Thailand Research Expo 2017にてJSPS-NRCT-JAATシンポジウムを主催

2017年8月23日・24日、Centara Grand Hotel and Bangkok Convention CentreにてJSPS-NRCT-JAATシンポジウム「JAPAN Days」を開催しました。

同シンポジウムは、タイ学術会議(NRCT)が2009年より毎年開催している科学博 「Thailand Research Expo」(今年のThailand Research Expo 2017は8月23日から27日まで開催)期間中の特別シンポジウムとして開催されました。毎年Expo会場には多くの機関がブースを出展しているほか、タイ国内外の研究者による学術セミナーも行われています。
当センターは、Expo初年度より毎年日本から講演者を招聘し、NRCTとセミナーを共催してきましたが、2017年は日タイ修好130周年という記念の年であることから、JSPS、NRCTに加えJAAT(JSPSタイ同窓会)の3機関合同で「日本とタイの学術並びに科学技術交流・連携のあるべき姿を求めて」をテーマに「JAPAN Days」を開催する運びとなりました。

JAPAN DAYS記念写真

JAPAN DAYS記念写真

シンポジウムに先立ち、23日午前にはThailand Research Expo2017の開会式がNRCT主催により盛大に開催されました。同開会式には、在タイ日本国大使館より佐渡島志郎大使にご臨席頂いた他、JAPAN Daysの日本側講師5名及びJSPSから国際事業部 加藤 久参与並びに当センター職員等が出席しました。開会式中にはMarshal Prajin Juntong副首相及びNRCTのDr. Sirirurg Songsivilai事務局長の講演が行われ、日タイ修好130周年並びに「JAPAN Days」についても言及がありました。

Dr. Sirirurg Songsivilai事務局長、Marshal Prajin Juntong副首相、佐渡島志郎大使

Dr. Sirirurg Songsivilai事務局長、Marshal Prajin Juntong副首相、佐渡島志郎大使

シンポジウム「JAPAN Days」は、午後からNRCTのDr. Sirirurg Songsivilai事務局長、在タイ日本国大使館の寺島史朗一等書記官及びJSPS国際事業部の加藤久参与の挨拶で始まりました。

加藤久参与、寺島史朗一等書記官、Dr. Sirirurg Songsivilaim事務局長

加藤久参与、寺島史朗一等書記官、Dr. Sirirurg Songsivilaim事務局長

続いて“Where are we from and where are we going? Perspective for a sustainable society”をテーマに九州大学の矢原哲一教授に基調講演をしていただきました。講演では、「どのようにより良い未来を創っていくか」について、これまでの人間の歴史に触れられながらお話いただきました。矢原先生は、現在は人類史上で最も良き時代だと思っているが、これを継続・発展させていくには“教育”が何よりも重要だとおっしゃっていらっしゃいました。

矢原哲一教授

矢原哲一教授

その後、“Past, Present and Future of Academic and Science collaboration between Thailand and Japan”をテーマに、日本側から立命館大学の吾郷眞一教授及び山口大学の山田守教授の2名、タイ側からタマサート大学のProf. Dr. Charnvit Kasetsiri及びコンケン大学のDr. Narongchai Akrasaneeの2名の講演者を招き、パネルディスカッションを実施しました。

Dr. Kittisak Sawanyawisuth(モデレーター), Dr. Narongchai Akrasanee, Prof. Dr. Charnvit Kasetsiri, 吾郷眞一教授, 山田守教授

Dr. Kittisak Sawanyawisuth(モデレーター), Dr. Narongchai Akrasanee, Prof. Dr. Charnvit Kasetsiri, 吾郷眞一教授, 山田守教授

23日の最後には、JAATのDr. Danai Tiwawech会長から、JAAT及びExecutive Committeeメンバーの紹介も交えた挨拶で締めくくりました。

Dr. Danai Tiwawech会長

Dr. Danai Tiwawech会長

23日のシンポジウム終了後には、NRCT主催の夕食会「Dinner Talk」が開催されました。200名を超える日タイ大学等学術関係者が参加した同夕食会は、NRCTのDr. Sirirurg Songsivilaim事務局長の挨拶で始まり、タイ側から元NRCT事務局長で現教育大臣アドバイザーのProf. Soottiporn Chittmittrapap及びタイ研究財団(TRF)理事のProf. Suthipun Jitpimolmard、日本側から在タイ日本国大使館の福島秀夫次席公使の講演が、華やかに行われました。
参加者は夕食を囲みながら普段のシンポジウムとはまたひと味違った和やかな雰囲気の中、活発に交流を図っていらっしゃいました。

Prof. Soottiporn Chittmittrapap

Prof. Soottiporn Chittmittrapap


Prof. Suthipun Jitpimolmard

Prof. Suthipun Jitpimolmard


福島秀夫次席公使

福島秀夫次席公使

24日午前は、日本側から近畿大学の秦哲也教授及び九州大学のAssoc. Prof. Dr. Ashir Ahmedの2名、タイ側からパンヤピワット経営大学のDr. Paritud Bhandhubanyong及びタマサート大学のProf. Dr. Prapat Thepchatreeの2名の講演者を招き“Trend of research collaboration between Japanese and Thai Universities”をテーマにパネルディスカッションを実施しました。前日のパネルディスカッション同様、講演者のみならず参加者からも多くの質問があがり、活発な議論が繰り広げられました。

Dr. Kampanart Silva (モデレーター), Assoc. Prof. Dr. Ashir Ahmed, Dr. Paritud Bhandhubanyong, Prof. Dr. Prapat Thepchatree, 秦哲也教授

Dr. Kampanart Silva (モデレーター), Assoc. Prof. Dr. Ashir Ahmed, Dr. Paritud Bhandhubanyong, Prof. Dr. Prapat Thepchatree, 秦哲也教授

24日午後には今後の日タイ学術・科学技術交流連携に役立つ両国の公的資金提供団体等の紹介を行いました(団体等は以下の通り)。
・保健医療システム調査研究所(HSRI)
・タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)
・アセアン工学系高等教育ネットワーク(AUN/SEED-Net)
・日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点(JASTIP)
・科学技術振興機構(JST)
・日本学術振興会(JSPS)
JSPSは、山下センター長よりJSPS概要を説明するとともに、個人支援型国際交流事業である「外国人特別研究員」及び「論文博士号取得希望者に対する支援事業(RONPAK)」、機関支援型国際交流事業の「二国間交流事業」及び「研究拠点形成事業」について紹介しました。これまでも当センターはJSTやJASTIPといった日本の公的資金提供団体と連携してガイダンスセミナーを開催してきましたが、今回のようなタイ側の公的資金提供団体まで拡大しての紹介は始めてであり、多くの参加者は自身の研究資金獲得のための参考とすべく熱心に各団体の支援事業を聞いていました。

Dr. Charay Vichathai (HSRI)

Dr. Charay Vichathai (HSRI)


Assoc. Prof. Dr. Chanwit Tribuddharat (NSTDA)

Assoc. Prof. Dr. Chanwit Tribuddharat (NSTDA)


Ms. Wanichar Sukprasertchai (AUN/SEED-NET)

Ms. Wanichar Sukprasertchai (AUN/SEED-NET)


園部太郎 京都大学ASEANセンター副所長(JASTIP)

園部太郎 京都大学ASEANセンター副所長(JASTIP)


小林義英 e-ASIAプログラムコーディネーター(JST)

小林義英 e-ASIAプログラムコーディネーター(JST)


山下邦明バンコクセンター長(JSPS)

山下邦明バンコクセンター長(JSPS)


Dr. Nattanon Phaiboonsilpa(モデレーター)

Dr. Nattanon Phaiboonsilpa(モデレーター)

最後に、主催者を代表して山下センター長より、全ての関係者への感謝の言葉で2日間にわたる「JAPAN Days」が締めくくられました。
2日間でのべ300名を超える参加があり、会場内でも日タイ研究者の交流の様子を頻繁に目にすることが出来る等、日タイ修好130周年という節目にふさわしいシンポジウムとなりました。

シンポジウムのプログラムはこちらからダウンロードできます。