2015年6月5日、ヤンゴン日本留学オフィス・留学コーディネーターである、原田正美岡山大学准教授が当センターを訪問されました。
岡山大学は平成26年度文科省「留学コーディネーター配置事業(ミャンマー)」に採択されました。留学コーディネーター事業は、優秀な外国人留学生を数多く受け入れるため、海外の重点地域において、コーディネーターを配置し、現地でのネットワーク構築、留学情報の収集・提供等を実施する体制を整備することを目的として文部科学省が平成26年度より5年間の事業として開始されました。ミャンマーを岡山大学、サブサハラ地域を北海道大学、インドを東京大学が担当することとなりました。岡山大学はいわゆる旧六医科大学として密接に連携してきた国立六大学(千葉・新潟・金沢・岡山・熊本・長崎大学)の代表として連携しつつミャンマーからの留学生受け入れ及び同国との大学交流の発展に寄与すべく、本事業を実施していくものです。
原田准教授は岡山大学から派遣された留学コーディネーターとして、ミャンマーにおける現地校とのネットワーク形成、留学のコーディネートや留学準備の協力等の業務をおこなっています。今回の来訪では、今後の事業の実施にかかる意見交換のため、在タイ日本大使館をはじめ各大学やJSPS等の機関を訪問されたとのことです。
当センターからは、直接留学とは関わりはないものの、今後の日ミャンマー間の大学間交流の推進のために、JSPSが提供している各種フェローシップ事業、論文博士号取得支援事業、二国間交流、研究拠点形成事業等の説明を行いました。また、大学院博士課程に在籍されている方には日本学術振興会特別研究員制度もあるので、本情報についても提供しました。当センターの支援対象は研究者であることから、留学コーディネーター設置事業に対する直接の支援は難しい状況ですが、情報提供等の側面的な支援を出来る限り行って行きたいと考えています。
また、当センターが作成したカントリーレポート「ミャンマーの高等教育基礎事情」の重要な柱となっているミャンマー教育基本法の現状についても質問したところ、学生の抗議活動等を通じて政府への反発が高まっていたが、2015年3月18日に教育改革全国ネットワーク(NNER・National Network for Education Reform)と学生団体の代表者が政府との議論の場を持ち、その時に政府に対して教育の分権化、カリキュラムの自由化、教育予算の増額など11項目の要求を提出し、政府側も原則として同意することになりました。
しかしながら、ミャンマー国会での法案修正は最終的にNNERや学生団体が求めるような法案とはならず、3月下旬から議論を続け、上院と下院を通過しながらも最終成立はせず、未だに(6月8日現在も)審議中の状況です。
http://www.irrawaddy.org/burma/students-rebuffed-on-union-demands-in-suu-kyi-meeting.html
The Irrawaddy, Monday, June 8, 2015
またニュースソースとして、ミャンマー国外で発行されている英文のミャンマー関連新聞についても紹介いただきました。今後の情報収集に利用します。
http://www.irrawaddy.org (タイ・チェンマイ)
http://mizzima.com (インド)
http://www.dvb.no (ノルウェー)