2011年10月18日(火)、理化学研究所シンガポール事務所 柿原健一郎 所長に同行して、JICAタイ事務所を表敬訪問しました。
今回の柿原所長の来タイは、タイにおける研究能力の底上げを目的とした日本人研究者の長期派遣について、制度設計の可能性を探ることを目的としておられます。具体的には、日本人研究者が長期的にタイに滞在し、研究だけではなく、タイ人学生や若手研究者を教育する仕組みを設けるための方策で、タイ人が日本へ行って研究能力を上げることに比べて、数の観点で非常に効率が高くなります。
学生が一定の学位を修めるまでの5年程度は滞在する必要があるが、現役の日本人研究者が5年の長期にわたってタイで教職に就くことは困難である、という課題を乗り越える必要があり、そのために考えたのは、日本で定年退職後もまだまだ能力と意欲のある研究者を派遣する、ということでした。
JSPSとJICAの間では科学技術研究員派遣事業を実施しており、研究者の派遣という点ではすでに枠組みがあります。しかしながら、これは65歳未満の研究者を最長2年間派遣するもので、この2点の克服を目指した議論を、JICAタイ事務所 米田一弘 所長と行いました。
柿原所長の提案に対して、途上国支援を旨とするJICAの米田所長もその意義に理解を示され、検討の結果、科学技術担当の三好克哉 企画調査員を通じて本部に打診を行うことを約束されました。
JICA本部での検討結果が待たれます。