第6回JSPSフィリピン同窓会(JAAP)シンポジウム及び同窓会総会の開催

2018年9月5日、セントラル・ルソン州立大学(Central Luson State University: CLSUフィリピン・ムニョス市)で第6回JSPSフィリピン同窓会(JAAP)シンポジウムが開催されました。同シンポジウムは、フィリピン科学技術省(Department of Science and Technology: DOST)主催の科学技術広報イベント「e3-START2018 International Academic R&D Festival“Merging Art and Science for Next Generation Innovations”」の一環として実施されたものです。

シンポジウムは、CLSUのMelissa E.Agulto学術担当副学長の開会の挨拶で始まり、続いて、CLSUのTereso A.Abella学長、DOSTのLeah J.Buendia国際交流担当次官補からメッセージが述べられました。

今回のシンポジウムでは、日本人研究者2名の講演が行われました。最初に、東京工業大学の山下幸彦准教授から” A Brief Introduction to Artificial Intelligence”についてご講演頂きました。

山下先生のご講演では、人工知能についてその研究分野の広い裾野が紹介された後、統計的学習理論や人口知能でのホットトピックである深層学習に関する説明と、深層学習を応用する畳み込みネットワークと敵対的生成ネットワークに関してご説明がありました。

 

山下幸彦准教授

山下幸彦准教授

 

 

引き続いて、東京都市大学の田村慶信教授から” Analysis Methods and Tools Based on Deep Learning for Big Data”と題しご講演頂きました。

初めに、ビッグデータは現在様々な場面での活用が進みつつあることが説明され、ビッグデータの概要およびビッグデータを扱う上での問題点としてのコピーライト等の問題について触れられました。

加えて、ビッグデータをAIにより分析した活用例として、ソフトウェア工学の観点からソフトウェア開発管理上におけるフォールトビッグデータや画像情報に基づく分析手法とツール化について説明がありました。

 

田村慶信教授

田村慶信教授

 

2つの講演終了後の質疑応答では、会場からそれぞれの先生に対して具体的な質問が数多くあがる等、参加者の強い興味関心を引く内容でありました。また、学生からは学習に関する質問も出されました。AIを学ぶ上での数学の学習の必要性についての質問に対し、山下准教授は「どのような分野に進むうえでも数学を学ぶことは役に立つので、可能な限り知識を身に付けて欲しい。」と回答されていました。

 

講演後は、山下センター長によるJSPS概要や国際事業についての紹介があり、会場にいた参加者は配布された資料に目を通しながら、熱心に聞き入っていました。

 

山下センター長

山下センター長

その後、JAAPのRenato Reyes会長からJAAPについて紹介があり、JSPSの事業への応募とJAAPへの加入を呼びかけがあり、引き続いて、JAAPのSusan Gallado 前会長をはじめとするJAAP会員数名から自らのJSPS事業の体験や意見などが述べられました。

 

Renato Reyes会長

Renato Reyes会長

 

今回のシンポジウムにはJAAPメンバーをはじめ約150名の参加があり、講演内容やJSPS事業に関する多くの質問や活発な意見交換がなされるなど盛況のうちに終了しました。

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