2012年5月24日(木)及び25日(金)、チュラロンコン大学にて、2012年アセアン大学連合(AUN)-京都大学シンポジムが、第18回京都大学国際シンポジム「人間の安全保障に向けたアジアの学術連携」として開催され(18th Kyoto University International Symposium: Partnering Asian Academics toward Human Security Development (as AUN-KU Symposium 2012))、当センターより副センター長、現地スタッフ、研修員が視察しました。参加者約50名。
これは2011年3月に同じくチュラロンコン大学で開催されたワークショップ「AUN-Kyoto University Workshop on Building Academic Partnership Through Collaboration and Exchange」に続く2度目のAUN-京都大学の枠組みにより実施されたもので、前回のワークショップにおいて提議された、感染症と健康、防災、エネルギーと環境、食糧と水の4項目を、人間の安全保障にむけた不可欠の議題として研究討議する場となりました。
AUN副議長であるDr. Choltis Dhirathiti、京都大学より西阪昇(にしざか・のぼる)理事・副学長、チュラロンコン大学よりProf. Pirom Kamolratanakul学長からそれぞれ挨拶が述べられた後、国連開発計画(UNDP)のProf. Ramaswamy Sudarshan及び京都大学の河野泰之(こうの・やすゆき)教授より、キーノート講演がありました。
Prof. Ramaswamyからは“Human Security Development in ASEAN”と題し、アマルティア・セン博士にまで遡る人間の安全保障の定義や歴史、そしてアセアンにおける人間の安全保障に関する状況が報告されました。河野教授からは“Human Security Development Research: Aims, Implications and Research Programs of Kyoto University”と題して、人間の安全保障実現への研究の役割、その方法が提議されたほか、既に京都大学で実施されている関連する研究プログラムの紹介が行われました。
その後、感染症、防災、食料と水、エネルギーと環境、それぞれの議題で5-6件ずつの研究発表が行われ、最後に人間の安全保障に向けた4議題の融合連携について議論がされました。
なお、京都大学としては、AUNとのパートナーシップに基づいて、人間の安全保障に関する人材育成を目的に、大学の世界展開力強化事業(Re- Inventing Japan Project)への申請準備を進められているということです。