第2回JSPSネパール同窓会(NJAA)シンポジウム及び同窓会総会の開催

2016年10月2日、ネパールのカトマンズで第2回JSPSネパール同窓会(NJAA)シンポジウム”Infrastructure Development in Transport Sector in Nepal” を開催しました。
シンポジウム前半のセッションでは、ネパール連邦民主共和国Baburam Bhattarai前首相を主賓に迎え、NJAAのKundan Lal Shrestha事務局長によるNJAAの紹介のあと、前首相他以下7名による挨拶が行われました。
・加藤 久氏(JSPS国際事業部参与)
・長谷川 修一氏(香川大学 工学部 安全システム建設工学科 教授)
・Buddhi Ratna Khadge氏(ネパール科学技術アカデミー(NAST)事務局長)
・佐久間 潤氏((独)国際協力機構(JICA)ネパール事務所 所長)
・浜田 清彦(ネパール日本国大使館一等書記官(広報文化班))
・Dhana Bahadur Tamang氏(ネパール連邦民主共和国公共インフラ・交通省 大臣)
・Rijan Bhakta氏(NJAA 会長)

開会の儀式(Dignitaries on dais)の様子

開会の儀式(Dignitaries on dais)の様子

加藤参与は、2015年4月にネパールで発生した大地震や今年が日・ネパール外交関係樹立60周年であることに触れられながら挨拶をされたほか、Baburam前首相は、日本は経済的に先進国であると共に、自然災害の分野で多くの課題に取り組んでおり、ネパールもこれらの課題に取り組むうえで日本の経験や技術を生かすことができる、と述べられました。また、教育と研究の重要性についても併せて述べられました。
そのほかのセッション参加者も、今回のシンポジウムのテーマである交通部門やインフラ整備がネパールにとって非常に重要であり、この分野での日本との連携等について各自の意見を述べられました。

加藤参与

加藤参与

Baburamネパール前首相

Baburamネパール前首相

前列左から加藤参与、佐久間所長、長谷川先生、Rijan会長、Baburam前首相、Dhana大臣、Buddhi事務局長、浜田一等書記官、後列はNJAA理事

前列左から加藤参与、佐久間所長、長谷川先生、Rijan会長、Baburam前首相、Dhana大臣、Buddhi事務局長、浜田一等書記官、後列はNJAA理事

続いて、NJAA のRanjan副会長がモデレータを務められ、学術セッションが行われました。Ranjan副会長は長谷川先生の指導を受け、博士号を取得されています。
最初に長谷川教授が”Engineering geological issues in Nepal for infrastructure development”と題し基調講演を行いました。長谷川先生は研究調査のためこれまで20回以上ネパールを訪問されており、今回の講演ではネパールのインフラ整備について、ネパール特有の地質学的な観点から講演を行われました。講演では、ネパールと日本(特に四国)の山脈の共通点、日本でのトンネル・道路建設技術や高圧水流によってトンネル工事のうまくいかなかった事例などを紹介されながら、ネパールでのトンネル・道路整備の課題提起、またその課題解決に向けた提言をされました。

長谷川教授とRijan会長

長谷川教授とRijan会長

長谷川教授

長谷川教授

引き続き、JICA専門家のSourab Rana氏が講演を行い、シンズリ道路建設などのネパールでのJICAの活動実績や今後のインフラ整備に関する事業計画について講演を行いました。

Sourab氏

Sourab氏

そして、ネパールトンネル協会のSandip Shah会長は”Tunneling in Nepal: challenges and prospects”と題し、トンネル建設技術やそのリスク評価等についてネパール特有の地質学的な観点から講演を行われました。

Sandip会長

Sandip会長

続いて、山下センター長がJSPSの概要や国際事業及びネパールとの交流実績について紹介を行いました。

山下センター長

山下センター長

最後に全講演者及びネパール政府道路管理局のSaroj Pradhan審議官らによるパネルディスカッションが行われ、上記講演に関する全般的な質問から非常にテクニカルな質問まで、多くの質問があがりました。

パネルディスカッションの様子(右から二人目がSaroj審議官)

パネルディスカッションの様子(右から二人目がSaroj審議官)

今回は修士学生や若手研究者を含む80名以上の参加があり、非常に活気のあるシンポジウムとなりました。また、レセプションでも日本での研究を希望する若手研究者から多数の質問があり、ネパールの研究者らと交流を深めることができました。
(※同シンポジウムの様子はNJAAのHPにも掲載されています。)

NJAAメンバーらとの集合写真

NJAAメンバーらとの集合写真

なお、本シンポジウム前には加藤参与らとネパール科学技術アカデミー(NAST)を訪問し、JSPSとの今後の交流・連携について協議を行いました。JSPSは、ネパールとは現在のところどの機関ともMOUを締結しておりません。同訪問では、ネパールの若手研究者の招へいや二国間交流事業等のJSPSの国際事業を説明すると共に、他国のJSPS同窓会とカウンターパート機関との連携について紹介を行いました。

NASTにて

NASTにて