2017年12月18日、在タイ日本国大使館で第13回在タイ大学連絡会(JUNThai)が開催されました。
前回の第12回JUNThaiの概要はこちらからご覧いただけます。
第1部では、以下2つの講演が行われました。
・「The Benefits of Studying in Japan and the Achievement of Thai students receiving the Japanese Government (Monbukagakusho: MEXT) Scholarship 」
Ms. Supatra Pothong(元タイ日本国大使館広報文化部スタッフ)
・「在タイ27年、タイの大学教員としての21年に思うこと-20世紀と21世紀の狭間のバンコク-」
横山正明(日本近現代史を識る会主宰/Bangkok University)
元タイ日本国大使館広報文化部スタッフのMs. Supatra Pothongから、長年勤められた在タイ日本国大使館で担当された国費外国人留学生制度の概要について説明するとともに、創設された1954年から約3,000名のタイ人学生が国費を用いて日本で学んでいることが紹介されました。Ms. Supatraは、その経験者に日本での学習環境、日本に留学して良かった点、日本での経験が帰国後にどのように役立ったか等のアンケート調査を行い、分析結果を紹介していました。その結果、国費の目的である、日タイの文化、環境の理解が深まったとともに、帰国後タイの発展にも貢献していることが分かったとのことでした。
日本近現代史を識る会の主宰であり、バンコク大学の教員でもある横山正明講師は、27年の在タイを通して、日タイの文化比較を中心にお話されました。その中でも、BTS、MRTの開通によりバンコク市内が様変わりしたこと、住居形態の変化とともに少子化も進んでいることを挙げられ、月日とともに人々の考え方・価値観が変化している中で、日本人の考え方が硬直化しているように感じられるとおっしゃっていました。また、タイの学生が選ぶ留学先は欧米が多く、日本に留学する学生は増えていないと指摘されていました。日本人学生の英語力やコミュニケーション能力の問題についても、実例を交え分かりやすくご説明されていました。
第2部の連絡会では、初めに議長及び書記の選出が行われ、現幹事校の中から議長に福井大学の竹本准教授、書記に東亜大学の平松准教授がそれぞれ選出されました。
オブザーバー参加の東京都立産業技術研究センター、国際農業食糧交流機構、神戸国際大学及び情報通信研究機構(NICT)の紹介後、明治大学アセアンセンターの小沼センター長から「JUNThaiの将来について」提案がありました。JUNThaiは発足当時の2014年には十数校であったが、現在その数は約50校にまで増え、今後さらに規模が大きくなることが見込まれるため、日タイ学術連携強化のチャンネル機能の可能性や事務局設置の必要性等、JUNThaiの今後の方向性について議論が行われました。
最後に以下4機関から、それぞれセミナー開催等案内がありました。
・泰日工業大学から2018年5月17日-18日に開催予定の国際学会ICBIR(The 5th International
Conference on Business and Industrial Research)への論文の投稿について、積極的に応募して欲しいとの依頼がありました。また、2018年8月から始まるインターナショナルコース開設の案内がありました。
・在タイ日本国大使館から毎年実施している地方留学説明会について、今年度もコンケン、ピサヌローク、ソンクラー(ハジャイ)の3都市で開催する旨の案内がありました。
・東京都立産業技術研究センターから今年度実施したセミナーの紹介とともに、1月、2月に開催予定のセミナーについて、案内がありました。
・創価大学から2018年3月26日-28日に開催予定の国際会議2018 ASAIHL Conference(The Association of Southeast Asian Institute of Higher Learning)について案内がありました。
次回のJUNThaiは、2018年3月19日(月)に開催予定です。