2012年9月12日(水)、バングラデシュ出張中のセンター長及び副センター長が、ダッカ市内Mirpur地区にあるユヌス・センターに、マイクロ・クレジットの創始者でありグラミン銀行の創設者であり、その活動によって貧困層の経済的・社会的基盤の構築に対する貢献を評価され、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士(Prof. Dr. Muhammad Yunus)を表敬訪問しました。
これは、九州大学の2011年のユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センター(SBRC)設立に山下センター長が深く関わっており、そのネットワークを利用しての表敬訪問です。目的は、学術支援とソーシャル・ビジネスの連携の可能性についての意見交換で、社会科学の立場からJSPSバンコク研究連絡センターの運営を探るセンター長の戦略的対話の一つと言えます。
ユヌス博士からは、タイのアジア工科大学院(AIT: Asian Institute of Technology)内にもソーシャル・ビジネス・センターが設置されていること(ただし開店休業状態)や、マレーシア国民大学(UKM: Universiti Kebangsaan Malaysia)内にもソーシャル・ビジネス学部があることご紹介いただき、東南アジア域内のでソーシャル・ビジネスに関するセミナー等の開催をご提案いただきました。
ユヌス博士をめぐっては現在、バングラデシュ政府により、グラミン銀行の総裁職を解任されるという事態に陥っているところですが、ユヌス博士ご自身は極めてアクティブに今後のソーシャル・ビジネス戦略を語られ気落ちしているような様子は一切見受けられず、そのバイタリティに圧倒された次第です。
当センターとしては、これらの助言を組みながら、山下センター長の独自性や特性を生かしたセンター運営を考えていきたいと思います。
なお、ソーシャル・ビジネスとは経済的な利益を求めず、社会的な利益を求めるビジネス・モデルで、投資費用の回収以外の配当などを認めず、一方で寄付などに頼らない独自の財政運営を行う組織や企業経営のことをいいます。