2011年6月17日(金)、当オフィスメンバー全員でキングモンクット工科大学ラックラバン校(KMITL:King Mongkut’s Institute of Technology Ladkraban)を表敬訪問しました。これは、当センターの2011年度(4月から翌年3月まで)計画の一つで、タイ国内で9つ認定されている研究型国立大学を表敬し、事業紹介をしようという一環です。これまでにカセサート大学、チュラロンコン大学、タマサート大学を訪問しています。
KMITLはタイにおける工科系のトップ大学のひとつで、日本のODAにより職業訓練センターから大学へと発展してきた歴史があります。現在は福岡工業大学のほかにも東海大学とも緊密な関係を維持しており、国際交流担当副学長であるAssoc. Prof. Dr. Ruttikorn Varakulsiripunthは東北大学で学位を取られました。日本語が極めて堪能で、今回の会談はすべて日本語でおこなわれました。なお、今回の表敬は、同じ日に当センターを訪問いただいた福岡工業大学にセッティングをお願いし実現したものです。
まず福岡工業大学より、KMITLが日本の高専機構と協定を結んでいることや、産業教育学部に日本語学科を設置して、特に工場をもつ日本企業への就職を有利にすすめていることなどが紹介されました。
Dr. Ruttikorn副学長自身は過去に拠点大学交流事業でも日本へ来たことがあることや、論文博士取得希望者に対する支援事業で、タイNRCT側の工学部門先行委員会の議長をしておられるなど、JSPSについて非常に明るく前向きな姿勢でおられ、我々としても嬉しさを通り越して恐縮を覚えるほどです。
センター長より、JSPSによる支援経験者の専攻統計を例に、タイのアカデミズにおける工学系人口の少なさが説明され、KMITLでJSPSへの申請を奨励するようお願いしました。若い研究者を外の世界へ向けることの難しさを感じておられるDr. Ruttikornに対し、JSPSの事業紹介セミナーを提案したところ、非常に前向きなお返事をいただくことができました。
福岡工業大学よりアジア研究教育拠点事業(Acore)やアジア・アフリカ学術基盤形成事業(AAplatform)の申請要件について質問があり、福岡工業大学が申請可能であることと併せて、二つの事業による主な支援が人材交流であることから、たとえばKMITLとの既存の共同研究や共同事業を元に申請することが事業趣旨にかなうことを回答しました。
その後、Dr. Ruttikorn副学長より、最近のタイの大学を取り巻く環境が紹介され、民間との共同研究や、基金を利用した研究者派遣などについて説明がありました。
最後に、Dr. Ruttikorn副学長から、災害と大学の役割についての公開セミナーが6月30日に東海大と共同で開催されることが紹介され、当センターとしては喜んで参加させていただく旨、回答しました。