスト、参加者、予算といった内容について議論が交わされました。

打合せの様子

打合せの様子

ここでの決定は概要以下の通りです。
・テーマ:Science for Society
・開催日:2月24日(金)25日(土)
・会場:バングラデシュ国立博物館オーディトリウム
・主賓:(日本)木村孟文部科学省顧問、(バングラデシュ)ハシナ首相(交渉中)
・参加者:300人、事前登録の実施
・講演者:日本より2名。BJSPSAAにて候補者リストを作成し、JSPSバンコクにて照会。
・バングラデシュにおける経理管理は小島コーディネーターに一任

翌日、会場となるバングラデシュ国立博物館を訪れ、講堂の設備等を確認し、レセプション会場の候補地として挙げられたレストランを視察しました。両会場とも問題がないことが確認され、シンポジウム開催に向けて大まかな概要が決定したことになります。

博物館の外観

博物館の外観

今後、2月24日の開催に向けて詳細部分の詰めの作業を行っていきたいと思います。

首都ダッカの様子

首都ダッカの様子

2011年11月30日(水)から12月3日(土)まで、センター長および副センター長がミャンマーに出張しました。目的は、ヤンゴン市内セドナホテルで12月1-2日に開催されるICSE 2011 (The 3rd International Conference on Science and Technology)に参加し、JSPSの事業紹介を行うことです。

ICSEは2009年よりミャンマーの科学技術省(MOST: Ministry of Science and Technology)が開催しており、ミャンマー全土及び海外からも主に工学関係の研究者を招へいして行われる国際シンポジウムです。ミャンマーにおいてはほぼ唯一と言っていい国際的な科学研究集会で今回が3回目となります。

招待講演者による記念撮影

招待講演者による記念撮影

ミャンマーのほか、中国、オーストラリア、シンガポール、ドイツ、アメリカ、マレーシア、イスラエル、タイ、アラブ首長国連邦、日本の10カ国から約150人の研究者が参加し、分科会形式でそれぞれに研究発表を行いました。その分野は機械工学、電気、電力、電子機械、情報、物理、化学、土木、生物工学、リモート・センシング、数学の多岐にわたり、ミャンマーの科学技術動向を観察する上ではまたとない機会です。

開会式では科学技術副大臣H. E. Dr. Ko Ko Ooが登壇して挨拶を述べるなど、ミャンマーが国を挙げて科学技術振興に踏み出している熱気が伝わりました。

H. E. Dr. Ko Ko Oo副大臣

H. E. Dr. Ko Ko Oo副大臣

当センター長が自身の研究発表と兼ねてJSPS事業紹介を行ったところ持参したブローシャー300部がすべて配布されるなど、外国資金による人材育成に対する関心も非常に高いものがあります。事業紹介後には、スウェーデン王立工科大学で学位を取得され、MOSTの科学技術研究部門の元長官でありスウェーデン名誉領事でもあるDr. Myint Hanがコメントを述べられ、長期間にわたって孤立した状況にあった当国における、海外で研鑽を積む機会を得ることの重要性を確認されました。

事業紹介をするセンター長

事業紹介をするセンター長

なお、シンポジウム期間中、急きょMOST傘下の科学技術系大学の幹部職員と当センターとの会談の席が設けられました。ミャンマー側の参加者は科学技術副大臣H. E. Dr. Ko Ko Ooを筆頭に、国内における工学系大学の最高峰にあたるヤンゴン工科大学及びマンダレー工科大学の両校の学長であるProf. Dr. Mya Mya Oo、学生数で最大を誇る西ヤンゴン工科大学の学長補Prof. Dr. Thingi 及びマウビン工科大学の学長補Prof. Dr. Zaw Min Naingの4名です。

会談では、ミャンマー国内の高等教育事情について概要以下のことが伝えられたほか、国内のインターネット環境をかんがみて、全世界に向けて開かれているJSPS事業について、JSPSから直接に募集案内をもらえないか、といった要望がありました。
-全国に170大学あり、すべて国立大学。学費は年間1ドル程度。
-大学は、主に教育省(MOE: Ministry of education)と科学技術省(MOST)が管轄しており、後者が科技系大学を、前者がそれ以外を担当している。この他に、林業省と鉱物省がそれぞれ一つ専門の大学を持っている。
-MOST傘下には、32の工学系、25のコンピューター科学、1つの宇宙科学系の大学があり、約10万人の学生を抱えている。
-博士号を持つ教員の80パーセント以上はミャンマー国内で取得しており、大学間、教員間でのコミュニケーションは円滑である。
-特に力点を置いているのは、生物化学、ICT、工業・生産科学、宇宙科学の4分野である。
-ヤンゴン工科大学とマンダレー工科大学は大学院大学で、教員数がそれぞれ250と140、学生数は600と100である。

当センターとしては、今後の連携への期待を抱きつつ、当該会談内容についてJSPS本部に委細もれなく報告する旨お約束しました。

会談の様子

会談の様子

12月3日はヤンゴン工科大学を訪ねて出張講義を行いました。Dr. Mya Mya Oo学長を初めとする教員陣と話をする中で、JSPS-JICA科学技術研究員派遣事業による研究者派遣の可能性が見出され、土木工学を中心とした工学一般分野での協力について具体的な検討を行っていく予定です。

今回の出張は、折しもアメリカのクリントン国務長官のミャンマー初訪問と時期が重なりました。当センターとしては今後も、今まさに門戸が開かれつつあるミャンマーを注視し、連携の可能性を探っていきたいと思います。

左からDr. Kyaw Sann Oo, 副センター長, センター長, H. E. Dr. Ko Ko Oo, Prof. Dr. Mya Mya Oo, Prof. Dr. Thingi, Prof. Dr. Zaw Min Naing

左からDr. Kyaw Sann Oo, 副センター長, センター長, H. E. Dr. Ko Ko Oo, Prof. Dr. Mya Mya Oo, Prof. Dr. Thingi, Prof. Dr. Zaw Min Naing

2011年11月8日(火)及び9日(水)、コンケン大学及び同大学人文社会学部にてJSPS事業説明会を実施し、若手研究者を中心に2日間で約100名の参加がありました(8日80名、9日20名)。

これは、コンケン大学教員でタイJSPS同窓会(JAFT)メンバーでもあるAssoc. Prof. Dr. Sukanya Aimimtham人文社会学部計画・情報担当副学部長(Associate Dean for Planning and Information, Faculty of Humanities and Social Sciences)に、6月15日にカセサート大学で実施したJSPS事業説明会兼BRIDGE Fellowship報告会に講演者として参加していただいたほか、10月15日に開催したJSPS-NRCTセミナー「Study and research opportunities in Japan and perspective of Thailand by Japanese social scientists(日本への留学・研究機会の紹介と日本の社会科学者から見たタイの将来展望)」にもご参加いただいたことで話がまとまり、実現したものです。

1. 左からDr. Kittisak、Dr. Sukanya、センター長、Prof. Dr. Suthipun副学長、医学部Dr. Bawornsin Chaochuen、Dr. Sineenat Siri

1. 左からDr. Kittisak、Dr. Sukanya、センター長、Prof. Dr. Suthipun副学長、医学部Dr. Bawornsin Chaochuen、Dr. Sineenat Siri

11月8日、JSPSの事業説明に加え、JSPS事業経験者の体験談等を披露することで若手研究者の意欲を高めることを目的に、ともにコンケン大学教員でJAFTメンバーでもあり、過去、論文博士号取得希望者に対する支援事業により日本で学位を取得されたDr. SukanyaとDr. Kittisak Sawanyawisuth医学部准教授にご参加、ご講演いただきました。

講演するDr. Kittisak

講演するDr. Kittisak

講演するDr. Sukanya

講演するDr. Sukanya

コンケン大学からは研究・技術移転担当副学長(Vice President for Research and Technology Transferring)であるProf. Dr. Suthipun Jitpimolmardより開催の挨拶をいただいたほか、理学部助教であるDr. Sineenat Siriに司会進行を務めていただきました。

今回の説明会で特徴的だったことは、Dr. SykanyaとDr. Kittisakともに論博事業の手続きや日本での体験談を話されると同時に、研究をしていくための心構えや姿勢といったものに多く言及されていた点です。日本では教授が出勤するよりも前に研究室に入っておくこと、長期的な目標をしっかりと掲げながらも今現在の取組みにこそ全力を注ぐこと、といった研究者としての覚悟が語られました。

質疑応答では、事業応募にあたって自分に適した研究者をJSPSに紹介してほしい、という発言が出たところ(どの会場でも同様の要望が出されます)、JSPS側が答える前に、自分に適した研究者・自分を受入れてくれる研究者を見つけコンタクトを取ること自体が応募プロセスの一環、引いては研究そのもの一部であるという回答が講演者側から出され、これには発言した側も納得せざるを得ない様子でした。

会場の様子

会場の様子

翌11月9日はDr. Sukanyaが所属する人文社会学部で同様の説明会を行い、研究教育担当副学部長(Research affairs and academic Services)であるDr. Maneemai Thongyouにご挨拶をいただきました。

ここでの参加者は博士課程学生が多く、直接の応募には結びつかないものの熱心な様子で説明に聞き入り、質問も多く出されました。同学部では外国語教育にも熱心で、日本語やスペイン語といった諸外国語講座の開設もさることながら、英語の発音がとてもきれいなことが印象的です。

バンコクでは多くの場合、タイ語母語者独特のイントネーションがありますが、ここではネイティブ教員の出身国であるアメリカ風の流暢な英語が聞かれ、ここにも首都と地方都市との環境の違いが表れているのか、それはハングリー精神でもあるのか、といったこと考え次第です。

当センターでは今後とも、バンコク外の大学訪問も積極的に続けていきたいと思います。

当日のプログラムは以下の通りです。
Nov 8, 2011 (Tue.)
Venue: Conference room Sirikunakorn 3, 2nd Floor, Sirikunakorn Building, Khon Kaen University
Moderator: Assist. Prof. Dr. Sineenat Siri, Faculty of Science, KKU

13:30-14:00 Registration
14:00-14:05 Opening remarks from JSPS Bangkok office
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office
14:05-14:10 Welcome address from Khon Kaen University (KKU)
– Prof. Dr. Suthipun Jitpimolmard, Vice President for Research and Technology Transferring, KKU
14:10-14:30 Introduction of JSPS activity in Asia (Q&A included)
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office
14:30-14:50 Research experience in Japan for Ph. D. as a RONPAKU program awardee from Thailand (Q&A) included
-Assoc. Prof. Dr. Sukanya Aimimtham, Associate Dean for Planning and Information, Faculty of Humanities and Social Sciences, KKU
14:50-15:10 Research experience in Japan for Ph. D. as a RONPAKU program awardee from Thailand (Q&A) included
– Assoc. Prof. Dr. Kittisak Sawanyawisuth, Department of Medicine, KKU
15:10 Open discussion

Nov 9, 2011 (Wed.)
Venue: Rm01, HS05, Faculty of Humanities and Social Sciences, Khon Kaen University

10:00-10:20 Registration
10:20-10:30 Welcome Address from Faculty of Humanities and Social Sciences, KKU
– Dr. Maneemai Thongyou, Associate Dean for Research affairs and academic Services, Faculty of Humanities and Social Sciences, KKU
10:30-11:00 Introduction of JSPS activity in Asia (Q&A included)
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office
11:00-11:20 Research experience in Japan for Ph. D. as a RONPAKU program awardee from Thailand (Q&A) included
-Assoc. Prof. Dr. Sukanya Aimimtham, Associate Dean for Planning and Information, Faculty of Humanities and Social Sciences, KKU
11:20 Open discussion

6. 人文社会学部での参加者たち。中央女性がDr. Maneemai副学部長、前列右から3番目 はAsst. Prof.Uthaivan Danvivath教育計画担当副学部長

6. 人文社会学部での参加者たち。中央女性がDr. Maneemai副学部長、前列右から3番目 はAsst. Prof.Uthaivan Danvivath教育計画担当副学部長

2011年11月8日(火)、当センターメンバー全員でコンケン大学(Khon Kaen)を表敬訪問にしました。当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにバンコク市内のカセサート大学、チュラロンコン大学、タマサート大学、キングモンクット工科大学、マヒドン大学のほか、地方ではチェンマイ大学を訪問しており、これで7大学目です。

コンケン大学は1964年にタイ東北部(イサーン地方)で最初に設立され、現在では18部局に3万人の学部学生、1.2万人の大学院生、2,000人の教員を抱えるという、タイ国内でも有数の規模を誇る大学です。タイ国内でも特に貧しい地域といわれる東北部における一大教育・研究機関ということができるでしょう。現在、JSPSのアジア研究教育拠点事業とアジア・アフリカ学術基盤形成事業でも、それぞれ一課題が選定されています。

研究・技術移転担当副学長(Vice President for Research and Technology Transferring)であるProf. Dr. Suthipun Jitpimolmardにお話を伺ったところ、特に、医療、健康、食糧、エネルギー、天然資源、環境、物流、教育、先端技術、社会科学といった分野で25の研究施設と30の研究グループを形成しており、研究型大学への移行を進めている状況とのことです。今後は段階的に学生数を絞っていきながら、より研究重視の体制を作っていくとのこと。

Prof. Dr. Suthipun副学長、センター長

Prof. Dr. Suthipun副学長、センター長

前回のチェンマイ大学訪問の際もそうですが、バンコクと地方都市とでは大学の役割・位置づけが多少異なることが感じられます。多くの大学が林立するバンコクでは、大学間での役割分担が成立し、一つの大学は得意分野に絞った戦略で存在感を高めることができます。一方で、地方都市においては、チェンマイやコンケンといった拠点となる大学では求められる分野・役割が広く、その分特色を出しづらくなっている現状です。タイ国内でも大学間の競争は激しく、今後はASEAN域内での競争にもさらされることになります。地方の各大学の危機感は非常に高まっていることがうかがえます。

コンケン周辺では近年、私立大学が設立されてきており、現在進めている研究型大学への移行は地域におけるそういったバランスをみながらの果断であるものと理解されました。

なお、今回のコンケン大学表敬訪問は、事業説明会の実施と合わせて、JSPSタイ同窓会(JAFT)のメンバーでもあるAssoc. Prof. Dr. Sukanya Aimimthamコンケン大学人文社会学部計画・情報担当副学部長(Associate Dean for Planning and Information, Faculty of Humanities and Social Sciences)に全面的にコーディネートしていただきました。副学長表敬のほかに、Dr. Sukanaya自身が臨時講師を務めているという僧侶専用の公立仏教大学Mahachulalongkornrajavidyalaya Universityのコンケンキャンパスを訪問させていただき、飛び入りで「日本講座」を行いました。当大学には国際コースや修士課程、さらに博士課程もあり、お坊さんたちの日本への関心は非常に高く、出される質問にはうならされることもしばしばでした。

Mahachulalongkornrajavidyalaya Universityにて

Mahachulalongkornrajavidyalaya Universityにて

タイ全土のお寺の中でも一、二を争う美しさといわれるワット・ノンウェン(Wat Nong Wan)にも案内いただき、9層構造の最上部から市内を望むことができました。美しい湖を囲むように造成された一等地の新興住宅地はバンコクからの投機的な買いにより値段が上昇し、地元の人の購入は難しくなっているということです。

Wat Nong Wan

Wat Nong Wan

当センターとしては、特に優遇等ができるわけではありませんが、首都外の大学のあり方を念頭に置いていきたいと思います。

2011年11月7日(月)、千葉大学工学研究科より山崎文雄 教授、丸山喜久 准教授、産業技術総合研究所より松岡昌志(まつおか・まさし) 地質調査情報センター地質・衛星情報統合室室長が当センターを来訪されました。

現在バンコクでも被害の広がりを見せている洪水の現地調査ということです。救命胴衣や長靴を持参され、バンコクの北部パトゥンタニにあるナワナコン工業団地や、チャオプラヤ川西岸地域などを視察されたということです。都市の安全工学がご専門とはいえ、この時期にこの場所で水に濡れることも覚悟の研究意欲には頭が下がる思いです。

また、山崎教授はJICA-JSTの枠組みであるSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力)でも「ペルーにおける地震・津波減災技術の向上に関する研究」を主宰しておられ、この中でもリモート・センシングを用いた地震被害予測を行われるなど、センター長の研究分野への造詣・関心も高くおられます。

なお、山崎教授と丸山准教授は、副センター長が京都大学で勤務していた際に担当していた研究プロジェクトに参加しておられ、直接ではないものの何度も連絡を取り合っていたことがわかりました。不思議なご縁を感じた次第です。

当センターでは今後とも研究と研究、人と人とを結びつける、縁の下の仕事に努めていく所存です。

丸山准教授、山崎教授、センター長、松岡室長

丸山准教授、山崎教授、センター長、松岡室長

2011年10月27日(木)、センター長および副センター長がJSPS東京本部を訪問し、安西祐一郎 理事長に表敬のご挨拶をいたしました。

センター長、理事長、副センター長

センター長、理事長、副センター長

これは、先般から続くタイでの洪水がバンコクに至り、10月29・30日の大潮を控えて、中心部への浸水の可能性とそれに備えた4日間の公休化の首相声明が出されたことに伴って、副センター長の一時帰国を決めたことによるものです(センター長は日本への出張中)。

JSPS本部ではまず、国際事業部の加藤久部長に帰国の挨拶をし、田淵エルガ参事および満井祥子研究協力第一課センター係長にバンコクの状況報告と一時国に関する説明を行いました。この席ではこのほかに、今年度中をめどとするJASSOタイ事務所との事務所共用化の進捗について協議しました。東京とバンコクでなかなか顔を合わせる機会がないなか、直接に話をする場が得られたことは不幸中の幸いです。

この後、理事長室に通され、10月に就任されたばかりの安西祐一郎 理事長に対し改めて状況報告をしたほか、東南アジアにおける科学技術・学術動向について、センター業務を通じて得られた所感等をお話しいたしました。
安西理事長からはねぎらいの言葉をいただいたほか、東南アジア地域の重要性を強く念押しされ、帰国後の業務に向けて改めて身を引き締めた次第です。

この後、センター長の派遣元である東京大学生産技術研究所を視察し、最寄りに勤務されている角田亜紀子 前副センター長にご挨拶に伺いました。

副センター長としては避難のための一時帰国とはいえ、非常に充実した秋の一日を過ごすことができました。一年を切った残りの任期に向け、望外の充電期間となりました。

2011年10月18日(火)、理化学研究所シンガポール事務所 柿原健一郎 所長に同行して、JICAタイ事務所を表敬訪問しました。

今回の柿原所長の来タイは、タイにおける研究能力の底上げを目的とした日本人研究者の長期派遣について、制度設計の可能性を探ることを目的としておられます。具体的には、日本人研究者が長期的にタイに滞在し、研究だけではなく、タイ人学生や若手研究者を教育する仕組みを設けるための方策で、タイ人が日本へ行って研究能力を上げることに比べて、数の観点で非常に効率が高くなります。

打合せの様子

打合せの様子


学生が一定の学位を修めるまでの5年程度は滞在する必要があるが、現役の日本人研究者が5年の長期にわたってタイで教職に就くことは困難である、という課題を乗り越える必要があり、そのために考えたのは、日本で定年退職後もまだまだ能力と意欲のある研究者を派遣する、ということでした。

JSPSとJICAの間では科学技術研究員派遣事業を実施しており、研究者の派遣という点ではすでに枠組みがあります。しかしながら、これは65歳未満の研究者を最長2年間派遣するもので、この2点の克服を目指した議論を、JICAタイ事務所 米田一弘 所長と行いました。

柿原所長の提案に対して、途上国支援を旨とするJICAの米田所長もその意義に理解を示され、検討の結果、科学技術担当の三好克哉 企画調査員を通じて本部に打診を行うことを約束されました。

JICA本部での検討結果が待たれます。

田中章久 JICAタイ事務所次長、副センター長、柿原所長、米田所長、センター長、三好調査員

田中章久 JICAタイ事務所次長、副センター長、柿原所長、米田所長、センター長、三好調査員

2011年10月17日(月)、大分大学より山岡吉生 教授が当センターを来訪されました。山岡教授の来訪はこれで2度目、大分大学からのお客様はこれで4度目となり、当センターでの情報収集がお役に立っているものと嬉しく理解しております。

今回は翌日からのミャンマー出張に向け、バンコク市内でビザ申請をされた後のご訪問となりました。前回のご訪問時には、ミャンマーでの調査が結果的にはうまく運ばなかった旨を話されており、慎重に手続き等を踏まれた結果、晴れてミャンマーでの調査が可能となったとのことで、粘り強い取り組みの様子をうかがい知ることができました。いずれまた今回の調査のお話を伺うことができればと思います。

なお、大分大学医学部では、現在チュラロンコン大学医学部との連携・協力体制を堅持され、そのネットワークを用いて研究活動を続けておられます。今回、当センターからは、首都チュラロンコンに次いで、地方での連携拠点を設けられてはいかがと提案させていただきました。

これはタイ国内での学間連携の促進と同時に、ノロウィルスの変遷を追うことで人類の歩みを探るという、大分大学が実施しているプロジェクトの目的にもかなうものとの理解によるものです。チェンマイは北部の主要都市であり、中国やミャンマー国境の山岳民族への「窓口」ともいえるため、学術的に面白いデータが得られるのではないでしょうか。また、先日のチェンマイ出張の経験から、医学系の研究に関してはチェンマイ大学との協力・連携の可能性が考えられることをお伝えしました。

山岡教授は検討してみるとのお考えを残し、ミャンマーへ旅立たれました。当センターとしては、引き続き日-タイ間のより緊密な連携に貢献していきたいと考えております。

センター長、山岡教授

センター長、山岡教授

2011年10月15日(土)、バンコク市内Siam City Hotel, BangkokにてJSPS-NRCTセミナー「Study and research opportunities in Japan and perspective of Thailand by Japanese social scientists(日本への留学・研究機会の紹介と日本の社会科学者から見たタイの将来展望)」を開催しました。タイ国内の学術研究機関に勤務する研究者など、総勢90名以上が参加し、熱心な意見交換が行われました。

参加者全員での記念撮影

参加者全員での記念撮影


このセミナーには2つの側面があり、ひとつは今年度中をメドとする当センターとJASSO(日本学生支援機構)タイ事務所とのオフィス共用化をきっかけとした事業の共用と、タイ国内で手薄にも感じられる社会科学研究の奨励です。

このため、セッションを午前と午後の2つに分け、午前中はJSPSとJASSOによるアジアでの学術・留学振興への取組みの紹介とタイ国内にオフィスを持つ日本の大学のポスターセッションとし、午後は日本から招いた社会科学分野の研究者によるタイ社会の将来展望についての講演会としました。

星野課長によるOpening Remarks

星野課長によるOpening Remarks


JASSOタイ事務所 萩原隆史 所長 とMs. Kanpirom Yodwong所員

JASSOタイ事務所 萩原隆史 所長 とMs. Kanpirom Yodwong所員


事業紹介を行うセンター長

事業紹介を行うセンター長


特にポスターセッションについては、タイ国内にある14大学17オフィスの協力を得て統一様式のポスターを作成していただきました。これにより、参加者への大学紹介のほか、活動内容や連絡先について大学間でシェアが行われ、今後の大学間協力や大学の独自色のある取り組みが期待されます。
会場の様子 後方は大学ポスター

会場の様子 後方は大学ポスター

午後の研究講演会では、センター長の所属元である東京大学から2名、副センター長の所属元である京都大学から2名の研究者にお越しいただき、災害軽減、少数民族、資源政策、国内政治と、それぞれの研究について興味深い講演を行っていただきました。参加者からは質問やコメントが相次ぎ、主催者としては痛しかゆしの思いであるものの、それと同時に、タイ国内での「社会」そのものに対する関心の高さや学術的な分析への飢えのようなものを感じた次第です。

Disaster Mitigation Systems Considering Local Availability, Applicability and Acceptability
東京大学生産技術研究所 目黒公郎 教授

目黒教授

目黒教授


Religion and Culture of the Ethnic Minorities in Thailand
京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科 片岡樹 准教授
片岡准教授

片岡准教授

Resource Politics in State-Society Relations: Comparing Thailand and Japan
東京大学東方文化研究所 佐藤仁 准教授

佐藤准教授

佐藤准教授

Political Stability in Thailand
京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科 玉田芳史 教授

玉田教授

玉田教授

その後、ホテル内の中華レストランLin-faにて、NRCT主催の夕食会が開かれました。NRCT事務局長のProf. Dr. Soottiporn ChittmittraparpをはじめとしたNRCT職員、JSPS本部より参加の星野有希枝地域交流課長および須川真衣課員、講演いただいた研究者の方々および当センターメンバーで食事をしながらの懇談では、目下タイ全土で起きている洪水と今夏の日本での洪水について意見が交わされるなどしました。

当センターでは今後ともNRCTとの強い連携を維持しながら日-タイ間の学術交流の懸け橋となっていきたいと思います。

3.	前列左から、玉田教授、Prof. Dr. Soottiporn事務局長、目黒教授、星野課長。後列左から、センター長、Mr. Swaeng課長、片岡准教授、佐藤准教授

3. 前列左から、玉田教授、Prof. Dr. Soottiporn事務局長、目黒教授、星野課長。後列左から、センター長、Mr. Swaeng課長、片岡准教授、佐藤准教授

2011年10月12日(水)、チェンマイ市内Empress Hotelにて開催の10th International Symposium on New Technologies for Urban Safety of Mega Cities in Asia (USMCA)に参加し、当センターのポスターセッションを行いました。

USMCAはアジア大都市の都市安全を目的として科学技術の利用・普及を目指す研究シンポジウムで、2002年から毎年アジアの各都市で開催され多くの参加者を集めています。今年は洪水での法人救護・災害対応で急きょ欠席となった在タイ日本大使に代わり、在チェンマイ日本国総領事が開会式での挨拶を述べられ、延べ200人近い参加者がありました。センター長の出向元である東京大学生産技術研究所の都市基盤安全工学国際研究センター(ICUS:International Center for Urban Safety Engineering)が中心となって運営しております。

アジア工科大学(AIT)に所属する研究者を中心にタイ以外のアジア各国からも参加者が多く、JSPS事業での支援による日本での研究や日本との共同研究に対しては非常に高い関心があります。若手研究者の育成事業やアジアでの事業展開を中心に多くの質問が寄せられ、手ごたえのあるポスター発表となりました。

当センターでは今後とも折々の機会を利用した事業紹介を行っていく予定です。

参加者に説明するセンター長

参加者に説明するセンター長

2011年10月11日(火)、当センターメンバー全員でチェンマイ大学(Chiang Mai University)を表敬訪問しました。これは、当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにバンコク市内のカセサート大学、チュラロンコン大学、タマサート大学、キングモンクット工科大学、マヒドン大学を訪問しており、これで6大学目です。

チェンマイ大学は、古都でありタイ第2の都市であるチェンマイに1964年の創設されたトップ校の一つで、タイ北部の教育・研究・医療の拠点となっている大学です。現在では60以上の研修コース、3つの学部課程、23の修士以上課程の国際コースを開いており、国際的なプレゼンスを高めることにも力を注いでいます。

今回は、教育担当副学長(Vice President for Academic and Educational Quality Affairs)である Prof. Wipada Kunaviktikulと研究担当副学長(Vice President for Research and Academic Services)であるAssist. Prof. Nat Vorayosにお会いすることができました。Prof. Wipada副学長は過去にJSPS事業で日本医科大学に短期滞在された経験があり、Assist. Prof. Nat副学長は過去に当センターを訪問され、池島前センター長とお会いしたことがあるということです。

事業説明するセンター長

事業説明するセンター長


センター長による事業紹介の後、副学長からは大学全体のPh.D.の保持率が59%であることや、現在も6名がJSPS事業でのサポート受けていることなどが紹介されました。

チェンマイ大学としては、JSPSの拠点型事業をとりに行くにあたって、たとえば拠点大学交流事業など歴史的なつながりを持っていないため人的なつながりが豊富でなく、そういったケースに対する助言を求められました。当センターとしては、JSPS事業にかかわらず日本の大学との現行の共同研究を発展させることや、タイで実施中のJSPS課題ではカバーされていない分野を見出すことなどをお応えしました。

現在、チェンマイ大学では香川大学と2年に一度研究集会を開催しているほか、三重大学とは中国の大学との3国間協力を行っているということです。特に遠隔医療(telemedicine)に焦点を絞っていくことを考えており、そういった分野でのファンド獲得に期待が持たれます。

また、若手研究者対象のJSPS事業紹介セミナーの開催については非常に前向きでおられ、1月下旬から2月初頭にかけての開催に向けて、今後、調整を行っていくこととなりました。

左から、当センタースタッフ、副センター長、センター長、Prof. Wipada副学長、Assist. Prof. Nat副学長

左から、当センタースタッフ、副センター長、センター長、Prof. Wipada副学長、Assist. Prof. Nat副学長

2011年9月21日(水)から23日(金)まで、センター長および副センター長がインドネシア・パランカラヤへ出張しました。目的は9月22-24日にAquarius Hotelで開催される第3回国際ワークショップ「Wild Fire on Carbon Management in Peat-Forest in Indonesia」に参加し、当センターの業務紹介を行うことです。

同ワークショップはJST-JICA(科学技術振興機構-国際協力機構)の枠組みであるSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力事業Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)で北海道大学が実施する「インドネシアの泥炭・森林における火災と炭素管理」課題の一環として開催されるものです。パランカラヤはボルネオ島のインドネシア領いわゆるカリマンタンの主要都市のひとつで、今回の会場の近くには、北海道大学の協定校であり当プロジェクトのパートナーの一つでもあるパランカラヤ大学も設置されています。

センター長、右がProf. Dr. Kumpiady Widen副学長

会場には上記課題の多くの関係者が集まっており、その中でセンター長が簡単なセンター紹介を行いました。用意しておいたブローシャー200部はすべて参加者の手に渡り、若干の不足を詫びることになるほどです。なお、センター長はプロジェクト関係者としても会議に参加し、研究発表を行っております。

会場の様子

会場の様子

ワークショップの後は、パランカラヤ大学構内を会場としてレセプショが開催されました。開会のあいさつをされたのは同大学のVice Rector for Academic AffairsであるProf. Dr. Kumpiady Widen副学長で、当センターでは早速、ご挨拶とセンター紹介を行いました。

センター長、右がProf. Dr. Kumpiady Widen副学長

センター長、右がProf. Dr. Kumpiady Widen副学長

SATREPSはJST-JICAの枠組みでありJSPSとは直接の関係はありません。しかしながら、双方とも日本のファンディング・システムの一部であることは間違いありません。相手国に対し我が国の複層的なファンディング・システムを印象付ける恰好の機会になったものと評価しております。当センターとしては今後とも、我が国の科学技術政策の中で住み分けと協働を見極めながら、東南アジア地域でのJSPS広報活動を続けていきたいと思います。

2011年9月15日(木)、前回に引き続き、当オフィス最寄りのBB Buildingに入居するJAXA(宇宙航空研究開発機構)バンコク駐在員事務所にて、タイ国日本学術振興会同窓会(JAFT: JSPS Alumni Forum of Thailand)の第6回理事会が開催されました。

左から、センター長, Dr. Malee, Dr. Busaba, Dr. Songsri, Dr. Sunee, Dr. Somkiat, Dr. Boonchai

左から、センター長, Dr. Malee, Dr. Busaba, Dr. Songsri, Dr. Sunee, Dr. Somkiat, Dr. Boonchai


同窓会長のDr. Busaba Yongsmithをはじめ、6名(定員12名)の理事が出席し、センター長を交えて議事が進行され、2011年6月22日に開催された第5回理事会の議事録が承認されました。

そのほか、JAFTの正式な住所をNRCT内としたいという求めに対し、NRCTより許可回答があったことがDr. Busaba会長から伝えられたほか、Dr. Somkiatが制作したJAFTのロゴ案を正式に採用することが決まりました。

また、JAFTからJSPSに対して、アジア向け予算の減少に対する懸念が示されました。タイには東南アジア各国からの留学生や研究者がいることなどから、タイ向けの予算が組まれることへの希望が述べられたほか、過去に拠点大学交流事業が実施されていた工学分野が今は手薄になっているのではないか、といった感想が伝えられました。

次回の理事会は、総会開催前の1月に開催の予定です。

理事会出席者:
– Dr. Busaba Yongsmith, President, JAFT
– Dr. Boonchai Techaumnat, Secretariat, JAFT
– Dr. Malee Uabharadorn, Treasurer, JAFT
– Dr. Somkiat Supadech, Registrar, JAFT
– Dr. Sunee Mallikamarl, Committee, JAFT
– Dr. Songsri Kulpreecha, Committee, JAFT
– Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office

2011年9月14日(水)、京都大学東南アジア研究所バンコク連絡事務所より、富田晋介 助教(東京大学農学生命科学研究科)および園部太郎 助教(京都大学エネルギー科学研究科)が当センターを来訪されました。

富田助教が3ヶ月の任期を終え、新たに園部助教が12月上旬までの3ヶ月間、同連絡事務所に駐在するというご挨拶をいただきました。

富田助教には10月15日(土)開催のJSPS-NRCTセミナーに関して、京都大学からの講演者との連絡調整に大変に骨を折っていただき、感謝の念に堪えません。

また、園部助教とは今年3月のASEAN大学連合-京都大学ワークショップや6月のマレーシアでのSEE Forumで事業紹介の機会をいただくなど、たびたびお世話になっており、今後なおいっそうの協働関係が期待されます。

なお、京都大学側では、同連絡事務所を可能な限り関係者等の集いに活用したいという意向を持っており、今後、折々に会合を開く予定ということです。

富田助教、園部助教、センター長

富田助教、園部助教、センター長

2011年9月11日(日)から13日(火)まで、センター長及び副センター長がラオス・ビエンチャンへ出張しました。目的は、9月12-13日にラオス天然資源・環境省内(Ministry of Natural Resource and Environment)水資源環境庁(WREA: Water Resources and Environment Administration)で開催される、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA: Japan Aerospace Exploration Agency)主導の研究プロジェクトの関係者会議に参加し、当センターの事業紹介を行うことです。

中央左が福田センター長、中央右がMadam Monemany事務次官

中央左が福田センター長、中央右がMadam Monemany事務次官

国内の大学がラオス国立大学だけというラオスにおいて、研究人材をもっとも多く擁するのは中央省庁であるといえます。同省の事務次官であるMadam Monemany NHOYBOUKONG女史をはじめ、国内の大半を占めると考えられる16の研究機関からも関係者が参加した中で当センター及びJSPSの事業紹介を行ったことは、ラオス国内の研究人材に日本及びJSPSを早期に強く印象づけるものとして意義深いものであったといえます。

また、上述のラオス国立大学からも研究者が参加しており、彼を介して、同大学への表敬訪問を打診したほか、JAXAから参加の福田徹 宇宙利用ミッション本部地球観測研究センター長には、12月にシンガポールで開催される第18回アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF: Asia-Pacific Regional Space Agency Forum)で事業紹介セッションを設けていただくよう打診しました。

なお、センター長はプロジェクト関係者としても会議に参加し、研究発表を行いました。その様子は現地の新聞であるVientiane Timesでも取り上げられ、記事にされています。

当センターとしては今後とも、東南アジア地域でのJSPS広報活動を積極的に続けていきたいと思います。

Madam Monemany事務次官、センター長

Madam Monemany事務次官、センター長

2011年9月8日(木)、大阪大学生物工学国際交流センターの仁平卓也(にひら・たくや)教授が当センターを来訪されました。センター長出張中につき、副センター長が対応いたしました。

仁平教授は現在、タイではマヒドン大学を相手機関にアジア研究教育拠点事業(Acore)「Next-generation bioproduction platform leveraging subtropical microbial bioresource」を実施しているほか、2010年(平成22年)度のBRIDGE Fellowshipの派遣者であるDr. Busaba YongsmithタイJSPS同窓会長を受入れていただいております。

今回の訪問では、2011年10月27-28日にクイーンズパークホテルで実施される第23回タイ生物工学会年次総会(TSB2011:23rd Annual Meeting of the Thai Society for Biotechnology)の中で開催されるAcore事業のセミナー「JSPS-NRCT-NSTDA JOINT MEETING」で、JSPSとして当センターから挨拶をするよう依頼をいただきました。

当センターでは、センター長がすでにTSB2011のAdvisory Boardに名を連ねております。また、仁平先生には上述のとおりJSPS事業に深くご協力いただいており、喜んで引き受けさせていただきました。

なお、実施中のAcore課題はその前身である拠点大学交流事業から発展的に継続しているものであり、ここ数年は特に若手研究者の育成に注力をされているとのこと。

当センターとしましても、日タイ間の息の長い連携協力と、次世代のさらなる発展に貢献していきたいと思います。

副センター長、仁平教授

副センター長、仁平教授

2011年9月6日(火)、財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC: Remote Sensing Technology Center of Japan)より派遣され、宇宙開発事業団(JAXA: Japan Aerospace Exploration Agency)タイ駐在員事務所に駐在している本澤雅彦(ほんざわ・まさひこ)博士が当センターを来訪されました。

本澤博士、センター長

本澤博士、センター長


RESTECは1975年に設立された日本で最初の衛星利用機関で、日本国内外の地球観測衛星からの観測データを受信、処理、解析する業務を行うほか、世界各国で人材育成事業を実施しています。RESTECによる研修は、JICAやJAXAといった日本の機関の委託を受けて実施しているもののほか、世界銀行からの委託を受けているものもあり、受講者は全世界ですでに3,000人を超えているということです。

今回の訪問目的は、RESTECが近く研修生同窓会の立ち上げを考えているということで同窓会組織が活動を行っているJSPSのノウハウのほか、衛星利用における新たな世代の研究者発掘についての相談でした。

当センターとしては、実務型ワークショップの開催による人材発掘や、研究費獲得を目指した長期的な育成策として、JSPS-JICAの枠組みで実施している科学技術研究員派遣事業の利用などを提案いたしました。

その最終的な研究費として二国間交流事業や研究拠点形成事業といったJSPS事業を利用いただければ、RESTECによる育成、JSPSによる発展、そしてJSTといった更なる日本による支援での研究者ネットワークの構築が可能になるのではないかと考えています。

当センターとしては今後とも在タイ日本機関と連携して、科学技術への発展に貢献したいと考えております。

2011年8月31日(水)、大阪大学バンコク教育研究センターの関センター長及び杉山副センター長が当センターを来訪されました。

2011年10月15日(土)に当センター及びタイ学術研究会議(NRCT)主催で開催するJSPS-NRCT Seminar “Study and research opportunities in Japan and perspective of Thailand by Japanese social scientists(日本での教育・研究機会と社会科学によるタイ社会分析)”http://jsps-th.org/?p=1581の中で行う、タイに事務所を構える日本の大学紹介ポスターについての打合せです。

大阪大学では現在、合計4つの拠点をバンコク市内・近郊に構えており、各拠点のポスターを作成すると大学としては重複するという懸念について、その可否・対応を相談いただきました。当センターとしては原則として「一拠点、一枚」を掲げておりますので、負担でない限り4枚作成ただくようお願いいたしました。

なお、杉山副センター長は今月末をもって2年の任期を終え、帰国することが決定しています。当センターとしてはメンバーの着任時よりお世話になり、様々にお気づかいいただきました。近く簡単な送別会が予定されてはおりますが、仕事上でオフィスにお越しいただくことはこれで最後になるかもしれません。お疲れ様でした。

帰国後も引き続きのご活躍を祈念しております。

関センター長、杉山副センター長、副センター長

関センター長、杉山副センター長、副センター長

2011年8月27日(土)、バンコク市内Bangkok Convention Center at CentralWorldにて、JSPS-NRCT Seminar at Research Expo 2011「Advanced technology in Japan – research for the disabled and elderly」を開催しました。

全員

これは、8月26-30日にNRCT主催で行われたThailand Research Expo 2011の一環として開催されたもので、2009年以来毎年、NRCTと当センターとの共催で開催しています。例年「Advanced Science and Education in Japan」と題して、日本の先端研究と教育を広く紹介し、様々な分野の研究者を日本からお招きして講演いただきてきました。

今回はNRCTのProf. Dr. Soottiporn Chittmittrapap事務局長の強い要望により、昨年お越しいただいた筑波大学教授で株式会社サイバーダイン社CEOの山海嘉之 教授に再登場いただいたほか、2011年2月からJSPS-JICAの枠組みである科学技術研究員派遣事業にて国立シリントン・リハビリテーションセンター(Sirindhorn National Medical Rehabilitation Center)に派遣されている、新潟医療福祉大学の坂井一浩 准教授に講演をお願いしました。

各講演は英語ですが、タイ人研究者によるタイ語での概訳と簡単な説明をつけることで、研究者ではない一般市民が多くを占める聴衆の理解を図っています。

会場の様子

会場の様子

“Cybernics – fusion of human, machine and information systems”
-Prof. Yoshiyuki Sankai (Leader of GCOE, University of Tsukuba)
-Assist. Prof. Dr. Yodchanan Wongsawat (Director, Brain-Computer Interface LAB (BCI LAB), Department of Biomedical Engineering, Faculty of Engineering, Center for Biomedical and Robotics Technology (BART LAB), Mahidol University

筋肉を動かす際に皮膚表明に漏れ出す微弱な生体電位信号をセンサーで読み取って装着者の筋肉の動きと一体的に関節を動かすロボットスーツHAL (Hybrid Assistive Limb)の紹介が行われました。これにより立ち上がる、歩くなどの運動が自律的に可能になるのです。すでに北欧各国とは契約が結ばれているなど、それが現実に利用可能なものだということが、実際に実物を示しながら紹介されました。

講演される山海教授

講演される山海教授

モデレーションされるAssist. Prof. Dr. Yodchanan

モデレーションされるAssist. Prof. Dr. Yodchanan

“Biomechanics and Human Motion Analysis for Rehabilitation Professionals”
-Assoc. Prof. Kazuhiro Sakai (JICA expert to Thailand with JSPS Program, Niigata University of Health and Welfare)
-Dr. Piyavit Sorachaimetha (The Prosthetics and Orthotics Unit, Sirindhorn National Medical Rehabilitation Center)

高齢者や障害者の介護を行うにあたって、被介護者だけではなく介護する側の動きをカメラなどの測定機器を用いて解析し、双方の力点・負担の重心を明らかにしてサポートを行うという取組みとその重要性が紹介されました。山海教授の講演にも触れながら一番初めに語られた「できるようになるまで続ける」という強い信念が非常に印象的でした。

講演される坂井准教授

講演される坂井准教授

モデレーションされるDr. Piyavit

モデレーションされるDr. Piyavit

HAL全身用スーツ

HAL全身用スーツ

100名ほど収容の会場には人が溢れて補助椅子が追加されたり、各講演とも質問が相次ぐなど、反響の大きさは一目瞭然と言えるほどでした。

その後、Central World内Laem Charoen SeafoodでNRCT主催の夕食会が開かれ、Prof. Dr. Soottiporn事務局長をはじめとしたNRCT上級職員のほか講演者、タイ人モデレーター、当センター職員等で懇談しました。

タイ社会が今後急速に高齢化を迎えようとしている中で、時勢に適した学術・実践トピックをタイ日両国の学術機関であるNRCTとJSPSが的確につかみ、実施したという点は、大いに評価できるものと言えるでしょう。

当センターとしては今後も、NRCTとの緊密な連携を図り、タイ日両国の科学技術、社会研究の促進に努めていきたいと思います。

夕食会の様子、センター長の隣がProf. Dr. Soottiporn事務局長

夕食会の様子、センター長の隣がProf. Dr. Soottiporn事務局長

2011年8月19日、バンコク郊外IMPACTにて、JAFT(JSPS Alumni Forum of ThailandタイJSPS同窓会)主催セミナーが開催され、当センターより副センター長および現地職員が視察しました。

これは、タイ温室効果ガス制御機関(Thailand Green House Gas Management Organization)及びタイ天然資源環境省(Ministry of Natural Resource and Environment)が8月18-19日に主催した第2回タイ気候会議(CTC2011: Climate Thailand Conference)の一環として開催されたもので、「People Participation in Green Areas Development for Reducing Global Warming」と題して、地球温暖化抑制と都市緑化をテーマに、以下4つの講演を行いました。

1. Human-Centered Design
Dr. Prowpanarai Tongliemnak, Faculty of Architecture and Planning, Thammasat University

スウェーデン・ストックホルムの地下鉄会談を実際に音の出るピアノに改造することで、エスカレーターから階段利用へ移行する人々が劇的に増加したことを例に、1やる気、2能力・性能、3行動への引き金、の3つの要因によって人々の行動変化を促すことの可能性と重要性を示した。

Dr. Prowpanarai

Dr. Prowpanarai

2. Guidelines for the Promotion of Community Participation to increase Urban Green Space for Climate Change Mitigation
Prof. Dr. Sunee Mallikamarl, JAFT Executive member, Faculty of Law, National Institute of Development Administration, NIDA

Dr. Sunee

Dr. Sunee

1992年気候変動枠組条約、1997年京都議定書など、国際法的な側面から地球温暖化への対応を分析。工業の発展に支障をきたすわけにいかない発展途上国であるタイとしては、単純に二酸化炭素を減らすことだけでなく、緑化による二酸化炭素の吸収が重要であることを示した。

3. Biochar Driving Force Technology for Green Energy
Assoc. Prof. Dr. Orasa Sooksawang, JAFT member, Faculty of Social Sciences, Kasetsart University

農林業から排出される廃品をバイオ炭(Bio-char)として利用することにより、バイオマスという新たなエネルギー源を得られると同時に、それらを販売を通して農村地域の経済を振興させるなど新たなサイクルを生み出す可能性を紹介した。

Dr. Orasa

Dr. Orasa

4. People Participation in Urban Green Space Development
Ms. Montatip Sommeechai, Faculty of Forestry, Kasetsart University

都市部への人口集中が世界的に進行しており、それにともなって空気、水、廃棄物など環境汚染も進行している。これに対応するものとして都市緑化を提案。余暇、環境、経済効果など都市緑化の様々な側面を豊富なビジュアル資料を用いて紹介した。

Ms. Montatip

Ms. Montatip

開会の挨拶をするDr. Busaba JAFT会長

開会の挨拶をするDr. Busaba JAFT会長

2011年8月16日(火)および17日(水)、大分大学より 山岡吉生 教授及び 川本文彦 教授、それに東京大学で教員をした後、大分大学に学生として再入学された城戸康年 博士が来訪されました。

これは、今年6月に当センターを訪問された大分大学の内田助教のご紹介によるもので、今回はミャンマーでの調査を経ての訪問となりました。

大分大学医学部では科学技術システム改革事業「アジアにおけるヘリコバクター・ピロリ菌の分子疫学研究」とJSPS組織的な若手研究者等海外派遣プログラム「東アジア分子疫学研究推進のための若手研究者派遣プログラム」を受けており、今回の訪問は前者によるものです。

地域による胃がんの発生率とピロリ菌の感染率を比較し、ピロリ菌自体の変異を調べると同時に民族の移動の過程を解明していこうという取り組みで、タイをはじめベトナム、台湾、ミャンマー、インドネシア、ラオスなど東南アジア各地域のほか、ブータンや、オーストラリアやパプアニューギニアといった太平洋地域のピロリ菌の採取を行っています。

現在の科学技術システム改革事事業課題が平成23年度で終了した後の資金の確保の相談を受け、当センターからは研究拠点形成事業や二国間交流事業を紹介すると同時に、既存の他の研究分野とのシナジーや橋渡しを視野に入れつつ、フィールドとなる各地の社会知に還元しうるような研究計画の作成をご提案しました。

東南アジアに拠点を置くものとして、各国にとってのドナーとなるのではなく、パートナーとして連携・発展するという視点が、今後の東南アジア研究に盛り込まれていくことを期待します。

センター長、山岡教授、城戸博士

センター長、山岡教授、城戸博士

城戸博士、川本教授、センター長

城戸博士、川本教授、センター長

2011年8月6日(土)から21日(日)まで、バンコク郊外のBITEC(Bangkok International Trade and Exhibition Centreバンコク国際貿易展示場)にて科学技術展National Science and Technology Fair 2011が開催され、当センターもブース出展を行いました。

ブースDSC00876

これは8月18日がタイの「科学の日」であることにちなんで、青少年および国民に科学技術を広く紹介し関心を高めてもらうため、タイ科学技術省(MOST: Ministry of Science and Technology)及び国立博物館(NSM: National Science Museum)が主催しているものです。当センターでも2006年より出展しており、例年、バンコクだけではなくタイ全土より小中学生を中心として100万人以上の来訪者を集めるイベントです。

8月9日(火)には、Her Royal Highness Maha Chakri Sirindhorn王女を迎えて開会式が実施され、センター長もVIPの一名として出席しました。

なお、当センターでは、昨年に引き続き今回もポスター展示を行い、特に2010年ノーベル化学賞を受賞した根岸英一教授および鈴木章教授を取り上げました。

日本からはこのほか、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、JIRCUS(国際農林水産業研究センター)、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、RESTEC(リモートセンシング技術センター)が出展を行いました。

また、日本のほかに、中国、ロシア、ドイツ、フランスなどがタイ国外からの参加者としてブース展示を行いました。

入場を待つDSC00875

2011年7月30日(土)、Bangkok Convention Center at CentralWorldにて大阪大学・関西大学・関西学院大学・神戸大学主催の合同留学フェアが開催され、当オフィスより副センター長が視察しました。

これは、阪神地区の上記4大学間の国際化における協力関係を構築する目的で、大阪大学が推進して結成した「阪神地区大学国際化推進ネットワーク」の最初の取組みになります。費用は大阪大学の「大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業」費より負担されたということです。

会場は、各大学がそれぞれに一室を設けて留学説明や個別相談を行うエリアと、4大学が順番に大学紹介と模擬講義を行うエリアに分かれました。

オープニングセレモニーでは大阪大学の辻毅一郎 国際担当理事より挨拶がありました。タイをはじめとする東南アジアと関西の交流の深さや関心の高さが説明され、より多くの留学生を迎えようとする、地域全体の熱意を伝えました。

神戸大学・関西大学・関西学院大学・大阪大学の順に大学紹介が行われた後、集まった約100人の高校生や大学生、関係者等は各大学のブースへの足を向けました。

阪神地区大学国際化推進ネットワークでは今後も共同でファカルティ・ディベロップメントの取組みを行うなど継続した協力関係を維持する予定とのことです。

当オフィスとしても、在タイの日本大学の支援として何ができるかを考えていきたいと思います。

開会式の様子

開会式の様子

各大学ブースでの個別相談

各大学ブースでの個別相談

2011年7月29日(金)、バンコク市内エメラルドホテルにて開催されたタイ王国全国大学工学系研究科長会議(CEDT: Council of Engineering Deans on Thailand)にて、事業紹介を行いました。

これは、6月22日開催されたJAFT理事会にてDr. Paritud副会長よりご提案いただいたもので、タイ国内の工学研究科長が所属する集まりです。Dr. Paritudより、現在議長を務めるAssoc. Prof. Dr. Viboon Chunkagキングモンクット工科大学北バンコク校(King Mongkut’s University of Technology North Bangkok)工学研究科長にご紹介いただき、実施の運びとなりました。

CEDTには現在58の大学が所属しています。今年最初の会合となる場で約15分の時間をいただき、JSPS及び当オフィスの事業紹介を行いました。ここでも外国人特別研究員のほか、論文博士号取得者に対する支援事業への質問が特に多く、タイ国内におけるファカルティ・ディベロップメントに対する需要の高さがうかがえました。

当オフィスでは、今後、当会議における事業紹介をきっかけにタイ国内におけるJSPSへの新たな需要拡大していきたいと考えております。

CEDTの主な参加校は以下の通りです。
1. Chulalongkorn University
2. Rachamonkol Tonyaburi
3. Bangkok University
4. Kasetsart University
5. Kasembundit University
6. Khon Kaen University
7. Chiangmai University
8. Saint John University
9. Technology Prajomkao Thonburi University
10. Technology Mahanakorn University
11. Syrabaree University
12. Thonburi University
13. Thammasat University Rangsit
14. Dhurakij Pundit University
15. Naresuan University
16. North Chiangmai University
17. Buraba University
18. North Eastern University
19. Mahidol University
20. Maejo University
21. Rangsit University
22. Rajahathani University
23. Ram Kaemhaeng University
24. Wongchaowalitkul University
25. Walailak University
26. Arinakarinwiroj University
27. Sripratum University
28. Silpakorn University (Sanamchan Campus)
29. Songklanakarin University
30. Siam University
31. University of the Thai Chamber of Commerce
32. Assumption University
33. Ubonrachatani University
34. South-East Asia University
35. Pathumwan Institute of Technology
36. King Mongkut’s Institute of Technology Ladkraban
37. King Mongkut’s University of Technology North Bangkok
38. Chulachomklao Royal Military Academy
39. Royal Thai Naval Academy
40. Royal Thai Airforce Academy
41. Chinag Rai College
42. Asian Institute of Technology
43. Rajamangala University of Technology Krungthep
44. Rajamangala University of Technology Suvarnbhumi
45. Pathumthani University
46. Mahasarakam University
47. Rachamongkol University
48. Rajamangala University of Technology Lanna
49. Rajamangala University of Technology Rattanakosin
50. Rajamangala University of Technology Isan
51. Rajamangala University of Technology Srivijaya
52. Rajamangala University of Technology Tawan-ok Uthenthawai Campus

会場の様子

会場の様子

CEDT会議タイトル

CEDT会議タイトル

センター長

2011年7月29日(金)、マヒドン大学(Mahidol University)理学部にてJSPS事業説明会を開催し、若手研究者を中心に約60名が参加しました。

左から Dr. Wipawan、Dr. Boonchai、センター長、Dr. Skorn 学部長、Dr. Sukumal副学部長

左から Dr. Wipawan、Dr. Boonchai、センター長、Dr. Skorn 学部長、Dr. Sukumal副学部長

これは7月8日の表敬訪問においてClin. Prof. Dr. Piyasakol Sakolsatayadorn学長及びProf. Dr. Sansanee Chaiyaroj研究教育担当副学長より要請を受けたことにより実現したものです。

JSPSの事業説明に加え、JSPS事業経験者の体験談等を披露することで若手研究者の意欲を高めることを目的に、過去、ともに外国人特別研究員として日本で研究をされた、マヒドン大学神経行動生物学研究センター(Neuro-Behavior Biology Center)准教授でタイ王国JSPS同窓会(JAFT)会員のDr. Wipawan Thangniponおよびチュラロンコン大学(Chulalongkorn University)工学部准教授でJAFT理事でもある Dr. Boonchai Techaumnatにご参加、ご講演いただきました。

マヒドン大学理学部からはProf. Dr. Skorn Mongkolsuk学部長とAssoc. Prof. Dr. Sukumal Chongthammakun副学部長にご出席いただき、Dr. Skorn学部長より開催の挨拶をいただきました。

7月21日のタマサート大学での講演同様、Dr. Boonchai Techaumnatからは日立奨学金を得ての京都大学での博士課程学生時代から、外国人特別研究員として東京大学で過ごされた経験が詳細に語られ、その後のチュラロンコン大学での研究にいかに生かされているかが伝わってきます。

Dr. Wipawan Thangniponはマヒドン大学で修士を修められた後にイギリスで博士号を取得して、1995年に外国人特別研究員として九州大学に滞在されました。写真をふんだんに用いた講演では、日本での研究生活だけではなく九州でのタイ人コミュニティーとの交流にも触れられ、参加者たちの異国の地での生活に対する不安を大いに取りのぞきました。

当日のプログラムは以下の通りです。発表者の名前をクリックすると、当日の発表資料をダウンロードすることができます。

9:00-9:30 Registration

9:30-9:35 Welcome address from Mahidol University (MU)
– Professor Dr. Skorn Mongkolsuk , Dean, Faculty of Science, MU

9:35-9:40 Opening remarks from JSPS Bangkok office
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office

9:40-10:00 Introduction of JSPS activity in Asia (Q&A included)
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office

10:00-10:20 Research experience in Japan as JSPS postdoctoral fellow from Thailand (Q&A) included
-Assoc. Prof. Dr. Boonchai Techaumnat, Dept. of Electrical Engineering, Fac. of Engineering, Chulalongkorn University

10:20-10:40 Mahidol alumni session: Research experience as JSPS postdoctoral fellow in Japan (Q&A) included
-Assoc. Prof. Dr. Wipawan Thangnipon, Neuro-Behavior Biology Center, MU

10:40 Open discussion

同窓会メンバーの協力を得ながら、研究者として先行するタイ人から生の経験談を聞き、また同じ大学で勤務するシニア教員と経験を共有する機会を提供していくことは、事業広報活動としてのみならず、学術支援機関として非常に大切な活動でありJSPS海外センターならではの取組みです。

当オフィスとしては今後も、様々な機会をとらえて同様の活動を続けていく所存です。

満員の会場

満員の会場

2011年7月22日(金)、東京農工大学客員教授で、現在Asia SEED(アジア科学教育経済発展機構)の理事を務めておられる河合栄一 教授のご紹介で、Asia SEEDのプロジェクト開発・推進部コンサルタントである竹本高敏 東京工業大学原子炉工学研究所客員准教授および東京農工大学国際事業推進チーム 鈴木真由美 副チームリーダーが当オフィスを来訪されました。

東京農工大学では事務職員研修の一環で、3年目以降の職員の海外協定校への派遣を実施されています。これまですでにアメリカ、イギリスへの派遣を実施していますが、今後のアジア情勢を考え、北京、上海、タイいずれかへの研修派遣を検討しており、今回はタイの状況の視察が目的です。

東京農工大学はAsia SEEDと共同でBTS戦勝記念塔駅近くのBangkok Thai Towerに事務所を構えており、そこに本拠を置きながら姉妹校での英語研修と実務研修を行うことを検討しています。その一環として、当オフィスでの簡単な補佐用務等があれば研修を目的として勤務することができないか、といったご相談を受けました。

当方としても具体的な派遣状況等が不明のままでは明確な回答をすることはできませんでしたが、できる範囲でのご協力を惜しまない旨、回答させていただきました。

欧米アジアを含めて派遣先は未定ですが、直近では来年2月に6ヶ月間の派遣を予定されています。

竹本博士は原子炉工学を専門としておられます。3月の福島での事故以来、タイでも原子力についての関心が高まっており、これに答える形でタイ国内でのセミナー開催等を考えているので、JSPS事業として利用可能なものがないか、といったご相談です。

タイとの二国間交流事業は共同研究のみでセミナーの開催は含まれていないことから、日本開催となるものの国際研究集会事業でセミナーを開催し、その席で研究スキームを構築するなどして二国間交流事業やアジア・アフリカ研究基盤形成事業への申請を検討してはどうかと提案させていただきました。

 河井教授、鈴木副チームリーダー、竹本コンサルタント、副センター長


河井教授、鈴木副チームリーダー、竹本コンサルタント、副センター長

2011年7月22日(金)、東京大学東洋文化研究所 羽田正所長が当オフィスを来訪されました。

羽田所長はチュラロンコン大学(Chulalongkorn University)での研究集会に出席中で、同大学内に東京大学生産技術研究所がオフィスを開設していることから、本務として同研究所に所属するセンター長と意見交換を目的にしておられました。しかしながら、センター長が一時帰国中のため、副センター長の対応となりました。

東洋文化研究所は東アジアを研究対象の中心とする研究機関として設立された歴史がありますが、以降、研究領域をアジア全体に拡充させており、現在もタイを含めて東南アジア地域を専門とする研究者が在籍します。このことから、バンコクにおける日本の大学の研究拠点設置状況等を調査しており、今回の訪問はその情報収集と一環です。

バンコク市内には日本からの常駐者がないものを含めると10以上の大学・研究機関がオフィスを開設していることをお伝えすると、各機関ばらばらで進出することと比較して、ご自身のご経験からフランスやイギリスのように国単位で進出することの効率性を話されました。

また、現地に拠点を設置することの大きな意義のひとつは資料の収集・提供であることにも言及しておられます。

当センターとしては、東洋文化研究所を含めて我が国の各研究機関・研究者等の来タイの際にはできる限りの協力を行う旨をお話しました。今後の連携を期待しております。

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2011年7月21日(木)、タマサート大学ランシット・キャンパス(Thammasat University Rangsit Campus)にて、JSPS事業説明会を開催しました。

集合写真

集合写真

これは6月7日の表敬訪問においてAssoc. Prof. Dr. Taweep Chaisomphob研究担当副学長より要請を受けたことにより実現したものです。センター長からの事業説明に加え、JSPS事業経験者の体験談等を披露することで若手研究者の意欲を高めることを目的に、外国人特別研究員での日本滞在経験があり、タイ王国JSPS同窓会理事でもあるチュラロンコン大学のAssoc. Prof. Dr. Boonchai Techaumnatにもご参加、ご協力いただくことにしました。

参加者は教員・研究者を中心に40名ほどで、タマサート大学からは、急用のDr. Taweep副学長に代わって、Assoc. Prof. Dr. Virote Boonyapinyo総務担当理事補(Assistant to the Rector for General Administration Services)が出席し、ご挨拶をいただきました。

今回、一時帰国中のセンター長が台風6号の影響で渡タイできなくなったため、JSPS事業紹介は副センター長が行いました。JSPS事業への関心は非常に高く、特に、当オフィスの集計によるタイにおける所属大学別のJSPS経験者数を紹介したところ、大学の規模・名声に比べて低いその数字に驚きと衝撃の声が上がり、申請奨励の機運が高まったように思います。

Dr. Boonchai Techaumnatからは、外国人特別研究員への申請から渡日・滞在中にいたる詳細な経験談が語られ、日本語能力の必要性など、細かい質問が飛び交いました。

当日のプログラムは以下の通りです。
12:30-13:00 Registration

13:00-13:05 Opening remarks from JSPS Bangkok office
-Mr. Hiroaki Tanabe, Deputy Director, JSPS Bangkok Office
(in place of Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office)

13:05-13:10 Welcome address from Thammasat University(TU)
– Dr. Assoc. Prof. Dr. Virote Boonyapinyo, Assistant to the Rector for General Administration Services, TU)
(in place of Assoc. Prof. Dr. Taweep Chaisomphob, Vice Rector for Research and Educational) Services, TU

13:10-13:30 Introduction of JSPS activity in Asia (Q&A included)
-Mr. Hiroaki Tanabe, Deputy Director, JSPS Bangkok Office
(in place of Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office)

13:30-13:50 Research experience in Japan as JSPS postdoctoral fellow from Thailand (Q&A) included
-Assoc. Prof. Dr. Boonchai Techaumnat, Dept. of Electrical Engineering, Fac. of Engineering, Chulalongkorn University

13:50-14:10 Thammasat alumni talk: Research and education experience in Japan (Q&A) included
-Dr. Raktipong Sahamitmongkol, Construction and Maintenance Technology Research Center (CONTEC), Sirindhorn International Institute of Technology (SIIT), TU

14:10 Open discussion

Moderator: Dr. Raktipong Sahamitmongkol, CONTEC, SIIT, TU
Language: Thai, English

当オフィスとしては今後も、様々な機会をとらえて同様の活動を続けていく予定で、7月29日にはマヒドン大学(Mahidol University)及びタイ王国工学研究科長会議(Council of Engineering Deans of Thailand)の会合での事業紹介を予定しております。

左からDr. Boonchai、副センター長、Dr. Virote理事補、Dr. Raktipong

左からDr. Boonchai、副センター長、Dr. Virote理事補、Dr. Raktipong

2011年7月12日(火)、柿原健一郎 理化学研究所シンガポール事務所長が当オフィスを来訪されました。柿原所長にお越しいただくのはこれが2度目になります。今回はセンター長不在のため、副センター長が対応させていただきました。

柿原所長からは、特にシンガポールにおける大学運営の方針転換についてお話をいただきました。大学予算全体では増額となっている一方、研究者一人当たりのミニマムの研究費が減額され、競争的な資金が増えているということです。かつ、当該資金への獲得については民間企業との協働が条件とされるなど、急激な制度変更がなされており、研究者の入れ代りも起こり始めているとのこと。

この背景には様々ありますが、日本の科学技術総合会議にあたるともいえる研究・開発閣僚委員会(MCRD:Ministerial Committee on Research and Development)が2004年に設置され、その事務局的な立場を担う国家研究基金(NRF:National Research Foundation)にトニー・タン元副首相が就任するなど、政策面でのトップダウンの性格が強く関係していることは明確です。

なお、今年8月にはセンター長がシンガポールを訪れ、その際に理研オフィスにも立ち寄らせていただく予定でおります。

当オフィスでは今後とも東南アジアの各日本機関とも連携を取り合っていきたいと思っております。

柿原所長、副センター長

柿原所長、副センター長

2011年7月8日(金)、当オフィスメンバー全員でマヒドン大学(Mahidol University)を表敬訪問しました。これは、当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにカセサート大学、チュラロンコン大学、タマサート大学、キングモンクット工科大学を訪問しています。

左から副センター長、Ms. Boonyarat国際部長、センター長、Clin. Prof. Dr. Piyasakol学長、Prof. Dr. Sansanee副学長、関大阪大学バンコク教育研究センター長、当オフィススタッフ

左から副センター長、Ms. Boonyarat国際部長、センター長、Clin. Prof. Dr. Piyasakol学長、Prof. Dr. Sansanee副学長、関大阪大学バンコク教育研究センター長、当オフィススタッフ

マヒドン大学はタイのトップ大学のひとつで、2011年QSアジア大学ランキングでは、タイ国で1位の34位にランクインしています(2位はチュラロンコン大学の47位)。特に医学関係の充実で知られており、これまでにJSPS事業でも、拠点大学事業やアジア研究教育拠点事業、AA学術基盤形成事業を実施しているほか、JST-JICAの枠組みで行うSATREPSでも大阪大学とタイ保健省で実施するプロジェクトに参画しています。

今回は、長年マヒドン大学との共同研究・交流を続けられ、2009年にマヒドン大学より名誉博士号を授与された関達治 大阪大学バンコク教育研究センター長にご協力をお願いし、Clin. Prof. Dr. Piyasakol Sakolsatayadorn学長及びProf. Dr. Sansanee Chaiyaroj研究教育担当副学長にお会いすることができました。

センター長によるJSPS事業紹介の中では、過去から現在にかけてマヒドン大学での実施していたAcore事業やAA plat事業の代表者名が出されるなど、大学としての研究プロジェクトの管理意識の高さがうかがえました。

意見交換の様子。中央がClin. Prof. Dr. Piyasakol学長

意見交換の様子。中央がClin. Prof. Dr. Piyasakol学長

また、今回の表敬により明らかになったマヒドン大学の特徴としては、国内の他学に比べて博士号をもった教員の多さ(約70%)と、教員に占める欧米大学出身者の比率の高さがあります。これは大学ランキングも意識した採用条件としての博士号の所持、また学内の「Pure Culture」への警戒感によるところが大きいようです。部局によって差はあるものの、Prof. Dr. Sansanee副学長が所属する理学部においては、マヒドン大学出身の教員はゼロに等しいということでした。

JSPS事業、特に外国人特別研究員については、前述のとおり欧米大学出身者が多くを占めることから、多様な研究文化を経験し、また自らの研究費を持って研究をするという研究者養成という観点から非常に関心が高く、センター長が提案した若手研究者対象の事業紹介セミナー開催に対しては前向きな回答をいただきました。繁忙期にあたる8月を避け、7月29日(金)の開催がその場で決定され、会場はバンコク中心部に位置する理学部となりました。

当オフィスとしては、今回も同窓会組織と連携し、マヒドン大学に所属するJSPS事業経験者に協力を仰いで、事業紹介セミナーを実施する予定です。

今回の報告書はこちらの通りです。

2011年7月7日(木)、大阪大学微生物病研究所 日本・タイ感染症共同研究センター(RCC-ERI: Thailand-Japan Research Collaboration Center on Emerging and Re-emerging Infections)の卯田健二 事務職員に当オフィスを来訪いただきました。

RCC-ERIは、2005年度に発足した文部科学省の「新興・再興感染症研究拠点形成プログラム」における海外研究拠点の一つとして、大阪大学がタイ王国保健省医科学局の協力により設置した研究拠点です。

RCC-ERI is one of overseas research core centers established in the part of “Program of Founding Research Centers for Emerging and Reemerging Infectious Diseases” commenced by Japanese Ministry of Education, Sports, Science and Technology in 2005, and by Osaka University with the cooperation of Thai Ministry of Public Health.

最初の5年を経て、現在は2フェーズ目の3年目に入っているということ。バンコク郊外ノンタブリーの保健省内に施設を構え、現在、8名ほどの日本人研究者が常駐する、日本の研究機関の在タイ施設としては大規模なものとなります。

今回は、当オフィスの最寄りにある大阪大学バンコク教育研究センターを訪れた卯田職員を引きとめ、こちらに立ち寄っていただく形となりました。研究者目的でタイに滞在する際に取得するビザに関し、大所帯を担当しておられる卯田職員と、その扱い方や対応について意見交換を行いました。不透明な部分がある中で最善の策を模索する必要があり、当オフィスとしては今後もこうした情報共有を続けていきたいと思います。

左から卯田職員、センター長

左から卯田職員、センター長

2011年7月4日(月)、筑波大学より横瀬雅年、関本啓子、山田涼子の係長三名が来訪されました。

筑波大学には教員および職員対象の公募型研修制度があるということで、今回はタイとシンガポールの大学における留学生の受入れ体制についての調査が目的だということです。タイでは、マヒドン大学(Mahidol University)のInternational Programの視察が主な用務です。

また、帰国後の留学生との連携として、筑波大学では中国に3,000人規模の同窓会があり、今後は、他国においても同様のネットワーク化を考えているということです。

なお、横瀬係長は、過去に当オフィスに勤務されていたということで、現副センター長から数えて4代前の副センター長にあたります。

訪問者:
横瀬雅年 国際部留学生交流課短期留学係長
関本啓子 国際部留学生交流課留学生交流係長
山田涼子 体育芸術系支援室学生支援専門職員

現副センター長としては先輩のご活躍に触れることができ、大変うれしく思いました。

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2011年6月30日(木)、バンコク市内Swissotel Le Concorde Hotelにて、東海大学及びキングモンクット工科大学ラックラバン校(KMITL: King Mongkut’s Institute of Technology Ladkraban)が「東日本大震災の状況と、震災後・減災に向けた大学の役割について」と題するセミナーを開催し、当オフィスのメンバー全員で参加しました。6月18日の Dr. Ruttikorn副学長表敬の際にご紹介いただいたものです。

東海大学とKMITLは1977年に交流協定を締結しており、2003年11月にKMITL内にアジアオフィスを開設して、学生交流や事務職員の研修を行っています。

今回のセミナーは震災後の日本の状況を正しく理解してもらうことを目的に、全国にキャンパスを持つ東海大学が独自に収集分析したデータに基づいて我が国の安全性を訴えるなど、現況下における大学の役割をも考えるもとなりました。

国内外から300人を超える参加者があったということです。

会場の様子1

会場の様子1

会場の様子2

会場の様子2

2011年6月26日(日)から28日(火)まで、センター長および副センター長がマレーシア・クアラルンプールへ出張しました。目的は、6月27-29日の日程で開催される「The 8th Sustainable Energy & Environment (SEE) Forum Meeting」に参加し、JSPS事業紹介を行うことです。

See Forumは2006年に設立された、地球的な課題としての持続可能なエネルギーと環境についての議論を行うアジア・太平洋地域の学術的なネットワークで、今回の会議にもブルネイ、インドネシア、インド、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの9カ国から大学関係者が参加し、各国での環境に対する学術的なアプローチなどが紹介されました。
また、具体的にJST-JICAの枠組みで実施するSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)への申請状況報告がなされるなど、国際共同研究に対する需要の大きさ、意識の高さを感じることができました。

当オフィスは紹介ブースを設置してブローシャーの配布を行ったほか、センター長による事業紹介セッションの時間をいただき、東南アジア各国の声としての事業申請を呼びかけました。その後、博士号取得者からは外国人特別研究員事業への申請について特に助言を求められたり、博士未取得の学生からは論文博士号取得者への支援事業について詳細を確認されるなど、関心の高さを肌で感じる機会となりました。

参加者本人だけでなく所属する大学でも設置・紹介いただけるよう少し多めに準備していった300部のブローシャーはすべて配布されるなど、多国間の枠組みで実施される学会等での広報活動の効果の高さを再確認する機会ともなりました。

事業紹介するセンター長

事業紹介するセンター長

当オフィスが設置したブース

当オフィスが設置したブース

2011年6月23日(木)、タイ地理情報宇宙開発機構(GISTDA:Geo-Informatics and Space Technology Development Agency)にて、JSPS事業説明会を行いました。GISTDAはタイ国内の宇宙・衛星事業を統括管理運営している組織で、センター長の共同研究機関でもあります。

今回の説明会は、GISTDA研究職員で東京大学で学位を修められたDr. Preesan Rakwatinの紹介により実施されました。参加者はGISTDA職員が役15名で、そのうち博士号を持っているのは2-3名でした。そのため、論文博士号取得希望者に対する支援事業に関心が集まりましたが、JSPSが行うのは博士号取得までの経済的な支援であり、博士号授与の権限はあくまでも各大学にあるのであって、本事業に選ばれることと博士号取得はイコールではない点を特に注意を促しました。

今回の司会を務められ、GISTDAの理事会委員で事務局次長でもおられるDr. Anond Snidvongs(Member, GISTDA Executive Board, Acting Executive Director)からは、タイのJSPS経験者は医学系に比べて工学系が少ないことに対して、JSPSからNRCTに工学系を増やすように働きかけることはできないか、などの質問がありました。

当オフィスとしては、申請数の増・減をもって需要の増・減を示すことが科学的で合理的ではないかという考えをお伝えしました。

センター長、Dr. Anond理事

センター長、Dr. Anond理事

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2011年6月21日(火)、カセサート大学(Kasetsart University)にてJSPS事業説明会を開催しました。

左からDr. Danai、Dr. Uthairat所長、センター長、Dr. Sornprach副学長、Dr. Busaba、Dr. Sukanya

左からDr. Danai、Dr. Uthairat所長、センター長、Dr. Sornprach副学長、Dr. Busaba、Dr. Sukanya

これは4月8日の表敬訪問においてAssoc. Prof. Dr. Sornprach Thanisawanyangkura研究担当副学長より要請を受けたことにより実現したものです。センター長からの事業説明に加え、JSPS事業経験者の体験談等を披露することで若手研究者の意欲を高めることを目的に、BRIDGE Fellowshipによる派遣報告会をかねて開催することとしました。

2010年度派遣者であるDr. Busaba Yongsmithによる研究経験の共有、2011年度派遣決定者のDr. Danai Tiwawechから研究計画についての説明、そして論文博士号取得希望者に対する支援事業により駒沢大学で博士号を修められたDr. Sukanya Aimimthamからは、論博事業の詳細な体験談と、コンケン大学(Khon Kaen University)のある東北地方での研究実態を語っていただきました。

会場には70人の若手研究者が集まり、日本での研究の可能性や首都バンコクとは異なるタイ国内での様子に熱心に耳を傾けました。

会場の様子

会場の様子

当日のプログラムは以下の通りです。

9:30-10:00 Registration

10:00-10:05 Opening remarks from JSPS Bangkok office
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office

10:05-10:10 Welcome address from Kasetsart University
-Assoc. Prof. Dr. Sornprach Thanisawanyangkura, Vice President for Research, Kasetsart University

10:10-10:30 Introduction of JSPS activity in Asia (Q&A included)
-Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office

10:30-10:50 30 years research experience and what is learned from Japan as a BRIDGE fellowship program awardee FY2010 from Thailand (Q&A included)
-Prof. Dr. Busaba Yongsmith, Faculty of Science, Kasetsart University

10:50-11:10 Research experience and plan in Japan as BRIDGE fellowship awardee FY2011
-Dr. Danai Tiwawech, Senior Scientist Level 8, Chief of Cancer Biology Section, Research Division, National Cancer Institute

11:10-11:30 Research experience in Japan for Ph. D as a RONPAKU program awardee from Thailand (Q&A) included
-Assoc. Prof. Dr. Sukanya Aimimtham, Faculty of Humanities and Social Sciences, Khon Kaen University

11:30 Open discussion

Moderator: Prof. Dr. Uthairat Na-Nakorn, Director, Research and Development Institute, Kasetsart University

その後、Dr. Sornprach副学長より招待いただき、モデレーターを務めていただいたDr. Uthairat所長、発表者及び当オフィスメンバーでの昼食会となりました。6月7日に表敬したタマサート大学(Thammasat University)のAssoc. Prof. Dr. Taweep Chaisomphob副学長とDr. Sornprach副学長がともに工学系の教員であることから、今回のような当オフィスの活動についてすでに情報交換がなされているが明かされるなど、貴重な情報収集・意見交換の機会となりました。

当オフィスとしては今後も、様々な機会をとらえて同様の活動を続けていく所存です。

昼食会

昼食会

2011年6月20日(月)、当センター全員で在タイ日本大使館に、小島誠二 特命全権大使を表敬しました。

今回の表敬訪問の目的は、今年2月に実施されたJSPSタイ同窓会総会及び論文博士号取得者へのメダル授与式に、坂入倫之一等書記官がお越しいただいたことへの感謝をお伝えするとともに、JSPSタイ同窓会が大使に名誉会員の称号を付与したいと考えている旨をお伝えし、その可否を伺うことです。

小島大使は科学技術協力担当大使でおられたこともあり、センター長よりタイにおけるJSPSの活動についてご説明さしあげたところ大変に興味を示され、タイにおける科学技術の傾向などついて質問をされました。

また、タイ国JSPS同窓会名の誉会員の付与についてお伺いしたところ、問題なくお引受けいただけるとのこと回答をいただきました。

6月22日(水)に開催される同窓会理事会にて報告する予定です。

記念写真を見ながら説明を聞かれる大使

記念写真を見ながら説明を聞かれる大使

センター長、小島大使

センター長、小島大使

2011年6月20日(月)、今年8月6日から21日までBITEC(Bangkok International Trade & Exhibition Centreバンコク国際貿易展示センター)で開催される科学技術博覧会Science & Technology Fair)に関する第一回説明会が開催され、当オフィスよりセンター長と現地スタッフが出席しました。

会場はバンコク市内の科学技術省(MOST:Ministry of Science and Technology)で、戦勝記念塔近くにあります。タイ省庁、大学、民間企業、ドイツ大使館及びフランス大使館の担当者が出席し、今後の予定や展覧会におけるテーマ区分などについて説明がありました。

公式の開会式は8月9日15時からで、昨年同様シリトン王女が出席されるということです。

2011年6月17日(金)、福岡工業大学より下村学長をはじめとする5名が当オフィスを来訪されました。訪問者は以下の通りです。

下村輝夫(しもむら・てるお) 学長
大谷忠彦(おおたに・ただひこ) 専務理事
倪 宝栄(ニイ・ホウエイ)教授・国際交流委員長
米田達郎(よねだ・たつろう) カリフォルニア事務所所長
大谷哲也(おおたに・てつや) 学生部学生課職員 主任

福岡工業大学は1963年設置された私立大学で、工学部、情報工学部、社会環境学部、短期大学部で構成される学生数約4,500人の大学です。2008年3月にキングモンクット工科大学ラックラバン校と学生・教員の交流等に関する学術協力協定を締結し、盛んに交流されています。

また、アメリカ・カリフォルニア州のアラメダ市にもカリフォルニア事務所を設置されており、今回は、サンフランシスコ・ベイエリア大学間連携ネットワーク(JUNBA:Japanese University Network in the Bay Area)と関係の深いJSPSサンフランシスコ研究連絡センター竹田センターよりご紹介を受けての訪問となりました。

シンガポールと比較した上でのバンコクの特徴や、都心の大型総合大学ではない地方の単科大学としての活動方針などについて突っ込んだ意見交換が行われました。意思決定の速さや行動力が重要になってくるという理解は共通しており、日本国内の同様の大学との緩やかな連携により、学生交流から研究交流へとステップアップしていくための方策が議論ました。

JSPSや文部科学省から随時公募がかけられる様々な事業は国の方針を反映しているのであり、それに素早く対応できるアイデアと行動力を蓄えておくことの重要性が確認されました。

なお、福岡工業大学では事務職員の多くをアメリカの協定校へ研修に出すなど、教員育成のみならず職員育成にも注力し、大学全体で活発に活動する熱気のようなものさえ伝わりました。

意見交換の様子

意見交換の様子

左から大谷主任、倪委員長、下村学長、センター長、大谷理事、米田所長

左から大谷主任、倪委員長、下村学長、センター長、大谷理事、米田所長

2011年6月17日(金)、当オフィスメンバー全員でキングモンクット工科大学ラックラバン校(KMITL:King Mongkut’s Institute of Technology Ladkraban)を表敬訪問しました。これは、当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにカセサート大学、チュラロンコン大学、タマサート大学を訪問しています。

KMITLはタイにおける工科系のトップ大学のひとつで、日本のODAにより職業訓練センターから大学へと発展してきた歴史があります。現在は福岡工業大学のほかにも東海大学とも緊密な関係を維持しており、国際交流担当副学長であるAssoc. Prof. Dr. Ruttikorn Varakulsiripunthは東北大学で学位を取られました。日本語が極めて堪能で、今回の会談はすべて日本語でおこなわれました。なお、今回の表敬は、同じ日に当センターを訪問いただいた福岡工業大学にセッティングをお願いし実現したものです。

まず福岡工業大学より、KMITLが日本の高専機構と協定を結んでいることや、産業教育学部に日本語学科を設置して、特に工場をもつ日本企業への就職を有利にすすめていることなどが紹介されました。

Dr. Ruttikorn副学長自身は過去に拠点大学交流事業でも日本へ来たことがあることや、論文博士取得希望者に対する支援事業で、タイNRCT側の工学部門先行委員会の議長をしておられるなど、JSPSについて非常に明るく前向きな姿勢でおられ、我々としても嬉しさを通り越して恐縮を覚えるほどです。

センター長より、JSPSによる支援経験者の専攻統計を例に、タイのアカデミズにおける工学系人口の少なさが説明され、KMITLでJSPSへの申請を奨励するようお願いしました。若い研究者を外の世界へ向けることの難しさを感じておられるDr. Ruttikornに対し、JSPSの事業紹介セミナーを提案したところ、非常に前向きなお返事をいただくことができました。

福岡工業大学よりアジア研究教育拠点事業(Acore)やアジア・アフリカ学術基盤形成事業(AAplatform)の申請要件について質問があり、福岡工業大学が申請可能であることと併せて、二つの事業による主な支援が人材交流であることから、たとえばKMITLとの既存の共同研究や共同事業を元に申請することが事業趣旨にかなうことを回答しました。

その後、Dr. Ruttikorn副学長より、最近のタイの大学を取り巻く環境が紹介され、民間との共同研究や、基金を利用した研究者派遣などについて説明がありました。

最後に、Dr. Ruttikorn副学長から、災害と大学の役割についての公開セミナーが6月30日に東海大と共同で開催されることが紹介され、当センターとしては喜んで参加させていただく旨、回答しました。

センター長とDr. Ruttikorn副学長

センター長とDr. Ruttikorn副学長

福岡工業大学一行を交えた記念写真。左から、米田カリフォルニア事務所所長、Dr. Ruttikorn副学長、大谷理事、センター長、副センター長、下村学長、ニイ国際交流委員長、大谷主任。

福岡工業大学一行を交えた記念写真。左から、米田カリフォルニア事務所所長、Dr. Ruttikorn副学長、大谷理事、センター長、副センター長、下村学長、ニイ国際交流委員長、大谷主任。

011年6月14日(火)、京都大学東南アジア研究所(CSEAS)バンコク連絡事務所にて、駐在員交替にあわせた夕食会が開催され、当オフィスより副センター長が参加しました。

同事務所はバンコク市内スクンビット・ソイ20にあり、1963年に開設された我が国で最も歴史のある大学オフィスです。

CSEAS側からは、現駐在員であるCSEAS柴山守教授、同じく教授である河野泰之教授、前駐在員の星川圭介助教(地域研究統合情報センター)のほか、新駐在員の東京大学農学生命科学研究科 富田晋介 助教が出席されました。今回はCSEASの共同利用・共同研究拠点化にともなって東京大学の研究者が駐在員に選ばれたそうです。任期は3カ月です。

外部からの参加者は以下の通り。

東京農工大学 河井 栄一 教授
大阪大学バンコク教育研究センター 関 達治 センター長
    〃            杉山 香里 副センター長
東海大学アジアオフィス 富田 紘央 コーディネーター
タマサート大学東アジア研究所 栞野 純一 客員教授
泰日工業大学 水谷 光一 講師
日本学生支援機構タイ事務所 萩原隆司 所長
JICAタイ事務所 米田 一弘 所長
   〃    田中 章久 次長
 

手作りのおいしい料理がふるまわれ、リラックスした空気の楽しい会となりました。

当方からは河野教授に10月に予定している社会科学に関するセミナーについてお話させていただきました。

画面中央、両手を開いて話しているのが富田助教

画面中央、両手を開いて話しているのが富田助教

2011年6月10日(金)、東京大学生産技術研究所所属で、都市基盤安全工学国際研究センター准教授としてバンコク郊外にあるAIT(アジア工科大学院)に派遣されている川崎昭如准教授が当オフィスを来訪されました。

川崎准教授は今年10月にチェンマイで行われる第10回アジア地域の巨大都市における安全性向上のための新技術に関する国際シンポジウム-USMCA2011の開催を担当しておられます。そのため、当該シンポジウムへの参加要請をいただき、当オフィスとしては快諾の上、その打合せを行いました。

このほか、当オフィスが10月から11月に予定している社会科学に関するセミナーについて助言をいただき、東京大学生産技術研究所の同窓会会合との連携などが話し合われました。

まだまだ青写真の段階で未定の部分が多い状況ですが、今後、関係各所と連絡を取りながら、開催準備を進めていく所存です。

川崎准教授、センター長

川崎准教授、センター長

2011年6月8日(水)、JASSO(学生支援機構Japan Student Service Organization)タイ事務所の萩原所長が当センターを訪問されました。

今年度中の事務所移転と共用に向けた打合せです。昨年12月の閣議決定を受けて以来、今年1月には当オフィスでJSPS国際部長とJASSO財務部長の協議が行われるなど、継続的に協議されてきました。

今回はJSPS本部とJASSO本部との間で行われた最新の協議を受け、双方の現地事務所で細かな部分の検討を行いました。共用が実現した際のレイアウトなど移転に向けてクリアにしなくていけない課題は多く、今後も本部間および現地間で協議・検討を重ねていく意向です。

当センター長、萩原JASSOタイ事務所長

当センター長、萩原JASSOタイ事務所長

2011年6月7日(火)、チュラロンコン大学アジア研究所(Institute of Asian Studies, Chulalongkorn University)よりMs. Saikaew Thipakorn研究員が当センターを来訪されました。

大学では政治学を研究しておられ、今回の訪問目的は日本の研究支援政策についてセンター長にインタビューをするというものでした。

インタビューでは、センター長自身がどうしてセンター長に選ばれたのか、JSPSとJST(科学技術振興機構)の違いは何か、JSPSの職員構成はどのようになっているか等々、非常に細かい質問が出され、センター長としても答えに窮する場面がありました。

1978年に開始された論文博士号取得者に対する支援事業をはじめとして、我が国からタイ国に対する研究支援活動には30年の歴史があります。その経験や我が国の支援体制をモデルとしてタイ国独自の研究政策が築かれ、我が国をはじめとするアジア域内での共存共栄が実現していくことを望みます。

センター長、Ms. Saikaew

センター長、Ms. Saikaew

2011年6月7日(火)、当オフィスメンバー全員でタマサート大学のランシット・キャンパス(Thammasat University Rangsit Campus)を表敬訪問しました。これは、当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにカセサート大学とチュラロンコン大学を訪問しています。

タマサート大学は医学関係の研究者が多いタイ国内で人文社会系の分野が強い大学として知られています。副学長の中には、JSPSの論文博士号取得希望者に対する支援事業(論博)により早稲田大学で政治科学を修めた方もおられます。

今回の表敬は、先日、当センターを訪問いただいたDr. Raktipong Sahamithongkolにご協力をお願いし、研究教育担当の副学長(Vice Rector for Research and Educational Services)であるAssoc. Prof. Dr. Taweep Chaisomphobにお会いすることができました。会談には研究事務の担当部長(Director, Office of Research Administration)であるMs. Chanticha Sriyothinが同席されました。

まず当センター長よりJSPS及びバンコク・オフィスの業務説明を行い、次いで、Dr. Taweep副学長よりタマサート大学の説明をいただきました。タマサート大学では社会科学について1999年から拠点大学交流事業を、2009年からはアジア研究教育拠点事業を、京都大学東南アジア研究所と継続して実施していることが紹介されました。

その後の会談の中で、当センター長から、JSPSによる支援対象者についても分野間の偏りがみられるタイにおいては、人文社会科学が強いタマサート大学からの申請が増えることを期待している旨が伝えられました。Dr. Taweep副学長からは、JSPS事業への申請を今後より多くするにあたって、特に外国人特別研究員事業と論博について、その申請手順をわかりやすく示した資料の作成を依頼されました。

また、Dr. Taweep副学長からは、外国からの支援によるのではなく自前の研究支援システムとして学内COEのシステム構築を行っていることが紹介され、当センターとしては、できる限りの助言等をさせていただく旨をお伝えしました。

このほか、当センター長より、JSPSによる支援はボトムアップ型、つまり研究者の発案を支援するものであり、研究計画ありきの競争的資金であることを説明いたしました。支援の獲得までの競争はフェアで厳しいものの、ODAなどトップダウン型の支援に比べて資金運用の柔軟性という点で優れているという点でも、研究を支援していくというポリシーが生かされています。

Dr. Taweep副学長は即座にご理解いただき、6月21日にカセサート大学で行うのと同様に、タマサート大学でも事業紹介のセミナーを開催するよう要請をいただきました。当センターとしては快諾し、引き続きDr. Raktipongを窓口に調整を行っていく予定です。

左からセンター長、Dr. Taweep副学長、Dr. Raktipong、Ms. Chanticha部長

左からセンター長、Dr. Taweep副学長、Dr. Raktipong、Ms. Chanticha部長

説明するセンター長のPCと、Dr. Taweep副学長、Ms. Chanticha 部長、Dr. Raktipong

説明するセンター長のPCと、Dr. Taweep副学長、Ms. Chanticha 部長、Dr. Raktipong

2011年6月2日(木)、大分大学医学部の内田智久助教が当オフィスを来訪されました。

現在、科学技術振興調整費「アジアにおけるヘリコバクター・ピロリ菌の分子疫学研究」とJSPS組織的な若手研究者等海外派遣プログラム「東アジア分子疫学研究推進のための若手研究者派遣プログラム」の支援を受けており、今回は後者によるタイ訪問ということです。

約1週間のタイ滞在ですが、当オフィスを来訪する前にすでにタイ南部へサンプル調査に行っておられたということで、共同研究機関であるチュラロンコン大学医学部を拠点にブータンやベトナム、台湾など東アジア地域におけるピロリ菌の採集・分析を積極的に行っておられます。

当方からは、オフィスの活動紹介のほか、EUやアメリカに比較してアジア域内での共同研究数の少なさを例にとり、東アジア地域で活発な研究活動を行われている内田博士にはぜひアジアとアジアの懸け橋としてもご活躍いただきたい旨お話しさせていただきました。

今回は副センター長一人での対応となり、学術的な部分に立ち入ることができませんでした。次回12月頃に再来タイされるそうですので、その際にはぜひセンター長を交えてお話しさせていただければと思っております。

内田助教、副センター長

内田助教、副センター長

2011年5月31日(火)、チュラロンコン大学理学部にて、通称SATREPS、地球規模課題対応国際科学技術協力(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)による研究連絡会が実施され、当オフィスより副センター及び現地職員が視察しました。

SATREPSはJST(科学技術振興機構Japan Science and Technology Agency)とJICA(国際協力機構Japan International Cooperation Agency)が連携してプロジェクトを実施する枠組みです。科学技術と外交の相乗効果により、a)日本と開発途上国との国際科学技術協力の強化 b)地球規模課題解決のための新たな技術の開発・応用および科学技術水準の向上につながる新たな知見の獲得 c)キャパシティ・ディベロップメント の3つを目指すものです。

現在タイ国内では5つのプロジェクトが実施されており、以下のすべてのプロジェクトからの参加者が、それぞれの事業進捗を発表しました。

1. 気候変動に対する水分野の適応策立案・実施支援システムの構築(東京大学‐カセサート大学)
2. 新バイオディーゼルの合成法の開発(北九州市立大学-チュラロンコン大学)
3. 熱帯地域に適した水再利用技術の研究開発(東京大学‐タイ国環境研究研修センター)
4. 非食糧系バイオマスの輸送用燃料化基盤技術(産業技術総合研究所-タイ国家科学技術開発庁(NSTDA))
5. デング出血熱等に対するヒト型抗体による治療法の開発と新規薬剤候補物質の探索(大阪大学‐タイ保健省)

1月のCCMAにご参加いただいたMr. Nontawat Junjareon前工学部長及び小森大輔助教が1.プロジェクトの報告者として参加されていたほか、昨年8月のJSPS-NRCTセミナーで長崎大学 平山先生のモデレーターを務めていただいたDr. Jokita Boon-Longが5.プロジェクトの報告者として参加されていました。

なお、各プロジェクトの報告に先立って、JST 岡谷重雄 参事役・地球規模課題国際協力室長より、新たに開設されたコミュニティサイト「Friends of SATREPS」の照会がありました。これはSATREPS専用のSNSで、SATREPSに関係する人材コミュニティの形成と促進を目的として設置されました。今後、既存メンバーの連絡調整のほか、SATREPSに関心ある人たちが当SNSを利用してプロジェクトに関わっていくといったことが期待されています。
https://fos.jst.go.jp/

会場

会場

岡谷参事役

岡谷参事役

2011年5月19日(木)、当オフィスメンバー全員でチュラロンコン大学(Chulalongkorn University)を表敬訪問しました。これは、当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。

チュラロンコン大学はタイで最も長い歴史を持つ大学で、国内の研究・教育を常にリードしてきた存在といえます。JSPSの協定機関であるタイ国研究協評議会(NRCT:National Research Council of Thailand)の事務総長Dr. Soottiporn Chittmittrapap教授もチュラロンコン大学医学部の所属です。

今回の表敬は、タイ国JSPS同窓会(JSPS Alumni Forum of Thailand(JAFT))理事で事務局担当であるDr. Boonchai Technaumnat准教授にご協力をお願いし、国際交流担当の総長補佐(Assistant to the President for the international affairs)であるAssist. Prof. Dr. Rattachat Mongkolnavinにお会いすることができました。

まず当センター長よりJSPS及びバンコク・オフィスの業務説明を行い、次いで、Dr. Rattachat総長補佐よりチュラロンコン大学の説明をいただきました。学長が日本の有力大学を訪問したことがあることや、奨学金等で日本への留学経験のある学生が多いことなどをお話しいただきました。

その後、会談で、JSPS事業を直接若手研究者に紹介するにあたり、チュラロンコン大学内のホームページに当オフィスのホームページを掲載いただくこと、また卒業式で当オフィスのパンフレットを配布いただけることになりました。卒業生は1000人規模ですので、非常に大きな効果が期待できるものと考えています。

また、カセサート大学で6月21日に実施する事業紹介セミナーの開催を、チュラロンコン大学でも希望する場合は研究担当の副学長をご紹介いただけることもお約束いただき、当オフィスとしては8月をめどにスケジュール調整を行う予定です。

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 センター長、Dr. Rattachat学長補佐


センター長、Dr. Rattachat学長補佐

2011年5月10日(火)、ウェスティン・グランド・スクンビット・ホテル内「吉左右」にてタイに事務所を設置する大学等意見交換会が実施されました。在タイ日本大使館の広報文化担当である富田一等書記官の呼びかけにより、日本学生支援機構(JASSO:Japan Student Service Organization)タイ事務所の萩原所長が音頭を取って開催の運びとなりました。当オフィスからは副センター長が参加しました。

上記2名のほか以下のメンバーが参加し、タイ国内で実施される大学説明会についての意見交換が行われました。

東京農工大学 河井 栄一 教授
大阪大学バンコク教育研究センター 関 達治 センター長
    〃            杉山 香里 副センター長
京都大学東南アジア研究所バンコク連絡事務所 柴山 守 教授
東海大学アジアオフィス 富田 紘央 コーディネーター
日本学生支援機構タイ事務所 カンピロム 所員

席上、3月の震災について大学説明会ではどのように対応するか、というテーマが出され、それについて以下のような意見が交わされました。

・個別ブースでの展示を行う場合、大学ごとのセールスポイントの区別が難しい
・学部学生を対象とすると、奨学金の有無という問題のほか、学力レベルという点でもハードルが高い
・主な参加者は日本語学科の学生であり、理系の学生の参加を期待したい
・大学説明会自体にタイ国内の日本語学科の支援という要素もある
・日本語学科以外の学生としては平日の講義を休んで参加するのは難しいケースが多い
・タイ国内の日本人同窓会と連携したネットワーク形成も選択肢である
・日本の同窓会規定を当てはめるとタイ人同窓会の形成は困難である
・日本への留学の次のステップ、たとえば就職支援にあたるような取り組みを行ってはどうか

なお、当方からは、6月21日開催のカセサート大学での事業説明セミナーを例に、一度に多くの大学の学生を対象に開催するのではなく、一定の大学で集中的に人を集めて実施することを提案しました。また、留学以降の日本からの支援の存在を示すものとしてJSPSを挙げていただくことや、場合によっては説明会等に参加させていただくこともできるということをお伝えしました。

同様の意見交換会は、今後も断続的に実施される予定です。

2011年4月25日(月)、京都大学エネルギー科学研究科の 園部太郎 グローバルCOE特定助教が来訪され、当センターも参加した2011年3月8-9日のアセアン大学連合(AUN)‐京都大学ワークショップの報告書をお持ちくださいました。

ワークショップ2日目に行ったグループ討議の結果として、研究者や学生といった人的交流を行う前段階として、まずは共同研究で基礎を固めていこうという共通理解に至り、その共同研究のためのマッチングワークショップを2012年の早い段階で行うことが合意されたという報告をいただきました。

また、AUNと日本という枠組み維持の資金として日・ASEAN統合基金(Japan-ASEAN Integration Fund(JAIF))への申請も話題に上がったということです。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asean/j_asean/jaif.html

ASEANは2003年10月の第9回ASEAN首脳会議で「第二ASEAN共和宣言」を採択して「ASEAN安全保障共同体(ASC)」、「ASEAN経済共同体(AEC)」及び「ASEAN社会・文化共同体(ASCC)」の3つの共同体形成を通じたASEAN共同体の実現を目指していますが、科学技術はそのうち「社会文化共同体」に含まれるということです。

当センターからは、AUNの取組みは、質を担保した上で、ASEAN全体の枠組みの中で進めていくことが大切ではないかと提案させていただきました。そうすることで、一国ではなくASEANという域内での分野間調整を図ることを考えてはどうかと、EUの科学技術政策を引きあい出しながらご提案した次第です。

なお、2011年6月27日にマレーシアで開催される第8回See Forumについても、今回改めて参加の意思をお伝えいたしました。SEE Forum (Sustainable Energy and Environment Forum)は2006年に設立された、地球的な課題としての持続可能なエネルギーと環境についての議論を行うアジア・太平洋地域の学術的なネットワークです。

園部助教、センター長

園部助教、センター長

2011年4月25日(月)、タマサート大学(Thammasat University)のDr. Raktipong Sahamitmongkolが来訪されました。タイを対象としたJSPSのプログラムについての相談です。

当センターからはアジア研究教育拠点事業(Acore)とアジア・アフリカ学術基盤形成事業の紹介をさせていただきました。ただし、以上2事業は交流を目的としたものでありタイ側にJSPSの研究費が行くわけではないこと、特にAcoreはJSPSの負担範囲は基本的に日本側でありタイ側は独自に費用を用意する必要があることを説明いたしました。

なお、タマサート大学では学内に競争的資金制度を設置することを計画しており、その際には日本のCOEプログラムの設計等を参考にしたいということです。

タマサート大学は今年度の計画である国内9大学訪問先の一つであることから、担当理事等への表敬を調整いただけないかなど当センターからお願いしたところ、Dr. Raktipongからは快諾をいただきました。

 Dr. Raktipong、センター長


Dr. Raktipong、センター長

2011年4月18日(月)、当センターのスタッフ全員で対応機関であるタイ国家学術評議会(National Research Council of Thailand(NRCT))を表敬訪問しました。

今回の目的は、今年2月に当センターが実施した論文博士号取得者へのメダル授与式とタイ国JSPS同窓会(JSPS Alumni Forum of Thailand)総会への参加とご協力に対する感謝を伝えるとともに、今年8月にNRCTが開催し当センターも参加予定のResearch EXPO 2011について情報交換を行うことです。

これは、NRCT主催で毎年行われている研究博覧会で、主にタイ国内の研究組織等がブース展示やセミナーを実施するものです。当センターでは数年来これに参加しており、昨年はブース設置のほか、日本から3名のGCOE研究代表者をお招きしてJSPS-NRCT Seminarを開催し好評を得ました。今年も8月26日から30日まで、Bangkok Convention Center at Centaraで開催されます。

今回は、今年3月10日、科学技術振興機構(Japan Science and Technology Agency (JST))シンガポール事務所の矢野シニア・プロジェクト・コーディネーターとの打合せの中で提案されたJSPSとJSTの共同出展または共催によるJAPAN Section(仮)を、NRCTに提案しましたが、すでにNRCT側でセミナー枠は決定しているということで、合意に至ることはできませんでした。

かわってNRCTより、8月26・27日にNRCTにより開催される“7th Asian Conference on Computer-Aided Surgery (ACCAS 2011)”へ、そのテーマにふさわしい講師の紹介を打診されました。NRCTにはこれまで多くのご協力をいただいていることから、当センターとしても可能な限りの協力をお約束した次第です。

このほか、当センターが今年度事業として実施しているタイ国内9研究大学表敬への助言をいただくなどし、引き続き、連携と協力をお願いしました。

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2011年4月7日(木)、東京大学工学研究科博士後期課程学生のMs. Salinthip Kungvalchokechaiが当センターを訪問されました。東京では当センター長とも面識のあるタイ人の学生です。

今回のオフィス訪問はタイの森林の違法伐採についての研究打合わせが目的です。タイ森林局(Royal Forestry Department)との共同研究について、研究分野及びフィールドの重複するセンター長に相談をされました。

当センター長としては、条件が揃えば日本人の自分にもできるタイの研究よりむしろ、タイ人にしかできないタイの研究をすればこそ、彼女の研究価値が高まるのではないかと考えております。日本で学んだからこそできる研究能力をそこで発揮することが、日本で学ぶタイ人の彼女にもっとも求められることではないかという立場から、様々に助言を行いました。

バンコクは今日も若い研究の芽に溢れています。

Ms. Salinthip Kungvalchokechai、センター長

Ms. Salinthip Kungvalchokechai、センター長

2011年4月8日(金)、当オフィスメンバー全員でカセサート大学(Kasetsart University)のメイン・キャンパスであるバンケン・キャンパス(Bangkhen Campus)を表敬訪問しました。

これは、当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。タイ国JSPS同窓会(JSPS Alumni Forum of Thailand(JAFT))会長であるDr. Busaba Yongsmith教授が所属し、同窓会員以外でもJSPS経験者が最も多く所属するカセサート大学を、最初の表敬先とさせていただきました。

ご対応いただいたのは、研究担当副学長であるDr. Sornprach Thanisawanyangkura准教授と、Research and Development Institute所長のDr. Uthairat Na-Nakorn教授です。なお、Dr. Uthairat教授はJAFTメンバーでもあります。

まずDr. Sornprach 副学長よりカセサーと大学についての簡単な説明をいただき、その後センター長よりJSPS及びバンコク・オフィスの業務説明を行いました。 科研費などのあり方には、Dr. Sornprach副学長ならびにDr. Uthairat所長ともに大変な興味を示され、いくつもの質問をいただきました。その他にも、日本またはJSPSの視点から見たタイの大学のありようについて意見を求められるなど、トータルで1時間以上の議論が展開されました。
 
会談概要
1. カセサート大学は農業大学であり(Kaset農業、Sart科学)、メインキャンパスはタイ農務省に隣接している。
2. 学生数という点でチュラロンコン大学をしのぐタイ最大の大学である。
3. 設立は1943年2月2日で、2015年に72周年の記念イベントを計画している。
4. 日本の秋篠宮殿下に対して名誉博士号(動物学)を授与しており、鶏肉に関するプロジェクトを実施している。
5. Dr. Sornprach副学長はJSPS事業を通じた研究推進・人材育成・国際化に大変前向きな姿勢でおられる。
6. Dr. Sornprach副学長より、カセサート大学の若手研究者を対象としたJSPS事業説明会の実施を打診され、当センターは喜んで承諾した。日程は2011年6月21日(火)。

当センターでは今後も、タイ国内大学を表敬し、事業説明等を行っていくつもりです。

会議の議事についてはこちらをご覧下さい。

2011年3月30日、当センターの入居するバンコク市内TWYオフィスセンターにて、タイ国日本学術振興会同窓会(JAFT: JSPS Alumni Forum of Thailand)の第4回理事会が開催されました。

同窓会長のDr. Busaba Yongsmithをはじめ、8名(定員12名)の理事が出席し、センター長を交えて議事が進行されました。

議事開始に先立ち、センター長が、2011年3月11日に日本で発生した地震及び津波に関する手短かな報告を行い、支援や励ましの声をいただいているタイの人々に対する謝意を述べました。その後、出席者全員で被害者・被災者に向けて黙とうを行いました。

議事では、2010年2月4日に開催された第2回同窓会総会での議事内容の確認が行われ、同窓会の登録住所をNRCTにおく予定や、NRCT事務総長の名誉会員授与を延期したこと、同窓会銀行口座の変更予定などが説明・確認されました。

また、第3回理事会にて定義が確認された「当初メンバー」について、今回当センターが用意したリストに基づいてメンバーの認定を確認しました。このほか、総会と同日に開催された論博メダル授与者10名から入会申し込みがあったとの報告があり、これを承認し、その後新たに入会申し込みがあった一名を承認しました。

これにより、同窓会は発足当初の会員数が74名、その後、2011年3月30日現在の会員数が85名となりました。

このほか、2011年度内の行事として、5月20日(金)に、第一回BRIDGE Fellowshipの派遣者として渡日したDr. Busabaの報告会を、次回理事会と同日に実施することが決定されました。

理事会出席者は以下の通りです。
– Dr. Busaba Yongsmith 会長
– Dr. Boonchai Techaumnat 事務局担当理事
– Dr. Malee Uabharadorn 財務担当理事
– Dr. Jiraporn Shauvalit レセプション担当理事
– Dr. Somkiat Supadech 登録担当理事
– Dr. Porphant Ouyyanont 広報担当理事
– Dr. Sunee Mallikamarl 理事
– Dr. Chalermkiat Songkram 理事
– Dr. Wataru Takeuchi, Director, JSPS Bangkok Office

議論の様子

議論の様子

議論の様子2

議論の様子2

2011年3月29日、バンコク市内チャムチュリースクエアのサイエンススクエアにて、Discovery Science: The secret of Nano Technologyと題した写真展の開催式典が開かれ、当オフィスより副センター長およびタイ人スタッフが視察しました。

この写真展はタイ国科学技術省と在タイ・ドイツ大使館が協力して企画したもので、ドイツのマックスプランク研究所内で実施される研究・実験関係の写真コンテンストでの優秀作品を展示するものです。

科学技術省管下の国立博物館(NSM)では、青少年に対する科学の啓蒙を目的としてサイエンススクエアを展開しており、今回の写真展もナノテクノロジーへの関心を高めることを目的に、2011年5月まで開催される予定です。

開催式典では、在タイ・ドイツ大使と国立博物館副館長が挨拶を行い、テープカットを行って、写真展の開催を祝いました。

写真中央の女性がドイツ大使、右から2人目がNSMの副館長、右端が副センター長

写真中央の女性がドイツ大使、右から2人目がNSMの副館長、右端が副センター長

写真中央の女性がドイツ大使、右から2人目がNSMの副館長、右端が副センター長

2011年3月10日、当センターの前センター長である 池島 耕 高知大学 准教授が来訪されました。

今回はご自身の研究用務のほか、NRCTへの研究報告提出の空き時間を利用してのご訪問となり、現センター長と研究内容等について懇談されました。

このほか、当オフィスが力を入れている同窓会組織の立ち上げ支援について、フィリピンへの支援が有効であることなど、前センター長としてのアドバイスをいただきました。

池島前センター長、竹内現センター長

池島前センター長、竹内現センター長

2011年3月10日、京都大学ベトナム共同オフィス(VKCO)より、新江利彦(しんえ・としひこ) 所長及び、スタッフのNgo Thi Thao(ゴー・ティー・タオ)氏が来訪されました。
VKCOは、京都大学地球環境学堂がもともとハノイとフエに設置していたオフィスを、グローバル30で「海外大学共同利用事務所」に選定されたことをきっかけに、2010年9月17日に開所したもので、ベトナム国家大学ハノイ校内にあります。新江所長のほか、副所長以下6名のベトナム人スタッフが勤務しているということです。

新江所長からはベトナムの文化に基づく、ベトナム人のJSPSプログラム利用の難しさなどが説明されました。たとえば、ベトナムでは親族がなくなった際に喪に服する習慣があり、海外からベトナムへ帰国する必要があるため、たとえば外国人特別研究員を受給中でも期間中に辞退する必要が生じるということです。

このほか、論文博士取得希望者に対する支援事業や外国人特別研究員への申請手順等についてベトナムの研究者から問い合わせがあるというこことで、説明をさせていただきました。

また、ベトナムでの同窓会組織の設立をはじめとした当オフィスの取り組みについて、今後ご協力をいただけるようお願いしました。

新江所長、ゴー・ティー・タオ氏、センター長

新江所長、ゴー・ティー・タオ氏、センター長

2011年3月10日、京都大学東南アジア研究所のバンコク連絡事務所より、柴山守 教授 及び 星川圭介 助教 が来訪されました。

このたび3月3日をもって、1年に及ぶ星川助教の駐在期間が終了し、次期駐在者である柴山教授への引き継ぎの一環として当オフィスを訪問いただきました。

柴山教授のご専門は地域情報学で、リモート・センシングを専門とする当センター長とは研究範囲・関心の重なる部分もあり、今後ともお世話になることをお願いいたしました。

また、星川助教には駐在期間中たいへんお世話になり、お礼を述べさせていただきました。

なお、柴山教授の駐在期間は3か月の予定ということです。

星川助教、柴山教授、センター長

星川助教、柴山教授、センター長

2011年3月10日、JSTシンガポール事務所より、矢野シニア・プロジェクト・コーディネーター(SPC)が来訪されました。
今回の来訪は、2010年9月7日の矢野氏の来訪、2010年10月15日の当方のシンガポール事務所訪問に続く、JSPSとJSTの東南アジアにおける3度目の面談となりました。

今回の面談では、双方国の情報交換ほか、それぞれが事業説明を行う際に用いる双方のプレゼン資料の交換・共有を行いました。

3月8日に参加したAUN-KUワークショップでも実感したとおり、当方では日本の科学技術政策におけるファンドの仕組みをより包括的に提示・説明する必要を感じており、矢野SPCも同様の問題意識を持っておられたため、非常にスムーズな資料交換が行われました。

また、この席では、昨年に続いて今年も8月下旬に開催される予定のNRCT主催Science Expoへの、JSPSとJSTの共同出展または共催によるJAPAN Section(仮)の開催について、極めて前向きな賛同が得られました。

今後、当オフィスよりNRCTへの申し出、相談を行うなどし、調整を行っていく予定です。

矢野SPC、センター長

矢野SPC、センター長

2011年3月9日、立命館大学の島村靖治准教授が当オフィスを訪問されました。

直接の面識は薄かったものの、島村教授と当センター長の互いに関与しているプロジェクトに共通点があったため、今回のご訪問いただいた次第となりました。

JSPSの事業説明を行った後、研究内容の話を進めていくうちに、島村准教授と当センター長が相互に補完的な関係を築ける大きな可能性が見出されていきました。

今日もバンコクを起点に新たな研究の可能性が広がっております。

センター長、島村准教授

センター長、島村准教授

2011年3月8日、Chulalongkorn University(チュラロンコーン大学)にて開催されたアセアン大学連合(AUN)と京都大学によるワークショップ「AUN-Kyoto University Workshop on Building Academic Partnership Through Collaboration and Exchange」に参加し、事業紹介を行いました。

事業紹介するセンター長

事業紹介するセンター長

京都大学とAUNは2009年12月に学術交流・協力の覚書を結んでおり、今回のワークショップは、学生交流、博士課程大学院生の共同指導、持続可能な社会に向けた研究協力、という3点について行動計画を検討するもので、AUN側からの働きかけで開催されたということです。当方は京都大学よりお話をしただき、参加させていただきました。

センター長、Dr. Nantana Gajaseni

センター長、Dr. Nantana Gajaseni

議題は学生レベルでの交流を中心としたものでしたが、AUN参加大学があるブルネイ・ダルサラーム、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ベトナム、タイ及び日本という多くの国々の参加者に向けて、JSPSという日本のファンドの存在を紹介できたことは大変に意義深いものであったと考えています。

晩さん会の席では早速、ブルネイのブルネイ・ダルサラーム大学(Universiti Brunei Darussalam)の関係者から、ぜひ事業紹介を行ってほしいとの要請を受けました。当オフィスとしては、東南アジアにおいてJSPSの存在をより深く浸透させることを目指し、前向きに渡航・訪問を検討しております。

なお、今回のワークショップのホストは、チュラロンコン大学のDr. Nantana Gajaseniチュラロンコン大学国際担当副学長 兼 AUN事務局長が務められました。会場でのJSPSブースの設置等、配慮いただきまして、まことに感謝しております。

晩さん会の席で挨拶する京都大学東南アジア研究所 河野(こうの)教授

晩さん会の席で挨拶する京都大学東南アジア研究所 河野(こうの)教授

2011年2月25日、JASSO本部より樫尾孝理事が来訪されました。JASSOからの訪問は、昨年12月の高橋課長、今年1月の宮本部長に続き、3度目になります。

樫尾理事からは、東京お台場にあるJASSOの施設である国際交流館の扱いなどの説明がありました。続けて、同行した萩原JASSOバンコク事務所長から、今後、JASSOバンコクが実施する事業へのJSPSバンコクの参加など連携と協力の要請が行われました。

 左から 萩原所長、樫尾理事、副センター長


左から 萩原所長、樫尾理事、副センター長

2011年2月11日、京都大学より塩田浩平 理事・副学長、清水展 東南アジア研究所長、川口泰史 総長室担当課長が来訪されました。

京都大学は副センター長の派遣元大学でもあることから、リラックスした空気の中で、タイにおける日本の大学のプレゼンスなどが話し合われました。以前、徳島大学の西頭学長が来訪された際にも当オフィスよりお話しした、例えば、タイの大学と連携をとり、経費を相互に負担しながら退官教授を長期間にわたって滞在させ、講義などの教育活動をしながら人材育成を行っていくというアイデアについては、ここでもアイデアとして賛同を得られました。

左から清水所長、塩田理事・副学長、副センター長

左から清水所長、塩田理事・副学長、副センター長

同日夕刻より、京都大学東南アジア研究所バンコク連絡事務所にて京都大学バンコク日本人同窓会主催の年次パーティーが行われ、副センター長が視察しました。パーティーは、尾池京都大学前総長による乾杯の発声で始まり、塩田理事・副学長から挨拶がありました。日本人同窓会の園田光宏会長(1977年工学部卒)から同窓会の活動報告があり、京都大学のタイ人卒業生を主体とするKyoto Union Club(KUC)のSucharit Koontanakulvong会長からも挨拶が述べられ、日本人・タイ人の同窓生総勢50人ほどが親睦を深めました。

KUCと京都大学関係者

KUCと京都大学関係者

なお、この場へはラオスKyoto University Network in LaosのDr. Thateva Saphangthong代表、ベトナムKyoto University Vietnamese AlumniのDr. Do Van Truong事務局長が招待されており、図らずも、東南アジアにおけるJSPS同窓会活動と、京都大学同窓会活動のキーパーソンが顔を合わせる形となりました。

左から副センター長、Dr. Thateva、Dr. Truong

左から副センター長、Dr. Thateva、Dr. Truong

翌2月12日、バンコク市内マンダリンホテルにて、京都大学東南アジアフォーラムが開催され、副センター長が視察しました。これは、2007年度以降インドネシアとタイで毎年1度ずつ開催しているもので、回のフォーラムは、タイ人同窓生の希望で「地震のメカニズムと防災」をテーマとしました。

参加者一同での写真

参加者一同での写真

当日は、約100名のタイ人の一般参加者が集まり、まず、KUCのSucharit Koontanakulvong会長の開会挨拶、塩田浩平 理事・副学長の開会祝辞がありました。続いて、尾池和夫 前総長から地震のメカニズムについての長年の研究成果をわかりやすくご講演いただきました。

2011年2月7日、日本森林技術協会からの要請を受け、ラオス・ビエンチャン市内ラオプラザホテルにて開催された「津波等自然災害防備事業に係るラオス現地報告会」に、センター長及び副センター長が参加し、業務紹介等を行いました。

参加者全員での記念撮影

参加者全員での記念撮影

これは同協会が5年間にわたって実施してきた、災害防備という観点で森林の管理・運営に関する機能と効率の向上を目的とした事業の最終報告会に当たるもので、当日はJAXAなど日本機関も含む30名近くの関係者が参加しました。

当センターとしては、5年に及ぶラオスでの人材育成を、論文作成など、さらなる学術的成果に導くことで、地域における一層の波及的効果をもたらし、さらには学術分野での貢献を期待できるものと考え、JSPS事業の紹介を行いました。

事業紹介を行うセンター長

事業紹介を行うセンター長

また、同協会メンバーのラオスでの今後の継続的な研究を手助けできるものとして、JSPS-JICAの枠組みで行う「科学技術研究員派遣事業」の紹介を行い、同協会としても非常に高い関心を示されました。

画面中央左側がDr. Thateva、右は日本森林技術協会 田中潔顧問

画面中央左側がDr. Thateva、右は日本森林技術協会 田中潔顧問

なお、今回ラオス側でのカウンターパートを務めた、同国農林省統計情報センターのセンター長であるDr. Thateva Saphangthongは日本で学位を取得されたこともあり日本語が堪能で、当センターとしても、JSPS同窓会の発足を視野に今後も協力関係を維持していきたいと考えております。

プログラムは以下のとおり
08:00 Reception
08:30 Opening Address
Chairperson (Mr. Khamphan NANTHAVONG)
08:50 Introduction of attendees & Explanation of seminar schedule
Dr. Thatheva SAPHANGTHONG
09:00 Presentation (JAFTA) Introduction of JAFTA and IAFCA
Dr. Kiyoshi TANAKA
09:10 Presentation (JAFTA) Working report
Mr. N. MITSUZUKA and Mr. I. NONAKA
10:10 Coffee break
10:30 Presentation (JAFTA) Working report
Mr. Tetsuo IIJMA
11:10 Keynote speech (IIS)
Current situation of Use of Remote Sensing Technology for forest management
Dr. Haruo SAWADA
11:40 Presentation (JSPS)
Role of JSPS Bangkok Office for promoting research and education in Southeast Asia
Dr. Wataru Takeuchi
12:00 Lunch
13:30 Presentation (FA)
Forest Cover Monitoring Assessment in Cambodia
Mr. Chivin Leng and Mr. Ing Paulrattanak
14:00 Presentation (MAF)
Current situation and issues of forest management in Laos
FIPD, Representative
14:30 Coffee break
14:50 Presentation (JIRCAS)
A proposal concerning coordination between forestry organizations in Mekong river basin and use of the work results
Dr. Naoyuki FURUYA
15:20 Presentation (JAFTA) Working report
Mr. I. NONAKA
15:35 Discussion
Potential of coordination
Chairperson: Dr. K. TANAKA
16:30 Closing Remarks
Mr. Khamphan NANTHAVONG

FA: Forestry Administration , Kongdom of Cambodia
IIS: The Institute of Industrial Science,The University of Tokyo
JAFTA: Japan Forest Technology Association
JIRCAS: Japan International Research Center for Agricultural Sciences
JSPS: Japan Society for the promotion of Science
MAF: Ministry of Agriculture and Forestry,Lao PDR

メコン川の夕日

メコン川の夕日

2011年2月4日、バンコク市内Siam City Hotelにて、JSPS-NRCT RONPAKU Medal Award Ceremonyを開催しました。

参加者全員での記念撮影

参加者全員での記念撮影

これは、論文博士号取得希望者に対する支援事業により、2009年度に博士号を取得された研究者の方々に、その栄誉をたたえると共に、より一層の研究を奨励することを目的として、メダルを授与するものです。

今回は日本大使館より坂入倫之一等書記官にお越しいただいたほか、NRCTよりVice Secretary-GeneralであるMrs. Kanchana Pankhoyngamにもご参加いただき、それぞれご挨拶をたまわりました。この他にも、NRCTからはDirector of International AffairsのMs. Choosri Keedumrongkoolにも参加いただいたほか、タイ国JSPS同窓会(JAFT)の理事も複数参加しました。

このセレモニーは2003年3月にJSPS-NRCT Joint Meeting for RONPAKU Fellowsと題して第一回を開催して以来、毎年NRCTと共催しています。2010年2月にタイ国JSPS同窓会が発足したのをきっかけに、その名をJSPS-NRCT RONPAKU Medal Award Ceremonyと改めました。

今年は10名の新規博士号取得者がおり、そのうち8名がセレモニーに参加しました。全体で約30名のJSPS同窓生が見守る中、JSPS国際事業部 星野有希枝 地域交流課長より各人へのメダル授与とそれぞれのメダル授与者による博士論文の発表が行われ、暖かなムードの中にも緊張感のある時間となりました。

発表は以下のとおりです。

1. Dr. Aroonlug LULITANOND
Associate Professor, Department of Clinical Microbiology, Khon Kaen University
Japanese Advisor: Prof. Keiichi HIRAMATSU, Juntendo University
Research Topic: The First Vancomycin-intermediate Staphylococcus aureus(VISA) in Thailand

2. Dr. Chusit PRADABPET
Lecturer, Faculty of Science and Technology, Rajabhat Institute Phranakhon Si Ayutthaya
Japanese Advisor: Prof. Yoshikazu MIYANAGA, Hokkaido University
Research Topic: A Study on PAPR Reduction in OFDM Wireless Systems

3. Dr. Archawin ROJANAWIWAT
Medical Doctor, Department of Medical Sciences, Ministry of Public Health
Japanese Advisor: Prof. Kouya ARIYOSHI, Nagasaki University
Research Topic: Substantially Exposed but HIV-Negative Individuals Are Accumulated in HIV-Serology-Discordant Couples Diagnosed in a Referral Hospital in Thailand.

4. Dr. Siriphan SAENG-AROON
Senior Medical Scientist, Biohazard and Immunology Laboratory, National Institute of Health
Japanese Advisor: Prof. Mari KANNAGI, Tokyo Medical and Dental University
Research Topic: Studies of Antiretroviral Drug Resistance Mutations in CRF01_AE infected Patients in Thailand

5. Dr. Vilasinee HIRUNPANICH
Lecturer, Faculty of Pharmacy, Mahasarakham University
Japanese Advisor: Prof. Hitoshi SATOU, Showa University
Research Topic: Pharmacokinetic Interactions of Docosahexaenoic Acid(DHA) with CYP3A Substrate in Conventional and Microemulsion Formulations

6. Dr. Chatchai MARNADEE,
Assistant Professor, Faculty of Engineering, Thammasat Universiy
Japanese Advisor: Prof. Tsuneo KAWAMURA, Kobe University
Research Topic: Study on unmanned agricultural small boat with fluidics

7. Dr. Kittisak SAWANYAWISUTH
Associate Professor, Department of Medicine, Khon Kaen University
Japanese Advisor: Prof. Ken TAKAHASHI, University of Occupational and Environmental Health, Japan
Research Topic: Clinical factors predictive of encephalitis caused by Angiostrongylus Cantonensis.

8. Dr. Sawai WANGHONGSA
Technical Forestry Officer Rank 8, Wildlife Research Division, National Park, Wildlife and Plant Conservation Department
Japanese Advisor: Prof. Yoshihiro HAYASHI, University of Tokyo
Research Topic: Ecology of Red Jungle Fowl (Gallus gallus) in Thailand


9. Dr. Jankana BURANA-OSOT
Associate Professor, Faculty of Pharmacy, Silpakorn University
Japanese Advisor: Prof. Toshihiko TOIDA, Chiba University
Research Topic: Regulatory approach for neutraceuticals and medicines containing carbohydrate from natural products

10. Dr. Suwannee LUPPANAPORNLARP
Assistant Professor, Faculty of Dentistry, Mahidol Univerisity
Japanese Advisor: Prof. Junichiro IIDA, Hokkaido University
Research Topic: IL-1Blevels, pain intensity, and tooth movement using two continuous orthodontic forces

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2011年2月4日、バンコク市内Siam City Hotel, Bangkokにて、タイ国JSPS同窓会(JAFT:JSPS Alumni Forum of Thailand)の第2回総会が開催されました。

参加者全員での記念撮影

参加者全員での記念撮影

同窓会は2010年2月5日にDusit Thani Hotel Bangkokで第一回の総会が開催されたと同時に発足していますので、発足後では初の総会となります。

JAFTの理事メンバー。左からDr. Sunnee理事、Dr. Songsri理事、Dr. Busaba会長、Dr. Suvit理事、Dr. Malee財務担当理事

JAFTの理事メンバー。左からDr. Sunnee理事、Dr. Songsri理事、Dr. Busaba会長、Dr. Suvit理事、Dr. Malee財務担当理事

約40名の参加者を迎え、同窓会長であるDr. Busaba Yongsmithが以下の議事を進めていきました。
・同窓会発足の経緯と目的、22年度中の同窓会活動報告
・登録住所
・名誉会員
・会員申請書
・同窓会銀行口座
・23年度の活動予定 その他

Dr. Busaba会長

Dr. Busaba会長

基本的にタイ語で展開されたため、当センターとしては詳細を把握することはできませんでしたが、議論は熱く参加者からは積極的な発言が相次ぎました。

同日開催された論文博士号取得者へのメダル授与式に出席した8名の新規取得者が同窓会への参加を希望し、当日中に申し込みを行いました。

Ms. Kanchana NRCT Vice Director-General、Dr. Suvit理事、Dr. Porphant広報担当理事

Ms. Kanchana NRCT Vice Director-General、Dr. Suvit理事、Dr. Porphant広報担当理事

2011年2月3日、バンコク市内Kasetsart University(カセサート大学)にて、タイ国JSPS同窓会が主催の Workshop on Biochar: a Carbon Negative Technology Approach to Urban Community Developmentが開催されました。

2.	講師陣による写真。左から、柴田客員教授、鐘ヶ江教授、Assoc. Prof. Panit Khemtongカセサート大学副学長、Dr. Busaba同窓会長、竹内センター長

2. 講師陣による写真。左から、柴田客員教授、鐘ヶ江教授、Assoc. Prof. Panit Khemtongカセサート大学副学長、Dr. Busaba同窓会長、竹内センター長

これは、地球温暖化対策と同時に土壌改良や貧困解消対策など広く社会的な効果も期待される取り組みとして注目されているBiochar(バイオ炭)の利用技術について研究セミナーで、バンコク都市部の各コミュニティから、コミュニティリーダーにあたる人物が約160名参加する盛大な取り組みとなりました。

5.	満員の会場

満員の会場

当日は日本からBiocharの権威である2名の講師を招いて講義と挨拶をいただいたほか、当センター長も衛星を利用した環境問題の鳥瞰的な見方について講演を行いまいた。

講義・挨拶をいただいた講師
:立命館大学衣笠総合研究機構地域情報研究センター 柴田 晃 客員教授
:立命館大学大学院政策科学研究科 鐘ヶ江 秀彦 教授

このほか、タイ側からは2名が、タイにおけるBiochar利用とバイオマスパレットについての講義を行い、参加者はいずれも真剣に聞き入っていました。
カセサート大学社会科学部Associate Prof. Dr. Orasa Suksawang
カセサート大学森林科学部Associate Prof. Songlod Jarusombat

Dr. Orasa、センター長

Dr. Orasa、センター長

Assoc. Prof. Songlod、センター長

Assoc. Prof. Songlod、センター長

 午後からは簡単なキットを用いて実際にBiocharを作るグループ実験を行いました。その後、グループごとの集団発表が行われ、各地域で具体的にどのようにBiocharを作り利用していくのかについて真剣な議論が交わされました。

報告書はこちらをご覧下さい。

2011年2月2日、タイ国家学術研究会議(NRCT)の主催によりNonthaburiにあるImpact Arenaにて5日まで開催の、International Inventor’s Day Convention を、当オフィスのメンバーで視察しました。1994年に「Inventor’s Day」(毎年2月2日)が制定され2001年以降はNRCTが中心となり各種イベントを開催しています。2月2日は、開会式とあわせて、INVENTOR AWARDの授賞式が開催され、アピシット首相より受賞者へ記念品などが贈呈されました。

表彰の様子

表彰の様子

アピシット首相にレポートを行うSoottiiporn NRCT事務局長

アピシット首相にレポートを行うSoottiiporn NRCT事務局長

今年は、国際発明者協会(International Federation of Inventors’ Associations、IFIA)から海外の機関も加わり展示会を行っており、中学校から大学までの学生による展示や、韓国及びロシアから民間企業の参加も多く見られました。

司会者のKemasorn Nookaoさんと、オフィスのメンバー

司会者のKemasorn Nookaoさんと、オフィスのメンバー

高校生による展示品を試すMs. Aunchalee

高校生による展示品を試すMs. Aunchalee

ロシアAdvanced Technologies Consulting and Development社のDr. Vladimir Lukoyanov Managing Directorの説明を受けるセンター長

ロシアAdvanced Technologies Consulting and Development社のDr. Vladimir Lukoyanov Managing Directorの説明を受けるセンター長