Thailand Research Expo 2013にてJSPSタイ同窓会(JAAT)セミナーを共催

2013年8月23日、バンコク国際会議場にて開催中のThailand Research Expo 2013の中で実施されたJSPSタイ同窓会(JAAT: JSPS Alumni Association of Thailand)による学術セミナー「Academic Initiatives’ on Thailand Transport Infrastructure Development」を共催しました。

本セミナーは、タイ学術会議の協力の下、JSPSタイ同窓会が主催し、JSPSバンコク研究連絡センターが共催したものです。

Dr. Bussaba

挨拶するBusaba同窓会会長

セミナーでは、Prof. Dr. Bussaba Yongsmith JSPS同窓会会長及び Dr. Soothiporn Chittmittrapap NRCT事務総長の挨拶の後、タイ国外からの招へい講演者として、世界銀行北京事務所のDr. Zhi Liu、アジア開発銀行のMr. Jami Leather氏、また東京大学の加藤浩徳准教授によるケーススタディが紹介され、高速鉄道導入による中国、日本、また世界銀行の事例が紹介されました。その後、キングモンクット工科大学トンブリのDr. Pongchai Athikomrattanakul助教、Institute of Industrial Energy, Federation of Thai Industries のThibodee Harnprasert氏によるタイの研究者及び起業家、投資家の視点からインフラ整備についての講演が行われました。

タイ国外の事例を踏まえた上で、官民両サイドの視点で講演が行われ、非常に上手く構成されたセミナーとなりました。

タイの2兆バーツのインフラ投資については、高速鉄道の入札を9月に控え、非常にホットな話題となりました。タイの高速鉄道の導入に際して、日本では新しい新幹線が開通することによって多くの経済的な影響があったものの、1964年当初の開通時は格安航空会社(LCC)も高速道路も無い状況であり、既に陸上の交通網は整備されているタイの現状とは異なること、既存のタイの鉄道自体がかなり老朽化しており、複線化を含めたその整備の検討であること、バンコク都内の鉄道の整備も進んでいること、またこのインフラ投資をするために国の借金が必要となることから、まだまだ実施方法に対しては議論が必要となり、今回のセミナーでも参加者と講演者の間で多くの意見交換が行われました。また、東京大学の加藤准教授からは、高速鉄道を導入するとしてその成功のために必要な条件、LCCと競争する条件について、1)出発頻度が多いこと、2)多くの乗客を輸送できること、3)安全性、4)駅へのアクセスを挙げられました。

タイの高速鉄道計画は既に動き始めており、この計画をいかに持続可能な社会経済成長につなげることが出来るか、本セミナーを通じて参加者が学ぶことが出来ていればと考えています。

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