2012年8月13日(月)、センター長及び副センター長がベトナムのハノイへ出張し、JSPS経験者を訪問、ベトナム同窓会設立に向けて意見交換を行いました。
お会いしたのはDr. Do Van TRUONGで、前回2010年9月のベトナム出張の際にもお会いし、同窓会設立への意向を伺っておりました。
今回の訪問はその進捗状況確認を兼ねた、今後の協力のあり方についての相談が目的です。
前回の訪問時、Dr. TRUONGはハノイ科学技術大学機械工学科機会・ロボットデザイン専攻所属の研究員(Ph.D., Department of Design of Machinery and Robot, School of Mechanical Engineering, Hanoi University of Technology)でしたが、今回お訪ねしたところ、ハノイ科学技術職業大学の副学長(Vice President, Hanoi Vocational College of Technology)になっておられました。聞けば、ハノイ科技大学の傘下にある実質的な私立大学ということで、引き続きハノイ科学技術大学にも籍が残してあるということです。まずはJSPS同窓生のご栄転に触れることができ、嬉しく思った次第です。
ベトナムでの同窓会設立の主な目的はJSPSの顕在化であると、Dr. TRUONGは考えています。全事業を含めて全体的に採択人数が少ないこともさることながら、従来からのJSPSのカウンターパート機関であるVASTからの採択者が多く、VAST外での知名度は低いようです。このため、申請希望者にとっては情報が不足し、採択経験者にとっては次の研究費獲得への障壁が依然高いといった問題意識があることがわかりました。
同窓会設立に向けた進捗状況は概要以下の通りで、特に資金的な問題が大きいということです。
・現在の賛同者は10名ほど
・ハノイだけではなく全国に散在している
・分野も広範にわたっている
・資金面でのサポートがない
当センターとしては、同窓会としてある程度以上の実態がなければ資金的なサポートは難しいことを説明し、フィリピンの論博同窓会を例に挙げながら、
・所属大学や国内の省庁等からのサポートを打診してみてはどうか
・そのために現在のネットワークを実体的なものにしておくこと
・独自でのセミナー等開催に上記の大学関係者や省庁関係者を招く
といったことを提案し、ネットワーク強化やセミナー準備などミーティング等への参加や声掛けには前向きに対応していく旨をお伝えしました。
また、今年6月1日付けでJSPSがベトナム科学技術省(MOST)とMOUを締結し、それに伴って、JSPS-MOSTの枠組みでの二国間交流事業を募集し始めていることから、来年度以降ぜひともこれに応募しJSPS経験者として採択を勝ち取っていきたきたい旨、強く要請しました。それをきっかけにMOSTとの関係構築を図っていくことも考えられます。
Dr. TRUONGとしては、JSPS側の状況を理解いただき、まずは草の根レベルでの人的ネットワークの構築を継続していかれる旨を約束くださいました。
当センターとしては東南アジアでの同窓会拡充に向け、支援の方法を探っていきたいと思います。