2016年6月13日、在タイ日本大使館で第7回在タイ大学連絡会(JUNThai)が開催されました。タイに事務所などを設置する大学の代表者と、オブザーバーとして在タイ日本国大使館、泰日工業大学、(独)国際協力機構(JICA) アセアン工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)、国際交流基金バンコク日本文化センター、キングモンクット工科大学トンブリ校、(独)日本学生支援機構(JASSO)タイ事務所、(国研)科学技術振興機構(JST)及びJSPSバンコク研究連絡センターから、43名の参加がありました。
また、今回は前週(6月6日から同10日にかけて)開催されたJUNE Fairに併せての開催だったため、普段は参加できない大学等からも参加がありました。
前回の第6回JUNThaiの概要はこちらからご覧いただけます。
第1部
「産学連携」をテーマに以下2つの講演がありました。
・「GTIコンソーシアム」について 芝浦工業大学 国際部次長 杉山 修氏
・「明治大学のタイにおける産学連携と国連との協力」 明治大学ASEANセンター長 小沼 廣幸氏
杉山次長は芝浦工業大学の産学連携の取組事例を中心にお話しされました。同大学はGTIコンソーシアム(Global Technology Initiative Consortium)に基づき、東南アジアを中心とした産学官連携の強化に取り組んでおり、その中でグローバルPBL(Project Based Learning)というプログラムの紹介がありました。具体例として、同大学の学生がベトナムのハノイ工科大学へ出向いて現地の学生と混成チームを結成し、2週間かけて取り組んだロボット製作の成果を競い合うプログラムについて説明があり、この模様をまとめたショートムービーが上映されました。共通言語が英語しかない中で、文化・価値観・専攻の違いを超えて目標に向かって懸命に取り組む学生の姿はとても印象的でした。グローバルPBLは、現地の優秀な人材を求める企業にとっては、インターンシップより効率的に学生を見極めることできるため、企業にも積極的に連携を呼び掛けているとのことでした。
講演後の質疑応答では、このプログラムへの関心の高さからたくさんの質問や意見があり、学生の選抜方法、学生の費用負担(学生への金銭的サポート)や単位認定の仕組み等に関して補足の説明がありました。
続いて、小沼センター長からは明治大学ASEANセンターの概要、タイにおける産学連携と企業訪問及び明治大学・カセサート大学・シーナカリンウィロート大学の学生らによる模擬国連について紹介がありました。質疑応答では、小沼センター長が国連機関での勤務経験をお持ちだったこともあり、「国連機関を含む国際機関の中で日本人のプレゼンスが低いのはなぜか?また、どのように改善すればよいか?」という質問があり、これに対し小沼センター長は「国連に従事する日本人の割合は過去5年間横ばいであるが、現在JPO(Junior Professional Officer)、 APO(Associate Professional Officer)派遣制度による取り組みが始まっており、まだその成果が表れ始めていない。また、現在は国連で働きたいという意欲を持った学生が少なく、インターン制度が開けてくればもっと増えると思う。そして、このインターン制度に係る費用は学生の自己負担なので、この金銭的支援も必要である。」と回答されました。
第2部
議長より、JUNThaiへの新規参加校として、東北大学と創価大学の紹介がありました。
また、JASSOバンコクオフィス及び日本大使館より前週開催されたJUNE Fairについて報告があり、今回のJUNE Fairでは約500名の参加者があった、とのことでした。
続いて、JUNThaiのFacebook開設を含む今後の情報発信のあり方や、日本政府によるタイの国費留学生の状況等についても協議がなされました。
最後に、今回初めてJUNThaiへ出席した方々の紹介もありました。
次回のJUNThaiは8月29日(月)に開催予定です。